宿毛泊地提督の航海日誌 夏イベ編   作:謎のks

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皆様、お疲れ様です!

とうとう長かった夏イベ編が終わりました。…いや、春イベの言葉を見事にフラグ回収してしまった…

皆さんにも苦労かけましたが、ここまでついてきてくれて、感謝です!

…それでは少し短めのエピローグ、楽しんで頂ければ幸いです。どうぞ!


宿毛泊地提督の航海日誌 夏イベ編 エピローグ

「おーし! 皆ぁ準備えいか?」

「うぇーい!」

 

提督の声に答える艦娘たち。

 

日差しと晴れ渡る青空が広がっている。今回の「祝賀会&歓迎会」は宿毛泊地の外でやる。

 

天気が良いためか、どこからともなく地元の人たちが集まって来る…もちろん艦娘や、一部の深海の姫も顔を連ねた。

 

「よっしゃあ! 今回も、お疲れっしたー!」

 

 

「カンパーイ! (キンッ)」

 

グラスを隣にいた人同士で傾け、軽快な音を立てた。

 

今回の夏は、今まで以上に長く、険しいものだった…何せ地球を半周する程。更には「アクシデント」もあったが、何とか収めることが出来た。それと言うのも…

 

「ナレーターさん! いつまでそうしてるんですか? もうその「口調」は良いんですよ?」

 

…いや、吹雪ちゃん。ここまでやって私必要かなって? もう全部シリアスでいいかなって?

 

「なんでですか! いつも暗いのはイヤって、ナレーターさんが言ってるんですよ?」

 

うーん。まあいいか? では皆さん、もうしばらくお付き合いくださいね?

 

…さて、今回のアクシデントは言うなれば様々な「因果」が絡み合った結果に起こったもの…いえ、起こるべくして。ですかね?

 

総督、欧州の危機、更には過去の戦争…これらは全て「人間」の手により(直接的な原因はないにしろ)巻き起こったもの。

 

そう考えると、人はある意味神さまより凄い力があるってことですかね…ま、今更ですか?

 

もちろんそんなことはないのでしょうけど、今回を機に改めて「人類が行ったこと」を見直してもいいかもしれません。

 

「ナレーター! おんしゃぁ言ゆうことがまぁだ固いぞぉ?」

 

うわ、酔っ払いだ。

 

「コッチ来て酒飲むか? おおん? 来れんち言い訳は無しぞ! オマエも仲間やきなホラ? ///」

「司令官昼間からお酒飲み過ぎです…」

「吹雪、オマエもこっちきぃや! 近所のおんちゃん(おっさん)らぁに可愛い顔見せちゃりぃ…ヒック」

「分かりましたから、ほら? お酒はほどほどに」

「わっかりやしたー! いいもん、後でくうさんらぁと飲みに行くき」

 

吹雪ちゃんに連れられ、提督は会場に戻っていった…やれやれ?

 

まあ、仕方ないですね? 今回は危なかったですから。喜びもひとしおです。

 

その代わり、色々謎も残っちゃってますけど…まあ、それはおいおい。…おや? 照月ちゃん?

 

「………(ズウゥゥゥン)」

「照月ェ…」

「なに、次があるさ? お前は良く戦ったよ」ドヤァ

「腹立つー! その言い方メッチャ腹立つぅーー!!!」

 

ああ、あれだけ啖呵切ってさほど活躍していないことを気にしているんですねぇ?

 

「もーう!! 声に出さなくていいから!! …どーせ私は役立たずだよぅ」

「まーあ、その分蒼龍が活躍したんだぁ。良しとしよぉうじゃあねぇかぃ?」

「そうだ。また来年活躍すればいい」

「…それまで私の出番残ってるかなぁ?」

「………(目逸らし)」

「いそちゃん!? 何とか言ってよぉ!!?」

「ハハハ! ハッハッハーァ!!」

「ノリちゃんも笑ってごまかそうとしないでぇーー!!!」

 

まあ、本人はああ言ってますが、皆頑張ったからこそです、よね?

 

…さて、そんな賑わいを見せる会場を、遠くの丘の上から見つめる影が二人。

 

『…フフッ。楽シソウ』

『ソウ思ウナラ行ッテクレバイイ。誰モトメナイサ?』

 

なっちゃんとしゅうちゃん。宿毛艦隊とは不思議な縁を築いている彼女たちですが、それでも気が引けるんでしょうか中々会場に足を運ぼうとしません。

 

『…シュウチャンコソ、行ッテキナヨ? 私ノ分マデ楽シンデキナヨ!』

『全ク、ドウシテソウ頑ナニ…』

『ダッテ私ハ、モウ「時間」ダシ…』

『ソレデモ顔位見セテヤレヨ。アイツラハ』

『…ウウン、ヤッパリイイ。マタ来年会エルシ? …サヨナラハ、言イタクナイノ』

『ソウカ…マアオ前ノ好キニスレバイイ』

 

彼女たちは会話を終えると、おもむろになっちゃんが距離をとる。

 

『…フフッ! 今回ハイツモヨリ楽シカッタ!』

『マタクレバイイ…イツデモ、待ッテイル』

 

しゅうちゃんが微笑むと、二人だけの言葉で別れを告げる。

 

『…ジャア! マタ来年ネ!』

『…アア、マタ』

 

しゅうちゃんがそう言うと、夏の終わりを感じさせる秋のそよ風が、二人の間に吹いた。

 

夏の姫は、その風に乗って姿を消した。

 

『……フゥ』

『おやおやぁ? お熱いっすね〜? お二人ともぉ?』

『…何ダBBAカ』

『テンメェそのぐれー言えんだったら心配ねえなぁ? あん? せっかく慰めてやろーと思ってんのによぉ?』

『ハッ! 誰ガ慰メルダ? 顔ニ似合ワズ女々シイオ前ガカ?』

『はぁ!? テメェいい加減に』

『…オ前、奴ラト戦ッタ時作戦ヲバラソウトシタダロ?』

『げっ!!?』

 

彼女が言っているのは、この台詞でしょうか?

 

 

『-気をつけて。その先は「罠」だ…』

 

 

『なななっ何言ってんすかぁ!? ウチは』

『心配スルナ。バラシハシナイサ? 特ニ僕タチノ提督ニハ』

『…ふぅ。だってあの胡散臭いヤローが指揮したんしょ? なんか気に食わねーっつうか?』

『ソレデアレヲ失ッテハ世話ナイナ? アレハアレデ有能ダッタロウニ』

『アンタも乗ったんだから、同罪っしょ?』

『違イナイ。…ソレハソレデ、サッキカラ後ロニ視線ヲ感ジルンダガ?』

 

おや? 確かに見ると木の後ろに誰か…?

 

『…何シテルンダ? 戦艦』

 

観念して出てきたのはせんちゃん。彼女もまた宿毛泊地とは縁浅からぬ仲ですね?

 

『…イヤ、少シ様子ヲナ?』

『ナラアソコマデ行ケバイイ。一緒ニ行クカ?』

『ソレハ出来ン。私ハ深海ノ姫、ソレモアノ人ニ一番近イ…私ガ行ケバ、他ニシメシガツカン』

『…ハア。マアナンデモイイガ?』

『めんどくせーすね? もういっそ皆でボイコットする? アハートも向こうに居ついたみたいっすし?』

『…フ、ソウ言ウナ? 彼ニモイイトコロハアル。ソレニ』

 

せんちゃんは言いながら泊地に背を向け歩き出す。

 

『…彼ニハ、私ガ必要ダカラナ?』

 

まるで恋する乙女の顔で微笑むと、彼女はその場を後にした。

 

『ホントに様子見に来ただけとか…;』

『マアイイダロ? …サテ、行クカ? アア、マタ秋イベマデ狩ラレルノカ…』

『いんじゃね? 横須賀とかにボコられても、ここで休めばよ?』

『僕ハマダイイガ? BBAハソロソロ隠居ヲ考エナイトナ?』

『そうそうここで第二の人生をね? 予約しとこうtってオラぁーー!!!』

『ハッハッハッハ!!!』

 

二人でじゃれ合いながら、泊地に向かい駆け抜けていく…私が言うとアレかもしれませんけど、皆良い人過ぎません?

 

 

 

 

…さて、盛り上がったパーティも終わりを告げ、夕方になり片づけに勤しむ艦娘たち。

 

夕陽に照らされながら何とか片づけを終えると、各々の部屋に戻っていく…そして夜が降りてくる。

 

夜空には銀色に輝く星の光が、黒の絨毯に敷き詰められていた。

 

「綺麗だねぇ」

「ああ…」

 

蒼龍とアークは、二人で泊地前の新港の車止め(黄色と黒のアレ)に座り込み夜空の星を眺めていた。

 

「ねえ? アーちゃんの乗員さんたちと見たのって、こんな感じだった?」

「…どうだったろうか? 記憶が朧気でな、楽しかったということしか覚えてない」

「そっか…でもいいよね、大事にされててさ、愛娘って感じでさ?」

「Soryuもそうだったんだろ?」

「私は…まあ変人が多かったけど、それでも十分愛されたかな?」

「なら、それを誇るといい。それをしないのは彼らに失礼だぞ?」

「はーい。ふふっ」

「ははっ」

 

二人は朗らかに笑い合い、持ってきた酒を少しずつ飲みながら楽しむ。

アークは「日本酒」は初めて見るらしいが「澄み渡って、味も不思議だな?」と興味深げだった。

 

「…なあSoryu? 質問があるのだが」

「ん~。なあに?」

「どうしてお前は、私を助けようと考えたのだ?」

「…それ聞いちゃう?」

「ああ、聞きたい」

 

んー。と蒼龍、悩まし気に声を出すと、間を置いて一言。

 

「ほら、アーちゃんって私と共通点あるというか」

「それは本格空母としての役割の事か?」

「んーそれもあるけど…私って、南雲機動部隊の一員じゃん?」

「ああ。音に聞こえし日本最強の機動部隊だな?」

「うん。でね? 私ってその中でも「最弱」だって自負があるのよ?」

「…hm.それはあまりに考えが飛躍してはいないか?」

「自分でもそう思うけど、赤城さんは私たちのリーダー格だし? 加賀さんは練度も戦果も、佇まいも一級品だし? 飛龍は…言わなくても分かる?」

「「Counterattack of Hiryu」だな?」

「そう。私そこからすると「何の取り柄もない」わけよ?」

「待て。お前にもいるだろう、ほら「EKUSA」だったか?」

「江草さんは…確かに私とは切っても切り離せないって感じだけど、他の三人からすると…言ったらアレかもだけど「地味」というか…」

 

アークは蒼龍の愚痴に似たネガティブな発言を聞くと、はぁ。とため息を吐き

 

「蒼龍。お前は私を救ってくれた。そんなお前が「地味」なものか、今度言ったら怒るぞ」

「ごめん。そうじゃないのよ? …ホラ、誰かさんに似てない? 決めつけているとことか?」

 

…あ。と少し顔が驚きの表情になるアーク。

 

「…You're nitpick.(揚げ足取りめ)」

「ふふふっ、違うったら。…私なら、貴女を分かってあげられるんじゃないか、ってね? 言ってくれた人がいたの。…最初はどうなるかと思ったけど、何とかなってよかった」

 

蒼龍はそう言うと、星空を見上げ微笑んだ。

 

「そうか…I see.なら、そのモノにも感謝しなければ」

「ううん。あーちゃんは「全員」に助けられたのよ? 少なくともここにいる「泊地」のみんなにね?」

「…ああ、そうだな?」

 

アークは誇らしげに上を向いて夜空の星を眺めた。

 

「私ももう暗いこと言ってられないな? 目の前に貴女みたいな人がいたらね?」

「そうだぞ? もう一度そんなこと言ってみろ。絶交するぞ」

「え!? ヤダヤダ!」

「…ふん。ジョウダンだ?」

 

アークがフフンと鼻息を鳴らすと、蒼龍が口を開け驚き、すぐにムスッと顔をしかめた。

 

「Sorry.そう怒るなsoryu」

「ふんだ。どうせ私なんて…」

「……Soryu?」

「あ、はーい。気をつけまぁ~す…」

 

「「…ふっ、あはは!」」

 

二人で笑いながら、アークは星空を見上げて心の中で愛しい者たちへ思いを馳せた。

 

(皆…私は元気でやってるよ? これからはこの場所で…私を助けてくれたモノたちと共に、この海の平和を守っていくよ…だから、それまでは)

 

 

― Good bye, my dears.

 

 

こうして…長いながい航海の果て、欧州、そして世界を救った艦娘たちの、一か月に渡る「夏の戦い」は幕を下ろしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

…だが

 

そのひと時の平穏の水面下では、次なる戦いの種火が焚かれようとしていた。

 

『…総督』

 

 

 

― 次の作戦は、私が直接指揮を執る。

 

なぁに、少し前へ出るだけだ? 無茶はせん。

 

…ヤツは必ず現れる。でなければ、アイツは私のーーー

 

 

 

『…モウ怒リモ、憎シミモ、湧イテコナイ…デモ』

 

『私ハコノ「虚無」ト共ニ、何トシテモアノ御方ノ夢見タ世界ヲ実現サセル…!』

 

ソノタメニハ…

 

彼女の視線の先、そこには緑に光る生物的なバイオカプセルに入れられた一人の「少女」が

 

『貴女ノ力が必要ヨ…!』

 

新たに建造される深海の姫。

 

彼女が、宿毛泊地に最大の試練を与えようとは…この時、知る者はいない

 

『………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




終わったアーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!

イ”エエエエエエエエエエエエエエエエエエエ(ry

…はい。



皆さん改めて、こんな作品群を日頃から、そして最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。

ところで皆さん、秋刀魚祭りはどうでした?

私は完遂…ではなく、最後の任務をやり残してしまいました(まあ毎年そうだけど…)

…23尾だ



2 3 尾 だ 。



…もっと頑張れ? ウルセーこっちは忙しいんだよ!! (社畜の言い訳)

えーっ、と。

最後に、大事なお知らせがあります。

それは…次の秋イベ編をもって宿毛泊地の物語を「一旦区切り」とさせて頂きたい…ということです。

まあそういう体で話を進めて来たというのもありますが…一番の理由が「意外と時間がかかる」ということ。

僕も色々と他の小説に手を付けていきたいのです…すみません(これを流れの構成と動画編集でやってるんでしょ? ゆ〇っこ先生どんだけだよって話)

ああ、もちろん「日常」の方は終わっても不定期で更新するつもりです、ご心配なく!

…さて、長くなりましたが夏イベ編。これにて閉幕です!


ご閲覧、ありがとうございました!

…秋イベは楽でありますよーに (><;)

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