fate/stay night 夢よ永遠に 作:fate信者
お料理します。
士郎君とアルトレアちゃんのお料理をする話です。
「爺さん、行っちまったな……」
「ええ、そうですね」
私は士郎の言葉に返事をする。
今日から私と士郎はふたりで暮らさなきゃいけない。
取り敢えず、お腹が減ったので、士郎に何かを作って貰いましょう。
「士郎、ご飯にしましょう!」
私は士郎に言う。
「姉さんが料理を作ってくれるのか?」
「え゛っ!?」
私は士郎の言葉に驚き、そして、ここが何処か思い出す。
ここは士郎が料理を覚える前の世界。
当然、料理を作った事等ないし、包丁を握った事すらないだろう。
私は考える。
どうするべきか? どうやったらこのピンチから脱出出来るか?
そして、一つの解にたどり着いた。
それは……
「士郎、一緒に作りましょう!」
私と士郎が料理を覚えれば良いだけの話。
「うん、良いよ!」
こうして私達は料理を始めた。
「では、最初は何から作りますか?」
料理は出来る出来ない以前に、まず、挑戦だ。
料理は努力とアイデアから出来るもの。
まず、始めは簡単で早く出来るものを作りたい。
理由としては早くお腹を満たしたいと言うだけ。
「うーん、卵焼きとか、味噌汁とか、色々在るけど、何から作ろうか?」
「そうですね、私としては……おにぎりなど如何でしょうか?」
私は士郎におにぎりを薦める
士郎は最初、「おにぎりなんて誰でも出来るよ」と言ったので、作って貰った。
士郎のおにぎりは、形は良いが、塩は効きすぎてしょっぱく、強く握ったせいでおにぎりは固くなっていた。
士郎は、自分が握ったおにぎりを食べると、その固さに驚き、もう一回握り直してきた。
今度のおにぎりは、塩の塩梅は良かったが、形が悪く、弱く握ったせいで食べていくとどんどん形が崩れていった。
「そんな! おにぎりってこんなに難しいの!?」
「そうですよ! 簡単と思っていたモノ程…難しいのです」
私は士郎におにぎりを作る難しさを教える。
私もおにぎりを握り、士郎と交換した。
「姉さんのおにぎり、美味しいよ!」
「それは良かった。後、士郎……私の事は『姉さん』では無く、他の呼び方でお願いできますか?」
「ん? なんでさ?」
士郎は首を傾げて聞いてきた。
可愛い。思わず、抱きつく所だった。
ーーふう、危ない、危ない。士郎のこの姿を見ると何故か押し倒したくなってしまう。
私は士郎に抱きつかない様に努力する事を決めた。
「それは、なんと言うか…私が恥ずかしいから、ですかね?」
私は今出来る最高の笑顔で士郎に答えた。
「うん、わかったよ!」
そう言った士郎は、暫し考えこんでいる。
そして、時間にして、3,4分くらい経った頃、何やら決まったようで、満面の笑みを浮かべた。
「シロウ、決まったのですか?」
「うん! 決まったよ」
士郎は凄く嬉しそうだった。
こんな笑顔の士郎を私は見たことがない。
私はこの笑顔を守ると誓った。
それに嘘偽り等無い。
「それは良かったです。それで……」
「アルトレア姉さんだから、アルトねぇ。って…ダメかな?」
士郎は私の顔を窺う様に言ってきた。
どうやら自信を最後まで持てなかった様だ。
私は最高の笑顔で答えた。
「ダメなものですか! 士郎…良い名前をありがとう。私は感謝します」
「本当!? そう言われると嬉しいな」
士郎は本当に喜んでいる。
その姿は私も喜ばしい。
私は士郎の方を向き、こう呼びかけた。
「士郎、またおにぎりを握りましょう!」
士郎は驚いていたが、直ぐに笑顔になる。
「そうだね。今度こそ美味しいモノを握るよ!」
私と士郎は仲良く台所でおにぎりを握る。
その光景は誰もが見ても温かいモノであった。
私はこの日常を愛している。
それ以上に士郎を愛している。
私はこの日常が続いて行けば良いと思っている。
さて、明日はどんな日になるかな?
私は明日の事を考え、おにぎりを握る。
おにぎりって予想以上に難しくありません?
僕が握ると固くなっちゃうんですよね。
しかも、塩は一点集中で、あるところだけ凄くしょっぱくなっちゃうんですよね
おにぎりから料理はスタートする。って僕は思います。
皆さんもおにぎりを握ってみませんか?
次回も日常です。
それでは次回