静かな恋の物語・18号編   作:ゼロ・リミット

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クリリンのことが心配になりカメハウスまでお見舞いに来た悟飯。18号はクリリンに対する自分の気持ちを隠して日々を過ごしていく・・・


第7話 クリリンの挑戦

 そして、3日後・・・

 

クリリンは18号の看病のおかげで全快し、二人は修行を再開することにした。

 

 

クリリン「18号さんのおかげですっかり元気になったよ!ありがとう、18号さん」

 

 

18号「そうかい、元気になったなら良かったよ・・・そういえば、修行はどうするんだい?」

 

 

クリリン「そうか!俺が風邪ひいたから中止したままだった。どうしようかな・・・まだ治りたてだし、無理するわけにもなぁ・・・」

 

 

18号「それならここら辺の海でやればいいだろ。今は同じとこにいるんだから」

 

 

クリリン「それもそうだな・・よし!じゃあ、やりますか18号さん」

 

 

18号「ふふ、いいよ、かかってきな!」

 

 

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クリリン「はぁはぁ、やっぱり強いな18号さんは」

 

 

18号「あんたがなまってるだけだろ、風邪ひく前だったらもう少し戦えたんだけどね・・」

 

 

クリリン「それでも少しなんですね・・・」

 

 

18号「そりゃそうだろ、あんたと私じゃレベルが違うよ・・」

 

 

クリリン「そうか・・・でもいつか追い越せるように鍛えないと!」

 

 

クリリンが照れくさそうに笑うと18号も優しく微笑んだ。

 

 

18号「そうだね、頑張んな。ま、あんたが私を超えるのは100年後くらいかな」

 

 

クリリン「それは、凄い道のりになりそうだ・・・」

 

 

他愛もない話をしながらカメハウスに帰るとそこには亀仙人が帰ってきていた。

 

 

クリリン「武天老師様!帰ってたんですね」

 

 

亀仙人「おお、クリリンか!お前今までどこ行ってたんじゃ?」

 

 

クリリン「いや、体がなまってたので修行を・・・」

 

 

亀仙人「そうか・・・?後ろに誰かいるようじゃが・・」

 

 

亀仙人が尋ねるとクリリンが答える前に18号が前に出てきた。

 

 

18号「邪魔してるよ、爺さん」

 

 

亀仙人「お、お前さんは18号!なんでこんなところに?!」

 

 

クリリン「話せば長くなるのですが・・・」

 

 

亀仙人「ふむ・・なるほどのう。それならば無粋な真似はできんのう」

 

 

クリリン「武天老師様?」

 

 

亀仙人「よし、ではワシはまた旅に出るとするかの」

 

 

クリリン「なんでまた?」

 

 

亀仙人はクリリンの耳元に小さい声で話した。

 

 

亀仙人「クリリンよ、お前は18号と二人で生活するのじゃ。お前からグイグイ行かんと誰かに取られてしまうぞい」

 

 

クリリン「大きなお世話です!」

 

 

18号「まだ終わらないのかい?なら、私は外に出るけど・・・」

 

 

亀仙人「いや、今ちょうど終わったところじゃ。ではクリリン、行ってくるぞい」

 

 

クリリン「お気をつけて」

 

 

亀仙人はカプセルから水陸両用の車を出すとカメハウスから離れていった。

 

 

18号「あの爺さん、またどっか行ったのかい?」

 

 

クリリン「また旅に出るってさ。今回の旅は長くなりそうだって言ってた」

 

 

18号「そうか、腹減ってないかい?ご飯にしよう」

 

 

クリリン「18号さん、なんか優しくなりましたね」

 

 

18号「バ、バカ言うんじゃないよ!飯抜きにしたっていいんだからな!」

 

 

クリリン「そ、それは勘弁してよ18号さん!」

 

 

クリリンが頼むように言うと18号はしてやったりという笑みを浮かべていた。

 

 

18号「そういえば、気になってたんだがお前は孫悟空と一緒に修行してたんだよな?」

 

 

クリリン「ん?・・あぁ、牛乳配達とか畑作業とかね」

 

 

18号「それは修行と言えるのか?ただの仕事じゃないか・・・」

 

 

クリリン「まあな、でも悟空は俺より強くなったからな。もう追いつけないくらいに・・・」

 

 

18号「何言ってんだい、これから修行して強くなればいいだろ」

 

 

クリリン「いや、もう追いつけないさ・・・あいつはサイヤ人だから・・・」

 

 

18号「なんでそうやって諦めるのさ!」

 

 

クリリン「あ、諦めてるわけじゃない!でも、無理なものは無理なんだ・・・」

 

 

18号「・・・そうかい。なら、こうしようじゃないか」

 

 

クリリン「?」

 

 

18号「もし、あんたが私との組手で勝てたらデートに行ってやるよ。期限はこれから1週間後、それまでに倒せなかったらあんたの負けだ」

 

 

クリリン「ちょ、ちょっと待ってよ。俺が18号さんと組手?!勝てるわけないよ・・・」

 

 

18号「嫌ならいいんだよ・・・あんたが私とデートしたくないって言うならね」

 

 

クリリン「!?・・・やる!やるよ18号さん!」

 

 

18号「そうかい、少しは根性出したか・・・頑張んな」

 

 

18号はからかうように笑うとクリリンの頬にキスをした。

 

 

クリリン「え・・・じゅ、18号さん!?」

 

 

クリリンが照れながら戸惑っていると18号は何も言わずに外に出ていった。

 

 

クリリン(どうしよう!?キスされちゃった!でも修行を頑張って組手に勝てたら18号さんとデート・・・)

 

 

クリリン(絶対に強くならないと!18号さんとデートに行くんだ!)

 

 

その頃、カメハウスを出た18号は気分転換に空を飛んでいた。

 

 

18号「何だってんだい?・・・今までキスしたってこんなにドキドキすることなかったのに・・・」

 

 

18号「それに、組手で勝ったらデートって・・・勢いに任せて言っちゃったけど何てことを言ってしまったんだ・・」

 

 

18号「でも、あんなに落ち込んでるあいつなんて初めて見たよ・・・」

 

 

18号「あいつの面倒は私が見ないと駄目になりそうだね・・・」

 

 

18号は空を飛び回って気分転換するとカメハウスに戻った。

 

 

クリリン「じゅ、18号さん!」

 

 

18号が家に帰るとクリリンが寄ってきて大きな声で話しかけてきた。

 

 

18号「!・・どうしたんだい?」

 

 

クリリン「あ、あの・・・デートの話って本当に?」

 

 

18号「しつこいなぁ、行ってやるって言ってんだろ!」

 

 

クリリン「そ、そうだよね・・・分かった。頑張るよ!」

 

 

18号「そうそう、その意気だよ。今日はもう夕方だから明日から組手するからね」

 

 

クリリン「わかったよ、18号さん」

 

 

こうしてクリリンのデートを懸けた挑戦が始まった。クリリンは18号との組手に勝ちデートに行くことは出来るのだろうか?

 

 




皆さんご機嫌いかがでしょうか?ゼロ・リミットです。
第7話いかがでしたか?投稿を再開してから二本目の投稿ですが感覚を取り戻しつつあります。
次回からは恋の物語が少しずつ動き出します。
第8話ぜひご覧ください

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