琥珀は手を宙に掲げて哄笑する。…その直後、彼女の周りに高密度の炎の矢が出現した。その数…およそ50本。
そのひとつひとつが(簡単に言うと)家屋2〜3棟を消し炭にできる威力を持つ。
そんな、霊使者協会の中で最高ランクの術師でさえ困難な芸当を、琥珀は哄笑ひとつで簡単に実現させる。
…数百年間、誰も刀を抜けなかった理由がこれで理解出来ただろう?
「グガアアアアアアア!」
だが、そんな光景を前にしても、青龍は勇敢にも威嚇という行動に出る。琥珀はそんな式神を興味深そうに見下ろした。
「ほう…主の指示に従うただのトカゲ型でく人形かと思ったが…認識を改めよう。」
琥珀は吸血鬼らしい、邪悪な、しかし魅了に溢れた笑みを浮かべた。
「ゆくぞ、《アオダイショウ》!」
…そんな、認識を改めたか微妙な名前を叫びながら…
リヒトは横目で自身の式神の戦況を確認する。
『…桐宮修也が出した妖にかなり苦戦してるみたいだな…。霊力の量からして…かなり高ランクの妖であることは確かだけど…』
リヒトは高位霊術《看破(ブレイクスロウ)》を発動して黒髪黒眼の少女の姿をした妖の正体を探ろうとするが…。
『看破できない…?余程高位の妖を手懐けたみたいだな…。』
そこで、彼は自身の対戦相手が、半径30メートルの範囲に近付いて来たことを、先程から張っていたレーダーで感知する。
彼が作った霊力によるレーダーは、霊術師寄りのものならば使えて当然の基礎霊術である。だが、リヒトのように剣術使い寄りのものはほとんど覚えていない。何故なら、それを覚える余裕がほとんどないからである。
普通の霊使者はおよそ7歳の時に才能の片鱗が現れてくる。霊術師寄りなら、すぐに霊術の詠唱を暗記できる者、内包霊力量が多いもの。剣術使い寄りなら体使いが上手い者、筋力密度が高い者。人によって特徴は様々だ。まあ、普通ならこの1つに全て当てはまり、その他の必要な能力を年々育てていくものである。
…しかし、リヒトは違った。
彼は霊術師、剣術使いどちらにも適応できる体を持って産まれていた。このような現象は極めて珍しい。リヒトは一流の剣術使いである父と霊術師の母の間に産まれた。彼はその2人のいい所だけを受け継いだサラブレッドなのである。それが、齢22ながらもA級2位というランキングを守り続けている所以だ。
彼のレーダーが修也を捕捉した直後、彼はすぐに霊術を編み上げる。
水上家は水を司る家系である。5属性の中で水属性の霊術を扱うのに最も長けている。
リヒトは瞬く間に数十本の水の矢を作り出した。流麗な青色が鋭利に光る。
「《アローレイン》!」
それらを同時に頭上に投擲。青い光が修也に襲いかかる。それを見ている全ての者が、光が修也を貫く光景を幻視する。…だが…
ボシュッ…!
そんな音と共に青い光は一瞬で四散した。しかも何やら分裂した訳では無い。実際修也の周りには白い空気がうっすらと漂っていた。
『《蒸発》した…?だが奴は術式を編んでいない…もしや…』
リヒトはもう一度《看破》を発動。それにより修也を囲む、《火》属性の薄い《膜》を感知する。
リヒトは薄く笑った。
『小癪な真似を…砂煙に囲まれていた内に編んでいたのか…』
防壁の術式を編むこと自体は難しいことではない。それこそ霊術師ならば最初に覚える基礎霊術だし、剣術使いでも霊術を覚える余裕のあるものも確実に初めに覚える簡単な霊術だ。
だが、それでも見えないほど薄い膜を作るとなると話が違う。元々は《壁》を前方に作り、その後自身又は対象のものを守るためにその壁を体躯を包む《膜》に変える。つまり、防壁を防膜に変えるだけでかなりの技術を要する。その上、膜を見えないほど薄くするには多大な霊術分子操作能力が必要となる。まず、普通の剣術使いなら無理な芸当だろう。だが、修也はそれを可能にした。その事実に、リヒトはもう一度薄く笑った。
「流石は《神童》と呼ばれたお方だ。普通ならば無理な芸当をこんなにも簡単に実現するとは…相変わらず貴方の術、先程見せた剣術。どちらも美しい…だが…」
リヒトは修也を人差し指で指した。
「その美しさに、《貴方自身》の美しさが追いついていない。大罪を犯し、ただの気まぐれで前線に復帰しようなど…」
リヒトは剣を上段に構える。修也は刀を横に下げたまま、ただ佇む。
「今の前線を、舐めないでもらおう!!」
ピウッ!
まるで鞭が放たれたかのような、軽やかな音。それと同時に一筋の水流が宙を滑る。それと同時に、修也の脇から血が溢れる。
「…ッ!」
彼は顔を顰めて脇腹を抑えた。すぐに回復霊術で患部を治療する。だが…
「シッ!」
すぐに流水と化したリヒトが襲いかかる。
彼の剣は彼の二の腕部分を浅く抉る。修也はよろめきながらも何とか踏ん張る。しかし…
シュッ!
「チッ…!」
背後から更にリヒトが遅いかかった。
修也は攻撃から逃れようとしたのか、回復を二の次にして横ステップで回避しようとする。しかし、その行動は途中で終わることとなる。
「…ッ」
滞空中に衝突した壁のようなものに修也の回避行動は遮られる。それは…水属性の防膜。
少し行動が止まった瞬間を…リヒトは狙い撃った。
「フン!」
リヒトの横薙ぎが、彼の体をさらに抉った…
リヒトの技。名を《鳥籠の処刑(バード・エクセキューション)》。その名の通り、相手を自身が作った巨大な防膜…鳥籠に捕らえ、その膜を足場とした予測不可能な動きから攻撃を繰り出す。さらに足から風属性の霊術をバーストする事によって速度を上げる。この鳥籠に捕らえられた者は抵抗虚しく確実に敗北する。それこそ、籠に迷いこんだ鳥のように…
「フッ!」
数十回に及ぶ攻撃の後、修也はようやく膝をつく。その光景に、観客を歓声を上げた。
『な、なんという攻撃だアァァァァァ!凄まじい攻撃についに桐宮の方が膝をついたァァァァァア!リヒト、このまま畳み掛けるかァァァァァア!?』
解説にも熱が入る。…いや、最初からこんな感じだった。…まあそれは置いておこう。
ともかく、観客やリヒトの家系の者達はリヒトの勝利を信じて疑わなかった。何故ならこの技に捕えられればほとんど逃げ場はないからだ。あるとしても半径10メートルほどの膜内だけ。たとえ1回避けたとしても少し動きを止めただけで狙い撃ちされる。
まさに、必勝の術式。
だが…
「…」
リヒト自身は違和感を抱いていた。
確かに、圧倒していた。それは確かだ。
だが、彼は初手やその後の数手は試合を長引かけるために意図的に軽く抉っただけにした。その後は確実に倒す…戦闘不能にするつもりで確実に深く抉ろうと狙っていた。
「…」
それでも、倒せなかった。膝をつく?それがなんだ。彼は膝をついても、地には伏せなかった。つまり、戦闘不能ではない。
彼の中では腕は落とせないでも、まったく深く抉れなかったのは予想外だった。
『けど、俺の必勝は確実だ…。ここで畳み掛けるか…?』
リヒトはそう思って修也に1歩近付く。
しかし、2歩目はない。修也が話しかけてきたからだ。
「…流石だな…リヒト。」
「…」
リヒトはそれに無言で答える。
「昔とは訳が違う…か。やっぱ一緒に修行してた頃とは次元が違うな…。」
「…それはそうでしょう。もう5年も前のことですから。」
修也はその言葉に、喉を鳴らして笑う。
「随分…律儀に返してくれんだな…」
「…あなたとはこれで最後の会話になるでしょうから。少しのお情けです。」
修也は再度、笑う。そして…
「そりゃありがてえ…。けど…」
直後、修也の霊力が膨れ上がった。その霊力の量に、リヒトは目を見開いて驚愕する。
「これからも、お喋りしようや。」
彼は、顔を上げた。地につけている右手には、いつの間にか札が握られていた。それは、リヒトも使った…式神を召喚するためのものだった。
その札に、尋常ではない霊力が注ぎ込まれる。
「バカな、この霊力量…青龍と同等…いや、それ以上の…!」
リヒトは目を見開く。修也は、獰猛に笑った。さぁ、出番だ…
「存分に喰らえ…!」
札から、とてつもない光が発せられた…!
「フハハハハハ!」
琥珀は手に持った剣で青龍の氷の矢を叩き斬る。破砕音と共に光る粒が宙に舞う。
「よい、良いぞ蛇!こんなにも楽しい戦いは400年ぶりじゃ!」
琥珀は宙を蹴る。青龍に向かって思いっきり斬りつけた。
「グガ…ッ!」
耳をつんざくような音の後、青龍の鱗の3つ4つが弾け飛ぶ。
かの龍の状態は良くない。所々、堅固な鱗は弾け飛んでいるし、その他の鱗もヒビが入っていたり琥珀の炎の霊術によって焦げたりしている。内包された霊力の量も既に多くはない。
「グルル…」
琥珀と距離を取った青龍は力無く鳴く。
恐らく、目の前の少女には勝てないと青龍は考える。自我を持つ青龍は、自分で考えて行動することが出来る。これまでの任務でも、いかにリヒトの役に立ち、勝利に導けるか考えて行動してきた。
そして、およそ3年に及ぶ付き合いの中で、勝てない相手に対して行う行動は、既に決まっていた。
「グアア…!」
青龍は中に秘めた霊力を口に溜める。それをすぐに霊術へと変化させていく。
「グルル…」
『もう、霊力がなくなっても構わない。全ては、我が主の勝利のために…。我の仕事は、この者の足止め…ならば…!』
青龍は一瞬の硬直のあと、口内の多量の霊力を秘めた霊術を吐き出す。青龍の全てをのせた一撃。
「なぬ!?」
これは琥珀も予想外だったのかすぐにガードするが、その一撃はそれを容易くすり抜ける。そして、極寒のブレスが琥珀を包み込んだ。一瞬で彼女の体は氷に包まれた。
青龍の奥の手、《氷結昇波》。
相手を凍らせ、そのまま体温を奪いゆっくりと死に近づかせる水属性の霊術。この技の前ではあらゆる防御は無効化される。
『恐らく彼女を殺すのは無理だとしても、主が倒すまでの時間稼ぎ位は出来るだろう…』
もはや虫の息になりながら青龍は考える。これは相手を凍結させる。故に、時間稼ぎくらいにはなるだろうと踏んだのだ。青龍は主の戦いに目を向けた…
ピシッ…
囁かな破砕音に、青龍はその発生源に目を向けた。
嘘だろ…。
そんな思考が青龍を満たす。…だが、結果はその思考を裏切った。
琥珀を包む氷に無数のヒビが入り…そして。
破砕音と共に一気に弾け飛んだ。
青龍の切り札が、一瞬にして破られたのだ。
琥珀は妖艶な笑みを浮かべて尚も宙に浮き続ける。その余裕たっぷりな笑みを見た瞬間、初めて、青龍を絶望が染めあげた…。
「ナー」
そう鳴くのは、修也の肩に乗った小さな生物。少し茶色い薄毛と、主人に似た紅い目。そして、所々の毛が赤い炎となっており、空気を焦がす。
修也が召喚したこの生物は、《炎狐》という高位幻獣である。
元々幻獣というのはこの世とは違う世界、俗に言う《あの世》に住む生物であるが、式神というのはそれらを《実際に》召喚することが出来る術式である。何故そのようなこの世とあの世を結ぶような術式が広まっているのか、それは誰にもわからない。しかし事実、才ある霊使者は札をかいしてではあるが、あの世の門を開けるのである。
…話を戻そう。
リヒトやほかの観客は、その炎狐が出てきた途端、急に静かになる。別に修也が全員に催眠の術をかけるとかいうそんな漫画みたいな理由ではない。全員、ただ呆気に取られている。それだけだ。
『バカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカなバカな!』
リヒトは混乱のあまり脳内でそう繰り返す。
彼の《看破》は的確に見抜いた。炎狐の持つ、霊力の大きさを。
修也の肩に乗った炎狐は前脚を舐めて毛繕いする。そんな、少しの動作でさえ空気が揺れる。リヒトの張った膜が軋んでいく。
「おー、よしよし。悪かったな、数ヶ月出せてやれてなくて。」
笑いながら修也は頭と顎を撫でる。それに甘んじる様はまさにそこら辺にいる猫のようではあるが…霊使者には、《化け物》にしか見えていない。
『バカな…何故、桐宮修也がこんな化け物を召喚出来るのだ…!』
リヒトが歯軋りする様を見て、修也は尚も炎狐を撫でながら笑いかける。
「お前のことだ。どうせ俺がこいつを召喚出来るようになった理由を考えてんだろ?」
まるで心を読んだような的確な指摘に、リヒトはさらに力を込める。修也は炎狐を横目で見る。その表情は、どこか悲しそうで…
「こいつを作ったのは俺じゃあない。俺の…両親の忘れ形見だ。お前が式神を使って戦うことは事前の調べでわかってたからな。その式神に対抗出来る式神が必要だったんだ。」
「元々は琥珀を戦闘に参加させるつもりは無かったからな」と、修也は笑う。
「こいつは俺の両親がいつも任務に連れて行ってた。そのせいか頻繁について行ってた俺の顔も覚えててな。短時間で仲良くなれたよ」
炎狐は全長20センチにも満たない体でジャンプして同調するかのように「キューン」と鳴く。
「こいつは公式には高位幻獣ってことになってるけどさ、それは《野良》だった時の話だ」
使役した式神なら、その範疇ではないと修也は言う。
「それ相応の霊力を注ぎ込めばこいつは、超高位幻獣にすら、《化ける》。」
お前は詰んだのだと、修也は冷たい笑みと共に言い放つ。
リヒトはそれにさらに口に力をこめ、とうとう歯が欠ける。口から血が流れても、彼は気にしない。ただただ、敵を見すえた。
「…それがなんです…?貴方の属性は《火》。僕の属性は《水》です。原理的には僕の絶対的有利にその式神の分が乗っかっただけ。あまり調子に乗ると、痛い目を見ますよ…?」
その言葉に修也は顔を伏せて鼻で笑う。それは、嘲笑。
「ああ、その通り。俺は家系故に《火》属性が優先属性だ。《それだけなら》お前の有利は確かにあったかもしれない。」
「…何が言いたいんです?」
修也はなおも笑う。
「なあ、リヒト。一つだけ教えといてやる。」
そう言うと彼はゆっくりと手をあげて、その掌の上に青いひとつの球体を作り出した。気泡も入ったそれは、間違いなく《水》の霊術で作りあげた力の塊。
あれに《火》の霊術などをぶつければ生半可なものではすぐさま消火され、空気中に霊力となって拡散してしまう。
…だが、炎狐はそんなことは気にしていない(実際そうかもしれないが)かのように、それを見上げると…火を吐きその球体を包み込んだ。
「《火属性の霊術は水属性の霊術に不利である》。そんな教えはなぁ…」
やがて掌の上で燃え上がる火は、みるみるその大きさを小さくしていき…最後には、彼の手でチロチロ燃える小さな火へと変貌していた。
「いついかなる時も、正しいとは限らねえんだよ。」
怖いくらい爽やかな笑顔で、修也は告げた。
「グオオオオオオオオ!」
所々にヒビが入り、壊れかけの体で青龍は最後のあがきに出る。最後の力を振り絞った体当たり。体の端々が崩れながらも、その体はとてつもない威力を秘めた風となる。
それを、琥珀は静かに見下ろす。
「主のために命を賭す、か…。まるで見本のような式神じゃな。」
そう言って、突進する青龍に向かって手をかざす。瞬間、琥珀の着物が消失。代わりに黒いタンクトップワンピースへと変化した。
それと同時にかざした手に集まる黒い瘴気。
「さらばじゃ。また、楽しもうぞ。」
そう言って、琥珀は力を解放した。
「《ヘル・メロディ》!」
修練場の一端で巻き起こる漆黒の嵐。それは無慈悲に青龍を飲み込んだ。
「グオオオオオオオオ…!」
青龍の断末魔は最初こそ激しかったものの、やがて弱くなる。
そして、嵐が消えたと同時に…青龍は、札のみを残して、消失した。
「やれやれ、力を調整するのは久しぶりじゃ…これから慣れていくしかないの。」
琥珀は掌を見ながら、ため息をつく。
「まさか…本来の力の《数パーセント》しか出せぬとはな…」
そう、今の戦いを見ていたものなら弛緩するであろう言葉を呟いた。
「オオオオオオオオ!」
リヒトの怒声と共に、空中に現れる無数の鳥。その1匹1匹が刃物のような鋭い羽を持つ。勿論、当たればただでは済まない。
名を《水刃鳥の舞》。
高位霊術師のみ使える、水属性霊術最高難易度の技。生半可な技では防ぐどころか格好の餌食になるのみだ。
しかし…
「フンッ!」
修也はそれを、炎狐の出した炎でまとめて焼き払う。
水属性に有利な風属性を使うのも、必要ないと言わんばかりに。
「ハア…ハア…ハア…」
リヒトは肩で息をする。自慢の金髪は乱れ、光っていた金の鎧も今は焦げたり、砂埃でうすく汚れていた。
彼は、目の前の修也を睨む。
『駄目だ…倒れるな…今、倒れたら…俺の、5年間は…』
観客席からは彼を慕う者達からの声援が飛んでいるようだが、彼には聞こえていない。もはや、五感はまともに機能していなかった。
修也は、リヒトを真っ直ぐ見つめる。
元々、炎狐を出した瞬間から、リヒトに勝ち目はなかった。この式神は、リヒトの式神である青龍をも凌ぐ程の力をその小さい体に宿している。
1VS1なら勝敗は分からなかったが、炎狐が出てきてしまうとどうしても明確な《差》が出てしまう。
彼はまだ炎狐の使い方を熟知していない。下手をしたら殺してしまうかもしれない。だからこそ、最後の切り札として残しておいたのだ。
「リヒト…もう、眠れ。」
修也は、静かに呪文を唱えた。
「《眠りの雷光》…」
直後、リヒトの体はビクンッと震えると、そのまま倒れ込んだ。暫く見たが、リヒトは1度も動かなかった。それを見て、修也は審判に顎で合図する。
それを見て、審判は悔しそうに歯噛みしながらも…
『勝者…桐宮、修也…!』
その判定と共に、修練場に大歓声が響き渡る。ある者は歓喜し、ある者は感動に震え、またある者はショックで項垂れていた。その声で聞き、光景を横目で見ながら、修也は自分の相棒の場所へ静かに歩み寄っていった…
技解説(テッテレー!)
・眠りの雷光
雷属性霊術。ランクはAランクの高位霊術。
瞬時に発した雷によって神経を麻痺させて、動けなくさせる霊術。使い手によっては眠らせることも可。
ただし、神経などが細かく再現されていない下等悪霊たちには効果が薄く、少し動きを悪くさせる程度に留まる。
使い勝手が少し難しい霊術だ。