インフィニット・エクシリア   作:金宮 来人

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仮面ライダー面白いですね。次のライダーも
『私、気になります!!」
では、投稿頑張ります。


第07話

「ねぇ、一夏。まだISに慣れてないんだっけ?それならアタシが教えてあげようか?」

今は放課後。鈴が言った一言で二人の女子がものすごい形相でかみついた。

「いいえ!結構ですわ!」

「クラスの事はクラス内で解決することだ。他のクラスの者は口出しするな!」

「えー、・ぼそぼそ・。(二人とも分かりづらいからなぁ。)」

「「何か言ったか?(言いまして?)一夏!(一夏さん!)」」

小声に反応されてビビったのか《ブンブン》と首を振る。

「ま、クラス代表まで取っといた方が面白いかもね。じゃあ、替わりに立木、相手してよ。」

「構わない。」

「そ。じゃあ、またあとで第三アリーナに来て。もう、アリーナの使用許可は取ってあるからさ。」

頷いて帰る準備にかかる。どうしようかな、一度帰ってからにしようかな?とか考えてると鈴はさっさと教室から出て行く。早く行かないと怒られそうだし、そのまま行くか。

廊下に出て、三階の窓からジャンプ。地面ぎりぎりで壁を蹴り《ベクトルを調整》、斜めの力に変換し、転がりながら慣性をつぶす。

見るとさっきの窓あたりに女子がたまっている。・・・やばい、目立ち過ぎた。

うーん、・・気にしない事にしよう。そそくさとアリーナの更衣室に向かう事にした。

 

第三アリーナに着替えて来たがまだ鈴は来てないようだ。

「・・?」

鈴の方が先に出たのになんで・・あぁ、女子は着替えるのに手間がかかるからか。納得したので準備運動がわりに軽く体を動かす。そこに鈴が現れた。

「あれ?もう来てたの?早いわね。」

そう言いながら僕の体を上下に首を動かしながらしげしげと見つめる。面白いことあるかな?

「そのスーツは、どこの?」

「デュノア社、この機体も回してもらった。」

ふーん、と考えている。男用なんてないからその会社オリジナルになるのは当然だろうしね。

「顔も、見せなさいよ《・・・・・・》。」

言っていなかったが、僕は髪が長くて目が見えない状態だ。だって、目を合わすとか引き籠りに何求めてるんだろうってぐらい無理な注文だよ。

「嫌。」

恥ずかしいもん。・・気持ち悪。自分でダメージ受けたよ。

「じゃあ、今からあたしと勝負して、勝ったら見せなさいよ。」

「・・・いいよ。」

勝てるもんならなぁ!的な感じで強気を出す。殺気までは無いが相当覇気があふれているだろう。鈴の顔色が変わったし。

「うわぁ、そこまでやる気になる?ま、クラス代表選前だから本気までは出さないわよ。」

そう言った鈴の顔つきも変わった。勝負事が好きなようだ。

「・・・開始ブザー、セット。」

クルスニクを通じてアリーナで模擬戦闘の設定をしていく。

「勝負方式、近接のみ。シールドエネルギーが残り1割で勝敗確定。で、どう?」

「いいわよ。」

にやりと笑い合い、お互いIS装着。データ、《甲龍(シェンロン)》中国第三世代機。

鈴は両手に青龍刀みたいな剣を出しクルクル回す。こっちも双剣を出して構える。

『カウント・・3・・2・・1・・ブー』

試合開始のブザーが鳴り一気に距離を詰める。鈴もブーストで突っ込んできて開始早々二つの剣が《ガキィン》大きな音を鳴らす。

が、すぐに力を抜き、右に逸らす、それに気づいた鈴は体勢を立て直すよりも次の剣を振り始める。おぉう、ほんとに慣れてるなぁ。一夏君とは大違いだ。

「はぁっ!・・戦い方が剣道みたいね、逸らす、跳ねる、流す。でも、アタシにそれは通じないわよ!」

「どうだろ。」

言いながら剣を持つに対し腕を出し、鈴の腕に手を絡め自分を投げ上げてかわす。

「はぁ?!何よその動き?!」

双剣を消しハンマーを構え落ちながらインパクトポイントに鈴が来るように振る。

「せい。」

軽く言うが相当な音がして振られるハンマー、鈴は剣を重ねて構えガードした。・・が、

《ガゴシャーン》と音がして鈴はアリーナ外壁に叩きつけられる。

「あ。」

加減間違えた、大丈夫かな?

「う、うぅ。アンタ、殺す気!?」

大丈夫、ISには絶対防御があるから、そうそう死なないよ。そういう思いを込めて、

「IS、絶対防御。」

「まぁ、ISの絶対防御のおかげで生きてるけど、なかったらアタシ確実に死んでたわ。」

まぁね、僕もやっちゃったと思ったし。

「あとさ、一発でシールドが六割持ってかられたんだけど?」

「力加減間違えた。」

「あれで加減してんの!?本気出したら確実に死ぬじゃない!?」

頭ん中で考えた通りに動きすぎて加減をわすれたら、とてつもない事になるみたいだ。ちなみに、殺傷設定のロックは外してなくてこれだから。

「デュノア社、このままなら行ける。」

「まあ、この機体性能を見る限りは低迷してるのがうそのようだしね。」

スラスターで近づいてきながら鈴が話しかけてくる。

「勝負は?」

「アンタの勝ちでいいわよ。正直勝てそうにないわ。」

やったー、これで、

「これで、アンタが《‥‥》勝った《・・・》から、文句はないでしょう?」

「・・・んぅ?」

にやりと笑いながら言ったセリフ、なんか嫌な予感が・・。

「アタシは『勝ったら』と言ったけど、《アタシが》とは言ってないのよ?つまり・・」

あ、はめられた。いや、性的な意味はないよ?詐欺にあったときってこんな気分なのかもね。

「つまり、アンタの顔を見させてもらうわよ。男に二言は無いわよね?」

「・・やられた。」

頭を抱えるしかなかった。

 

「じゃ、じゃあ、見るわよ。」

「好きに・・。」

諦めた。もういいや、・・ん?ただ単に友達に顔を見られるだけなんだから恥ずかしがる必要は無いのか?・・いや、女の子に見られるのは実に恥ずかしいか。よく考えたら近い。

「・・・え・・?」

え?って何!?何があった?!僕の顔が何かあるの!?

「・・・・///」

ゆっくり顔の髪を書きあげていた手を下し顔を背ける。・・・うん、もう顔を見せる事はしない。友達にも顔を反らされるほどとは思っていなかっただけに超ショックだ。

「も、もういいわよ。・・///」

「そう。」

感情は顔に出てないが、今、過去に類を見ないくらいに落ち込んでいる。

はぁ。

もう忘れよう。

「帰ろう。」

「え、そ、そうね。」

アリーナから自室に向かって歩き始める。・・・はぁ。

 

そしてこの後、寮でとある事件が起きた。結論から言えば僕は怪我をした。

事の発端は一夏君の部屋の事での会話だ。アリーナからの帰りに、廊下を歩いていると前から一夏君と篠ノ之が歩いてくる。鈴と僕が合流し、一緒に歩く。と、

「そういや一夏、部屋に遊びに行っても良い?」

「へ、いや、まぁ、遊びに来るだけならかまわないよな、箒?」

「え、あ、まぁ。」

「え?なんで箒に聞くの?」

「あぁ、俺と箒は同じ部屋なんだ。」

そこで、鈴はにやりとしながら「ふーん。」と言っていた。何かするつもりかなぁ?

「そうだ、立木も来いよ。」

と一夏君が言ってくれたので頷いて歩く。

ちょうど一夏君の部屋に着いたので一緒に中に入らせてもらう。

ふーん、間取りは一緒ぐらいか。やっぱり僕は二人部屋を一人で使ってるみたいだな。

そんなことを考えている間に鈴が動き出す。

「ねぇ、箒。あんたさ、日本文化を大事にしてるのよねぇ?」

「ん?まぁ、そうだな。」

「じゃあさ、男と一緒の部屋で寝るの嫌じゃない?アタシが変わってあげようか?」

「な、なに!?」

「ほら、アタシはさ、一夏のうちに遊びに行ったときに泊まりがけで遊んだりしたことあるから構わないしさ。」

ここで僕は気がついた。別に本気で言ってるわけじゃなくてからかってるだけみたいだ。なんか、笑い方がゲスい。「にまにま」って感じで笑っているようだ。

「し、しかし、コレは私と一夏の問題だ!」

「えー、でもさ~・・」

「うるさい!・・えぇい、こうなったら!」

「あ、馬鹿!」

切れた篠ノ之は竹刀を取ろうとしてその横の木刀を取り、それに気がつかず本気で振りかぶっていた。気がついた一夏君は声を上げるが。

《バキィ》

その音が響いた時には時すでに遅く、篠ノ之は驚愕の表情で、鈴は信じられないと言った表情で、一夏君は呆然として立っていた。

相変わらず僕だけは無表情。しかし、目には怒りが見てとれるだろう。

「・・何をしている。」

「え、だ、だって・・」

「人に向けて、木刀を振ることがあっていいと思っているのか?」

怒りでいつもより舌が回る、口が動く、ぐいぐいしゃべってしまう。

そして怒りは一人だけでなく残りの二人にも向く。一夏君には軽くビンタをする。

「一夏くん、君もだ。何故気がついたのに止めに入らない。君ならできるはずだ。その口でよく、人を守ると言えたな。鈴、君もからかうつもりで言ったんだろうがその結果がコレだ。そのことを肝に銘じておけ。」

床には赤いしみができている。今もぽたぽたと落ちる赤い液体。僕の左腕から流れる血だ。はっきり言えば完全に折れている。

「一夏君、織斑先生を呼べ。鈴、添え木になるようなものを。」

制服は白いから赤がしみて目立つ。怒りの所為か痛みを全く感じない。もしかして、神様が作ってくれた体のせいかな?死にづらくするとか言ってたし。ショック死はしないかもな。

「立木、ご、ごめん、アタシの所為で・・。」

「今はそれよりも・・」

と会話の途中でドアを蹴破るような勢いで織斑先生が入ってきた。

「おい!一夏!さっきの電話は、どういうことか・・・そういうことか。」

「察しが良くて助かります。それより、一応病院とか行った方がいいですか?」

「そうだな。話はその後聞こう。篠ノ之、貴様は一緒に来てもらう。織斑、凰、貴様らもだ。」

巻く布が無かったから制服で左腕を包み歩く。こりゃ、もう着れないな。

 

「あー、こりゃひどい。木刀みたいなもので叩き折られたようだ。」

「まぁ、その通り。」

「そっか、う~ん、神経系もヤバいな。こりゃ直ってもうまく動かん可能性もあるねぇ。」

「そうですか。」

生活が不自由になるのは嫌だなぁ。そう言えばこの世界にはISがあるよなぁ。だったら義手とかの精度って上がって無いかな?

「・・・義手ってできます?」

「義手?あるにはあるが、・・そう言えば君はISに乗れるのか。その方法を応用すれば自由に動く義手ができるかもね。」

不自由な腕より、自由な義手だな。正直自分の体にこだわりがあるわけじゃないし。

「ソレで。」

「ふむ。じゃあ、・・・そうだ。確か、知り合いにその研究している人がいるから連絡してみるよ。」

「お願いします。」

「ちょっと待っててね。」

そう言って出て行く先生。

 

しばらくして帰ってきた先生は困った顔をしていた。なんだろう、もしかして駄目だったのかな?

「・・・ごめんね?」

「仕方ないですよ、いきなりですし。」

謝って来たってことは、やっぱり駄目だったんだな。

「いや、その、「おまたせー!!さぁしようすぐしよう!」・・・張り切っちゃって。」

なんかすごいテンション高い人物が来た・・。

「やんないの?ならいつやるの?今でしょう!」

「この人、大丈夫?」

「たぶん。技術力はあるんだよ。」

そうか。ならまかせよう。

「じゃあ、さっそくしようか。義手はもう用意してあるから腕を切ってそこに付けるから。

じゃ、センセ。こっちも準備してくるから任したよ。」

「はいはい、ったく。イキイキしちゃってさ。自分の研究成果が認められる日が来たんだから嬉しくもなるか。・・・君は二人目の男IS操縦者だったね?じゃあ、あの子も世界的に有名になってしまうのかな?」

「どうでしょうか?」

そんなことを言われても正直どうでもいい。あ、そうだ。コレは言っとかなくちゃ。

「もし、何か聞かれても、『彼の治療の事は言えない』と言ってください。『何も言わなかったから知らないし、教えることはできない。』と。」

「うーん、何か事情があるみたいだね。・・・ま、そういう事にしてあげるよ。」

話せる先生みたいでよかった。

「じゃ、とりあえず、手術で腕を切断するよ。…本当に良いんだね?」

「当然です。」

「そうかい。じゃ、ちょうど開いているし、・・緊急手術だ。部屋の用意をしてくれ。」

立ち上がって電話口にそう伝える。僕はいつも通り無表情で聞いていた。

 

 


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