~E・S~転生者は永遠を望む   作:ハーゼ

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あぁ^~心がぴょんぴょんするんじゃぁ^~


第十一話 一目で尋常じゃない天才だって見抜いたよ

オッス、オラ雄二。これから修行すんだ。オラ、ワクワクすっぞ(震え声)

そんなわけで二日目修行開始です…

 

「昨日でお前の体力や筋力といった大体は把握した。それを踏まえ、しばらくは昨日のメニュー行い、徐々に上げていく形となるな。」

 

マジすか・・・柳韻さん…。あれをずっと続けないといけないんですか…

 

「いきなりハード過ぎやしませんか?」

 

「お前ならこれをこなせると判断した。昨日と同じことをすればいい。」

 

昨日と同じようにやれって言われても体中筋肉痛でバキバキなんですけど…

 

「ではまずはランニング10キロからだ。行くぞ。」

 

柳韻さんは道場の外に行く。俺は仕方なくついていく。

はぁ~、わかりました。やればいいんでしょう?やってやるよ‼(やけくそ)

 

 

「ハァ、ハァ、ハァ・・・」

 

ランニングを終えて道場に戻ってきたがかなり疲れた。

筋肉痛に加えてなんで走りにくい道着を着たまま走らなけりゃならんのだ…

しかも、柳韻さん超速いからね…ランニングのスピードじゃないと思う。

そしてなんで柳韻さんは息切れ一つ起こさない?化け物じみてる・・・

 

「5分休憩して次のメニューだ。」

 

「は・・はい・・」

 

 

俺が腕立てをしていると外が騒がしくなってきた。

 

「む、教え子たちがきたようだ。そのまま続けていてくれ。」

 

俺に付き合うように腕立てをしていた柳韻さんはピタリとその動きを止め、入り口の方に歩いて行った。

俺はそれを眺めるなんてことはせず、腕立てを続ける。人にかまっている余裕はない。

 

・・151・・・・152・・・153・・・

 

 

 

 

 

 

道場に行くと変わったやつを見つけた。見たとこ年が私と同じぐらいの整った顔立ちの男だった。

そいつは端の方で黙々と素振りをしていた。しばらくそいつを見ていると、

 

「どうした千冬?」

 

師範代に声をかけられた。

 

「いえ、あそこにいるやつ。見ない顔だと思いまして。」

 

「あぁ、雄二のことか。あいつは最近私の家で引き取った子でな、なかなか見どころがあるやつよ。」

 

師範代が人をほめることは少ないため、私は少し驚く。

 

「お前もあの姿を見て何か思わんか?」

 

師範代に問われる。確かにあいつを見ていると無性に体がうずく。

その男、雄二は周りの喧騒などまるで耳に入ってないといわんばかりに竹刀を振る。

視線も誰を見るというわけでもなくまっすぐと見据えている。

実力は大したことはないだろう。しかしその姿は純粋に強さを求めるものの姿だった。

その姿を見ていると、

 

「そうですね。見どころはあります。素人に毛が生えた程度のやつですが。」

 

負けてはいられない‼と思わずにはいられなかった。

私は竹刀を取り出し、素振りを始める。

 

「そうかそうか。お前もそう思うか。」

 

師範代は私と雄二を交互に見てニヤリと笑うと他の門下生のところに行った。

 

その日の鍛錬はいつもより力のこもったものとなった。

 

 

 

 

 

 

999・・・・・・・・・・・・・・1000・・!

 

ふぅーやっと終わったー。一回一回振り終わったら構えをしないといけないから時間かかるな。

今日は早めに始めたから日が沈む前に終わった。疲れたし、汗でびっしょりだから早く風呂入りたいわ~。柳韻さんはどこかな~っと・・・・いたいた。

 

「柳韻さん終わりました。」

 

「うむ、こちらでも確認していた。上がってよい。」

 

あっやっぱり見てくれていたのね。よかった~楽して適当にやらなくて。

やっていたらやばかったな…

 

「では、失礼します。」

 

頭を下げて道場を後にしようとすると視線を感じる。

その方向を向くと肩ほどまで黒髪を伸ばした可愛い子がこちら鋭い目線で見つめていた。

年は同じくらいだろう。・・・ふっ、なるほどな。

 

(許せ美少女よ。俺は先に地獄を抜ける‼)

 

美少女は地獄から先に上がる俺がねたましいのだろう。しかし、柳韻さんがいるから目線での攻撃しかできない。俺はそんな少女に頑張れと目線でエールを送ると少女は笑った気がした。

和解できたことを確認して俺は道場を後にした。

 

 

 

 

 

 

あいつは今日の分は終わったのか、師範代に話しかけて道場を後にしようとする。

私がそれを見ていると視線に気づいたのか出口近くで振り返ってこちらを見てきた。

しばらくやつはこちらを見て、ニヤッと笑い力のこもった目を向けてきた。

 

『お前には負けない』

 

整った顔立ちからのぞかせる強い瞳。その瞳はそう語っていた。

 

(面白い‼いいだろう、私もお前には負けん‼)

 

私も視線に力をこめ、視線を返した。興奮して口角が上がっているのがわかる。

それが伝わったのか雄二は満足そうに道場を後にしていった。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ~いいお湯だった。」

 

風呂上りの俺は居間にいた。居間にいるのは束ちゃんと箒だ。

最近俺は箒ちゃんのことを箒と呼び始めた。一度こっちで呼んだとき喜んでくれたからだ。

やっぱそういうのわかるって箒は頭いいかも。

なお束ちゃんの前ではちゃん付けで呼ばないとにらみ殺される。

 

「束ちゃんお茶置いとくよ。」

 

ノーパソをいじっている束ちゃんの前に麦茶を置く。

 

「・・・・・」

 

無視ッ!圧倒的無視!

うん、もう慣れてきた。こうやって話しかけているものの効果は出ない。

俺が束ちゃんの声を聞いたのは初日の一回だけだ。

どうしたものか。何か束ちゃんが楽しめる話題があればいいのだが・・・・

唯一の箒についての話題は俺が殺されちゃうからダメだろ。

ていうか仲良くなろうとして死ぬってなんだよ…

 

「何かないかな~」

 

突破口を探し、束ちゃんを見ていると束ちゃんがいじっているノーパソを見てひらめいた。

そうだ!ゲームだ!束ちゃんはPCゲームに周りが見えなくなるほど夢中なんだからゲームの話なら食いついてくれるかもしれない。

そこに気づくとは天才か・・・俺。

そうと決まれば束ちゃんがやっているゲームを知らなければと思い、束ちゃんの後ろに回り込むと

 

「ま、まじか・・・」

 

天才は俺ではなく束ちゃんだった。

後ろから画面を見ているとアルファベットやら数字やらが画面にびっしりと書かれている。

おそらくプログラミングをしているのだろう。すごいがそれだけでは天才と呼ばない。

こうしている間にも束ちゃんはこの年で参考書もなしにプログラムを打ち込み続けている。

その姿はまさに天才としか言いようがないだろう。

 

(困った。話題を探しにきたのにつぶされた。プログラミングなんかわかんねえーぞ俺…)

 

しばらく呆然として見続けていると、

 

(・・・・・・ん?)

 

「姿勢制御のプログラム?」ボソッ

 

なんか束ちゃんが何をプログラミングしてんのかわかる。頭が勝手に理解している感じ。

 

「・・・・・は?」

 

誰かの呆けた声が聞こえた。誰の声だ?俺か?

と考えていると束ちゃんが作業を止めてこちらに振り返っていた。

 

「ご、ごめん束t「わかるのっ!?」

 

邪魔だったかと思い謝ろうとしたら、いきなり胸倉つかまれた。誰に?束ちゃんに。

 

「わかるの!?これが何かわかるの!?」

 

目は血走っており、隈がよりそれを引き立てる。胸倉をしめる力もどんどん増していく。

ちょ、これ小学生が出していいレベルの力じゃない!?

 

「ねぇ、これが何かわかるのかって聞いてるんだよ!どうなの!?」

 

こ、こえぇぇ!?この子こんなに活発的だったの!?(デス方面の意味で)

と、とにかく答えなきゃこのまま絞殺されてしまう。

 

「わかるってそのプログラミングのこと?それならわかるけど…」

 

おそらくプログラムについて聞いているのだろう。それならなぜかわかる。

君の謎パワーについてはまったくもって、わからないがね。

ていうかこの話題効果ありすぎだろ‼どんな話題でも結局死にかけているじゃん‼

 

「ほ、ほんとに?」

 

束ちゃんは顔をキョトンとして聞いてくる。俺の胸元からも手が離れる。

良かったよ…記念すべき一回目の会話が胸倉つかまれて絞殺されて終わりじゃなくて。

 

「うん、わかるけど。」

 

「じゃあこれは?」

 

束ちゃんはパソコンをいじって別のプログラミングを見せてくる。

え~っとなになに、

 

「センサー類のプログラム・・かな。それもすごいやつ。」

 

「うそっ!?ほんとにわかってる…」

 

あってたようだ。しかし、まさかプログラミングまで理解できるとは思わなかった。

ほんとに異常なほど頭良くなったんだな。これが今の時代じゃ異常なほどのプログラミングってのもわかるし。束ちゃんまじパネェな。

 

 

 

 

 

 

「姿勢制御のプログラム?」

 

私がプログラミングしていると小さいが確かに聞こえた。

 

「・・・・・は?」

 

それは今まさに私がプログラミングしているものだ。

理解できたというの?いったい誰が?

声の聞こえた方に向くとそこにはつい最近家に来たやつがいた。

こいつは箒ちゃんに手を出そうとしてるやつだ。まさかこいつが?

 

「ご、ごめん束t「わかるのっ!?」

 

何か言おうとしていたが無視して話す。逃げられないように胸倉をつかんで拘束する。

 

「わかるの!?これが何かわかるの!?」

 

問い詰める。万が一にも逃げられえないよう腕に入れる力を上げる。

絞める力を強めたっていうのに余裕なのかこいつは何も言わない。

思わず声を荒げて言う。

 

「ねぇ、これが何かわかるのかって聞いてるんだよ!どうなの!?」

 

さらに腕に力をこめるとようやく話し始めた。

 

「わかるってそのプログラミングのこと?それならわかるけど…」

 

わかるって言った!今確かにわかるって言った!

 

「ほ、ほんとに?」

 

思わず聞き返す。胸元もいつの間にか離してしまっていた。

しかしそんなことはどうでもいい!重要なのは、

 

「うん、わかるけど。」

 

「じゃあこれは?」

 

ほんとかどうかだ。

私はハイパーセンサーについてのプログラミングを見せた。

 

「センサー類のプログラム・・かな。それもすごいやつ。」

 

「うそっ!?ほんとにわかってる…」

 

当然のように答えが返ってきた…

自分以外にわかる人がいるなんて…

 

「凄い!すごいすごい‼束さん以外にこれがわかるなんて‼」

 

自分でも驚くほど興奮してしまっている。

 

「そ、そうか…?」

 

「そうだよ‼すごいんだよ!なんたってこの束さんのプログラミングを理解できるんだから!ねぇ、君名前は?」

 

確か言っていたと思うけど興味なくて聞いてなかったんだよね。

あぁ~もう!ちゃんと聞いておくんだったよ!

 

「えっ?雄二・・・暮見 雄二だけど…」

 

暮見 雄二。うん!覚えた!

 

「じゃあ、雄くんだね!」

 

「ゆ、雄くん!?」

 

「そう、雄二だから雄くん。よろしくね!」

 

「あ、うん。よろしく束ちゃん。」

 

ちょっと興奮していてグイグイいってしまって雄くんを困惑させちゃった。テヘペロ

あっ!

 

「束ちゃんなんてよそよそしく呼ばないで束って呼んでね!雄くん。」

 

「いいの?」

 

「いいも何もそう呼んでっていってるの!」

 

「・・わかったよ。え~っと、束。」

 

うん、よろしい。

 

「じゃあ、改めてよろしくね!雄くん!」

 

「あぁ!よろしく束。」

 

 

 

 

 

 

(今日はいろいろあったな…)

 

特に束ちゃん・・・じゃなかった束の変化がすさまじかった。

危うく死にかけたしね。でも話せるようになって良かった。

話してみるとものすごいグイグイくる子でビックリした。名前すら覚えてくれてなかったことにも驚いた…というより悲しかったです。はい。

 

(夕食のときなんかすごかったなぁ)

 

俺の隣に座って終始喋っていたもんな。皆はいつの間に!ってすごく驚いていたが嬉しそうだった。箒の件についても和解したから問題ないし、今日の俺ってほとんどいいこと尽くしじゃん‼

 

上機嫌で俺は眠りについた。

 

 




千冬と束を興奮させる(意味深)主人公。

ちなみにサイドチェンジするとき〈~~side〉みたいに、だれだれサイドみたいなの合った方がいいんでしょうか?

ご意見などありましたら遠慮なく言っていただけるとうれしいです。

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