fate/stay night 夢よ永遠に 作:fate信者
あと、更新が遅くなると思います
それでは、どうぞ!
side sirou
テーブルに朝食が並んでいく。
鶏ささみと三つ葉のサラダ、鮭の照り焼き、ほうれん草のおひたし、大根と人参のみそ汁、とろろ汁と言った献立だ。
「「「「いただきます」」」」
アルトねえ、イリヤ、桜の四人できちんと座りお辞儀をして、静かに食事を始める。
カチャカチャと箸の音だけが響く。
基本的にアルトねえと桜はお喋りではないし、イリヤもメシ時にはあまり喋らない。
勿論、こっちもメシ時に話をするほど多芸ではない。
食事時は自然と静かになる。
普段は喧しいのだが、今朝に限ってその喧しい人は昨日スパイ映画でも見たのか、新聞紙で顔を隠して、俺達の様子を窺っている。
「大河、ご飯時に新聞は見ないでください」
と、アルトねえが言うが、
「………………」
無視する藤ねえ。
あまりに怪しいが、藤ねえが挙動不審なのはいつものコトだ。
アルトねえは気にした風でもなくご飯を食べている。
「アルトねえ、醤油とってくれ」
「士郎、貴方の醤油は昨日で切れていますよ」
と、そうだった。
俺の醤油は昨日で切れていた。
なら、誰かから借りるか。
「じゃあ、藤ねえのでいいや。とって」
「大河、良いですか?」
首を縦に振る藤ねえ。
これは、肯定と言う意味で良いのだろう。
「はいどうぞ。士郎」
「ああ。ありがとうアルトねえ」
俺は醤油を受け取ってとろろ汁目掛けてかける。
白いとろろに醤油をかけ、ぐりぐりと醤油を馴染ませて、ご飯にかけて一口。
うん、このすり下ろされた山芋の粘つき加減に、自己主張の激し過ぎる強烈な醤油の味がまた……
「ごふっ! まずっ! これソースだぞソース! しかもオイスター!!」
俺は必死にとろろの味を無くそうと、お茶を飲む。
「くくく、あっははははははは!!」
ばさり、と新聞紙を投げ捨てる藤ねえ。
「どうだ! 朝のうちに醤油とソースのラベルを取り替えておいたのだー!」
わーい、と手をあげて喜ぶ藤ねえ。
「朝っぱらから何をやってんだアンタはっ! 今年で25のクセにいつまでたっても変わらないな」
「ふふーん、昨日の恨み思いしったか! 皆と一緒になってお姉ちゃんをいじめたから当然の天罰ってとこかしら?」
藤ねえはドヤ顔で言っている。
これだから、藤ねえは何をやるか分からないから恐ろしいのだ。
「天罰ってのは人為的なモンじゃないだろ! なんか大人しいと思ったらこんなコトを考えてたのか! この暇人!!」
俺は藤ねえに最低限の反抗を示そうとしたが、そんなの何処吹く風
藤ねえには聞かなかった。
何か、後ろで二人の姉が目に見えて怒っているのだが、これは、一体何が原因なんだ?
「そうだよ。お陰でこれから急いでテストの採点しなくちゃいけないんだから、そーゆーワケで急がないとヤバイのだ」
しゅた、と座り直し、ガババーと凄い勢いで朝御飯を平らげる藤ねえ。
「はい、ごちそうさま。朝ごはん、今日もおいしかったよアルトレアさん」
「はい、お粗末様でした。あと、大河」
「うん? なーにー?」
藤ねえはアルトねえに怠そうに返事をする。
「今後、料理で遊ぶ様な事が起きたら大河だけ、ご飯抜きにしたいと思います」
藤ねえは絶望した様な顔になっている
そんなに嫌なのかよ!
つーか、25なら自分で料理をしろよな
と、俺の心の中で呟く
「はい! 今後、このような事は致しません」
「なら、よろしい」
そう言って藤ねえは外に停めてある。
スクーターにエンジンをかけ、学校目掛けて発進をする。
ーー慌ただしい人だな。
まあ、それが藤ねえの良いとこでも在るんだが
「士郎」
「ん? アルトねえどうした?」
アルトねえは真剣な表情で俺に言った。
「昨日、大河に何かしたんですか? 大河が食べ物に細工するなんて、大河にしてはやり過ぎだと思います」
「いや、それが、昨日、ついアダ名で呼んでしまって……」
アルトねえは眉間に手をやって、ハー、とため息をついた。
ーーいくら、俺に非があるとは言ってもその態度はあんまりじゃないか?
「ダメですよ。士郎。大河は士郎にアダ名を言われるのだけは嫌がるのですから、また泣かせましたか?」
「泣かせた上に脱兎の如く走り去らせた。おかげで昨日の英語は自習だった」
そう言ったら、アルトねえはさっきよりもデカイため息をはいた。
「はあー、これは士郎がわるいですね」
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朝食を済ませて、登校の準備をする。
テレビから流れるニュースを聞きながら、アルトねえと一緒に食器を片づける。
アルトねえと桜はニュースを見ていた。
画面には『ガス漏れ事故、連続』と大袈裟なテロップが打ち出されている。
場所は隣町の新都のオフィスビルでフロアにいた人が全員酸欠になり、意識不明の重体に陥ってるらしい。
ガス漏れによる事故とされているが、同じような事故がここのところ頻発している。
「今のニュース気になるのか桜」
「えっ! いえ、只、先輩のバイト先から近いなと思って」
桜は心配そうに自分の手を自分の胸の前でギュッと握っている。
「してるけど、別にそんな大きい店じゃないから、今のニュースみたいな事故は起きないと思う」
「士郎、その考えは甘いです。いつも、最悪の場面を想定していないといざと言う時に動けなくなりますよ」
アルトねえは閉じていた口を開いて言う。
「ああ、わかってるよ。アルトねえ」
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「士郎、裏手の戸締まりはしましたか?」
「した。閂かけたけど、大丈夫か?」
「大丈夫です。それじゃあ鍵、かけますね。先輩、今日のお帰りは何時ですか?」
「少し遅くなると思う。桜は?」
「私はいつも通りです。多分、私の方が早いと思いますから、アルトレアさんと一緒に夕食をつくっていますね」
「たすかる。俺も出来るだけ早く帰る」
がちゃり、と門に鍵をかける。
桜と俺とアルトねえがうちの鍵を持っている。
戸締まりの大半はアルトねえがやってくれるんだけど、今は、アルトねぇが食器を洗っているから自分達で鍵を閉めている。
「おーい、士郎、桜早く来なさいよ」
うちの我が儘姉が手を振って俺達に早く来いと言っている。
「行こうか。急がないとイリヤが煩そうだ」
「はい。それじゃ少しだけ急ぎましょうか、先輩」
side arutorea
士郎と桜とイリヤが家を出て学校に向かって行った。
私は土蔵に行き、棚の一番上の刀に触れて独り言を言う。
「今日ですか」
内容が段々とぐだぐだしてきたかな?
評価、感想、待ってます。
最後にFGOの福袋いつ?