アフロディに妹がいた!?   作:ゆーこー

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筆者「最初に謝っておきたい」

マキ「なに」

筆者「イタリア戦のあと、影山と話す花瑞のシーンをいれていたつもりがすっかりいれ忘れていた」

マキ「はぁぁぁぁあ!?重要じゃん!?どうしてくれんのよ!」

筆者「今回埋め込みます!許してください!」

マキ「あとで覚えてなさい!ばかぁ!」

ヒロト「あとがきにつづく」


ガルシルドの影 あとがきに自作花瑞のイラスト有

 合流したイナズマジャパンはズタズタであった。天使と悪魔と戦ったメンバーもその死闘の中で何名かの重傷者を出した。染岡、小暮、そしてオーガとの戦いで八神、杏、黒嶋が出場困難となった。

 

現在試合に出れるのは

 

1.円堂

 

2.花瑞

 

3.壁山

 

4.風丸

 

5.(空席)

 

6.クララ

 

7.飛鷹

 

8.不動

 

9.吹雪

 

10.豪炎寺

 

11.虎丸

 

12.鬼道

 

13.ヒロト

 

14.マキ

 

15.佐久間

 

16.立向居

 

そして代表リストに乗っていた小暮、杏、染岡、八神、黒嶋に加えて緑川も復帰の目処が立っていない。一試合だけベンチに空きを作り、比較的怪我の復帰が早そうな杏を待つしかないのであった。

思いがけない緊急事態に戦力を大きく削がれたことは久遠監督にとっても大誤算であった。

これから決勝トーナメントだというのにベンチに空席、その枠を早く埋めたいと杏は早朝からクララの付き添いで外でトレーニングを行おうとしていた。

宿舎を出てすぐに次の対戦相手のキャプテン、ロニージョに呼び止められたことでその予定はお釈迦になるのであるが……

 

「そこに誰かいるのか?」

 

クララは人の気配を感じて壁に話し掛ける。

 

「スゴいな…俺はマック·ロニージョ。悪いが、キャプテンに会わせてくれ」

 

面倒なことに巻き込まれる予感がクララの脳裏によぎるが円堂を呼びに行った。そのまま離れることもできたが、次の対戦相手にわざわざ宿舎まで訪れて話す内容が気になりクララは物陰に隠れて聞き耳を立てていた。

そこで耳にしたのはロニージョが円堂に対して八百長をして欲しいという旨の内容。しかし、そのときのロニージョの挙動には違和感を覚えるのであった。

 

 

 

「円堂、ロニージョのことどう思う?」

 

「聞いてたのか? あいつのボールには本気の勝ちたいって意志があった。そんなやつが、あんなこと言うとは思えない。」

 

「おや? 珍しいペアじゃん、どうしたのさ」

 

朝食を済ませた花瑞とマキ、マキは円堂とクララを見るなりそう話し掛けた。

 

「やれやれ、自分から面倒ごとに首を突っ込むやつがいたよ。聞きたい?」

 

「何よ? チームメイトに隠し事なんて、マキ嫌いだよ?」

 

「円堂さん、悩みがあるなら聞きますよ?」

 

こうして、円堂、クララ、マキ、花瑞という珍しい四人組はブラジルエリアへと向かった。

ブラジルエリアの中心にある大型液晶には現ブラジル監督であり大会主催者のガルシルドのPR動画のようなものが流れていた。

サッカーを通じて世界平和など、聞こえのいいことを語っていたのを見たすぐあと、黒服の男二人に攻撃的な態度を取られていた兄弟がいた。ブラジル代表の選手ラガルートとその弟である。

花瑞達がいることに気付くと黒服は慌ててその場を去るが、その後花瑞達は彼の弟の言葉をきっかけにガルシルドという男が凶悪な支配者である可能性が浮上し、ブラジル代表を救うべくその悪事の証拠を暴こうとガルシルド邸への侵入を決意した。

 

「その前に一度宿舎に戻ろう」

 

「なんでだクララ? 少しでも早くガルシルドの情報を」

 

「その情報、何処に保存するつもりだ? 私のノートパソコンと外付けSSDが宿舎にあるから、それを使おうと思ってるだけ」

 

「そっか、ありがとうクララ!」

 

荷物を整えて改めてガルシルド邸への侵入を試みる。周りは高い壁に覆われているが近くに木が大量に生えていた為に登ることで簡単に中に入ることが出来た。

しかし、そこから建物に入る場所が見つからない。

 

「マキがこのガラスをぶっ壊して中に入ろうか?」

 

「そんなのすぐ入ったのがバレるだろ、頭扇風機か?」

 

「誰の髪型が扇風機ヘアーですって!? クララぁ!」

 

「二人ともあんまり大きい声出すとバレちゃいますよ」

 

花瑞がマキを静めて改めて侵入方法を考える。

 

「なぁ、あの用水路とかどうだ?」

 

円堂が指差すのは建物の中へと明らかに繋がっている用水路、しかしクララが待ったをかける。

 

「私は電子機器を抱えてるんだぞ、あんなところに行ったら壊れちゃう」

 

クララは諦めてマキにガラスを破壊させる作戦を選んだ。

 

 

 

 

「む? 侵入者です! これは……日本代表か」

 

監視カメラに映る花瑞達を確認したヘンクタッカーは黒服を向かわせた。

 

「まあ、即バレだよな」

 

クララは怪しい部屋がないか探しながら走って逃走している。

 

「見つけた。あの扉のところにいく」

 

クララは先頭に立ってその扉を解放。花瑞、マキが入り円堂が最後に入ったらそのまま扉を閉めた。

 

「当たり、やけにこの部屋冷えてるしこの部屋の機械が多分データベース」

 

 

クララは自分のパソコンを取り出してUSBで接続する。

 

「クララ! 早く!」

 

 

「少しだけまって、コピーの時間があるから」

 

目金には劣るがヒロト以上のパソコン関連全般への強さを見せるクララは早々にデータを見つけてコピーに移る。

 

「こっちは……やめとこ。よし、もういいよ」

 

クララはノートパソコンを仕舞って逃走の準備を整えた。花瑞達はドアにタックルする黒服達のタイミングに合わせてガードを解き、勢いよく突っ込んで扉が開き転倒した黒服達を確認してから全速力で逃げ出した。

無事データを奪取した四人は宿所へと戻り、データを響木へと渡した。

 

 

「こいつぁ、とんでもねぇデータを持ってきたなぁ」

 

「もっとヤバイのもあった。さすがに持っていったらこの宿舎に鉄球が落ちてきてもおかしくないからやめた」

 

クララは平然とそう言って皆を驚かせた。取ってきたデータは響木監督が責任を持って警察へと持っていくことになった。クララは念のため、予備のデータを自身のUSBメモリにも残しておき、信頼の出来る警察の知り合いがいるならその人に渡すように大人に対して伝えて彼が無事であることを心の中で祈った。

 

 

 

 

 

イタリア代表との試合に負けたあの日、花瑞は敗北という結果にどこか呆然としていたときのことであった。

ミスターK、影山が彼女の元に現れた。

 

「最後に、話しておくべきことがあると思ってな。今、いいかな?」

 

「……はい」

 

一気に現実に引き戻された花瑞はキリッと顔を引き締めて影山を見た。

 

「私と君の兄……いや、君の家族との出会いは私がこの道に進んで数年たってからであった」

 

 

その頃、帝国学園の総帥になったばかりの影山は全国に何百もの部下を忍ばせていた。その中の一人が花瑞の母親であった。韓国からの留学生であった大学生の父親との駆け落ちを気に影山の元を離れようとしたとき、優秀だった母を手放すことになる影山はそれを惜しみ、日本に留まらせ、花瑞の母を自分の目が届く範囲に置いた。

 

ある日、ふたりの間にまことに美しき男が生まれた。その男は三つ子の時にはサッカーを始め、その才能を見せていた。影山はその少年に強い興味を持ち、その親が彼女達であることを知ってしまった。

ある日、影山の元を事実上抜けたにも関わらず生きている存在。つまり、花瑞の母親の存在に気付いた影山より更なる上の存在、そのときの説明では花瑞はわからなかったが、それがガルシルドであるというのを今になって理解した。ガルシルドは情報の漏洩を恐れて影山に組織を抜けた部下の口封じを徹底するように指令を出した。

 

 そのとき、花瑞の両親は二人の子供に恵まれていた。そう、花瑞とアフロディである。影山はアフロディを預かること、アフロディとの接触の一切を禁じることを条件にこの指令を無視して花瑞の家族の身を保証することを花瑞の母親に約束した。

母親はその全てを説明することは出来なかったが夫に納得してもらい生き長らえた。

 

「しかし、お前は会ってしまった。あのフットボールフロンティアで。兄とな」

 

「だから……ですか?」

 

「あれ以上は庇いきれん。まさかその後父親の方の息の根を吉良財閥の部下に止められるとは思っていなかったが。申し訳なかったと今でも悔やんでいる」

 

「わたしには、そこまで難しいことを父母は教えてくれませんでした。わたしも幼くて理解できなかったからだと思います。でも、両親はそれでも私にサッカーを勧めました」

 

「そうか、両親はサッカーを憎んでいなかったということだな。兄を奪ったサッカーを。むしろ、お前にはサッカーを楽しんで欲しかったのかもしれんな」

 

「そうですね、私はサッカーを通じていろんな出会いや別れをしました。お兄ちゃんに会えて、ライバルに会えて、仲間に会えて、大切な人との別れもあったけど今は後悔してません」

 

「……サッカーは楽しいか?」

 

「はいっ!」

 

花瑞は自身を持って答えた。

 

「なら、これ以上俺が喋ることもない。覚えておいてくれ、俺なんかは世界の闇の一部に過ぎない。今、このサッカーを脅かしている力は私よりも遥かに凶悪だ。だが、サッカーを嫌いにならないようにな。わたしのように、大切なことを見失わぬよう」

 

花瑞にとって最後の影山との会話であった。その後影山は事故死した。しかし、彼の言っていたことがいま目の前で起きていることなのだろうと花瑞は直感的に理解していた。だがそれももう解決したはずだ。警察が逮捕して終わり。ブラジル代表と心の底から楽しめるサッカーが出来るのだ。

 




筆者「えっと、マキさん? なんでわたし女子会のど真ん中に両手両足を後ろに縛られて拘束されているのです?」


クララ「当然だ、とんだ大バカなことをしたのだから」

杏「イグナイトスティール、どこに喰らう?」

マキ「もちろん、メテオシャワーもあるわよ?」

筆者「ま、待て!今回! 花瑞のイラストを用意した!」

八神「とりあえずみんな待ってあげよう。 見せてくれないか?」


【挿絵表示】



クララ「まあ、おおむね花瑞の魅力は出てるんじゃないか?」

マキ「花瑞はもっと芯の強い目をしてるけど? やっぱメテオシャワーだわ」

杏「お先にイグナイトスティール!」

筆者「ちょわ!?」

マキ「メテオシャワー!」

筆者「やめ!」

クララ「アザや腫れがひどいな。わたしが冷やしてやる」

筆者「く、クララ……」

クララ「フローズンスティール!」

筆者「っいぎゃーーーー!」

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