お休みのカミサマ 作:ああああ
本編の投稿は暫く遅れることになりそうです……!
ごめんなさい!!!
い、一応言い訳させてもらうと作者は今試験勉強してるんですね、就職試験の。えぇ、就活生なんです、はい。
じゃあお前投稿すんなよって、その通りですはいごめんなさい。返す言葉もございません。
本編のプロットはありますが、書き溜めはないんです。はい、じゃあ何で始めたんだよって、息抜き程度にやろうと思っていたら予想以上に評価が来て、感想が来て。もうプレッシャーで押しつぶされそうで……メンタルの方が……
あ、序のようになってしまいますが、評価、感想、心より感謝致します。まさか評価がつくと思っていなかったし、感想なんて来る訳ないと思っていたので驚きです。
前書きが長くなりましたが、今回はレストとジブリール視点の話。読まなくてもいい幕間の物語。
思いついたことを書きなぐるだけの、見るに堪えないものかと思います。……どうぞ。
20分クオリティです。推敲もしてないです、はい。
でも次にほんの少し、ほんの少しつながります。見なくても全然大丈夫なやつです。
幕間の物語:一方通行
――国立エルキア大図書館・とある一室――
……えっと、なんて言えばいいのかな。
「レスト様、紅茶をお持ち致しました」
「あ、うん……ありがと……美味しいです」
「お褒めに預かり光栄です、マスター」
突然だけど、誰かに甲斐甲斐しくお世話をされて恐怖を感じたこと、ある? 僕はね、今生まれて初めてその経験をしているよ。
「お菓子も御座いますが、如何なさいますか?」
「い、頂きます……」
「ふふっ、畏まりました♪」
怖い。ジブリールが甲斐甲斐し過ぎて怖い。僕ちょっと本読みに来ただけなのに。この前超一方的に主従関係を結ばれたはいいけど、どうしよう。どうしようって言っても僕に出来ることなんて無いんだけどね。
「~♪~♪」
鼻歌交じりにふよふよ飛んで、ゴキゲンそうなジブリール。
何か裏があるんじゃないか、と考えてしまうのは深読みしすぎかな。
僕は基本的に誰とでも友好的に接したいと思ってる。それはもちろんジブリールとも。心ではそう思ってる……多分ね、うん。
「クッキー、お待たせいたしました」
笑顔でクッキーを運んでくるジブリール。
……こ、この笑顔の奥にどうしても恐怖を感じて、うまく話せない。わかるかな、この感じ。
「……お気に召しませんでしたか?」
「い、いや美味しいです、はい」
敬語が抜けない!
どうした僕の体! お前は僕の心を映して動くんじゃないのか!?
(こわい、こわい)
あっ、僕の心映してた。
にしても何でこんなに恐怖心を……もしかして、本能的?大戦の時の記憶が刷り込まれてて見る度に体が思い出したりして……
「……マスター、私は何か失礼なことをしてしまいましたか……?」
「へ?」
「あ、いえ……何処か怯えたような表情をしていらしたので……」
バレてる!? 僕が内心ジブリールを危険人物リストの最上級警戒の欄に入れてることバレてる!?というか
まずい、なにされるの? またしりとり? 暴力的なことは盟約で禁じられてるからしりとりの中でぶっ倒してやるぜ! ってこと? と、取り敢えず誤魔化しておこう……
「お、おお、おおびえてにゃんかないよ!?」
「……」
自爆した
僕はもうダメだ……テト、あとは託した……って、何を託すんだろう。僕、何か残せるものあったかなぁ?
あ、ほとんど無い。
「マスター、私を恐れているのですか?」
「……えっと、はい、多分……」
何かいい言い訳とかありませんか? 現在急募しているんですよ、えぇ。宛先はこちらです。
あ、可及的速やかにお願いします。僕先長くないと思われるので。
「……そうですね、マスター。じゃんけんをしましょう。私は態と負けますので。賭けるものは嘘偽りない本心をこの場に限り語る、という物でどうでしょう?」
「へ? じゃんけん?」
どういう訳かジブリールが私わざと負けるからじゃんけんしよ! 負けたらこの場限りで嘘禁止ね! という勝負を持ちかけてきた。なるほど、わざと負けるっていう甘い言葉で釣って、僕に何かを話させる気だな?
でも僕はひっかからない。こんな勝負は降り……
「……」
降り……な、なんでそんなにじっとこっちを見つめてるの……ま、まさか《勝負に乗らなかったら、わかるな?》ってことなのかな……な、なんて凶悪な!
「……お願い、します」
だから何でそんなに必死に頼んでくるのさ!?
どうしよう、断ってもダメ、受けて負けたらダメ……や、やるしかないのかな?
「わわわ、分かったよ……その顔はやめて……」
「っ! ありがとうございます! では、私はパーを出しますので、マスターはチョキをお出し下さい。それでは」
「う、うん」
「「じゃーんけーん……」」
――ジブリールの所見――
「なぜグーを?」
「ジブリールが甘い言葉で釣って僕に何か言わせようとしてると思ったから、逆の手で行ったら負けた。まさか本当にパーを出すとはって、ちょっと僕何言ってるの!?」
「そうですか、では私を信じようとは?」
「全く思わない。テトはともかく、君はまだ知り合って日が浅いから信じるにも値しない。……そ、そんなことないと思うよ~?あははは……」
「……なぜ私を怖がるのですか?」
「下手打ったら殺されそうだから……ち、ちがうちがう!怖がってなんてないよ!?」
「ふむ……ではなぜ私に殺されそうと思うのですか?十の盟約で直接的な手は出せなくなりました。それなのに、なぜ?」
「君たちが首を取るところに何度か居合わせたんだ、神殺しをしたときも、
マスターは、私がパーを出すと宣言したにも関わらずグーを出し、勝負に負けた。私に働くはずだった盟約は、マスターにかかり、マスターは嘘をつけなくなった……ちょうどいい機会ですので、色々と聞いてみることにしましたが……
私が話を聞いて思ったことは、異常な程に疑り深く、リスクマネジメントを徹底的に行い、危機を取り払う。他人も、自らの力をも一切信じていない……と言った所でしょうか。文献にはマスターは【休みの神】と記載されていた筈。嘘のようだ、とても休みなんて優しい物じゃない。まだ【疑いの神】や【危機管理の神】の方がしっくりくる。
むしろマスターの神髄からどうしたらこんな性格が……
「居合わせた? おかしいですね、私たちが見逃すとは思えないのですが……」
「僕、隠蔽魔法と偽装魔法だけは生き残る為に必死に練習してたから……なんとか、やり過ごせたんだと思う。でも、本当に死ぬかと思った。流れ弾が掠るなんて普通だったから……なんで僕の口はこう勝手にペラペラ……」
魔法? 今魔法と……おかしい、それなら私たちの誰かしらが発動に気付くはず。
魔法発動を感知させない隠蔽、偽装魔法なんて、それこそ脅威足り得るもの。それも私達が気が付かないレベルの……高位の
練習と一言で言っても、どれだけ練習したんだこの人は。
「
「まさか、そんな物に興味を示していたら僕は今ここに立っていないよ。……アルトシュ君やカイナースさん、オーケインに一瞬で塵も残さず消されちゃうから。……それに、争いを引き起こすあの杯に、僕は魅力を感じなかった。それだけだよ。……はぁ……もう勝手に話せぇ……」
星杯にすら興味が無いらしい。この人は本当に神なのでしょうか? 欲という欲を感じません。
そして、私は最後の質問を投げかけました。
ですがそれは、私が踏み入ってはいけない問題だったかも知れません。
「では最後に。文献に乗る神髄からは想像もできないほど荒んだ心の様ですが……どうしてそこまで、他人を疑うのですか?」
「決まってる、死にたくないから。ただそれだけだよ。少し昔話をしようか……僕が生まれたのは、大戦の中盤から終盤にかけて。誰かがまだ休みを求めてた時……そんな願いが僕を生んだんだ。だけど、僕が安息を与える事なんてできなかった。みんな徐々に徐々に生きる事を諦めたから。僕は励ました、できる限り癒そうとした―――」
マスターは無表情で話し続ける。
「でもダメだった。一人、また一人と死んでいく。そんな状況にみんな耐えられなかったんだ。知ってる?人っていうのは、どうしようもなくなった時、そのやるせなさ、怒りを誰かに向けるんだ」
「まぁ、端的にいえば僕に向かってきた。なんで笑っていられるのか?自分たちを馬鹿にしているのか?ありもしない希望をもたせやがって……って。僕はその時
「……そんな所で僕は思ったんだよ、僕はこの人達に必要とされていないな、って。僕を生み出した存在を信じられなくなった僕は逃げ出した。僕は無力だ、そこで逃げるしか選択肢がないんだからさ。笑ってくれてもいいんだよ?」
「そんな訳で、僕が信じられるのは僕が付き合ってきて信用に値すると思った人だけ。キミはまだそこまで行ってないってだけの事。あぁ安心して、今の所僕が心を許しているのはテトだけ。君が特別信じられないってわけじゃないから……」
やがて話し終えたのか、ずん、と暗い雰囲気が目に見える程落ち込んでいるマスター。
……これは、安易に踏み入っては行けない領域でした。話を聞くだけで
……私は、なんと声をかけたら良いのでしょうか。
「……ほら、過ぎたことは過ぎたこと。彼らだって辛かったんだし、僕はそれを和らげてあげられなかった。それだけの話。僕は彼らを憎んじゃいないよ。今も安息を求める声は聞こえるけどね。僕は彼らを信用していない。彼らを癒す為に姿を現すことは二度とないんじゃないかなぁ……って、あの、ジブリールさん、そんな殺意に滾った目を……」
マスターに言われて気づく。私は頭の中が殺意で埋め尽くされていたらしい。当然といえば当然か。主をバカにされ、あまつさえ殴る蹴る。許される所業ではない。
「こ、怖い怖い……ぼ、僕だって力があればもうどばーっと安息を平等に与えたけど……ちっぽけなカミサマだからね、そんなこと出来ないんだよ……あはは……言ってて悲しい……」
「……あ、そうだ、君を信用出来ないことと、体が震える理由がもう一つあった」
もう一つ?何だっただろうか。
首狩り等の暴力的なことは先に挙げられた。では一体……?
「僕が信頼できるかなぁーって思った、“心を持った
その言葉を聞いた時、私は、
マスターに信頼されること、信用してもらえることは一生無いだろうと確信した。
――レストの心境―――
何でだろうね、何でこう……要りもしない情報をペラペラペラペラ喋っちゃうのかなこの口は!
ほら!つまんない話聞いてジブリールの顔がすごいことになってるじゃん!今にも“何つまんねぇ話してんの殺すよ?”みたいに殺意の篭った目線でこっちを見てるじゃん!
「こ、怖い怖い……ぼ、僕だって力があればもうどばーっと安息を平等に与えたけど……ちっぽけなカミサマだからね、そんなこと出来ないんだよ……あはは……言ってて悲しい……」
少しでも場を和ませようと、かるーい自虐ネタを入れておく。ぶっちゃけどうしたら場が和むかとかもう忘れた。
でもジブリールの顔はちょこーっとだけ殺意が薄れた気がする。
……ここまでは良かった。
でもね、僕ふと思い出したんだよ。あ、なんで体震えるのか分かった!って。
まさかね?思ったら口に出ちゃうと思わないじゃん。
「……あ、そうだ、君を信用出来ないことと、体が震える理由がもう一つあった」
「僕が信頼できるかなぁーって初めて思った、“心を持った
なんで言うんだと、何でそう不和を齎すこと言うのこの口は!お仕置きだぞ!……あぁほら!ジブリールの顔が凄いことに!
泣きそうなんだか何か言いたいのかもう訳分から無い顔してるよ!ほら、励ましの言葉を言うんだ僕!
「大丈夫、まぁ、十の盟約があれば暴力は振るえないし、今日いろいろ話したらなんとか、震えない程度にはなりそうだよ」
そうじゃないでしょ。そうじゃないでしょ!
もっとこう、きっちりとした励ましの言葉が……嘘言えないってこうも辛い?
「……ッ!はい。このジブリール、マスターから信頼を頂けるよう、精一杯精進して参ります……」
そう言って跪くジブリール。
なんだろうね、僕の心と彼女の心、いろいろすれ違ってる気がするんだけど気のせいかなぁ?
―――キングの駒―――
目当ての本を読み終わったから、僕は帰ることにした。
ジブリールとは変な雰囲気になっちゃったけど、次会ったらケロッとしててくれると嬉しいな。
「……なんと言うか、君も苦労していたんだね」
「また盗み聞き!?ちょっとー、僕のプライバシーどうなってるのさー」
そういえばテトには僕の過去って言ってないなぁ。
たまたま僕がふらっと歩いてたら見つかって、ここに連れてこられて、ゲームして、負けて……なんだっけ?
昔過ぎて忘れちゃったな。
「……この世界はどう?生きていて心地はいいかい?」
「そうだね……まぁ、戦いでの争いが起こらないだけ全然いいと思うよ。ゲームで決まる世界、いいセンスしてるね……」
また聞かれてたんだ。
テトは暇さえあれば僕か『』の二人の盗み聞きをしている。場合によっては盗み見もしてる。結構悪質だと思わない?
「……そっか、なら良かったよ」
「……そう暗くなられても……ほら、笑って笑って?僕は笑顔のが好きだなぁ……」
そう言ったら、何時もの顔になった。にぱっと笑って、指を鳴らす。
「そうだね……じゃあ、いつも通りさ―――」
「ゲーム……でしょ?神経衰弱でもやるの?」
「あったりー!よく分かったね?じゃあ何を賭ける?食べ物?買出し?それともマッサージとか?」
長年ゲームしてきた僕に、次のゲームを予測するくらい訳はない。具体的にはポーカーかババ抜きかナポレオンか大富豪か神経衰弱か七並べかブラックジャ……え?予測できてない?トランプ使うゲームのどれかって予想したんだよ?だってトランプ出したもん。たまたま適当に神経衰弱って言ったら当たっちゃった。
「そうだなぁ……あの建物へ侵入とか面白そう? 鳥居に高い建物……アンバランスすぎ……」
「あそこかい? じゃああの建物の内装を見てくる。……いや、あの中の誰かに一言話しかけてくる! ってことにしよう! スリルがあっていいと思わない?」
これまた難易度が高い……そういうのは面白くっていいよね。スニーキングミッション、上等だよ。
「いいね、それじゃあ、盟約に誓って……」
「盟約に誓って……」
「「
じゃあ、ゲームを始めよう。
true title
一方通行(的主従関係結ばれたんだけど解決方法募集してます、宛先はこちら!)
ダイオードみたら思いつきました。
※ダイオードが知りたくなったらググってください。いい子ですよ。