なんか違うぞこの世界   作:黒姫凛

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ネタがあんまり思いつかなかったので、色々何やかんなやってて今に当たる。

正直何書いてるか分かんなかったけど、見てくれると嬉しいのよ。


5年ぐらいスキップされる前のお話

ーーーそれは其処にあった。

 

 

無の世界にポツンと浮遊する一つの卵。

 

 

ーーーそれは其処にあった。

 

 

ただひたすらに無の境地に存在する一つの卵。

 

 

ーーーそれは其処で産まれた。

 

 

誰が産み、誰が作ったのか、誰も知らない一つの卵。

 

 

ーーーそれは此処で生まれた。

 

 

砕ける様に亀裂が走り、やがて卵の殻が弾け飛ぶ。

 

 

ーーーそれは此処で誕生した。

 

 

卵から生まれたものは、膝を抱えて丸まっていた。

 

 

ーーーそれは此処で命芽生えた。

 

 

次第に目が開き始め、紫い宝石(アメジスト)の目がくりくりと周りを見渡す。

 

 

ーーーそれは此処で動き出した。

 

 

抱えていた膝を伸ばし、手を足をゆっくりと動かす。

 

 

ーーーそれは此処でふと気付いた。

 

 

周りには誰もいない。たった1人だけの世界。

 

 

ーーーそれは此処で思った。

 

 

寂しいと。辛いと。寒いと。

 

 

ーーーそれは此処で思った。

 

 

だったら作ればいい。自分の世界を。

 

 

ーーーそれは此処で始めた。

 

 

時間を、空間を、存在を、世界を。

 

 

ーーーそれは此処で作り出した。

 

 

自分の、自分だけの、自分の為の、世界を。

 

 

ーーーそれは此処で願った。

 

 

側にいて欲しい、優しくして欲しい、暖かくして欲しい。

 

 

ーーーそれは此処で思った。

 

 

自分と同じ境遇の者を、自分の世界に欲しい。

 

 

ーーーそれは此処で考えた。

 

 

パラレルワールドとの干渉、多重世界、多世界、他世界全ての世界との干渉を作る。

 

 

ーーーそれは此処で呟いた。

 

 

 

 

 

 

『ーーーずっと、ずっと、待ってる………』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは唐突に起こった。

別に誰とのせいとかそういうものでは無い。

ただ単に、自分の失態。失敗。そして黒歴史。

さも当然の如く、試合後のクロメの評価はうなぎの滝登り。試合をした日は、ポケモンスクールは授業が無く、放課後のような雰囲気になるが、次の日には押し掛けという押し掛けが凄まじかった。

朝学校に来ると、真っ先に女子に囲まれ、男子に勝負を吹っかけられ、クラスの男子に『お前なんでそんなにカッコイイの?』と聞かれ、『……そんなにかっこよかったんだ』と後悔した目でクロメを見てくるクラスの女子。全く何の事だか分かっていないクロメは、『何でこんなに俺注目されてるんだろねー?』と本当に分かっていない様子でシロナに聞いていた。『………クロメ君がカッコイイからだよ』と顔を赤めて言った呟きは、残念ながらクロメには届かなかったが。

 

授業中でも、教師達にやたらと当てられ、寝る暇がない始末。これまで授業をサボりまくっていたツケがここに回ってきたのだろうかとクロメは溜息を吐く。教師達にとっては、クロメは生徒達にとって模範となる姿だと認めて当てている事も知らず。

 

昼休みには校長室に呼ばれ、シロナを装備して校長室に入った。

シロナの姿を見て、『まず一人目の奥さんかね?』とニコニコしながら言ってくる校長に、マジで訳の分からないような顔で首を捻るクロメ。奥さんという言葉に、腕にくっついていたシロナは、顔を赤めていた。

校長には、昨日の1件で様々な事を聞かれた。

やれ何故バトルをする事になったのか。やれ何処で変化技について知ったのか。やれあのポケモンは何なのか。

午後の授業も、シロナと共に欠席し、夕方まで校長室でずっと話し込んでいた。たまに出して貰えるジュースやお菓子が何よりの救いであった。

 

校長に、あのポケモンはミミッキュかと聞かれた。

当然の如く知っていた校長に、クロメはコクリと頷く。

前にも言ったが、『アローラ地方』は現在半鎖国状態にある。観光は認めるが、移住、又は建物建設、他地方のポケモンの入国禁止、当地方のポケモンの捕獲、又は他地方に連れて行く事を禁止している。理由は全く公開されておらず、観光客に紛れて、外交官も飛んでいったが、特に異常は無かったという。外からの情報も遮断され、情報を出すことも送ることも出来ない。

完全な半鎖国地方なのだ。

 

だがそう考えると、尚更ミミッキュがここにいるのか不思議になる。

『アローラ地方』が半鎖国状態になったのは、クロメ達が生まれる前、故に15年経つ。

 

クロメは野生でいたから捕まえたと言っているが、そうなるとどうして1匹、一人と言った方がいいのか?ともかく、何故孤立していたのだろうか。もしミミッキュのトレーナーが何処かしらにいるとしたらまだいいが、貿易貨物船に迷い込んで此処にたどり着いたとなると、どうやっても外交問題は避けられない。トレーナーがいるなら、そのトレーナーに罰が起こるが、意図せず迷い込んだとなると、その証拠が無いため、こちら側から意図して連れてきたと疑われるのは間違いない。それこそ、どの地方も秘密裏に動いている事が多いのは事実。その一旦として、『アローラ地方』のポケモンのダッシュ、なんて地方のお偉いさんからの指示があったかもしれないと思われるのは、人間が心情を持っているからこそわからないもの。疑か信か。半鎖国などととっている地方は、間違いない疑として決定づけてくる。

 

今回は公での試合では無かった事もあるし、何より人型である事が何よりの救いであった。試合の時にクロメが言ったように、ミミッキュの因縁の相手、ピカチュウの人型だと言えばそれで方がつく。ミミッキュのミミの正体は、クロメとシロナしか知らないので、今のところ情報漏えいは何とか回避出来ている。

 

校長はその事もあり、クロメにミミッキュの引渡しを提示してきた。勿論ただではなく、3つお願いを聞くという事だ。

ポケモン同士の交換ならいざ知らず、ポケモンと金銭を交換のような取引はトレーナー協会では禁止事項だ。

勿論、その事を分かって、尚且つミミッキュは既にクロメ達の仲間だと言い、きっぱりと断る。

最後まで校長は笑顔を崩さなかったが。

 

そして午後の授業を全てパスして放課後、授業を受けていたアキラと合流したクロメとシロナは、帰路へと足を運んだ。勿論腕にはシロナちゃんそーびを忘れずに。

帰路では、他愛もない話が3人を飛び交っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーなぁ、シロナちゃん」

 

ゴロンとベッドに横たわり、何もすること無くぼーっと俺とシロナちゃんの部屋の天井を眺めている俺。

 

「どうしたの?」

 

俺の腹を枕替わりに使っているシロナちゃんは、顔をこちらに向けてきた。

ああ、長い髪から香る匂い、最高だ。

などと変態地味た、否変態思考を巡らした俺は、落ち着け落ち着けとググっときた股間を落ち着かせる。

 

「……いや、大した事じゃないけどさ。シロナちゃんポケモンスクール卒業したらどーするの?」

 

やはり不安はある。

シロナちゃんはホントに可愛い。いや実際前世でゲームの中でしか見たこと無かったミロカロスとかクレセリアぐらいの美しさと同等の可愛さを持っててもイイと言い切れるのだが、とにかく彼女は素直過ぎるのだ。それと、原作通りダメナさんでした。片付けは出来ないし、ホントに抜けてるところが多い。思った事はすぐ行動。でも何処かでポカを起こす。何でもすぐに信じるし、悪い人に捕まったら大変な目に合いそうで……。

とにかく心配なんだ。

 

「んー。私はクロメ君に着いてくよ。『カレン』も旅に出させてあげたいし、何よりまずはクロメ君の戦い方を見て勉強していたいの。………それに、クロメ君と一緒にいられるのなら……」

 

『カレン』とは、あのフカマルの事である。この前色々と難儀しあって話し合った結果がこれだった。

まぁいい名前だと思うよ。あのフカマル、絶対ガブガブになった時、可憐な姿になるだろうからね。

ともあれ、後半部分があまり聞こえなかったが、前半部分だけでも聞くと、俺と一緒に行きたいのか。

 

「多分だけどさ、俺普通の旅とかしないと思うよ。怪我だってするし、もしかしたら最悪死ぬかもしれないよ?」

 

今考えている中で、俺は『カロス地方』に行こうと考えている。勿論それは、メガリングとメガストーンの入手の為。

もしうちの嫁がこの世界にいるのだとしたら、俺はその娘の為にもメガストーンが必要不可欠。

まずは戦力強化をし、その後は『アローラ地方』に渡る。

きっとその頃には、半鎖国状態は解けているだろうと俺の勘が言っている。

そこで俺は、原作よりも多分早いかもしれないけど、UBの調査をして行きたい。願わくは、ルザミーネ様と会いたいものだ。え?ルザミーネ様って誰って?んなモンジョジョ立ちしてる厨二病とリーリエたんhshsの親に決まってんだろ!!あー、モールだかモートだか名前は忘れたが、けしからん。ルザミーネ様はみんなの共有人なのに。独り占めとかnothing。

原作から考えると、同い年かな?んほぉおお!!会うのが楽しみだぜぇええ!!

 

「でもいいの。クロメ君が行くなら、私もその横に着いてく。それが、私の道だから……」

 

静かに俯くシロナちゃん。全く、まだ子供なのに、考え過ぎだよホント。え?俺も子供?冗談よしてくれよ。精神年齢20歳超えてんよ?それを今更ガキ扱いってねぇ?……あ、見た目の話ね。

 

「そっか。じゃあ何処行きたいとか無い?」

 

「……んー、深くは考えてないよ。私の行先は、クロメ君の行先なんだから」

 

その返答は困っちゃうなー。

よくデートで『何処行きたい?』って聞くと『何処でもいいよ』って返答されるぐらい困る。言われた事無いけどね!!

 

「ほらほら、捕まえたいポケモンとかいない?」

 

んーと考え出すシロナちゃん。ウホッ、マジ天使結婚しお。

『カロス地方』に言ったらまずは、プラターヌ博士の所に……ってこの時代だとまだ博士じゃないかもしれない。ナナカマド博士の教え子だって聞いたから、まだお勉強中か。

じゃあ直接シャラシティに出向いてコンコンブルさんに色々聞かなくちゃ。

 

「そう言えば、この前の授業で『メガシンカ』って習ったよね。図書館に行っても、『メガシンカ』の事何も書かれて無かったから、お母さんにパソコン貸してもらって調べてみたの。そしたら、カレンも『メガシンカ』出来る可能性があるって出てたから、その『メガシンカ』って言うのを調べたいな」

 

わぉ流石シロナちゃん。シロナちゃんいつの間に調べてたの?なんて抜け目のない娘!?

やっぱり聞き慣れない『メガシンカ』ってのは気になるよね。俺も気になるもん。

 

「良かった。実は俺も『カロス地方』に行ってみたかったんだ。シロナちゃんと同じで『メガシンカ』について知りたかったからね」

 

後は、対峙するであろうUB戦の為の戦力増加。

今のところ『メガシンカ』するポケモンがどれ位いるのかは分からないが、とにかく『メガシンカ』出来るポケモンはなるべく多く捕まえて育てておきたい。

どうやら、『メガシンカ』をするのは、バトル中1体だけじゃないらしい。絆を素に、新たな姿へと変貌させるのが『メガシンカ』。絆がそのポケモンだけでは無いし、充分なポケモンとの絆があれば、手持ちの数なら何体でも『メガシンカ』ができるそう。ゲームの方で一体しか出来ないようになっているのは、多分一体一体が強力過ぎるから、レートとかで使うポケモンに偏りが生まれるからだろう。

レートとかは同じポケモンは禁止にしたのはメガシンカと同じ要領だからだろうけど、もし2体以上同じポケモンがいて、しかも両方『メガシンカ』したら、大半は勝ち目ないと思う。それこそ、メガガルで瞬殺されそう。まぁ現環境でも、メガガルとメタモンの2体メガガルは拝んだ事は多々あるが。あれは恐ろしいよ………。

 

「でも、『メガシンカ』の情報が何処にあるのか全く分からないし……。気長に探すしかないかな……」

 

「それは心配無いよ。『メガシンカ』については、シャラシティって所で分かるから。他にも色々『メガシンカ』については、『カロス地方』では伝承が多いらしいね」

 

「へぇー。流石クロメ君。何でも知ってるね」

 

「何でもは知らないよ。ただ、知ってる事だけだから」

 

まぁ殆どはゲームの情報何ですがね。しかもうろ覚え……。

フレア団だのギンガ団だの一体いつから行動してるのか全く分からないからね。ニュースとかでは聞いた事ないけど、まだ表立っては行動してない訳か。

動き出すとしたら、遅くても俺達が40歳ぐらいかな。

ヒェ〜、結婚してるかな俺……。

 

「じゃあ、卒業したら『カロス地方』に飛ぼう。でもシロナちゃん。ジム巡りはいいの?」

 

「一先ずは『メガシンカ』について知りたいからね。それからでも遅くないよ」

 

………原作でのシロナちゃんって、どれ位にチャンピオンになったのだろうか。10年前後チャンピオンとしての座を守っているとがなんとか。シロヒカが流行るあの時って、マジでシロナちゃん幾つなんだ?

30?40……は流石にあの見た目だからいってないだろう。

ゲーム設定じゃ、10年前後チャンピオンの座を守り、ナナカマド博士の教え子として考古学者とチャンピオン二つを両立。『カロス地方』のプラターヌ博士は兄弟子に当たるそう。『イッシュ地方』にも渡り、四天王で有名なシキミさんだのカトレアちゃんだのアイリスちゃんだのと友好関係を結び、2年後ぐらいサザナミシティで海に沈む海底遺跡の探査をする。『アローラ地方』のバトルツリーでまさかのタッグ参戦。

んー。考えると、凄まじく旅してるね。いやそう思うと、30代後半ぐらいだな。ルザミーネ様は俺らより年上?いやいや、シロナちゃんが何年後に『アローラ地方』に行くのか分からないから何とも言えんな。

 

でも纏めると、俺シロナちゃん連れてっていいのか?

ゲーム通り行くなら、年齢も多々関係無くなるが、俺が連れていくと、誤差が起きてシロナちゃんの今後の流れに影響するやもしれん。IFルートで、もしかしたらチャンピオンにならず、考古学者として生きていくかもしれない。もしかしたら、考古学者としてだけ生きていくかもしれない。もしかしたら、『イッシュ地方』の元々友好関係を築く筈の人達と会えないかもしれない。

そう思うと、俺の介入はとてつもなく未来を歪めかねないものだったんだな。

シロナちゃんを助けたのはいい。この際、ゲーム通りの設定なら、カナズミシティでおばあちゃんとおじいちゃんと妹4人で暮らしていたはずだ。

俺が関わったから変わったのだろうか。変わってしまったのか。変わらせてしまったのか。どれにしても、全ては俺のせいだ。

俺が生まれなきゃ、きっとシロナちゃんは何不自由無い生活を、ゲーム通りの流れに乗って行けたのかもしれない。

もし今後ゲーム通り行かなければ、どんな終焉が起こるのだろうか。世界の消失で済んだら可愛いものだろう。

それが、全次元、IFルートにおいて、最大の崩壊だとしたら、どんな影響を与えてしまうのだろう。

 

闇は深まるばかりか。シロナちゃんはついて行きたいと言っているが、実際『メガシンカ』を会得するのにどれ位かかるのか目星がつかない。

かかるなら、1、2年。最大でも4年で決着をつけなくちゃならない。

まさか、大好きなゲームに入れたのに、こんなに頭を使うなんてな。いや、ゲームでやっていた時も変わらず頭を使っていたか。

 

「……一先ずは卒業をする事だね。ポケモンもしっかり捕まえなくちゃ」

 

「もう私は決まったよ。もうすぐで夏休みでしょ?クロメ君、着いてきてもらっていい?」

 

「いいよ。俺も、ポケモン捕まえなくちゃならないから」

 

深くは考えないでおこう。今行動を起こしても多分遅い。

俺がこの世界のルートに乗った時点で、引き返すことも、巻き返すことも出来ない。

ならば、そのルートで生き抜くのみだ。死ぬのならば良し。生きるのならば真っ当に生きる。

この際伝説だの何だの出て来い。俺が全てぶっ潰してやる。

 

 

 

 




めちゃくちゃこんがらがるゲーム設定。

シロナの移動の流れからして、シンオウ地方でピカリちゃんと出会ってからイッシュ地方に飛んだのだろうか?
ゲーム内でどんな話があったとか正直うる覚え何で、今回書いたのは作者の独り善がりな設定だけど、無理せず付いてきてくだちぃ。

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