前回、クリリンを看病する18号。クリリンの身の回りの世話をしながら、謎の感情の正体を探していたが自分では分からず、ある人のところへ行くと考えたらしいが・・・
18号「食材が無くなったから、買いに行ってくるよ」
18号はクリリンにそういってカメハウスを離れた。18号の目的は買い出しもあるがある人に会いに行くことだった。
18号「確か・・こっちのほうだったな」
18号は進路を確認すると飛ぶスピードを上げた。
ーーーー数十分後
18号「この街か・・・大きめの家に住んでるとか言ってたな」
18号が探していた街は西の都・・その大きな家とはカプセルコーポレーションのロゴが入った家のだった
18号「ここにいるはずだ・・わたしの爆破装置の解除ボタンを作ったやつ・・・」
18号は謎の感情について知るため、また自分の体をメンテナンスしてもらおうとブルマのところへ来ていた。
ピンポーン、18号がベルを鳴らすと出てきたのは小さな男の子だった。
トランクス「・・・おねーさん、だーれ?」
トランクスが首を傾げながら尋ねると
18号「このガキ・・・たしかベジータの・・」
18号がそう思っていると奥から女の人が出てきた。
使用人「坊っちゃま、勝手に外に出てはいけませんよ!・・あら?お客様でしたか、気付かず申し訳ございません。」
使用人が18号の存在に気づくと深々と頭を下げ18号を出迎えた。
18号「あ・・あぁ・・・ベジータの妻はいるか?」
18号が使用人に尋ねると
使用人「妻・・・・ブルマ様のことでしょうか?・・失礼ですがお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
使用人が怪しむ素振りを見せ名前を聞いてきたため、18号は使用人の足元に向けてエネルギー弾を放った。
18号「早く呼べって言ってるんだよ。呼ばないと痛い目みるよ・・・」
18号がそう言うと、使用人はポケットに入れていたリモコンでカプセルコーポレーション全体に聞こえるような大きな音でベルを鳴らした。
それは、非常事態が起こった時に鳴らすよう言われたベルである。
18号「な・・・何してんだい!?・・どうやら痛い目みたいらしいね」
18号が使用人に向けてエネルギー弾を打とうとすると家の中から人が出てきた。
ブルマ「何が起こったのよ?!」
ブルマがカプセルコーポレーションから出てくると驚いた表情で出てきた。しかし、すぐに表情を戻しいつものブルマになった。
ブルマ「あら、18号!どうしたの急に?連絡くれればよかったのに」
ブルマが機転を利かせアドリブで対応しようとしていた。18号は最初ブルマが何を言っているのか分からなかったが、それに便乗しようと考えた。
18号「あ、あぁ・・・連絡するのを忘れててな。」
使用人「ブルマ様。こちらの方はお知り合いでございますか?」
使用人がブルマに尋ねると、ブルマは使用人に笑顔を向け
ブルマ「えぇ、そうよ。この人は私の知り合いだから今度来た時はすぐに入れてあげて」
使用人はそう言われると18号の方を向き、
使用人「申し訳ございません。先程の無礼、どうかお許しくださいませ・・・」
使用人が18号に対して深々と頭を下げると18号は戸惑う様子もなく、逆に強気な態度で
18号「フン!今回は許してやるけど次こんなことしたら、ただじゃおかないからね!」
そう言うと使用人の横を通り過ぎて、ブルマの方へ近づいていった。
ブルマ「さあ、付いてきてちょうだい!」
ブルマが18号をカプセルコーポレーションの中へと案内した。
ーーーーカプセルコーポレーション内・応接室
ブルマ「で、今日はどうしたのよ。私を殺しに来たわけでもないわよね?」
ブルマが冗談まじりに言うと18号の方を見たが18号がブルマの目をまっすぐ見つめてきたの気づき、ブルマは真剣な顔つきになった。
ブルマ「...冗談を言っている場合ではないのかしらね?.....はぁ、また厄介なことにならないといいけど」
ブルマがひとり悩みこんでいると、18号は黙って聞いていたが口を開き、
18号「何を勘違いしてるんだい?...私はただ聞きたいことがあってきたんだ。...」
ブルマ「え...そうなの?それならそうと言ってよ〜w」
ブルマが安心したように笑いながら声をかけると18号は今の自分の状況を少しずつ説明して言った。
今、クリリンを看病していて一緒に住んでいるということ、クリリンの看病をしていると謎の感情が出てくるという事。全てをブルマに伝えるとブルマは驚いたような表情で18号を見つめていた。
ブルマ「まさか...ね、ホントにそういう方向に行くなんて...」
ブルマが驚きを隠せない状態でその言葉を発すると、18号は
18号「分かったのかい!?私には何が何だかわかんないんだよ、どこか体が可笑しいのかい?」
18号が真剣そうにブルマを見つめると、ブルマは18号に笑いかけ
ブルマ「いいえ、体の方には異常はなさそうよ。だけど、心がね...」
18号「やはり、何か可笑しいところがあるのかい?!」
18号がブルマに問いかけるとブルマは18号の近くにより耳元で囁いた。
ブルマ「それはね、あなたが恋をしているということよ。」
18号がそのことを聞くと、顔を赤くしてブルマに尋ねた
18号「そ、そそ、そんなことある訳ないじゃないか!なにを言っているんだい?!」
18号は混乱したようにブルマに言うと、ブルマは冷静に答えた。
ブルマ「私には相手は分からないけど、恐らく最近ずっと一緒に過ごしている人だと思うけどな...」
ブルマは18号にそう言うと、ドアの近くに向かい
ブルマ「でも、あんたがしっかりしないとその感情も分からないわよ!」
ブルマはドアを出ていき、その後18号もカプセルコーポレーションを後にした。
18号はブルマに言われたことをカメハウスに戻る途中考えてみた。
18号「最近ずっと一緒に過ごした人...でも、ありえない!」
18号の頭の中にはクリリンのことしか浮かばなかったのである。
18号は首をブンブンと音が鳴るくらい横に振り、頭の中をリセットした。
18号「ありえる訳ないじゃないか!なんで、私があんなタコのこと好きにならなきゃいけないんだい!?」
18号はブルマに言われたことが納得しなかったが、食材を買いカメハウスに戻ると
クリリン「あ、おかえりなさい。18号!結構遅かったね」
18号が声の方を見るとクリリンが掃除機で家の中を掃除していた。
18号はクリリンに対して、今まで出したことのないような・そして、ブルマに言われたことのイラつきに対して大きな声で怒鳴った。
18号「なんで掃除なんかしてるんだい!!?あんたは病人なんだから寝てなきゃダメじゃないかい!?」
18号はすぐ、我に帰ってクリリンの方を見るとクリリンはとても驚いたような表情をして固まっていた。18号が後悔していると、クリリンが優しい声で18号にこう言った
クリリン「ありがとう、そんなに心配してくれてるとは思わなかったな・・・ごめんね。心配かけちゃって」
クリリンが18号に向かって言うと、18号は自分の胸が高鳴っているのに気づいた。しかし、怒鳴ったことを怒らない態度に少し不満があった。「なんで、怒らないんだ?どうして、そんなに優しいんだ。」18号が心の中で思っていると、クリリンが
クリリン「じゅ、18号。なんで泣いているの?」
18号はクリリンに言われるまで全く気づかなかった。そして、ブルマに言われたことがようやく理解出来た。
18号「な、何でもないよ!ご飯作るからさっさと寝てな、このハゲ!!」
18号がクリリンに対して言うと、クリリンは
クリリン「そ、そうだよね。じゃあお言葉に甘えて寝ておくよ。」
そう言うとクリリンは布団の方に歩いていった。その後ろ姿を見て18号は謎の感情の正体について理解出来た。
18号「私は、あんたが好きなんだね。クリリン」
18号はこの時、カメハウスに看病に来てから初めて笑った。
どうも皆さん、ゼロ・リミットでございます。第5話いかがだったでしょうか?18号がクリリンに対する感情をようやく知ることができました。これからの2人の関係を想像しながら読んでいただけると嬉しいです。そして、投稿が遅れてしまい大変申し訳ありませんでした。ストーリーの構想を練るのに時間をかけすぎました…不定期ではありますが少しずつ投稿していこうと思いますので気長に待っていただけると大変ありがたいです。第6話是非ご覧ください