なんか違うぞこの世界   作:黒姫凛

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待っててくれてサンキューですはい。
学生、特に高校生ってマジ大変。部活でなんか夏よりも長くやるようになっていつもヘトヘトで帰ってくるから小説書けねぇぜ。

それでも待っていてくれた人にはマジで感謝。
今回は奮発して一万文字突破したけど、内容に期待は載せるな以上。

前置きが長い?そんなー。久しぶりにしゃぶらせてぇー。あっ、喋らせてぇーだ。何をしゃぶりたいんだろうか作者は。
きっとクチートたんのお口をチューチューしたいんだなこの変態めが。

今回はちょっと卑猥な単語とか描写とか出るけど、ちゃんと全年齢対象作品だかんね!!

今回も駄作かよこのダメ作者!!


嫁は増えて俺の精神は削られた

ーーー夜。

心地いい風が空いた窓から吹いてくる。火照った身体を冷やすには丁度いい。

数多の星々が暗闇の中、暗い夜の林を薄く照らし、窓際に座って外を見る風景にはもってこいの光景であった。

星を見ると、俺の悩みは星の数に比べればちっちゃいものだと思わせてくれる。だが悩みが解決される訳じゃない。

 

俺はこれからの事に頭を悩ませている。

コンコンブルさんは強い。果てしなく強い。今の状態なら100%負ける。悔しいがどうしようもない。

長年の経験と磨き上げた実力が圧倒的に足りない。

ではどうするのか。俺は主人公じゃないから、そんなお約束的なギリギリ勝ちなんぞ望めない。特訓するかこのまま突っ走るか。

どちらも難しい話じゃないが、どちらもデメリットがある。

特訓の場合だと、経験を積ませられるが時間がかかる。このまま行く事では今の実力が知れるが、もしコンコンブルさんの目に止まらなければそこでメガシンカを会得する事は諦めることになる。

シンオウ地方では鍛えていたと思うが、鍛え方が足りなかった。

簡単に出てきてはみたものの、物凄い壁に当たってしまったようだ。

 

「……どうしました?空を眺めてる時は大体悩んでる時ですけど、何かお悩みがあるんですか?」

 

後ろから声がかかり、首だけを後ろに向ける。そこには畳の上をスタスタと浴衣姿でサーヤが歩いてきた。

今部屋には俺以外出払っていたが、いつの間にかサーヤが帰ってきたようだ。

 

「いや、これからの事について考えてるんだが。……サーヤは今のままでシャラシティを目指すか、何処かで実力を高めるかどっちがいいと思う?」

 

今に始まった訳じゃない。何も自分で悩まなくとも、俺には仲間がいる。前世で『三人寄れば文殊の知恵』とことわざがあったが、俺の仲間は三人以上いる。一人よりも二人。二人よりも三人。三人よりもそれ以上と、考えを出す事が出来る。

 

「……そうですね。私は今よりも少し強くなってから言った方がいいかと。実際まだ時間はありますし、急いでいる訳でもありませんでしょ?」

 

「なるほど。やっぱり実力を積んだ方がいいか。一年と言ったが、どうせアキラも一年以上かかると思うから、焦らずに行った方がいいか」

 

「ではこれからどうするんですか?」

 

やはり他人の意見を聞くのが一番だ。気付けない所を指摘してくれるのは自分では分からないから有難い。

しかしと、俺は再び頭を悩ませる。コンコンブルさんの実力っていうのはネットで見た事あるが、そこまでの実力を持っている人物は相違ない。自画自賛だが、俺とポケモン達の実力は、ベテラントレーナー手前ぐらいだ。実際シンオウ地方では負け無しだったのだから、そう思うのが妥当だ。

だが、そんなレベルの俺達だからこそ、生半可なトレーナーたちの実力ではレベルアップは望めない。

せめて実力があり、経験豊富なトレーナーがいればどうということは無いのだが。

 

「……それが決まってないんだよ。これからの予定も期末待てないし……。今手詰まりなんだよね……」

 

「ここら辺だと、ミアレシティが近いですから、そこから行きますか」

 

「ああそうだな。さっき見た時はミアレシティが近いからそこで…………………え?今なんてった?」

 

何故かサーヤがミアレシティの名前を出した。咄嗟に俺は聞き返す。

サーヤはまるで何を言っているんだと言いたげに首を可愛く傾げた。

 

「えっ、何って。それは何処のジム(・・)を最初に行くかの話では無いのですか?てっきり何処のジムから行こうか悩んだのかと思ったのですが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………はい??

 

「ちょっと待ってくれ。ジムってあのジムだよな。勝ったらジムバッチが貰える各地方に8つあるジムの事だよな?」

 

俺は立ち上がってサーヤの肩を掴んで問い詰める。サーヤは困惑した表情を浮かべている。

 

「え?え?え?ジムってそのジムしかないじゃないですか。っていうか近いですクロメさん!!」

 

顔を赤めてアタフタし始めるサーヤ。そうかそうかそんなに俺の顔が近くて嫌なのかそういうのってなかなか本人の前では言い難いよな分かる分かるちょっと傷付いた……。

と少し心に傷を負いながらも、表面上は表情を曇らせない俺。

 

「………ジム。ジムの存在忘れてた………」

 

「……じゃあクロメさんは一体どうやって強くなろうとしてたんですか」

 

「……いや、こう……なんて言うの?どっかの洞窟とかトレーナー片っ端から声かけて勝負していこうかなーぐらいしか考えてなかったです……」

 

肩を落とし、イジイジと頬をかく。

サーヤはマジかと言わんばかりに鋭い眼つきでこちらを見てくる。解せぬ。俺はそんな目では興奮する変態(紳士)ではないのだぞ?

 

「………アレだけ啖呵切ってた割に考え無しで、しかも肝心な事すら忘れているなんて……。呆れてものも言えませんよ」

 

はぁっ、と肩を落として溜息を吐く。いつも謙虚なサーヤさんに呆れられてしまった。

いや確かにジムの事は完全に忘れていた。ゲームとかは絶対ジム回らないといけなかったからどうせ流れ的にいつか回るだろうと頭の隅にその事を置いていたのは俺が悪かった。

だが俺にも言い訳させて欲しい。実際この世界に来て早10年。ゲームの事など殆ど忘れかけているというのに、どうしろというのだ。

考え無しも悪かった。俺も悪かった。しかし俺は悪くない。この世界に転生させた神が悪いんだ!!

 

「いや、その……面目無いです、ホントに」

 

「全くですよ。何時ものカッコ良すぎなクロメさんは何処に行ったのですか」

 

「そのカッコ良すぎなクロメさんにも少しは休息という労いの言葉をかけて欲しいし、文字通り休息が欲しいと言いますかなんの言いますか…………」

 

カッコ良すぎとか何とか聞こえたがそんなものお世辞に過ぎん。

と気付いたらいつの間にか正座させられてる俺。

サーヤに説教喰らっていると、何故かオカンに怒られているような感じがして、ついつい無意識に正座してしまう。

……まぁオカンと言っても、実際俺の母親はただの残念美人さんだし、自分の息子に手を出す女だし、残念美人だし、文字通り息子に手を出す残念美人だし。なんか思ったけど、うちの親に怒られたこと1回も無いように思えてきた。俺がいい子だったのか母親がただ叱る事自体しなかったのか。そんなんでよくグレないと思ったよねうちの母は。

 

「でも、ありがとな。サーヤがいてくれなかったら、多分俺ジムの存在ずっと忘れてたんだと思う」

 

「お礼を言われる程でもありません。寧ろ頼ってくれれば私は嬉しい限りです」

 

「でもいつもサーヤにお世話になってるよな。偶には何かお礼(・・)しなくっちゃな」

 

「おっ、お礼(・・)ですか!?そそそそそんな恐れ多い!!わ、私には貴方の側にいるという特権があれば何も望みませんので……」

 

こういう時に限って、サーヤは遠慮がちになる。そういう遠慮してる時のサーヤも可愛いが、如何せんいつも頼りっぱなしなのは事実。もう少し我儘の一つ覚えで言って欲しいもんだ。

 

「いやいや、偶には我儘言ってくれよ。今は誰もいないんだし、出来る範囲でならなんでもする(・・・・・・)からさ」

 

女の子(特に遠慮がちになる子)には言われてみたい言葉掛けである魔法の言葉『なんでもする』。これを言われれば、女の子は忽ち自分の欲をさらけ出し、男にお願いしてくる。何と言う甘い問いかけなのか。これを言えば世の男(ドM)は女の子に顎で使われてハッピーではないか。フッ、だがしかし。この言葉掛けには弱点がある。それは、『イケメン専用』だ!!

例えば普段心の中に潜めていた恋心、抱きしめて等と甘えたい欲望、普段のストレスをイケメン(でありドM)の男に八つ当たりできる気分転換等など、これら全て、『イケメン』の存在の出番だ。

生憎俺はイケメンという類ではない。そう、無いのだ!!ポケモンスクールであんなに女の子の視線を感じていたのも、キモいだのブスいだの死ねばいいのにと陰口を言われていたからに違いない。

ずっと近くにいたシロナですら、俺を異性として見てくれない。何たる事か!!抱きついてきたときのあのオツパイの感覚が片時も頭から離れません。どうしてくれるんだ!!

だが、イケメンだとかどうでもいい。今は少しでもサーヤの役に立ちたいのだ。死ねと言えば死ぬかもしれん(勿論遺書書いて死ぬ前に嫁可愛がってから飛び降ります)。消えろと言ったら消えるかもしれん(勿論嫁可愛がって初夜遂げてから消えます)。自分のトレーナーを変えろといえばすぐサーヤに相応しいトレーナーを探す(男は性欲の捌け口にする可能性大なので女の子トレーナー限定に)。

少しでもいいから、サーヤのよくというものを消化して欲しいのだ俺は!!

 

「ななななななななんでもいいんですか!?」

 

顔を真っ赤にしながらひょえーっとマジに驚いた。

魔法の言葉に食いつくサーヤ。エビでタイを釣るとはこの事。エビという魔法の言葉でサーヤというタイが釣れたぜ。

俺はこくこくと何度も頷く。

 

「……そ、その。ひひひ、膝枕とかも?」

 

「俺でいいならいつでも」

 

イ、イケメンの特権。美女に膝枕を俺がやれだと!?

なんでそんな事言うのだろうか。俺はそんなイケメン野郎ではないのに。……この年になっても彼女がいないから仕方なくとか言った哀れみだろうか?いやまだ10歳なんだから将来はまだある。でもなんか小馬鹿にされてるようで嫌だな。

 

「そんなお願いいつでも叶えてやる。もっと普段出来ないような欲望を言ってみろ」

 

「ええええええ!?!?………ひ、膝枕でも充分なのに。じゃ、じゃあ、………一緒に寝る、とか?」

 

俺の胸元に手を置いて、目をウルッとさせて首を傾げてくるこの巨乳美少女。

あざとい!!あざとすぎるこの娘!!これは男が断れない女の子の必殺技『上目遣い』!!

これで堕ちない男はいない!!寧ろ堕ちない男は男では無いぃ!!まさに女の子の特権。必殺必中の大技。い、いつの間にサーヤはこんな技を覚えたんだ!!俺はサーヤにこんな技を覚えさせた覚えはない。ま、まさかっ、他の男でやっていたとでも言うのかぁぁあ!?!?ゆゆゆゆ許せん!!許せんぞその男!!箱入り前の娘(モンスターボールin前の擬人化ポケモン(♀))になんてことをしたんだ!!これじゃまるで、サーヤがヤリ捨てされたみたいじゃないか!!由々しき事態だ。サーヤはいつでも俺の穏やか天使であったはずなのに……。ソイツ、どうしてくれようか。

 

「そ、そんなんで、いいのか?もも、もっと欲を出しても、いいんじゃないか?」

 

握り拳から手汗が滲み出てきた。額からも脂汗が収まらない。

だが、俺はこんな所では収まらない。もっとサーヤは欲があるはずだ。どうせなら全部聞いてからその中で一つやってやることにしよう。

 

「ええええええ!?!?こ、こんなお願いでも駄目なんですか!?もう後一つぐらいしかないですよぉ………」

 

「それを言ってみろ、うん。この際なんでもOKだ」

 

モジモジと可愛らしく恥ずかしがっている。か、かわエェ……。なんて破壊力なんだこのダイナマイトボディ。そしてその表情。サーヤ。お前は俺の心に萌え死に爆弾という原子爆弾を落とす気か!?

 

「………こ、このお願いは、恥ずかしくて言えません!!」

 

おおこの娘、最後まで意地を張る気だ。もう何が何でも聞いてやる。後悔はない。寧ろ、今まで欲を言ってくれなかったサーヤが悪い。

 

「なんでも言ってくれ。俺はサーヤに何でもしてあげたいんだ」

 

「ひぇぇえええええ!?!?ややややめてください死んじゃいますぅ!!」

 

肩を掴む俺を引き剥がそうと涙目で必死に抵抗するサーヤ。

もう分かった。では、こちらも紳士(変態)の扉を開こうではないか。

グフッ、お嬢ちゃん、いいことして遊ばない?きんもちいいよ?快楽に溺れちゃおうよぉ?

等と内心指をワキワキさせて脳内のサーヤに迫る俺をイメージしながらも、俺は済まないと謝って肩を離した。暴れたせいでサーヤの浴衣が解け、その胸元から二つの巨大な双丘が零れ落ちそうな域をさ迷っていた。も、もう少しでサーヤの先っぽが見える!!見えてしまうぅ!!

 

「いや、そこまで抵抗されるとは、そんなに言いたくなかったんだな。ホントすまん。でも俺は、今まで頑張ってきたお前にご褒美が上げたいんだ。だから自分が叶えたい今以外じゃ絶対お願い、遠慮なく言ってみてくれよ」

 

………これ言ったら、サーヤみたいな性格の子は、絶対言ってしまうだろう。なんか強制的に言わせようとしてる感あって俺最低だな。まぁ添い寝以上に胸に秘めてることなんて、俺を消すぐらいだろうから、今のうちに誰に渡すか考えておかないとな。その女の子トレーナーの性格とか色々。

 

「………クロメ、さん。……分かりました、言います。でも、クロメさん。変なお願いですが、変な女だと思わないでください……。私は、クロメさんに嫌われたくありません……」

 

「ああ。絶対嫌わない。寧ろ、俺はサーヤが欲を言ってくれて嬉しいよ」

 

ガチ泣きしそうなサーヤの頭をよしよしと優しく撫でる。ああ、ツヤツヤの髪が俺の手をクッションに触れているかのような浮遊感をくれる。絶対俺の顔にやけてるだろ。

 

「………はい。じゃあ、私の……、一番叶えたい欲は…………」

 

……なんだろう。こっちもめちゃくちゃ緊張してきた。いやマジでどんなの来るんだろう。ドキドキの反面ハラハラしかねぇ。どっちにしたって俺の首が飛ぶのは確実。回す方のノッブに聞いて確認とるとかそういうの省いても確実だ。

今更だけど、腹括っておくか。

 

「…………ク、クロメさんの、……お嫁さんになる事です!!」

 

「よし分かった。俺も覚悟を…………って、えっ?」

 

!?!?!?!?!?!?ナニナニナンノハナシ?オレモイレテヨー。!?!?!?!?!?!?マジサーヤ何言ってたの?おっかしいなー。俺ってば、最近耳が遠くなった様な気がするよー(棒)。

真っ赤になっているサーヤ。だが、俺は今実際何を言われたのか見当もつかなかった。

 

「………サ、サーヤさん?もう1度言ってくれませんかね?」

 

「…………酷いです。女の子の口から2度もそんな恥ずかしい事言わせるんですか………?」

 

ご最もでございます。いや別に聞こえなかった訳じゃないのよ?ホントに聞こえてましたよ?いやただの現実逃避ですよ?ハハハッ、そんなフラグ打ちおるような主人公補正俺にあるわけないじゃないか。バッカだなぁ、ははははッ…………………………………………………………………………………………………………………………。ええええええーーーーッ!?!?

 

おおお俺のお嫁さん!?お嫁さん!?嫁さん!?ヨメさん!?ヨメサン!!嫁3!?

まさか俺に自分で言ってくれる事があるとは思わなかった。が、なぜ俺のお嫁さん?いやホント俺イケメンじゃないし、アリアという嫁いるし。と言うか、その嫁にすら俺は拒否られてるんだけど。どうなったら俺のお嫁さんになりたくなったのか。

 

「………り、理由聞いても?」

 

「……ま、まぁ、それ位なら。……クロメさんは、前世でも私を使ってくれていました。あの時、バトルで勝ってクロメさんに褒められる事がどれだけ嬉しかった事か。おやつを貰って撫でてもらったり、私が答えるわけでもないのに、私に話しかけてくれたり、とっても嬉しかった。この世界に来て、クロメさんがいると知ってから私はもっと嬉しくなった。髪を切る前のクロメさんは前世でも同じような見た目だったから、髪を切ってからのクロメさんはホントにカッコ良くなってたし、何よりも会話出来ることに私は胸打ち抜かれた。だからこそ、クロメさんとの会話は大事にするし、長く近くにいたいと思っていました」

 

言っちゃなんだが、めちゃくちゃ恥ずかしい。言われている事が褒め言葉なのだが、何故かむず痒いぜ。

でも、とサーヤは言葉を濁らせる。

 

「前世でもこの世界でも、クロメさんのお嫁さんポジションはアリアさんだけ。では私はなんだろうかといつも不安でした。喋る事ぐらいしかしない女?正論を伝えてくれるだけの便利な女?私はどんな女に思われたってよかった。貴方が私をただの便利でしか無い女と思っていても良かった。愚痴を言えるだけの捌け口女だと思われていても良かった」

 

「おいサーヤ。俺はお前を1度も……」

 

「でもです!!」

 

サーヤはそっと俺の手を握ってきた。

正直ぷにぷにとした手とか今堪能してる場合じゃない。

若干頬を赤めながらも、サーヤは指を絡ませてくる。

 

「私は、どんな女に思われたって、クロメさんの近くに、そばにいさせていられるだけで私は嬉しいんです。それだけで良かった。ホントにそばに居るだけで私は満足でした。でも、クロメさんが言ってくれたように、少し我儘でしかないこのお願い、聞き届けてくれませんか?そんなアリアさんみたいに愛してくれなくてもいいんです。嫁だと言ってくれなくてもいいんです。性欲の捌け口でも、旅の資金集めの売女でも、なんでもしますから。私を、貴方のーーーー」

 

「ーーーーそれ以上言わないでくれ。虫唾が走る」

 

我慢出来なかった。ここまで自分を卑下しているとは思わなかった。

強い口調で俺はサーヤの口を手で塞ぐ。手で塞がれたサーヤの口はモゴモゴと動いていたが、しばらくすると大人しくなった。

 

「…………私を、側においてくれないんですね」

 

「誰もそんな事言ってないだろ。全く、なんでお願い一つでここまでシリアスになるんだよ」

 

頭を掻きながら、俺はギュッと抱きしめる。涙をそっと拭き、胸の中に抱き寄せる。

 

「………私を捨てるんですか?」

 

「捨てるとか言ってないだろ。虫唾が走るって言ったのは、お前が自分自身を卑下し過ぎだからだ。何も、たかがお願い一つでサーヤの人生全部かけることなんてないんだから」

 

「………それでも、それでも私は!!……ずっとクロメさんの近くに居たい。我儘、これは我儘。片思いし続ける憐れな女の醜い我儘。どうかクロメさん。この事は忘れてください。そして、私を捨ててーーー」

 

「ーーーいい加減にしろよ、サーヤ」

 

我慢出来ない。俺は軽くサーヤの頬を打つ。普段女の子に手を挙げないが、俺はこの時頭に血が上っていた。状況上仕方ない。

涙をポロポロ零すサーヤの肩を掴み、紅い曇り無き瞳を見つめる。

 

「お前がどういう風に自分を卑下しているかなんてそんなこと知らない。俺が怒ってるのは、サーヤ自身が自分を卑下してたら、お前と関わってきた奴の気持ちはどう思うんだよ!!」

 

「そ、それは………」

 

「俺はともかくとして、アリアは。ミミは。ミカンちゃんは。シロナは。カレンは。俺の母親は。お前に関わってきた全ての人は、お前が自分を卑下してて、心が痛くなるとか思わないのかよ!!」

 

もう1度、強引だが胸の中に抱き寄せる。離さんとばかりにギュッと抱きしめ、耳元でそっと囁く。

 

「………俺は、サーヤ自身が自分を卑下してるところを見てると、凄く辛いよ。心が痛い。俺だけじゃないはずだ。今お前の状況を他の奴らが見たら、絶対に止めるはずだ。なんでそんなに苦しんでたのに自分だけの心の中に閉じ込めていたのかってな。側にいたいだか何だか知らねぇが、俺はお前を手放す気は毛頭ねぇ。あるとするなら、逆に俺がお前をもっと近くに寄せるだけだ。嫁になりたい?そんなのなればいい。俺はアリアだけを愛してるわけじゃない。ミミも、ミカンちゃんも、シロナとシロナのポケモン全員を、俺は愛している。お前がそん中に含まれていない事なんかねぇんだよ!!」

 

「………クロメ、さん」

 

「俺はお前に捌け口だのなんだのとそんな事に使ったりはしない。俺はお前の主人であり、パートナーだ。そんなひでぇ妄想なんか、そこいらのゴミ箱に捨てちまえ!!俺が欲しいのは、いつも真面目で、みんなの面倒を見てくれて、間違いがあればすぐに教えてくれて、優しくて、頼れるお姉さん的な立ち位置の、お前しかいらないんだよ!!」

 

抱きしめる力を緩め、サーヤが顔を上げてくる。イケ顔だろうがブサメンだろうが関係ない。俺は安心させるように笑みを浮かべる。

全く、こんなに顔がぐちゃぐちゃになるで涙流しやがって。

 

「お前の願い、聞き届けた。お前は今日から俺の嫁だ。他でもない、この世でポケモンを誰よりも幸せにできる俺の嫁になるんだ。誇ってくれよ、サーヤ」

 

「………はい。はい……クロメさんっ」

 

再び泣き出すサーヤを宥め、頭を撫でる。

普段見せない彼女の裏側を見れただけでも、あの魔法の言葉はとても役に立った。これを機に、サーヤも少しは我儘を言って欲しいものだ。遠慮とか要らず、ホントの嫁のように夫を頼って欲しい。

まぁ、アリアにはいっつも顎で使われてるけどな。

 

「………泣き止んだか?」

 

「………はい、お陰様で。醜いところをお見せしました……」

 

「なーに。可愛い嫁の、知らない一面を知れたわけだし?俺的には醜いの何の、むしろ嬉しい限りで」

 

「………フフッ、ありがとうございます、クロメさん。私は、もっと貴方の側にいたいです」

 

「そうそう。サーヤはいつもの笑顔が似やってる。そっちの方が可愛いよ」

 

「もー、からかわないで下さいよ…。………そんな人には、お仕置きです」

 

ぐいっと浴衣の胸元が引っ張られる。

思わず前に倒れそうになり、体勢を戻そうとすると。

 

ーーーチュッ。

 

突然、サーヤが俺の視界に入ってきたかと思うと、何か柔らかいものが唇に触れていた。ほんの数秒触れていたが、サーヤが俺の顔から顔を離さなかった事から大体予想はついた。と言うか、あの状況でなら、一つしかない。

つまりキスされたのだ。え?誰にって、サーヤにですけど?

やった当の本人は、アウアウとやってしまったどうしようと小声で震えていた。

勿論俺はと言うと、未だにフリーズ中。

あれは不意打ち。俺は悪くない。寧ろこの状態にさせた雰囲気が悪い。

 

「………ど、どうですか?私のファーストキスの味は。……残念ながら、クロメさんのファーストキスはクロメさんのお母様に取られてしまっていたので悲しいですが、私の初めてを捧げられただけでも良かったです…………って、どうしたんですか、クロメさん。何か様子がーーーッ!?」

 

ーーーチュッ。

 

……こんな雰囲気にさせた雰囲気とサーヤが悪い。俺は悪くない。俺は決して悪くない。この状況からして絶対俺から行かなきゃならないということは察した。よって俺はこれからサーヤの初夜を迎えさせなければならなくなったようだ。安心しろ。俺のおっきな息子で幸せにしてあげるよゲヘヘヘッ。

サーヤを押し倒し、貪るように唇を吸う。

サーヤの閉ざす口の中に俺の舌を侵入させ、サーヤの口の中を蹂躙していく。歯茎を舌でなぞり、舌を絡み合わせ、舌をストローを吸うかのように勢いよく吸いつく。

何分経ったかその唾液交換が終わり、サーヤの口から口を離す。離した時、口と口の架け橋のように透明な糸がいやらしく伸びていた。

 

「………サーヤ。俺、もう……」

 

俺の息子は臨界突破だ。浴衣では隠しきれなかった我が息子は、パンツから抜け出そうと中から押して、浴衣では隠しきれないほどの膨らみが浴衣から覗いていた。

サーヤは察したか、頬を赤く染めて、不安な表情を押し殺して笑を作ってコクリと頷いた。

俺も男である。無理矢理されていたのは何度も経験済みだが、自分から行くのは初めての経験である。心臓バックバク。

 

俺はサーヤの下半身に手を滑らせる。すらっとした足を愛でるように優しく撫で、脹脛を軽く揉みしだく。空いている片方は、サーヤの上半身に伸ばし、そのデカい双丘を優しく揉みしだく。

サーヤの口から喘ぐ声が漏れ始める。

構うことなく俺は胸を揉みしだきながら、足に這わせている指を、次第次第に太もも、そして又へと手を滑らせる。

次第に声を上げ始めるサーヤを横目に、女の子の大事な部分に手を触れた。

ビクンっと身体が震え、大事なところから漏れている愛汁を指でそっと絡めとり、サーヤに見せる感じで顔の前に近付けた。

 

「………もう濡れてるな。このまま入れていいか?」

 

答えは返ってこない。あるのは頷き。

俺はパンツを脱ぎ、そのいきり立つ息子を空気に触れさせる。

サーヤは俺の息子を見ると、更に身体が火照ったかのように顔が赤く染まっていく。

 

「……………行くぞ」

 

密部にそっと触れ、焦らすように解していく。

そしてゆっくりと腰を前に押し出していきーーー。

 

ーーー俺とサーヤの淫らな夜は始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーサーヤよ。これからもう1度温泉に行こうではな……い…………か………………」

 

突如として開けられた襖。そこから現れたのはミカンちゃん。

しかし俺とサーヤの状況は然、オツパイ丸出しで息子丸出しの状態であった。

俺とサーヤ、そしてミカンちゃんは硬直した。

何も出来ない何も喋れない。忘れていたが、ここは皆の部屋であった。よって勝手に開くのはおかしい事ではなかった。

 

「ーーーちょっとミカンってば、何勝手に走って………んの……よ………」

 

「………………………!?!?!?!?!?!?」

 

「どうしたの3人共。なんかあった………………の………」

 

更に増える目撃者。ミカンちゃんに続き、アリア、ミミ、シロナの順番で顔を覗かせてきた。

 

………俺は思う。短い人生だなぁ、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最近は配布色違ディアンシーにハマってます。もちクチートとミミッキュとサーナイトとパチリスは忘れてませんよ。
オニシズクモとドヒドイデ育て始めました。ドヒドイデ色違なんで嬉しいです。孵化厳選成功。

………え?そんな余裕あるなら小説書けって?
寝落ちするんだよコンチクショー!!

自分の小説読んでると何だか出来後悪くて何も言えねぇ……。

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