fate/stay night 夢よ永遠に   作:fate信者

11 / 51
どうもfate信者です。
今回は3000字オーバーです。
これは、ハッキリ言って駄文の極致、飽きを恐れずしてかかってこい!
まあ、読み手によっては駄文にもなるし、最高のものがたりにもなる。
まあ、面白かったら、感想を下さい。
お願いします(*^^*ゞ


衛宮家の外食(泰山)

切嗣は早足で道場に向かっていく。

切嗣に付いていくように士郎は切嗣の後ろを歩いていく。

そして、私とイリヤスフィールも切嗣の後ろに付いていく。

 

「爺さん! 爺さんってば!」

 

「ん? なんだい? 士郎」

 

切嗣は足を止めた。

私たちも足を止める。

 

「爺さん! 何で今から道場に行くのさ?」

 

士郎の疑問もその通りだ。

切嗣はどうして道場に行こうとしているのか私たちには分からない。

 

「いや、ちょっと道場が完成したから見に行こうと思って」

 

「「「は?」」」

 

私たちはキレイにハモった。

そんな理由だったのですか…切嗣

 

「いや、だって、道場が完成した時、僕は居なかったからね。どんな感じが気になってしょうがないんだよ」

 

それは、わからなくも無いですが……、今、言うことでもないような?

 

「爺さん、何で道場なんか作ったんだ?」

 

私もそう思っていました。

どうして切嗣は道場を作ったのか?

切嗣は剣道という柄じゃないし、どちらかと言うと、銃が合っている。

だからか、切嗣が道場に興味があると言った時はビックリしてしまいました。

 

「ちょっと、人に頼まれたから、造って貰っただけなんだ」

 

あの道場は誰かに頼まれて作ったと言う事ですか、では、誰が切嗣に頼んだのか?

そんな事を頼む人は一人しかいない。

『藤村大河』

常にハイテンションな女子高生である。

そして、衛宮家のエンゲル係数を高めている人だ。

いや、人ではなく、虎と言えば伝わりやすいですね。

そして、彼女は知らないが、冬木市に住んでいる人達は彼女の事を『冬木の虎』と呼んでいる。

その冬木の虎は切嗣にちょっとした恋心がある。

どうして大河が切嗣を好きなのかは分からない。でも、大河にとって切嗣はもしかしたら白馬の王子様だったのかもしれませんね。

 

「そうなんだ。俺たちが知ってる人?」

 

「士郎とアルトレアさんは面識があるから知ってると思うよ」

 

切嗣のこの一言によって、もう確信しました。

いや、もとから解っていましたが、これで本当に胸を張って答えられます。

 

「キリツグ、その人はもしかして大河じゃないですか?」

 

「ご名答。大河ちゃんに剣道の練習したいって頼まれたから、作って貰ったんだ」

 

私は苦笑いをし、士郎の方を見る。

士郎も苦笑していた。

大河は昔から何一つ変わっていない。

私はそんな大河を素直に感心する。

 

「じゃあ、爺さんは道場を作ったけど使わないのか?」

 

士郎は質問を続ける。

確かに作った本人が使わないなら、宝の持ち腐れだ。

そんな勿体ない事を士郎はしたく無い筈だし、私だって……

 

「ああ、たまには使おうと思っているんだけど、中々予定が合わなくてね」

 

切嗣は苦笑いをして言った。

 

「爺さんがあまり使わないなら、俺とアルトねぇも使っていいかな?」

 

士郎は私の心が分かる人ですね。

士郎…私はもう一度貴方とやりたいと思っていました。

前は全然教えてあげられませんでしたが、今度は私の持ち得る全ての技術を士郎に叩き込みます。

さすれば、アーチャーにバカにされる事は無いでしょう。

 

「別に構わないけど、アルトレアさんにも聞いてみないと」

 

「士郎、切嗣。私は大丈夫です。と言うより、今日やりましょう!今やりましょう!!」

 

私は士郎に詰め寄る様に言った。

士郎は何歩か後退して、苦笑いだったが……

今の私にはどうでも良い。

早く士郎とやりあいたいです。

 

「ストップ!士郎が震えているからもう少し抑えて」

 

切嗣の言葉で我にかえった私は士郎に謝る。

 

「すいませんでした。士郎」

 

「い、良いんだよ、アルトねぇ。俺もアルトねぇと剣道が出来るだけで嬉しいから」

 

「士郎」

 

ヤバイ。

今ちょっと泣き出しそうになりました。

 

「剣道は後で良いよね?今からちょっとご飯を食べにいかないかい?」

 

そう言いながら、居間にある時計を指差す。

もう12時半だった。

今から昼食の材料を買う時間も作る時間もないから、外食するしかありませんね。

 

「爺さん、どっか行きたい店あるの?」

 

「ああ、あるよ」

 

切嗣が笑顔で言った。

切嗣がこんな笑顔の時は、ハンバーガーとか、ハンバーグとか言うモノを食べる時ぐらいか?

私としては、正直言って雑な料理を食べたくない。だが、お腹が空いたままなのは好ましくない。

今の私なら、円卓時代のマッシュポテトでも、美味しく頂けると自負している。

 

「どんな店なんだ? 爺さん?」

 

「ああ、最近出来た店で、確か名前は『泰山』…だったかな?」

 

泰山? 初めて聞く名前の店ですね。

まあ、ご飯が食べられるのなら何でも良いです。

 

「じゃあ、行こうか、イリヤ、アルトレアさん、士郎。準備してね」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

家を出発してから30分後、目的の泰山と言う店の前に来た。

泰山は私が予想していたよりお客さんが来ていた。

普通に十人ぐらいは店の前で並んでいる。

ふと、不思議に思った事がある。

店に入ろうとしている人達は凄い顔で入っていって、店から出てきた人達は涙目で口を抑えている。

 

「切嗣、ここは料理屋ですよね?」

 

「うん、そうだよ」

 

切嗣のテンションは列が進むに連れてどんどん高くなっている。

そして、士郎の顔はどんどん青くなっている。

 

「士郎! 大丈夫ですか!?」

 

私は士郎の肩を揺すって士郎に呼び掛ける。

士郎は肩まで震えている。

 

「ごめん。アルトねぇ、何かこの店は入ったら何か大事なモノが無くなりそうで怖いんだ」

 

こういう時の士郎の危機察知能力は本当に素晴らしいと思います。

実際…私の直感が言っています。

私たちにはまだ早い、と。

引き返せばまだ間に合う、と。

それでも、私は進まなければならない。こんなのが只の強がりなのも百も承知。

士郎と会話をしている間に、列は後三人まできてしまった。

数分後に私たちはこの店の中に入った。

私は悔いを遺さない様に、士郎を抱き締めた。

その後、イリヤスフィールも抱き締めた。

イリヤスフィールにとっては私の行動は理解不能だろう。

だが、イリヤスフィールも中に入ってみれば解るだろう。

私たちが震えた理由が、私の悲しみが。

そして、私たちは店の中に入った。

店の中に入っての感想は、とにかく暑い。

そして、鼻をつくスパイスの匂い。

私は覚悟を決めて、一歩踏み出す。

これは、小さな一歩。だが、私にとっては大きすぎる一歩。

 

「みんな~、こっちだよ」

 

切嗣は既に座っている。

切嗣は、私たちに、手招きをしている。

イリヤ、私、士郎と言う順番で進む。

私たちは座ってメニューを広げてみると、驚く事にメニューには全て激辛、とか超激辛とか書いてある。

そして、店員が来て、注文を取りに来た。

 

「僕は、泰山特製麻婆豆腐で。みんなは何にする?」

 

「私は麻婆豆腐で……『ふ』・『つ』・『う』の!」

 

「私も」

 

「俺も」

 

さて、鬼が出るか蛇が出るか。

頼んでから10分後、四人分の麻婆豆腐が運ばれてきた。

!?待て、私たちが頼んだ麻婆豆腐すら真っ赤…だと?

おかしい。私たちは「普通」の麻婆豆腐を頼んだ筈です。どうして、こんなに、真っ赤なモノが出来上がるのでしょうか?

切嗣の分は真っ赤を通り越して赤黒くなっている。

そして、匂いだけで鼻が火傷しそうでした。

 

「さあ、食べようか!」

 

そう言って、切嗣は蓮華を取って、マグマみたいな色の麻婆豆腐に突っ込んだ。

そして、一口食べ、

 

「っ~~~~」

 

切嗣は目の端に涙をためている。

そんなに辛いのですか。

 

「辛ッ、辛すぎる!!舌がヒリヒリするッ!!だけど、辛さの中に旨さがある!!!慣れればこの辛さも病み付きになる!!!!」

 

私たちが予想していた感想の斜め上に「逝」っていた。

そこからの切嗣は水を飲むのも忘れひたすらに麻婆豆腐を口に運んでいる。

 

「ふぅ~、ご馳走さま♪」

 

切嗣は食べきったのだ。

この世の全ての辛味を凝縮した様な麻婆豆腐を切嗣は食べ尽くした。

 

「三人とも、食べないのかい?」

 

私たちはお互いの顔を見て、意を決し、同時に食べた。

その結果……

 

「「「辛ひ~~~~~~~~~ッ!!」」」

 

我々は心に誓った。

切嗣とは一緒に外食に行かない、と。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

一方その頃。

 

「ん? なんだ? 騒がしい店があるな。まあ、私には関係ない…………一応見てみるか」

 

私は店の窓から中を覗いてみる。

店内には、私の仇敵の衛宮切嗣が涙目で何かを食べていた。

私はこの光景に驚きを隠せずにいた。

あの切嗣が涙を流すだと!?

私は切嗣の食べているモノが気になり、店の名前を見る。

「泰山」と大きく書かれていた。

ギルガメッシュからの用事がある為、先に行こうとするが、あの店に後ろ髪を引かれる思いがあり、中々前に進めずにいた。

故に、

 

「今日の夜、彼と一緒に来てみるか」

 

そう言って、神父は教会に帰っていくのであった。

ここからは雑談だが、その後、ギルガメッシュは麻婆豆腐を見るだけで拒否反応が出るようになり、神父は麻婆豆腐を好きになったとか。

この日、神父は、ぶっちゃけどうでもいいfate(麻婆豆腐)と出会った。




最後しゃべってる人はコトミネキレイです。
この時のコトミネはまだ、麻婆豆腐を知らなかったと言う設定で書きました。
それでは、評価、感想、ダメだしを僕は首を長くして待つ予定です。
それでは、次回。
次回も遅くなると思います

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。