インフィニット・エクシリア   作:金宮 来人

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眠い・・コレ投稿したら、私、寝るんだ・・。


第17話

今日は買い物に来ています。どこかって?『レゾナンス』っていう大型ショッピングモールみたいな所だ。そして、隣には

「ふんふ~ん♪」

と上機嫌に鼻歌を歌うシャルと、

「ふむ、このような店の形態があるのか‥。む?あっちはなんの店だ?」

「こら、あまり離れるんじゃないわよ。」

興味津津のラウラ、保護者みたいな事を言う鈴だ。

「で?なんで、僕は連れてこられた?」

そう、僕は自分の買い物なんかなかったのに・・。

 

~AM7:30~

《ドンドン!》

と音がして目が覚める。音はドアの方から聞こえた。

《立木~?起きてる~?》

「あー、ねてるー。・・・・?」

鈴の声に、そう答えるが、それより気になっている事がある。

何故、このベッドに、もう一人分、膨らみがあるのか。

よく観察すると、足の先が見える。白くて細い‥女子の足か?

そこまで考えてしっかり目が覚める。これ、ラウラか‥?

布団を抜け出し、部屋の鍵がかかっていることを確認する。一応、思い出してみたが、昨日はしっかり施錠したはず。なら、

「鍵、開けたのか‥。」

どうやってかは知らないが。とりあえず、鍵を開け部屋に鈴を招き入れる。

「おはよ、立木。・・・ん?」

その目の先は布団に向いていた。…あぁ、僕まだちゃんと目が覚めてなかったのかな?なんで普通に招き入れたんだろうか‥。

「ね、ねぇ・・?あれは・・?」

「知らない。朝気が付いたら居た。鍵は閉めていたはずだから、不法侵入?」

「そ、そう・・、あれ、誰?」

そう鈴が聞いてきた所で後ろからドアを叩く音がする。

《立木、立木!起きて!ラウラが‥ラウラが居ないんだよ!》

必死にドアを叩く音と、慌てたシャルの声。

「‥‥ラウラ・・まさか・・」

そう言いながら鈴がこっちを向く。いや、何もしてないし、知らないよ。

「とりあえず、シャルを入れるから。」

そう言って鈴に少しどいてもらい、ドアを開ける。

「立木!ラウラが‥」

「とりあえず入って。」

そう言ってシャルを部屋に入れつつ、「あれ。」と指をさす。

そこからは少し動いたのか布団からさらに足が出ている。

「着替えしとくから、あれ、よろしく。」

そう言って服を持って脱衣所に入る。シャワーを浴びて、さらに歯磨き・洗顔、と済ませて服を着る。部屋に戻ると、

「あ、立木。ラウラはちゃんと叱っといたからね。」

「もう、あんなことしちゃ駄目だよ?」

そういう二人の間に頬を少し赤く腫らしたラウラが居た。引っ張られたのか、両サイドから。

「うぅ、わかった。立木も、すまなかった。クロウサギ部隊の副長に聞いたら・・」

を言った後「こほん。」と咳払いし、

「『日本では意中の相手に朝やさしく起こされると幸せな気持ちになる。と聞いたことがあります。隊長はまだ、彼の意中の人というわけではありませんが、それでも意識するきっかけにはなるでしょう。』と言っていたから、朝起こしに来たんだ。だが‥」

そう言って僕の顔と布団を見て、

「あまりに気持ちよさそうなので、横に入ってみたくなってな‥その後は暖かくて、ほわほわした様な気持ちがして、・・気が付いたら寝てしまっていた。」

その言葉を聞いて、正直呆れてしまう。起こしに来た方が寝るとか、…よくゲームである状況だが‥その副長はそこから知識取り入れたとかないよな?

まぁ、いいか。

「‥鈴は、なんの用で来たの?」

「あえ?‥あぁ、アタシは水着とか新調するから、一緒に買い物に行くわよって言いに来たのよ。」

「・・・は?」

 

これが今朝起きた事だ。なんで僕が‥。

そこに、男としてきたから水着を持ってないシャルと、そもそも学校指定の水着以外持ってないラウラも参加して買いに行くことになった。

「そういや、なんでラウラは裸だったの?」

いきなり鈴さんはラウラにそう聞き始めた。いや、確かにそう思うのも分かるが、ここで聞かなくても。

「あぁ、それはさっきも言った副長がな『服も脱ぐと、一層効果があるはず。もし、勘違いすればむしろこっちの物。』と。」

「ラウラ。あたし、その副長とよーく話さなくちゃいけないみたいだわ。」

「うん、ボクも・・その副長さんにいくつか言いたいことあるなぁ‥。」

「あ、あぁ・・。もし機会があればな‥。」

思いっきり黒いオーラを垂れ流しながら二人はラウラに詰め寄る。まぁ、確かにあの雰囲気の二人が寄ってきたら怖いだろうな‥。

「所で、どこの店?」

一応、ラウラを助けるために話題転換をする。すると、

「え?あ、そうね‥、ちょうどこの店よ。」

右手にある水着ショップを指さす。なかなかに大きい店だ。

「じゃあ、立木は自分の選んでてね。アタシ達も行くから。」

そう言って中に入っていく。いや、別に自分の水着とか買う気無いんですが…。

そう思い、周りをきょろきょろと見渡すと、ちょうどこの店の入口が見えるあたりにコーヒーショップがあった。そこで、アイスコーヒーを頼み飲む。近くにテーブルもあるのでそこから店の入り口を見て皆が出てくるのを待つ。

「あの‥、すいません」

「…?」

声がした方に振り向くとそこには髪の長い女性が立っている。うん、知らない人だな。

「あの、少しお時間よろしいですか?」

「申し訳ありませんが、友人を待っているので・・。」

一応、女性なので丁寧に辞退しておく。なるべくやんわりと拒否する方向にだ。しかし女性は食い下がり、

「ほんの少し、ちょっとなので。」

「ですから、こちらもそろそろ友人が来そうなので。」

水着の二・三着位ならそろそろだろう。まぁ、ラウラの選ぶんならもう少しかかるかもしれないが。

「でしたら・・「ひったくりだー!!」‥あぁ?」

女性の声が明らかに変わった。おそらく素が出たんだろうが‥こ、こわい・・。逃げるように席を立ち、その声のした方に走る。すると、

「そ、そいつが、バック盗んだ奴だ!!」

前の方から帽子をかぶった男が走って来る。さらにそれを追いかけるおじさんと少女。

「ちっ、どっけえぇぇぇぇ!!」

前方に僕が止まっている事に気が付き懐からナイフを取り出し、それを突きだしながら走って来る。素人だな。常習にしてもまだ日は浅目っと言ったところか。

体を落とし、左手を前に構え右手を後ろに引き絞る。そのまま腰の位置に固定し、

「睦月の型、‥一線。」

引いた手を突き出すのと前に進むのは同時、左手でナイフを横に擦り払い踏み込んだ足を踏みしめると同時に相手の顎に掌底をくらわす。

「がぁっ!?・・・ぐぁ・・・。」

衝撃で脳が揺らされ脳震とうになり気絶する男。その場に崩れ落ちるのを受け止めナイフは手から落としておく。さらに逆の手にあるバッグを取り上げ、仰向けに寝かす。

「状況、終了。」

バッグを元の持ち主らしい少女に渡すとお礼を言われ、おじさんには握手をされる。

「少し目を離したすきに娘がバッグを盗まれましてな、いやぁ‥本当にありがとうございました。」

「別に何も。」

そう言って目を反らすとさっきの人が目に入る。すげぇこっちを睨んでる。さっさとここから逃げるか。

「じゃあ、待ち人がいるんで。」

とすぐに踵を返しさっきの水着ショップに向かう。後ろから、「何かお礼を・・」と声がかかるが「必要ありません。」とだけ答えて走って元の店に戻る。

「たーつーきー、アンタどこ行ってたのよ!」

「もう、なんで少しくらい待っててくれないかな?」

二人が「ぷんぷん」と言った感じで怒っていた。しかし、何故ラウラはもじもじしてるのだろうか。

「ラウラは、何故・・。」

「あぁ、なんでもじもじしてるかって?そりゃ、当日のお楽しみよ。」

「そう。」

鈴がにやにやしてるので秘密なんだろう。聞いても言ってくれそうにないし。

「じゃ、アタシとシャルの分、決めてくれる?」

「鈴は、…オレンジ、シャルは‥イエローとブラックかな。」

「…‥アタシ達、まだ見せてないわよ?」「しかも、ちゃんとこっちかな?って思った方言われてるんだけど‥。」

「勘。」

実際、二人に似合いそうな色を上げただけだし。

「じゃ、じゃぁ、ラウラには?」

「黒か濃紺。肌白いし。」

二人で顔を見合わせて唖然としてる。うん、当たったか?

「ね、ねぇ、さっきまでいなかったのよね?」

「いなかったから鈴は怒ったんだろう?」

「そ、そうよね…あはは・・やっぱり立木は普通じゃないわ‥。」

なんか、鈴が乾いた笑いしてるがまぁ、良いか。

「それじゃ、一応見ておく。」

「いや、‥そうだ!海で、臨海学校で見せる事にしようよ。うん、そうしよう。」

「そ、そうね、じゃあ、アタシとシャルとラウラは当日に見せてあげるわ。期待してなさいよ‥。」

「そ、そうだ、わ、私のもちゃ、ちゃんと見るんだぞ‥。」

「‥了解。」

なんか三人のうちで勝手に決まったが、まぁ、いいか。

「なら、何か食べに行こうか。」

途中で美味しそうな雰囲気の店を見つけたからそこに行こうと誘う。

「そうね。ここまで来たんだし、何か食べて帰りましょ。」

「うん。ボクもそれで良いよ。」「私もかまわない。」

と決定したのでさっきみた店に三人を連れて入る。

中はイタリアンレストランでちょうどランチのメニューがあった。

「四名様ですね、こちらへどうぞ。」

通されたのは店のテラス。海が見えて眺めが良い。

「ふーん、なかなかよさそうな店ね。値段も手ごろ。後は味かな?」

「イタリアンか‥最近食べてなかったから久しぶりだよ。」

「なぁ、このパスタランチに白と赤があるのはなんだ?」

それぞれが感想を言っているが、とりあえずラウラに答える。

「パスタソースの違いが主。赤はトマトベースのタイプとか、白はクリームソースやペペロンチーノみたいなタイプ。」

「なるほど。じゃあ、私はパスタの赤を。」

「いや、良い方法があるから。待って、‥鈴、シャルは何が良い?」

そう言ってメニューを出す。

「うん、アタシは肉ランチかな。」「ボクはパスタの白かな。」

「ふむ、じゃあ、すみません。」

僕は手を上げて店員を呼ぶ。来た店員にメニューを指しながら、

「パスタランチ、白と赤、パスタ追加料金の大盛りで。後ピザランチと肉ランチ。」

「かしこまりました。セットでドリンクとデザートはいかがですか?」

「四つ。食後でいい?」

「はい。ではパスタランチ赤と白、大盛りでピザランチと肉ランチで。デザートセットは四つ。以上でよろしいでしょうか?」

「はい。あと取り皿を‥二つずつ。」

流石に未成年で酒は無理だからな。

「立木・・手慣れてるんじゃない?」

「さぁ?正直言うとメニューに書いてあったから。」

おそらく、こういう店は男と女でデートとかに来るとかで男性用に大盛りもあるんだろうな。という事を簡単に説明すると納得された。まぁ、知識内ではあるんだがいかんせん行った事ないから実はどきどきしていたんだが。

軽く話している間にパスタランチが、その後肉、ピザと揃って、それぞれで取り皿を使い好きに取って食べ合う。僕は最後に残ったのをぺろりと平らげてデザートを頼むため店員を呼ぶ。

「デザートとドリンクを。メニューは?」

「こちらです。本日のケーキは紅茶のシフォンケーキとなっております。」

ケーキのメニューには色々とケーキが書いてあったが、どれもなかなか美味しそうだった。

「決めた。皆は?」

「アタシも。ドリンクも決まったわ。」「ボクも良いよ?ラウラは?」

「さ、先に頼んでくれ。すぐに決めるから。」

視線がある二点でうろうろしているので二つで悩んでいるようだ。

「じゃあ、アタシはアイスレモンティーとパンナコッタ。」

「ボクは普通のアイスティーと、それからフルーツタルト。」

そこでラウラに聞いてみる。

「ラウラ、悩んでいるのは何?」

「その、ザッハトルテとさっき聞いた紅茶のシフォンだ。」

「じゃあ、残る二つはそれで。ラウラ、半分ずつでもいい?」

「!!うん、それでかまわない!」

「なら後は飲み物だが‥アイスコーヒー。ラウラは?」

「私もアイスコーヒーを。」

「かしこまりました。アイスレモンティー・アイスティー・アイスコーヒーが二つ。それとケーキは紅茶のシフォン、ザッハトルテ、フルーツタルトとパンナコッタ。以上でよろしいですか?」

「はい。」

「では、少々お待ちください。」

そう言って店員はショーケースからケーキを出す。伝票を見て飲み物を別の店員が用意してテーブルに並ぶ。僕は自分の分を半分に切り、ラウラのケーキのさらに載せる。

「あぁ、ありがとうな立木。あ、こっちも半分・・」

「いや、一口で良い。後はラウラが食べろ。」

「・・良いのか?」「良いさ。」

一口サイズに切りさらに残りも鈴とシャルのさらに載せる。

「え?」「ボ、ボク達にも?」

「食べればいいさ。」

そう言って僕はコーヒーを飲む。その合間に自分の分をさらに小さく切って一口。

「少し、甘めか。‥ビタータイプが好きだけど‥まぁ美味しいから良いけど。」

そう言ってまたコーヒーを飲む。甘さはコーヒーや紅茶と一緒ぐらいでちょうどいいのかもしれないが。

「そ、それならこっちはどうだ・・?」

そう言ってラウラがシフォンケーキを差し出してきた。フォークに刺して。

「…いいの?」

「あ、あぁ。ほら、‥あ~んというやつだ。」

「‥あむ。‥‥確かに。美味しいよ。ありがと、ラウラ。」

ラウラから食べさせてもらい味を見る。うむ、紅茶の香りとフワフワ感が素晴らしいな。

「…あ、あぅぅぅ・・。」

ん?何故やったラウラ自体が真っ赤になっているのだろう。…まぁ、いいか。横から差し出されるフォークとスプーンの方を気にしなければその食器がこっちに刺さりそうだからな。

「ほ、ほら、あたしのパンナコッタも食べてみなさいよ‥。」

「ボ、ボクのも。さっきのお返しにしちゃ小さいけどさ‥。」

コーヒーを一口飲み、鈴のパンナコッタを一口。‥甘さはそこそこ、だけど上にかかったミックスベリーのソースが爽やかさを出して食べやすい。甘酸っぱさが後を引く感じだ。

「ベリーの酸味とパンナコッタの甘さがいい感じだ。」

そこでコーヒーを一口飲む。そのまますぐタルトを食べる。

「生地がサクサクよりしっとりしているから、舌触りが良い。そこそこの甘さしかタルトにないからフルーツの甘さとクリームの甘さを受け止めれる感じがする。」

このタルトも美味しかったが、僕にとっては途中コーヒーを飲まないといけないくらいに甘い。嫌いではないがあまり得意ではないのだ。

「鈴、シャル。美味しかったよ。ありがとう。」

「え、あ、うぅぅ。」「そ、そうかい?よかったよ、あははははは。」

だから、後から照れるくらいならやらなきゃいいのに。

その後は軽くしゃべって、またショッピングをした後学園に戻った。なかなか楽しかった一日だった。

 




作者の私の趣味には食べ歩きも含まれます。
そして、選んだデザートは作者の趣味です。
キャラ本来の嗜好等は知りません。

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