インフィニット・エクシリア   作:金宮 来人

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朝早く目が覚めたので投稿。今日中にもう一話くらい投稿したいです。


第11話

「デュノア、部屋の事なんだが、金宮と同室と言う事になった。と言う事で、金宮、お前の部屋から作業台は撤去させてもらったぞ。」

「しかたないし、構わない。」

「‥それで、代わりと言ってはなんだが整備室の許可はいつでも出ることになった。好きに使っていいそうだ。」

「了解。」

「あと、デュノアと同室になったから場所を教えてやってくれ。」

「・・。」

だんだんと答えるのもおっくうになってきたので最後には頷くだけ。それで許してくれるんだから織斑先生も甘いよなぁ。

「デュノア。こっち。」

デュノアを部屋に連れていくため歩き出す。少し、難しい顔してるのは…僕だからだな。

織斑先生が言っていて通りに僕の部屋から作業机が無くなり代わりにベッドが置いてあった。

「僕こっちだから。」

そう言ってベッドを指さし使っていることを教えておく。ついでに紅茶も入れる。茶葉は、ダージリンで良いか。お湯を沸かしてティーポットに入れる。さらにポットの上から帽子状のモノを被せる(ティーコジーとかキャップとか色々呼び方はあるが)、砂時計を逆さにし、落ち切ったところでカップに注ぐ。当然、なるべく高い所から注ぐがこぼしたりはしない。そこにミルクと砂糖、レモンの薄切りを冷蔵庫から出して並べる。

「はい。」

「え?本職って紅茶屋?」

「・・?学生だが?」

なんでここに僕が居るのか知らないのか?

「だ、だよね?いや、なんかすごい手際が良いし慣れてる感じだったから。」

「・・・実は、執事だった?」

そう言いながら部屋の入口のあたりを探る。ペン立て、ベットの下等も確認し盗聴器は無いようだ。

「あ、ありそうで笑いづらいね。」

服を直して髪を掻きあげピンでとめる。この髪型は部屋だとよくやるスタイル。

「お帰りなさい、お嬢様。」

一礼しながら言うとデュノアは真っ赤になって首を振る、

「え?!いや、あはは、そんな!?お嬢様だなん・…て!?」

あ、やっと気がついたか。シャルル様とかじゃなくてお嬢様、つまり女として扱った事に。

「え、な、何言ってんのかなぁ…。ボ、ボクこんな顔してるけど・・」

「大丈夫、誰にも話して無い。」

「・・・バレテル?」「始めから。」

「始めって?」「自己紹介の前。」

「何故?」「歩き方の違いから分かる骨格の違い。」

「他には?」「明らかな輪郭や声、筋肉の付き方の違い。」

「他の人は?」「違和感持っているくらいならいるかも。」

疑問、肯定の繰り返し。最後に重要であろう質問が来る。

「これから、どうするつもり?」

本気で心配そうな顔をしながら聞いてくる。少しは僕に希望を持っているのだろう。

秘密にしてあげるとか、そんな優しい言葉を期待しているのだろう。

「期待しているとこ悪い。僕は期待されている言葉を言うつもりは無い。」

一瞬にして変わる表情。絶望、悲壮、黒い感情が手に取る様にわかる。だからはっきりと言ってやる。ただし、顔は見ないようにしながら机の方を向いて紅茶を一口、

「正直、君の事はどうでもいい。僕は知っての通り記憶がない。ソレを探すのに忙しいから君の事は関係ない。」

ただ、突き放す一言。だが、ばらすとも、誰かに言うとも言わない。

「・・・はへ?」

泣き出しそうにうつむいていたが、いや、若干目の端に涙がたまっているから泣いていたと言うのか?まあいいや。

「僕は、面倒が嫌いなんだ。」

「き、君はどうしたいの?」

「そう聞いてきたら、こう答えるしかない。」

正面に向きなおり顔を見るように少し深く座り直す。

「面白ければそれでいい。」

「…きみ、変な人だね。」

自覚はあるが人に言われると少しいらっとするもんがあるな。と言う事でいたずらを思いつく。

「コレについて一夏君と話したら男らしく思えるかも。」

そう言ってパソコンを少し操作し画面に出す。

「え?なになに…!?/// ///」

画面上にあるのはほぼ男の裸。ほぼの部分には急所と尻しか隠れる部分の無い布がある。

検索ワード『日本一男らしい祭り』

「裸祭とか色々ある。男らしくない?」

「/// ///ふ、ふわわぁぁぁああ・・・。」

少し刺激が強かったかな。ま、気も済んだし。からかうのはここまでにしておこう。

「相撲って国技があるこの国じゃ割と普通。」

「こ、これが!?これがわりと普通!?」

「テレビ中継あるし、全国の祭りでもある。」

「はあぁわぁぁぁ、に、日本ってすごい国だね。」

「そう‥。」

正直もう飽きて来たので普通に調べ物をすることにした。

「ふぅ‥。」

「あ、そ、その。そう言えば同室なんだから立木って呼んでいいかな?」

「…好きに。」

呼び方なんて割とどうでもいい。そんなに興味も無いし、僕だと分かればそれでいいや。

「え、じゃあ、立木、ボクの事はシャルルって呼んで貰える?」

「シャル。」

「え?ま、まぁそれでもいいけど。」

「風呂使うときは言って。気をつけとく。」

パソコンで色々調べごとをする。篠ノ之束。篠ノ之箒の姉でISの作成者。其処らhんよりもっと詳しい情報がほしいモノだが、・・・仕方ないか。

「あ、ありがと‥。」

パソコンを切って部屋着に着替える。シャルが女子だろうと関係ないし。

服を脱いで半袖の服に着替え、作業台が無い事を思い出し少しやる事に悩む。

「‥シャル、ISの事で聞きたいことがあるんだがいい?」

「え?ボクでいいなら、うん。」

「デュノア社のISならシャルに聞く方が早い。」

「あぁ、そうだね。‥ありがとう、立木。」

一体何の礼だかわからんが、とりあえずその日は色々聞いたりして時間をつぶしつつ、知識を増やすことがで来た。いやぁ、これなら僕でもISの改造ができるかもしれないな。

‥‥にやり。

 

ばれたと知った時、ボクはもう駄目だと思った。確かに彼はデュノアの機体を使っては居るが会社の人物じゃないから命令はできない。もうおしまいかと思ったけど、彼は黙っていてくれるらしい。始めにボクを脅しておきながら「どうでもいい」とか「面倒は嫌いなんだ」とか言って秘密にしてくれる。…ホントに不思議な人だよ。隣のベットで静かに、・・・ホントに静かすぎて息してないんじゃないかと疑っちゃった。なんか彼の事が気になる。でもボクは一夏のISの事を調べないと‥コレは彼には絶対にばれたくない。せっかくまだここに居れるんだから。でも、とりあえず今は、

「・ありがとう。・・お休み。」

 

「え~。今日も、転校生を紹介します・・。」

昨日の今日で新しい転校生。今度こそ普通かと思ったが、其処に居る女子はどう見ても普通じゃない。

「「「「ざわざわ・・。」」」」「ザワ・・ザワ・・・」

「静かにしろ。」

「「「・・・・・。」」」

織斑先生の一言で全員が静かになる。

「え、えっと、では自己紹介を・・。」

「・・・・・。」

山田先生が自己紹介を進めても何も言わずただ黙って立っているだけだ。というか、休めのポーズとか決まっている所を見ると、本職か?

「あ、あれ・?」

「ボーデヴィッヒ、自己紹介だ。」

「はっ。」

織斑先生の一言でやっと口を開く。敬礼している所を見るとやっぱり軍人みたいだな。

「ドイツ軍IS特殊部隊≪シュバルツェ・ハーゼ≫隊長ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」

「「「「・・・・・。」」」」

「‥以上でしょうか・・?」

「以上だ。」

「…はぁ。」

山田先生が泣きそうだ。まぁ、別に励ます気は無いけどね。と、ボーデヴィッヒは一夏君の前に行って右手を振りかぶる。

《パァン》と乾いた音が教室に響く。

「…貴様どういうつもりだ。」

「‥教室内での暴力行為、許すと?」

一夏君とボーデヴィッヒの間には一冊の雑誌。ソレを下から差し込むように僕がしゃがんでいる。殴ることが分かったから机の中から雑誌を引き抜いて即座に回り込んだというわけだ。

「…何が狙いだ?」

その言葉を待ってましたとばかりに立ちあがる。胸を張り、いつも通りの無表情で言い放つ。

「‥受け狙い。」「「「・・ズルッ・・」」」

教室中がずっこけた。目の前のボーデヴィッヒはめっちゃ睨んでくるし。あっ・・。

「く、ふざけるな!貴様・・・なんだ?」

「‥‥。」

さっきの雑誌、叩いた面を指さして黙っている僕に気がついたらしい。

《織斑千冬、ISの基本》

と書かれている上にいつも通りの先生の姿が映っている面の顔を思いっきりぶったたいていた。しかも、顔の真ん中が破れかけるほど。

「…‥!?」

「‥ボーデヴィッヒ、私に恨みがあるのか?」

「い、いえ教官、そんなことはありません!」

「そうか、まぁ、暴力行為は未遂だから許すが・・、私も流石にそこまでされると傷つかないわけじゃないんだが?」

「いえ、ですから!・・」

うん、割と面白かった。多分この後恨まれるだろうけど、それはそれ。コレはこれだね。

「面倒だ。」

 

 




知ってる人は知ってるセリフがちょくちょく入ってます。
分かる人いるのかな?

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