う~ん柳韻さんのキャラがよくわからん。
「私の名は篠ノ之 柳韻。遠い親戚にあたるものだ。」
篠ノ之…柳韻… ゴクリッ
名を名乗っただけなのに凄みを感じ、思わず唾をのんだ。
「どうした。声帯は無事だと医師に聞いているが。」
俺が黙っていると柳韻が喋らないのが気になったのか聞いてくる。
名乗られたからには名乗るべきだろう。
「申し遅れました。ご存知かもしれませんが暮見 雄二です。」
「うむ、知っておるぞ。これは見舞いの品だ。」
そういうと柳韻は手に持った小包を渡してくる。どうやら和菓子のようだ。
「これはどうも。」
礼をしながら、棚に置く。
「一つ確認したいことがあるのだがよいか?」
和菓子を置き、俺が顔を柳韻の方に向きなおすとそう言った。
「確認したいこと?いいですよ別に。」
一体何が聞きたいのだろうか?
「君が両親が自分のせいで死んだと思っていると医師が看護師となやんでいたのを聞いてしまった。それは事実か?」
そのことか・・・
「事実ですけど何か?」
そういうとともに吐き気が湧き上がってくる。
「土砂崩れに巻き込まれたことは知っているな?」
「もちろんです。そのうえで言ってるんです。」
事故だからお前のせいじゃないとでもいうつもりか?何もわかってないくせに・・・
柳韻はスゥーっと息を吸い、
「思い上がるな!!!」
その怒声に俺は固まった。
想像していたことと全く違うことを言われ、思考が停止する。
「思い違いも甚だしい!」
思い違いだと・・・!勝ってなこと言いやがって!なにも・・・
「何もわかっていないくせに勝手なこと言うな‼」
気が付いたら俺は勝手にしゃべっていた。
「俺が・・・俺が三人を殺してしまったんだ!地震も土砂崩れも俺のせいだ!俺が願ってしまったから・・・女神さまに願ってしまったから‼」
激情にまかせ、女神さまのことまで口にしてしまう。
「ほ~ぅ、つまりお前は女神とやらに願ったわけか?家族が死んでほしいと。」
「そんなわけないだろ‼」
俺は柳韻をにらみつけ、怒鳴り声をぶつける。
しかし柳韻は意にも介さずに続ける。
「では言うてみろ!何を願いこうなった?」
「いいぜ・・・教えてやるよ。」
言っても何も変わらない無駄なことなのに俺はやけになったのか全てを話した。
女神にあったこと、特典をもらったこと、この特典には異常性があること。
一つ一つ懇切丁寧に教えってやった。
「だからこうなることは出来レースだったんだよ‼俺には丈夫な体があって事故からは助かり、大金を手に入れる…。全部俺のせいでなるべくしてなったんだよ‼これで満足か・・・?」
俺は自嘲気味に笑いながら言う。
「つまりお前の願いによってお前はあの夫婦のもと生まれ、お前の願いによって命をなくし、お前の願いによって金を残したということか。」
「その通りだ。」
そうだ…その通りだ…何も違わない。
「いいんだな?認めて」
柳韻の顔は怒りで染まっていく。すさまじいほどの威圧感を感じる。
思い違いとかほざいてやがったのにキレやがった。そうだよなぁ俺が正しいんだから。
「いいもなにも・・・そうだろうがよ‼」
俺はなにも間違ってない。そうだ、もっとだ。もっとキレろよ柳韻!
同情も憐れみも心配もいらない。罵声でもなんでも来い!俺を罰しろ!
「それで・・・いいんだな?お前の家族はお前のために女神が用意した
「ッ!?」
どう・・・ぐ?頭が真っ白に染まる。
「な、なにをいっt「そういうことだろう?」
「お前に今まで家族が話していたこと、優しくしてくれたこと、怒ったこと、泣いたことも全部お前の願いをかなえるために仕組まれていたことで、お前の両親がお前をかばって死んだことさえも道具としての機能だったというわけか。そしてそれをかなえたのは女神といったな。そんなものは断じて女神などではない。悪魔だ。」
「違う…違う違う違う違う違う違う違う違うッ‼」
俺は柳韻を殴ろうとしたが殴った拳をつかまれ、そのまま宙に持ち上げられた。
「なにが違うッ‼」
柳韻は俺の顔が自分の顔の高さと合うところまで俺を持ち上げて問う。
「そんなこと決まっているだろう‼三人は道具なんかじゃねぇ!ちゃんと自分の意志で生きていたし、女神様は俺を気遣ってくれるほどやさしい!そんなことしねぇ‼」
「ではこの状況をどう説明する?なぜ地震は起きた?」
「そ、それは特典をもらった俺がいたk『ドンッ』かはぁ!?」
俺が言い終わる前に柳韻は俺を壁に投げつけやがった。
「お前がいたから?ふっ、笑わせるな。お前がいたからといって、どうして地震が起こる?どうして人の死を操れよう?お前は力をもらって神にでもなったつもりか?」
「ッ!?」
「所詮神に力をもらおうが人間は人間だ。たかがしれているわ‼今お前がなにも出来ずに這いつくばっているのがいい証拠だ。」
「・・・・」
「わかったか?自分の無力さやちっぽけさが?」
そういわれ、俺は自分の無力さを知った。いや、知ってしまった。
なんだかんだいって力がある自分が特別だって思って調子に乗っていたんだ。
三人の死も俺が特別って感じたいから自分のせいにして悲劇ぶっていたのかもしれない。
ごめんなさい。ほんとにごめんなさい。
「くうっ、ううっ、うっうっ」
ごめんなさい、ごめんなさい。俺には泣く資格なんてないのに…
必死にこらえようとするが涙はとまらない。
「我慢するな。思いっきり泣いてやれ。それは家族のための涙だ。」
柳韻さんは俺を抱きしめながら言う。
それを聞いた俺は、
「ッ!?う、う、わあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」
ダムが壊れたように涙が止まらなかった。
★
「スンッ、スンスンッ・・ありがとうございました。」
ようやく涙の止まった俺は柳韻さんにお礼をいった。
「気にするな。私がただ言いたくなったから勝手に言っただけだ。」
柳韻さんはこんな風にいっているが俺の家族のことを思って言ってくれたのだろう。
「ありがとうございます。家族を守ってくれて。」
「別に守ってなどおらぬし、礼は不要といっただろう。」
「俺が勝手に言いたかったんです。」
柳韻さんが言ったように返すと
「「・・・・・プッ、フハハハハハハハ」」
二人して笑った。
「なかなか、言うではないか雄二。気に入ったぞ。」
「いえいえ、大した奴じゃありませんよ俺は。」
しばらくそのように話していると、
「そうだった!ここに来た理由を忘れっておった。」
「ここに来た理由?お見舞いに来てくれたのでは?」
お見舞いならばすでにかなり元気をもらったので目標達成だと思うが?
「それもあるのだが、こっちの方が大事なのだ。」
大事な用とはいったい何なのだろう?
「雄二、突然だが家に来ないか?」
「えっ?」
この人今なんて言った?家に来ないかといったのか?
それってつまり・・・引き取ってくれるってことだよな。
「いやか?嫌なら無理強いはせんが。」
「えっ!嫌とかそういうんじゃないんですけど、ただ・・・」
自分が本当に一緒にいてもいいのだろうか?
吹っ切れたものの今回だって俺の特典が影響してないとも言い切れないし…
「阿保か。」
デコピンされた…超痛い…
「雄二、お前は一生引きずったまま生きるのか?」
そうだった…俺は前を向いて生きないといけないんだ。死んだ三人のためにも目一杯生きて謝罪じゃなく感謝の気持ちを送るんだ!
「で、どうする?」
柳韻さんは俺に手を差し出してくる。それを俺は、
「よろしくお願いします!」
手に取った。
やっと一区切りです。書くのってやってみると分かるんですが大変ですね。
ちなみにタイトルに?をつけたのは今回の事故、作者のこれが正解だと押し付けるのではなく想像してほしいからです。
どこまでが運命のイタズラなのか?
皆様はどうおもったでしょうか?