なんか違うぞこの世界   作:黒姫凛

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ふははははははっ!!!!!
どこからともなく現れるシロナ教信者が1人、名を黒姫!!
部活でえっちらおっちらしてる間にめっちゃ時間が空いたぞ!!
とにかく落ち着いて聞いてほしい。済まなかったと。
何分忙しい故、上手く時間を縫ってために貯めているんだが、一行にその成果が出ることが無い。
取り敢えずバレンタインとか言う非リアの強敵が現れるので、その日には特別企画としてなにか投稿できるようにしたい。
今回なんか無理矢理感満載だけどご勘弁。



愛を込めて By クロメ

ーーー考えていた。

今までの事を。これからの事を。俺達の関係を。

差も難しく考えてはないけれど、一個一個考えて思った事がある。

俺は彼女(シロナ)に何をして挙げられたのだろうか、と。

主人公気取りの右も左も分からず生まれて今まで来た俺だったけど、今この時、どんな気持ちだったのか分かんなくなってきた。

スクールにいた時、どんな気持ちだったのだろうか。家にいた時、どんなことを思っていたのだろうか。

この世界で謳歌したい?やりたい事が多く見つかった?こんがらがっていく思い。目の前の事が大き過ぎて、目的が定まらない。

 

彼女、シロナ。俺が生前好きだったキャラクター。

あの孤高な姿に惚れた。あの美しい姿に惚れ惚れした。時に見せたポンコツさにギャップ萌えした。そして何より、全てにおいて恋をしてしまった。

オタクだの何だの呼ばれてもよかった。実際どれだけキモいだのなんだの言われたことか。シロナを語る友人に『シロナは渡さん』とどれだけ吠えた事か。

クチートとは別に好きになった彼女を、どうしても抱きしめたかった。

どんな形でも、どんな姿でも、俺は彼女を身体のどこかで感じたかった。

 

その夢は叶った。しかも、ラノベ系でありそうな展開を載せて。

穴蔵の中でゴミのように汚く、必要とされない生きてる価値のない彼女。でも俺は違った。あの時誰か分からなかったが、俺は手を差し伸べた。それがシロナ出会った時、どれだけ嬉しかった事だろうか。あの時、シロナでなかったら、俺はここまで心の高まりは無かったと思う。

彼女だったから、シロナだったから俺はあの時心の底で込み上げてくるものがあったんだ。

 

シロナがいる毎日は色がカラフルになったようだった。元々ポケモンの世界に来たというだけでも、色のついた世界だったが、シロナという存在がいただけで、俺の世界はさらに輝くものになったんだ。

 

でも、それは俺だけの世界だった。

俺だけ輝いても、その隣にいるシロナは輝けなかった。輝いて見えても、裏では輝きが見えない程の闇があった。

過去という闇、それに囚われた彼女は、俺と真逆の心境に満ちていた。

その結果がこれだ。俺は彼女の事を何も知らなかった。5年間も一緒にいた筈なのに、俺は全く彼女の事を知ろうとしなかった。

 

 

最低だ。自分だけいいと思っていた自分への罰だ。

対する俺とシロナの心境が、どちらが深くなるにつれてそれは大きな差を呼んでいく。

このまま行くと、取り返しのつかない事になっていくのは事実だ。

 

ではどうするか。彼女を、シロナを助ける為には、俺は何が出来る?

話す?抱き締める?そんな上辺な事では本当に取り戻せない。

もっと、もっと彼女が今かけて欲しい言葉を考えろ。

これから先、こんな事が起こるかもしれない。だったら、ここで俺が彼女を救うしかない。

誰にも譲れない。これは俺がやることなんだ。目的が分からないとかじゃない。今これが、俺の今やる事なんだ。

 

やってやる。俺は、シロナを取り戻してやる。

苦しんでるシロナの為にも。今叫び続けて俺を呼んでいるカレンの為にも。俺とシロナのポケモン達のためにも。

 

ーーー絶対、やり遂げてみせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーーークロメ………、クロメ………」

 

譲り続けるカレン。放心状態の彼を呼ぶには、カレンには今この手しか持ち合わせていない。

しかし諦めたらそこで終わりだ。自分では何も出来ない事を悔やみながらも、クロメを必死に起こそうとするカレンを見つめるシロナ。

誘惑し、シロナの虜にさせようとしたが後一歩のところで邪魔が入った。シロナにとって、それは腹立たしい事であった。

しかし、クロメがもう一度起き、自分に語りかけてくればもう一度堕とすチャンスを見越し、ここは敢えて邪魔をしない。

どうせ自分の物になるのだと内心思いながら、シロナはしてやったような目でカレンを見つめるのだった。

そして、それは早くも達成される。

 

「ーーー………なんか、いっつもカレンって泣いてるイメージしかないんだけど」

 

カレンでもシロナでもない少しくぐもった声。声の主は勿論今まで寝ていたクロメのであった。

シロナはニヤケ顔を隠しきれない。あと少しで自分のものになるという嬉しさが、身体の奥から込み上げてくる。

 

「……私は、泣いてなんか……っ、……ない」

 

涙を拭い、鼻をすするカレン。

しかし拭いても拭いてもそれは収まることがなかった。

 

「カレンってさ、泣く時は、大体シロナが関わってるんだよね。わっかりやすいことに。シロナが怪我した時も、怒られて泣いた時も、決まって俺のとこに来て泣いて助けを扱いてる。毎回毎回そうだった。今じゃ、カレンが泣いてる=シロナがピンチって解釈が持ててるんだ」

 

どっこいしょっと、身体を起こすクロメ。

お尻の土を払い、カレンをゆっくり立ち上がらせた。

何故か、クロメの表情には笑みが浮かべられており、可愛いものを見たと言わんばかりの目をカレンに向けていた。

 

「なぁ、そうだろシロナちゃん。いつもいつもカレンはお前の為に泣いてくれてたんだ。俺以上に、カレンはシロナちゃんの事を思ってるんだぜ?」

 

「……そんなの知らないよ。シロナはクロメくんにしか興味ないの。他の事なんてゴミ箱に捨ててしまうわ」

 

相変わらずの反応。しかしクロメは、ゆっくりと足をシロナに向けて歩き出した。それにはカレンとシロナも驚きの色が出る。

 

「ホントにそう思ってる?なら、なんで俺を起こしてるカレンの邪魔をしなかった?」

 

「それはカレンが起こせば、またシロナがクロメくんを説得出来るチャンスがあるから見逃したの」

 

「でもおかしいよ。それなら自分で起こした方がより俺を魅了できるだろ?カレンが起こせば、俺が一定の距離でしか話さなくなることを考慮したのか?」

 

「関係…ない。シロナはそれが最善だと思ったの」

 

「それじゃあ、なんで()()のポケモンを捨ててないの?興味なかったんじゃなかったっけ?」

 

その言葉にハッとした。その表情を見た瞬間、クロメはしたり顔。シロナはカレンを頭ごなしに否定していたが、カレン以外のポケモンはモンスターボールのまま自身の手元に残していた。興味が無いのなら、即そのモンスターボールを捨てるなどの事はした筈である。

 

「それってさ、まだシロナちゃんが捨てきれない感情を持ってるからだよね?そんなのがなかったら、シロナちゃんはモンスターボールを捨ててたはずだ」

 

「……変な事言わないでっ。シロナはクロメくんしか………」

 

「それにさっき言ったよね。後戻りは出来ないって。なら、自分では無理でも誰かに助けて欲しかったんじゃなかったの?」

 

「……そ、そんな事……っ」

 

無い、とは言いきれない。シロナは最後まで言葉を言えなかった。

言葉の裏の意味。突き放すように感じても、実際は裏返しで考える。

自分ではもうこれ以上は抑えられない。なら、誰かにそれを止めてもらえる事を望む。

なんという無理矢理感。しかし、当てずっぽうだがシロナは動揺を隠せない。さっきまで手の甲で泳がせていた魚が、まさかの叛逆。一瞬にして、シロナの勝利への道が閉ざされていく。

 

「……もうさ、無理しなくてもいいよ。シロナちゃんは俺の事を欲しい欲しい言ってるけど、その感情を誰かに止めて欲しかっただけだよね」

 

「……ちがっ、シロナはホントにクロメくんだけを………っ」

 

「思い出してよ。俺は今まで、シロナちゃんの側を離れたことあった?置いてどこかに言ったことある?」

 

「…………」

 

そんなの自分で自覚してる。置いていったことなんて無い。いつも俺の側にシロナを置いていた。

大好きだった彼女がいるだけで、俺は力が溢れてきたから。

でも、それだけじゃない。

 

「俺はシロナちゃんを雑に扱ったことなんて無い。いつも俺の側で一緒に過ごして、楽しい時間を過ごしたんだ。でも、それは俺だけじゃない。カレンや他のポケモン達がいたからそう思えるんだって分かった」

 

笑い合えたのは俺たち二人だけじゃない。他のみんながいたから。いつも、笑って過ごすことが出来た。

 

「俺はね、シロナちゃんが大好きさ。心の底から思ってるよ。実際言うと、あの時初めてあった時に一目惚れした。でも、みんなを否定するシロナちゃんは俺は好きにはなれない」

 

実際はもっと前に一目惚れしてます。

が、そんな事言えない。

シロナの目の前で立ち止まり、クロメはギュッと抱き締める。

堕とすはずが堕とされていく。

しかし、何故か歯痒く感じる事は無かった。スーッと透き通る何かがシロナの心に入り込んでくる。

自然と、シロナは身体をクロメに寄せていた。

 

「今なら間に合うよ。しっかりカレンに、そして皆に謝れば、元の楽しい生活に戻るんだ。誰も責めたりしない。そんな奴がいたら俺が止めてあげるから」

 

「……もう、無理よ。できっこない……」

 

「大丈夫、もう一度笑い合えるから。それにさ。俺、シロナちゃんに言いたいことがあるんだ」

 

「……なに?」

 

「俺がなんでシロナちゃんとずっと一緒にいたと思う?なんでずっと側で過ごしてたと思う?」

 

それには首を傾げるシロナ。もうさっきのヤンデレ化シロナの姿は跡形もなく消え去っていた。

クロメは口元を緩めて笑いかけ、じっとシロナの目を見つめて口を開いた。

 

「ーーーこの言葉を、俺は君に捧げたい」

ーーー前世よりこの言葉を俺は君に送りたい。

 

 

クロメにとって、その言葉は、今世紀最大の物語となるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……シロナちゃん、愛してる。俺と、ずっとに一緒にいよう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………ふぇっ!?」

 

ボンッと赤面を通り越して爆発したシロナ。

それに我慢の限界が来たクロメは。

 

「あぁっ、もう可愛いなぁ〜っ」

 

その姿を見た瞬間、欲望を抑えきれなくなったクロメはニヤリと笑い、シロナの唇に唇を落とした。

それには目を見張るシロナ。ギュッ抱き締めている為、簡単に解く事が出来ない。しかし、いつしか、身体をクロメに預けていた。それを感じたクロメは、更に熱いディープを交わす。

そのキスは、なんだか恥ずかしさより、嬉しさの方が断然強かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




語るなら 姿で見せよ ホトトギス。
みんなもポケモン、GETじゃぞぉ〜。

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