『リバースカードオープンッ、トラップ発動!!「ご都合主義」。貴様のターンを強制終了する!!』
『おっ、おのれぇ!!!!』
キスはレモン味、とか聞いたことある。けどシロナと交わすベーゼはレモン味というか、歯磨き粉の味がする。
いつも強請ってきて頬っぺたとかにしかしたこと無かったキスを、恥ずかしげもなくやっています。
「………んッ、んんっ……」
目をぱちくりさせてなすがまま状態のシロナに愛おしさを感じ、抱き寄せて深く深く浸る。
心の奥から沸き立つ感情。これが欲望なのか。初めて何が何でも欲しいと思い、我慢出来ずにしてしまったけど、後悔はない。寧ろあそこでしなきゃ男が廃るってもんでしょ。
「………ぷはっ。く、くろめきゅんっ、一体何を……っ」
「何をって、キスしただけだけど?何?もっと欲しかった?」
「違くて違くてっ、もっとして欲しかっだけど違くて」
「シロナ言ってたよね。俺が欲しいだの何だの。正直ここまで女の子に好かれてるのは嬉しかったよ」
前世でも欲しいだの何だの言われたのって、俺がお菓子とか持ってて妹が食べたいからせがんで来た時ぐらいしか欲しい欲しい言われたことない。あっ、これが欲しいって訳じゃないから言われたことないわ。
だから、今日生まれて初めて欲しいと欲望丸出しで言ってくれたシロナには、今思えば嬉しさを感じるな。
だけど、男にとって譲れないものがある。
「けど、俺は尻に敷かれるのは性分じゃないんでね。敷かれる前に俺からやっておいた。正直、予想外だろ?」
尻に敷かれる男ってなんか俺は嫌だ。やっぱり男っていうのは、どっしり構えてて、女の子を護ってこそだと思う。女の言いなりに成り下がりたくは無い。
「シロナに告ったの、俺ガチのガチ、超ガチだよ。初めてあった時から一目惚れ。胸の奥から湧き出すシロナを自分のモノにしたいって欲望が、めっちゃ溢れ出てる。好きで好きで堪らないんだ」
初めて見た時はそう、ダイパをやってなかったため、BWから始めた俺だったが、サザナミビーチ……だったか?名前忘れたけど、カトレアたんの別荘にいたシロナ様に、俺は全細胞が疼いた。
勿論BWと言えば、マジイケメンでお馴染みアロエの姉御、フウロっぱいでお馴染みのフウロたんや、ライモンでポケモンつよいもんでお馴染みカミツレサマーウィィィィィィィィィィwwwwwwwwwwwwwとか、履いてないでお馴染みアイリスたん、永遠の(見た目)14歳ことカトレアたん、シキミっぱいでお馴染みシキミたん、ポケモンシリーズ経ってのヤンデレ疑惑のある落し物イベントで対面するルリたんなどなど、BWから素敵可愛い女の子が大量に登場した。
勿論、ジュジュベ事女優となってポケウッドに出演し始めたナツメ様なども最高に可愛い。ナツメ様のお胸や太ももに埋もれたい(願望)。
だがそれでも、俺はシロナ様が一番なのだ。何故かって?
ーーー俺は金髪黒衣装が大好きなんだァ!!
分かるだろ?黄金色の髪と黒が主体の服。全く文句なしの組み合わせだ。しかもスタイル抜群しっかりそうなお姉さんに見えて実はダメな人というギャップを持ち、手持ちのポケモンなんか中々癖のあるポケモンばっか使ってて、可愛くて最高で可愛いんだよ!!これを最強最萌最愛と呼ばずして何とする!!
画面の向こう側には女神が降臨なさっていたのだ(驚愕)。
「でも、その願いは届かないと思ってたんだ。シロナと会った時の姿は、今でも忘れられない……。傷付いた身体、傷んだ髪に壊れた心。見てられなかった。遠くに置き去りにされてて、手を伸ばしても届かないと思ってた」
俺とシロナ様にあったものは、3次と2次という超えられない壁。
手を伸ばしても、触れれるのは画面のみ。声も無ければ姿形全て二頭身以下で映し出されていたために、毎日のように諦めていた。
BWから2に変わり、更にXYと進化していった。
髪下ろしコルニを初めとした可愛いキャラが続出していく中、俺のメインヒロインであるシロナ様の存在が無くなっていく感じがした。手が伸ばせないのに、更にそれはどんどん遠くなっていく。
耐えられなかった。信じられなかった。届かぬ思いのまま、サンムーンまで過ごしていた。
きっと誰もがシロナ様の魅力を知らないまま、『シロナ?あぁ、ダイパのチャンピオンね』的な感じな認識しかないだろ。
バカ言ってんじゃないよ!!女性初のチャンピオンだよ!!
「でもさ、今まで過ごしてきて、段々シロナとの心の差ってのが近付いてるような気がしたんだ。実際、俺の感情よりも遥かに大きな愛を俺に向けてくれてるけど、これも俺とシロナの心が近づいてるって事だろ?俺はシロナが大好き。シロナは俺の事が狂おしい程好き。好きの度合いがやばいけど、同じ好きってことには変わりない」
この世界に突然生まれて、一体何をすればいいのか分からないまま、何もする事無くポケモンがこの手に実際に出来ると思っていただけだったはずなのに、そこにいつしかょぅι゛ょシロナが現れた。
これはもう運命だと。テンプレだと。ヒロイン助けてさよらなハッピーエンドなのだと確信した。
「過去とかそんなの今の俺達には関係ない。関係あるのは、お互いの気持ちがどうなのかって事だろ?過去は過去、今は今、未来は神のみぞ知るってさ。吹っ切れて俺と、俺達とまた新しい生活を送ろう。毎日が幸せで、過去にあった事でお釣りが来るぐらい平和な生活をしよう。だから、俺と一生を共にしないか?」
告白?ノンノン、プロポーズだよ。
ヤンデレシロナ様をどう戻すかって言われたら、俺も君が好きだよって言って、後戻り出来ないよう論破すればいい。まぁ俺はシロナと結婚したいからこうやって来たけど、実際のヤンデレは知らないよ?まだシロナに心の隙間があったから入り込めただけだから。………真似しないでね。
「………いい、の?シロナ……、皆をっ、否定したんだよ?クロメくん以外いらないって、認めたく無かったんだよ?こんな悪いシロナと、本当にずっといたいって言ってくれるの…………?」
「当たり前じゃん。だって好きなんだもん。恋は盲目って言うだろ?そんなの謝っちまえば解決するさ。もっと前向きに行こうぜ。終わった事に一々反応してたら、胃もたれして死んじゃうよ」
「………クロメくんと、一緒にいていいの?汚くて穢れたシロナを、そばに置いてくれるの……?」
「今まで置いてきたじゃないか。これからも、ずっと俺のそばに居てくれよ」
寧ろ俺がそばに寄ります。
シロナのいい香りをいつでも嗅げるって言うのは最っ高デスなぁ。俺のモノと考えるとなんだかいやらしいが、もうシロナは俺だもんねぇ!!誰にも渡さねぇから!!
「………シロナ、これからもクロメくんと一緒に居たい!!どんな事されてもいい!!嫌われてもっ、暴力振られてもっ、呆れられてもっ、クロメくんのそばにずっと居たい!!」
涙を流すシロナの身体を抱き寄せる。
涙で服が汚れる?そんな事気にする奴は男じゃねぇ!!好きな女が泣いてる時は、胸の中で泣かせるってのが常識だろ!!(キッパリ)
「……酷いことするな、シロナの妄想の俺って。安心してくれ、暴力なんか絶対に振らないし、シロナに飽きる事なんてありえないから」
「………うんっ。うん……」
「ずっと一緒にいような。家族は、大勢いた方が楽しいからな」
「………大好きだよ、クロメくん……」
「俺も大好きだよ、シロナ」
抱き寄せたまま、泣き止むまで俺はシロナを胸の中に包んでいた。
やっと悲願の願いを叶えることが出来た。届かないと思ってた思いは、どんな形であれ、俺の元に来てくれた。
この運命に感謝する。この運命に呪いあれ。願わくば、シロナ様の幸せと等価交換で呪いを投げつけてやりたい。
神だろうがなんだろうが、シロナを泣かせるのなら、俺は神でも殺してやる。それが俺の家族だったでさえ、絶対に殺してやる。
多分それが、今俺がシロナを守ってやれる唯一の事だからだろう。
何とも、無謀なことかもしれないけど、シロナや家族を守るためなら、大切なんだろうな。
「………良かったな。シロナちゃん」
離れていたところから、そっとカレンが顔を覗かせ、今までに見たことの無かった、可愛い笑顔を浮かべていた。
無理矢理感ぱないの。
まぁ、早く進めたかったから、早く書きました。
メガシンカ早く出したい。