全体的に短めですが頑張ります。
トンネルを歩いていたはずだったのだが、気がつくと暗い部屋の中に一人立っていた。
「ここは?・・知らないな。」
地理感とかあるとよかったのだが引き籠りにそんなものは無かった。・・部屋の中じゃそんなものも意味は無かったか。ちょっとパニックになっているようだ。
とりあえず、部屋の中を見渡す。ドア1、変な機械の塊1、以上。持ち物はいつもの服にお気に入りの時計。よし。
「何これ?」
そう言いながら機械を触るといきなり光り出した。何だろう?なんか、時計も光ったような?
そこにいきなり数人の女性が入ってきた。警備員なのか制服らしきものを見に纏い慌てているようだ。
「そこで何をして・・い・る・・・ISが反応している?!男なのに!?」
I・・S・・。聞いたことあるが内容は殆ど知らないな。確か美少女が多数出てくるロボットアニメだったかな?まぁいいや。・・よくない。たしかこの世界では男はISに乗れないんだったはず。うわぁ、いきなりやっちゃったのか。
「君、・・来てもらうわよ?」「・・はい。」
ついて行くから手を強く持つのやめて痛い。
結局色々と検査されたし、なんか閉じ込められて色々聞かれた。知らないと答えてたらややこしい事になってきたみたいだった。
「えー、突然ですが皆さんと一緒のクラスになります、転校生をご紹介します。」
「せんせー、男ですか?女ですか?と言うか初日から転校生っておかしくないですか?」
「いやいや、IS学園なんだから女の子に決まってるでしょうが。」
「かわいい?ねぇ、可愛い系の子?」
ああぁぁぁ・・・。なんか話がややこしい事になっているようだ。
「うるさい、騒ぐな馬鹿者ども!・・入って来い。」
「はい。」
そう答えて教室に入る。教室内の空気が凍りついているようだ。やっぱり女子ばっかり、いや、【一応】男子もいるが。
「・・はじめまして。金宮立木【かなみや たつき】・・です。よろしく。」
叫ばれるかと思ったがそうでもないようだ。安心した。
「今現在、同時刻に世界に対して放送されているが、世界に二人目の男性IS操縦者だ。」
皆小さく聞いたこと無い。とか言っていたがそりゃそうだ。さっきまで国家機密措置だし。
「席は織斑の横だ。座れ。」「はい。」
この世界でいきなり重要人物とか(笑)後ろからの気配が凄いです。はい。
そして何事も無く授業終了後。休憩時間。
「よう。はじめまして、俺は織斑一夏。よろしく。」
「・・さっき言った通り、金宮立木。好きに呼んでかまわないよ。」
「そうか。よろしく、立木。」「こちらこそ。」
「しかし、すげぇな。あのプレッシャーの中一切表情を崩さないなんてさ。」
顔に出ないだけで凄い緊張してるんですが。まぁ、めんどくさいからいいか。
「・・うん。」
一夏君と話していると声がかかる。
「・・少しいいか?」「うん?」
顔を上げるとそこには女子。見ている先は一夏君。と言う事は、
「・・一夏君行って。」
「いいのか?じゃ、行ってくる。」
そうして二人で廊下に出て行った。僕は覚えなきゃいけない事が多いので参考書を開く。後ろから視線が来ているが知らないふりをする。しばらく読んでいると教室に先生が入ってくる。
「さて、授業を・・織斑と篠ノ之はどうした?」
「・・二人してどこか行ったまま帰って来てません。」
「あいつら・・。」
そこに二人して戻って来た。
「すいません、遅れましたー。」
「遅れましたすいません。」
織斑先生がドアの陰に居るから、山田先生だけの授業と勘違いして明るく言いながら教室に入ってくる。
「この馬鹿者どもが‥。」
そう言いながら出席簿を振りおろす。二人の頭にヒットし頭を抱えてうずくまっていた。
授業中、一夏が参考資料を捨てたと言う大馬鹿な話くらいしか特筆すべき点は無かった。
「少しよろしくて?」
一夏君の向こうから声がかかる。が、無視。一夏君の問題に僕は巻き込まれたくないからな。
「え?」
「まぁ!?私に声をかけてもらったと言うのに、なんですかその返事は?」
「え、いや、俺君の事知らないし。」
「知らない?!このイギリス代表候補生で、この学年主席のセシリア・オルコットを知らない?!」
オルコットの明らかなオーバーリアクションに顔色を変えずに、ひくという器用な事をしながら教科書読破に集中する。そこで一夏が手を上げるように質問する。
「なぁ、代表候補生ってなんだ?」
「・・ほんっとーに無知なのですわね。代表候補生とは、国の代表候補になる素質のある学生が選ばれる高実力の持ち主でもある証の呼び方ですのよ?」
そう言っているが目の前の教科書には各国数人ずついると書いてあるから、合わせるとけっこーな数になると思う。しかも、代表候補ならいざ知れず、結局候補生どまりになるやつもいる中で今言われてもそんなに凄いとも思えんのだが。と、考えてはいても巻き込まれたくないので何も言わない。
「ほー、つまりエリートってやつか。」
「その通り。エリートなのですから、私に声をかけられた事を幸運と思いなさい。」
「そっか、そりゃラッキーだな。」
「・・・馬鹿にしてますの?」「いや、別にそんなつもりはないが?」
「はぁ、ISに乗れる初の男操縦者と聞いて期待していたのですが・・。これだから黄色いサルが集まる国は駄目なのですわ。」
その言葉に一夏も顔に怒りをあらわにした。
「素人の俺になにか期待されてもこまる。だが、国まで馬鹿にする事は無いんじゃないか?」
「貴方みたいな男が生まれる国なのですからたかが知れてますわ。やはり、私みたいに試験で試験管を倒すほどの実力がなければ・・」
「あぁ・・俺も倒したが?」
「はぁ!?貴方も試験官を倒したですって!?本当ですの?」
「え、あぁ、かわしながらで何とか勝っただけだが・・。」
「ワタクシダケトキイテイマシタガ・・。」
「女子では・・ってオチじゃないのか?」
「いいで‥」
そこまで言って次の授業開始のチャイムが鳴る。
「・・また来ますわ!逃げたら承知しませんわよ・・。」
そう言って席に戻って行く。何だあの女。めんどくさそうだ。そう思って隣の一夏に小さく声をかける。
「面倒だな。」
「あぁ、まったくだ。はぁ・・。」
そこで織斑先生が教室に入ってくる。
「では授業を始める・・と言いたいところだが、先にクラス代表を決めねばならない。クラス代表はクラス同士の会議、クラス代表戦に出たりする学級委員みたいなものだ。それでは自薦他薦は問わない。誰か居るか?」
その一言で少し、しーんと言った感じの時間が流れるが、一人の女子が手を上げて言った。
「私、織斑君がいいと思います。」
その一言が火薬に火をつけたように、
「私も、織斑君がいいと思います。」「アタシも織斑君がいいと思う。」
そこにいらない油を撒く奴もいるのが人生か、
「私は金宮君を推薦します。」「そうだね、休憩中もまじめに本を読んでる金宮君ならできるかも。」「金宮君がいいと思いまーす。」
そんな発言いらないよ。
「他に居ないのか?でなければ代表は織斑か金宮と言う事になるが。」
「お、俺?!」
おそい。すさまじく反応が遅いよ。せめて自分の名前が呼ばれた瞬間ぐらいに反応しないと。
「お待ちください!!」
そこで乱入してきたオルコット。・・乱入してくるとはとんでもない奴だ・・とは言わないよ。
「ワタクシ、イギリス代表候補生のセシリアオルコットを差し置いて、そんな野蛮で頭の悪い黄色いサルがクラス代表だなんて良い恥さらしですわ。こんな東洋の端っこにある小さな島の集まりの文化的にも劣ってる国に来てまで、我慢して暮らしているのにこれ以上は我慢なりませんわ。」
「・・はっ、人の事を下に見る事しか出来ない王皇貴族様には、お似合いじゃないのか?」
「なんですって!?もう一度行って御覧なさい!」
「そもそも、イギリスだって飯まずランキング一位じゃないか。ランク1【笑】」
「きいぃぃ!決闘ですわ!そこまで言われて下がるわけには行きませんわ!」
「いいぜ、白黒はっきりつけようじゃないか。」
ソレを聞いた後、オルコットはこっちを《キッ》と睨みつけ指差しながら
「そこの、さっきから一切関係ない顔をしてる貴方もですわ!」
「・・僕、日本がどうのこうの、関係無いし。」
「はぁ?自分の国に位誇りを持ったらどうなのですか?」
「・・国籍、何それ。・・僕関係無い。」
「・・どういうことですの・・?」
だって、日系の顔してるけど、この国に戸籍が無いからいきなり現れた正体不明の少年。みたいに見られてたし。下手な事言えないから知らない、分からないで通してたら記憶喪失の少年扱い。なんか、顔も変わってるし、神様がつくりかえたんだと思うが。
「あー、ちょうどいいから言っておこう。金宮の事は特別で入学している。そして、国籍、年齢、出身地、家族、生年月日に至るまで一切不明だ。かろうじて名前だけは覚えていたが該当する人物は無し。ISを使用できると言う事で、このクラスで学ぶ事になったのだが・・、言わば、《記憶喪失な少年》と、上からの報告にある。だから、あまりそのあたりの質問等は避けてやってほしい。」
長々とありがとうございます。簡単に、記憶喪失の馬鹿でいいのに。
「つまり、一切不明の謎の少年。という認識でよろしいのでしょうか?」
なんだその認識は?
「大きく外れてはいないが・・まぁいいか。」
いいのかよ。
「とりあえず、だ。クラス代表を織斑、オルコット、金宮の三人で決めてもらう。決闘は一週間後だ。いいな。」
「「はい。」」「・・。」
「・金宮、いいな。」
「・・はい。」めんどくさい。
「では、残り時間は授業を行う。教科書の12pから。」
あーあ、だるい。なんでこうなるのかなぁ。
「・・面倒だ。」