なんか違うぞこの世界   作:黒姫凛

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昨日まで遠征で1日平均3~4試合してましてん。作者はずっと座りっぱなしのポジションだから、足がパンパンで動けまてん。

まぢちゅかLETTERaaaaa。

言い訳させて欲しいけど、疲れてたから駄作になったんだからね!!(ツンデレ感)※ただし駄作はいつも通りである。


ジム戦、開始

 

 

 

 

 

ーーージム戦。

 

アニメ中やゲームなど、ポケモン関連においてジム戦と言うものは外せないものである。自分の実力がどれほどなのか知る事が出来、ストーリーを進めるために突破しなくてはならない壁の1つ。

ジム戦をする事で、よりポケモンについて深く知る事が出来、長い時間をかけて育てたポケモンで勝利を獲得出来た喜びは、幾つになっても喜ばしい事だった。

 

そんなジム戦を見るだけでなく、画面越しでやるわけでもなく、実際にする事が出来る。控えめに言って、めちゃくちゃ最高です。

ゲームでは、技を選択してシステム通りにしか進まなかった。アニメでは、ただの傍観者としてしかいられなかった。

だが、今は違う。自分で考え、自分のポケモンがシステムに囚われずに戦い、ジム戦を体験出来るのだ。願ってもない事である。これ程までに嬉しい事は無い。

この世界のトレーナーは、某マサラ人のようにポケモンマスターを目指す者、リーグ制覇、チャンピオンの座、ブリーダーと言った職業で活躍を目指す者がいるが、誰もがトレーナーとなったら必ずジム戦をすることになる。トレーナー達にとって、ジムとは憧れのものであり、挑むべき試練である。

 

そんなジム戦に、俺はこれから挑んでいく。

勝ち負けじゃなく自分の力がどの程度なのか確認のようなもの、と言っていたが、なんだか夢にまで見たジム戦を出来ると思うと、何がなんでも勝ちたくなってきた。

シンオウ地方ではスクールで無双。校長先生が講師で呼んだトレーナーをボコり、1桁後半の年齢にして鬼がかっていた俺氏。

天狗になってる訳じゃないけど、この世界じゃ反則級の知識とアニメで見たあの動く戦闘をずっと見てきた俺の頭では、同年代で敵無しなのは分かっていた。講師としてきたトレーナーも、まだジムバッチを数個所持していた、言っちゃ悪いが半人前のトレーナー。半人前程度じゃ俺は倒せなかったよう。校長先生の当然の結果だとでもいいだけな目はなんだったのか良くわかんなかったけど、とりあえず挑める相手には全勝していた。正直言って飽きた。もっと強い人とやりたいと願う気持ちが大きい。それはアリア達も同じ事のようで、バトル終わりにいつも退屈だと愚痴を吐いていた。

 

だが、そんな愚痴も今日まで。いよいよ1人前、しかも更に上の熟練者の中のトップ。この世界にある、ポケモン協会認定のトレーナー。

そんな人と戦う機会がやっと出来たのだ。もう、実力確認とかそういうのは捨てよう。そんなこと言ってた俺を殴り殺してやりたい。

やるなら全力。向かうなら真っ直ぐに。ガチで勝ちに行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーーようこそチャレンジャー!!我がミアレジム、ジムトレーナーが俺、デンタ!!君のチャレンジ精神に敬意と喝采を送ろう!!」

 

丸太のように太い腕と足。安全第一のヘルメットを被り、作業用のつなぎ服を上半身だけ脱いでタンクトップ姿で、フィールドの中心に仁王立ちしていた。工具を入れたポケットを肩から斜めにかけ、いかにも工事現場にいそうな印象のジムリーダーと名乗った男、デンタは、拍手を贈りながらガハハッと大きく笑った。

 

「シンオウ地方〇〇〇タウンから来た、クロメです。宜しくお願いします」

 

アニメではこうやって挨拶をしていた。とりあえず例に習って挨拶を交わす。

 

「うむうむ。自己紹介を素直にしてくれる若い者、なんと謙虚な姿だろうか。君の姿を、是非他の若い連中に見習わせたいな」

 

腕を組み、相槌を打つデンタ。のしのしと歩き出して俺達の目の前まで近付いてくる。

概要に載っていたが、デンターーー、敬意を払ってデンタさんと呼ばせてもらう。デンタさんはイッシュ地方のヤーコンさんの弟子であり、何年か前までヤーコンさんの元で仕事やジムの手伝いをしていたが、ヤーコンさんの勧めもあって、ジムリーダーになったそうだ。

あの男前で有名なヤーコンさんの元で修行をしたのなら、俄然腕がなるというものだ。

 

「ジムバッチは幾つ持っているかな?」

 

「ほんの2日3日前にこの地に来まして。シンオウ地方の方でもジム巡りはしていないので、ジムバッチは持ってないです」

 

「ほほぅ、初めてのジムがここというわけか。うむうむ、尚更やる気が出てくるものだな」

 

そう言って、ポケットから小型のリモコンのようなものを取り出すと、ポチッと後ろに向けてスイッチを押す。フィールドの近くにあった壁から、収納ケースのような扉が開き、プシューっと白い煙と共にモンスターポケモンが3つ現れた。

 

「…………あの、お願いがあるんですが」

 

「ん?お願い、とな?」

 

「はい。出来れば、1()()()()()()()()でやらせてくれませんか?」

 

ピクっと、デンタさんの身体が震えた。俺の言っていることが分からないらしく、シロナは首を傾げた。

 

「……それは、ルール違反だ。君のレベルにあったポケモンでないと公平ではない」

 

「そんなこと分かってます。でも、俺は()()()()()()()()()来たわけじゃありません。()()()()()()がしたいんです」

 

ポケモン協会が定めたジムリーダーの鉄則で、こんなものがある。

 

『ジムリーダーたるもの。より公平に、より平等に』

 

ジムリーダーは、挑んできたトレーナーが持つバッチに合わせてポケモンの強さを変える。ジムバッチ7個所持しているトレーナーが、ジムバッチ1個目をGETした時と同じ強さの相手なら公平ではない。かと言って、ジムバッチ所持数0のトレーナーに、1番強いポケモンを使ってバトルするのも平等ではない。

だからポケモン協会は、ある規定を出した。

トレーナーに合わせ、ほぼ平等に、ほぼ公平にバトルが出来るようにしなさい、と。

 

これまた難しい事で、例えバッチ1個のトレーナーでも、ポケモンが強い場合があったり、トレーナーの指示が的確でジムリーダーの使うポケモンが全く壁として機能出来なくなる。

かと言って、その規定を無くせば、トレーナーが勝てなくなってくる事もあるしと、ジムリーダー達の中でストレスの一環となっている。1トレーナーは情報通でも無い限りはこの話は耳にしない。

デンタさんも、そんなストレスの溜まる1人なのだろう。動揺するということは、そういう事だろうから。

 

「………とは言っても、君の実力が俺には分からない。もしこのバトルが、今後の君の人生で深く傷になってしまう可能性だってある。強がりはやめなさい」

 

「強がりじゃありません。俺はこの地方で成し遂げたい事がある。その為には、貴方の全力を倒さなければならないんだ。だからお願いします。どうか、俺と全力で戦ってください」

 

「………しかしだね。ここは公式戦のフィールドだ。あくまでジム戦をしなくてはならない場所なんだ。それ以外の目的でバトルが行われると、ジム閉鎖は免れない。毎回審判が映像を録画して上に報告しているから難しいんだ。私個人に申し込みをしているのなら、プライベートの時にでも……」

 

「それじゃ遅すぎる。何分、時間を取られすぎてしまい、予定よりも進行速度が遅いんです。今は、一秒一秒時間が惜しい。それに、あくまでジム戦をしなくてはならないって事は、ジム戦に()()()ればいい。公式戦でも、バトルをしっかりしていれば、それはジム戦になるんでしょ?公式戦に見立てて俺とバトルしてください、お願いします」

 

ぺこりと深く頭を下げるクロメ。それに便乗し、シロナも慌てて頭を下げた。

 

「……何故そこまで俺の全力にこだわる?君はこの地方で何を成し遂げたいんだ?」

 

「決まってるじゃないですか。この地方でしか伝わらない伝承、『メガシンカ』使いになる事ですよ」

 

その返答に、デンタさんは目を見開いた。カロス地方のジムリーダーならば知っていて当然の伝承。しかし、ほかの地方に100%伝わっているとは言い難い『メガシンカ』の伝承。

若くしてその情報を知り、母国を飛び出して海外まで来た俺を、デンタさんは穴が開くほど見つめてくる。

 

「……後ろのお嬢ちゃんもかい?」

 

「は、はい!!そのつもりです」

 

「………そう、か。君達も『メガシンカ』を……」

 

なんだか、異様に相槌を打ち始めたデンタさん。腕を組み、そうかそうかと口ずさんでいる。

 

「分かった。その勝負、受けようではないか」

 

「本当ですか!!」

 

「おうとも。今の会話も録画している訳じゃないし、審判にも交渉しよう。ただし、やるからには全力だ」

 

デンタさんはもう一度スイッチを押し、今度は空いた隣の壁がプシューっと息を吐いた。白い息と共に現れたのは、3つのハイパーボール。見ただけても、あのボールに入っているポケモンは強いと確信して言える。

 

「ここからはあくまでも公式戦。しかし、俺個人の戦いだ。使用ポケモンは各3体。入れ替えは3回まで。全てのポケモンが倒れた瞬間にバトル終了。これでどうかな?」

 

「はい。それで大丈夫です」

 

デンタさんは駆け足でボールを取りに行き、空いた収納ケースをしまう。フィールドに立ったデンタさんは、審判さんに事情を説明。公式戦のような私試合。審判さんも軽く受けてくれたようで、審判さんが高らかに宣言した。

 

「では、これよりジムリーダー デンタとっ、トレーナー クロメによるジム戦を開始します。両者、ポケモンを!!」

 

「俺の一体目、仕事だ、『レアコイル』!!」

 

「出番だ、『ミカンちゃん』!!」

 

両者同時にモンスターボールが投げられ、開き、そしてポケモンが姿を現した。デンタさんのポケモン、でかいネジが球体のフォルムに捩じ込まれ、U字型磁石が球体の横に手のようにくっつき、球体の中央にあるひとつの目玉。それが『コイル』というポケモンだが、『レアコイル』はそれが3体くっついた状態のポケモン。三位一体とはこの事である。

対して、我が陣営先行者は我らが同士『ミカンちゃん』。白い透き通った髪と、頭の横にあるぴょこぴょこと嬉しそうに動く可愛らしい耳。手首についたモコモコな毛。もふもふな大きな白い尻尾。汚れひとつない純白の改造ワンピースを身にまとったパチリスさん(厨二病)。腰に手を当て、仁王立ちで構えるその姿はまさに偉大である。

 

「わーっはははははっ!!妾っ、ここに推参!!」

 

ビクトリーとVの字を両手の人差し指と中指を前に出して決め、ドヤ顔を決めていく我らがミカンちゃん。

その姿にデンタさんはおおっ、と声を上げた。

 

「まさかまさかの人型とは。いやはや、胸が熱い。より、ワクワクが止まらなくなってきたぞ!!」

 

「ビリーっ!!」

 

デンタさんもレアコイルもやる気は満タンのようだ。

それを見越し、審判さんが声を張り上げる。

 

 

 

「ーーーそれでは、試合っ、開始!!」

 

 

 

今、ワクワクの止まらないバトルの幕が、切って落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




100メートル10秒台並のスピード展開でありました。
今度はいつになるのかなー、こんな駄作でも見ていてくれる人にはスライディング土下座で感謝したい(真面目)。

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