男子高校生のきんいろな日常   作:牧弥潤巳

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ある朝、アリスは部屋のカーテンを開けた。外を見ると鳥の鳴き声、晴れ渡っている。

アリス「いい天気。」

それを見たアリスはそう呟き忍の元へと寄る。

アリス「おはようシノ。」

忍「おはようございます。」

二人「ぐぅーー。」

挨拶を交わす二人だが、すぐさま眠りについてしまう。これが二人の毎朝の出来事なのだ。

アリス『日本に来て数週間、生活にも、大分慣れて来ました。』

忍「あ、今日は私に結ばせてくださいー。」

アリス「いいよー。」

忍のお願いにアリスは快く了承した。

忍「わーい・・・」

喜びながら髪を解く忍だが、途中で絡まってしまった。

女子高生「アハハ!マジウケる!」

家のポストから新聞紙を取り出すアリス。だがアリスは金髪の女子高生を外国人だと思ってた。

アリス『日本はとても住みやすい。外国人もたくさんいるし。』

忍「アリス!そろそろ着替えないと。」

アリス「うん。」

忍「太ったんでしょうか。ウエストが苦しい・・・」

アリス「それ私の制服だよ!!」


制服に着替えたアリスは、外に水を撒く。そこに忍が来た。

忍「アリス、夏でもないのに水撒かないで下さい。」

アリス「日本大好き!」

また新しい一日が始まった。



おつかいと悩みと慣れ始め

その後リビングで朝食を食べる2人。アリスは和食、忍は洋食の朝食を食べてている。

 

アリス『大宮 忍 あだ名はシノ。シノはおっとり優しくて大和撫子の鑑だよ。』

 

すると誰かがアリスの頬を突っついた。

 

勇「良いな〜。色白もち肌。」

 

忍「お姉ちゃん今日仕事でしたっけ?」

 

勇「そー。午後から。」

 

アリス『イサミはモデル。二人は姉妹だけど、あんまり似てない。こんな感じ!』

 

アリスは勇と忍を尾山人形とこけしに見立ててニコニコしている。

 

アリス・忍「行ってきます。」

 

楓「おはよう。しの、アリス。」

 

アリス「おはようカエデ。」

 

忍「おはようございます。」

 

楓「じゃ、行きますか。」

 

アリス『桐生楓。あだ名はカエデ。カエデは色んな人に優しい。シノとは幼馴染。たまに・・・』

 

楓「なぁしの。休日どっか遊びに行く?久しぶりに。」

 

忍「え?でもこの前行きましたよね?」

 

楓「ヤミーとか出てきたからノーカンみたいなものだよ。それに、色々心配させたお詫びとして、な?」

 

忍「///」プシュー

 

楓の行動と言動に忍は顔を真っ赤にしている。

 

アリス『ちょいちょいシノを口説いてる。あれって無自覚なのかな?』

 

いつもの場所に楓達が向かう。

 

忍「おはようございます綾ちゃん。」

 

そこには綾がいた。

 

アリス「おはようアヤ。」

 

綾「おはよう。」

 

忍「陽子ちゃんは?」

 

綾「日直で先行ったわ。」

 

忍「昴君達は?」

 

綾「昴達も先に行ったわ。」

 

忍「すみませんお待たせして。」

 

綾「早く行きましょ?遅刻しちゃう。」

 

アリス『小路綾。あだ名はアヤ。アヤは頭も良くてしっかり者。だけど・・・』

 

忍「綾ちゃん!タイツ履き忘れてますよ!?」

 

綾「え?・・・あ!!」

 

下を見ると、綾はタイツを履いてなかった。

 

忍「わ、私の靴下を!」

 

綾「しのが裸足になっちゃうじゃない!あ!確か・・・あった!」

 

カバンの中を探ると、中に運良くタイツが入ってた。

 

アリス『時々すごくおっちょこちょい。』

 

昴「来た来た。遅いよ。」

 

アリス『八神昴。あだ名はスバル。スバルはクールでしっかり者。面倒見がいい。』

 

楓「おはよう、今日早いな。」

 

昴「フェイに手こずったから。もう行ってるかなって思ったけど。」

 

フェイ「だから焦らなくていいって言ったのに。」

 

アリス『八神フェイ。あだ名はフェイ。フェイは好奇心旺盛。いつも本を持ってきている』

 

海翔「遅かったな。」

 

アリス『瀬戸海翔。あだ名はカイト。カイトはいつも無表情だけど、周りをよく見てる優しい人。』

 

陽子「おっはよー!」

 

アリス『猪熊陽子。あだ名はヨーコ。ヨーコは明るくて元気。』

 

海翔「朝食ってこなかったのか?」

 

陽子「え?食べたけど?」

 

昴「食べたのに?」

 

陽子「?」コテン

 

楓「いや、その「何か?」みたいな顔されても。」

 

アリス『いっぱい食べるのはいいことだよね。』

 

さくら「進路希望の紙、明日までですよ〜。」

 

アリス『ミス・カラスマは担任で、英語の先生。シノの憧れの人。』

 

さくら「昨日のテスト返しま〜す。」

 

忍「先生コッチ見て下さーい!」

 

アリス「憧れ?」

 

楓「もはやファンの一種だな。」

 

さくら「アリスさんすごいわ。100点よ。」

 

アリス「フッ。ドヤァ」

 

さくら「見てここ、特別に花丸上げちゃいましたー。しかも旗付き!」

 

アリス『ちょいちょい子供扱いします。』

 

忍「質問です。先生はどうして教師になろうと思ったんですか?」

 

さくら「先生は・・・そうねぇ。気づいたらなってたわぁ。その場のノリ?」

 

全員「(参考にならない・・・)」

 

さくら「でも、学生時代が一番楽しいわよ。学生で大変な事と言えば、睡魔との戦いくらいだものね・・・」

 

そう言ったさくらたが、本人も目が虚になっていて、いかにも眠そうだった。

 

楓「先生今も眠そうに見えますけど。」

 

さくら「(眠いわぁ)」

 

陽子「んー。学校の先生って頭が良くないとなれないよね。」

 

綾「まぁね。」

 

アリス「あっ!シノもう書いてるよ!」

 

楓「まぁしのだし。当然か。」

 

忍「はい。私、小さい頃からの夢があるので。」

 

アリス「何て書いたの?」

 

忍「通訳者です!」

 

陽子「あぁ、宇宙人の?」

 

忍「外国人ですよ!」

 

海翔「宇宙人の通訳なんて無理だろ。」

 

楓「いや、そこを真面目に返すのは。あそういや、しの最近アリスに英語習ってるんだっけ?」

 

忍「はい!心配ご無用ですよっ!」

 

陽子「おーっ!それじゃ、アリスの英語通訳してみて!」

 

忍「いいですよー。」

 

アリス「It`s been a few weeks since l arrived in japan .And I am getting used the life here. 」

 

忍「えっと・・・私は・・・」

 

アリス「It`s great l could come to japan. Japan is such a suitable place for・・・」

 

忍「略す前にどんどん喋らないで下さい!」

 

アリスの口を抑えながら忍はそう言った。

 

5人「えー!?」

 

驚きの声を上げる中、楓は少し考えた後、

 

楓「アリス、今言おうとしたこともう1回全部言ってみて。」

 

アリス「うん。It`s been a few weeks since l arrived in japan .And I am getting used the life here .It`s great l could come to japan. Japan is such a suitable place for living. And everyone is just so kind。」

 

アリスはもう一度英語で喋った。すると、

 

楓「オーケー。『日本に来て数週間が経ちました。生活にも慣れてきました。私は日本に来られてとても嬉しいです。日本はとても住みやすいです。周りの皆は優しいです。』で合ってる?」

 

アリス「凄いよカエデ!全部合ってるよ!」

 

見事に通訳した楓である。本人は少し満足気だった。

 

陽子「楓英語分かるの!?」

 

楓「まぁ、父さんから色々と聞いてきたし。外国関連なら少し自信はあるよ。」

 

忍「そんな・・・」

 

ショックを受けている忍。

 

昴「まぁそう落ち込まないで。けど、楓のお父さん関連で覚えたなら納得だね。」

 

アリス「?どういうこと?」

 

昴「楓のお父さんは今世界の色んな国をまわってるんだよ。」

 

アリス「え!?すごいよ!」

 

楓「まぁ将来俺もまわりたいって思ってるけどね。さすがにこれには書けないよ。」

 

と、楓は言った。

 

アリス「進路なんて考えたこともないよ。」

 

忍「そんなに悩まなくても大丈夫ですよ。自分がどうなりたいか考えればいいんです。」

 

アリス「(シノすごい)」

 

アリスは忍に憧れの視線を送り、忍にこう言った。

 

アリス「はっきりとは決まってないけど、人の役に立てる人間になりたいな。」

 

忍「なるほど。少し貸して下さい。」

 

アリス「うん。」

 

忍「つまりこういうことですね。」

 

紙には「人間」と書かれていた。

 

アリス「大事な部分か抜けてるよ!?」

 

楓「アリスは今も人間だからな。」

 

アリス「ヨーコは決まってるの?」

 

陽子「んー、そうだなぁ。私は、アイドルになって武道館でライブかな。」

 

昴「おい。」

 

アリス「(すごい!そんな大きな夢を)」

 

またもや憧れの視線を送るアリス。

 

アリス「ヨーコならきっと叶うよ!わたしも応援するからね!」

 

陽子「え?嘘だよージャパニーズジョーク!そこは「むりやろー!」って突っ込むところ。」

 

アリス『日本のジョークレベル高いよ。』

 

陽子「綾は「お嫁さん」とか書きそうだな。」

 

綾「かっ、書かないわよ。」

 

といいながら消しゴムを使う綾。

 

陽子「消してんじゃん。」

 

綾「消すわよ消しゴムだもの!誤字を消すための道具だもの!」

 

といいながら綾はダンッと机を強く叩きながらこう叫んだ。

 

綾「もうっ!だったらなんて書けばいいの!?」

 

海翔「開き直った。」

 

綾「はぁ・・・理想のプロポーズとかなら悩まずに書けそうなのに。」

 

陽子「どうした?乙女モード全開だな。」

 

綾「私は男らしくストレートに言うのがいいと思うのよ!」

 

陽子「(どうしよ・・・絡みづらい)あ、だったら。」

 

すると陽子は綾の顎をクイッと少し上げ、

 

陽子「「俺の嫁になれ!」とか?」

 

と、いつもと違う声で言った

 

綾「やめてよバカ!」

 

陽子「いてぇ!」

 

海翔「ハァ」

 

顔を真っ赤にして慌てる綾に海翔はため息をついた。

 

綾「しのの髪って綺麗なストレートよね。」

 

楓「確かに。」

 

アリス「サラサラだよねー。」

 

忍「そうですかー?アリスの髪の方が素敵ですよー。」

 

フェイ「確かに、地毛が金髪なのは興味深い。」

 

と、フェイは興味ありげな視線を向ける。

 

綾「あ、でも会った時から思ってたけど、ちょっとトイプードルの垂れ耳に似てるわよね。」

 

海翔「なんでトイプードル?」

 

忍「黒かったら昆布っぽくないですか?」

 

綾「そんなヌメっとしてないわ!もふもふよ!」

 

アリス「シュン」

 

それに対し少しアリスはテンションが下がってしまう。

 

昴「当の本人はサラサラがいいみたいだけど。」

アリスの気持ちに察した昴であった。

 

授業中、

 

生徒A「はい、陽子から。」

 

『さっき髪の話してたじゃん。言いそびれたんだけど、綾、今日後ろの寝グセすごいよ!』

 

先生「次の問題を小路さん・・・」

 

綾「寝グセを直してからでいいですか!」

 

海翔「いや、何故今直す。」

 

髪をほどいてくしを取り出す綾に突っ込みをいれる海翔。

 

先生「で、では桐生君に・・・」

 

楓「スースー」

 

フェイ「寝てるね。」

 

授業が終わった後、いつものグループで集まっていた。

 

陽子「楓が寝るなんて珍しいな。」

 

楓「なんかさっき異常に眠くなって。」

 

綾「(もしかして・・・)楓、何か心当たりない?体力を使いすぎたとか。」

 

楓「うーん・・・もしかしてコンボ?」

 

腕を組み、少し考えると、その結論にたどり着いた。楓はヤミーとの戦いで、ガタキリバコンボを使用した後、その場に倒れてしまったのだ。

 

綾「やっぱりね。」

 

昴「コンボ?」

 

陽子「あぁ!あの分身使ったやつか!」

 

フェイ「すまないが、僕らは何か分からない。説明してもらえないかな?」

 

楓「あぁ、コンボは・・・」

 

楓は昴達に同じメダル三枚を集めることで発動するコンボ、それによって強力な力が発揮されることを説明した。

 

昴「なるほど・・・で、楓は大丈夫なのか?」

 

楓「うん。いまのところは。」

そして放課後になった。

 

陽子「かーえろ。」

 

忍「あ、帰りにスーパーに寄ってもいいですか?夕飯のおつかいを頼まれているんです。」

 

陽子「いいよー。今日のご飯はなに?」

 

アリス「林さんのご飯だよー!」

とアリスはニコニコしながら答えた。

楓「それってハヤシライス?」

 

アリス「そうだよー。」

陽子「なんで訳した?」

 

忍「しかも今日のご飯はカレーライスですしね。」

 

そしてスーパーに向かっている時、

 

松木「あら、忍ちゃん、楓君こんにちは。」

 

楓「こんにちは。」

 

忍「こんにちはー。」

 

陽子「誰?」

 

忍「お向かいの松木さんです。」

 

松木「アリスちゃんもこんにちは。」

 

アリス「コニチハ。」

 

と、アリスはカタコトで挨拶した。

 

忍「アリスはああ見えて人見知りですので、慣れてないと日本語を話せないフリをします。」

 

楓「特に大人の人には顕著なんだよ。」

 

綾「まだ日本に慣れてないのね。」

 

陽子「こういうのは経験がものを言うんだ。よしっ、今日のおつかいはアリスに任せよう!」

 

アリス「えっ!?」

 

陽子の提案にアリスは驚いた。

 

忍「いいですね!では、私達は通行人のフリをして見守りましょう。」

 

アリス「なにこの距離感!?」

 

少し距離を空けられたことに動揺するアリス。

 

アリス「わーー!日本のスーパーは初めて入るよ。」

 

忍「そうでしたっけ?」

 

陽子「何が初めてだって?」

 

忍「アリスが・・・大きな声では言えませんが。ゴニョゴニョ」

陽子「アリスがまさか!」

忍「まさかの。」

 

アリス「なんで言いよどむの!?」

楓「何の話してるんだろ?」

 

忍「これが買い物メモです。書いてあるものをカゴに入れてくださいね。ちょっと読みにくかったので、アリス用に書き直しておきました。」

 

アリス「あ、ありがと。(シノ優しいなぁ)」

 

アリスはメモを見るが、それには字ではなく絵で書かれていた。

 

陽子「あれっからすちゃん!学校は?」

 

さくら「見つかっちゃった〜。まだ仕事が残ってるんだけど、ちょっとおやつをね。」

 

陽子「こんな時間に食べたら太るぞー。」

 

さくら「大丈夫よ〜。お豆腐だから!」

 

陽子「(豆腐って、おやつ・・・?)」

 

綾「(わざわざ醤油まで・・・)」

 

さくらの言動に疑問を抱く陽子と綾。その後、綾もカゴを手に持っていた。

 

陽子「綾も買い物?」

 

綾「今日当番だし、ついでに買って帰るわ。」

 

陽子「すげーなー。あ、今日はハンバーグがいいなー!」

 

綾「あのねぇ。」

 

買い物をする綾は陽子の言葉に呆れるが、

 

女性「今日何にするー?」

 

男性「そうだなぁ。」

 

夫婦が買い物をしているのを見た綾は

 

綾「私とあなたはただのお友達だからっ!」

 

陽子「なんだ突然!?」

 

奇妙な言動を取り、陽子は完全に戸惑っていた。

そして、

 

海翔「ジーー」

 

昴「海翔?」

 

海翔「・・・なんでもない。」

 

昴「(そういうことか。)」

 

海翔が少し不機嫌そうに歩いて行くのを見て、昴は何かを察した。

一方、

 

楓「えーっと。」

 

忍「楓君もお買い物ですか?」

 

楓「うん。今日母さん帰り遅いし。あとコンビニでアイス買わないと。」

 

忍「アンクさんですか?」

 

楓「うん。・・・勇さん大丈夫だった?」

 

忍「はい。今日はいつも通りでした。」

 

楓「・・・そっか。よかった。」

 

安堵の表情を見せる楓だが、

 

忍「ムスゥ」

 

楓「どうかした?」

 

忍「なんでもないです。」

 

楓「?」

忍が頬を膨らましていたのを見た楓は彼女に問い掛けるが、不満気に返されたので、余計わからなくなる楓だった。

 

アリス「無事に全部買えたよー!」

 

忍「やりましたねアリス!」

 

陽子「今日の買い物で随分経験値あがったぞ!もうなんでも買えるな!」

 

アリス「例えば?」

 

陽子「株!!」

 

昴「こら。」

 

陽子「あははは、言ってみたかっただけー。」

アリス「かぶ・・・?」

 

楓「アリスにはまだ早いことかな〜・・・」

 

食べ物の方を持ってきたアリスに若干呆れながらそう言う楓であった。

 

忍「せっかくの日本です。一人で好きな所に遊びに行っていいんですよ。」

 

アリス「えーっ、シノと一緒がいいよー。」

 

忍「アリス・・・」

 

完全に喜んでいる忍。

 

昴「そういえば、アリスさんの留学理由聞いてないような。」

 

海翔「確かに。なんでだ?」

 

アリス「シノと同じ高校に行きたかったからに決まってるYO!」

 

綾「そんなお手軽な理由でいいの!?」

 

陽子「どんだけ愛されてるんだよしの!」

二人はその言葉に驚きを隠せなかった。

 

アリス「今日はおつかいさせてくれてありがとう。大分日本に慣れた気がするよ!」

 

綾「(おつかいで・・・?)」

 

アリス「実は日本に来てから苦手なものあったけど、今なら心を開けそう。」

 

陽子「苦手な人でもいるのか?」

 

楓「あ、もしかしてあのワンちゃん?」

 

楓が言うワンちゃんとは学校へ向かう途中にいる柴犬でかなり凶暴なのだ。アリスはその犬と対峙?する。

 

忍「アリスいけません!その犬はいくら日本に慣れても、飼い主以外に慣れることはありませんよ!」

 

楓「え?俺なつかれてるけど?」

 

忍「へ?」

 

犬「ヴーーッ」

 

楓「おぉよしよし。よーしよし。いい子いい子。」

 

犬「クーンクーン。」

 

 

 

アリス『カエデはやっぱりいろいろすごいなー。』

 

忍「ただいまー。」

 

忍母「アリスちゃんどうしたの!?」

 

アリスは先程の戦い?でぼろぼろになっていた。

 

忍「ちょっと不毛な戦いを・・・あ、これおつかいです。」

 

忍母「ありがとう。あら?これってシチューのルー?」

 

アリス「言い忘れてたんだけどわたしカレー得意じゃないんだよ。辛くて〜・・・」

 

忍「買い慣れてる!!」

 

やはり色々と子供なことに驚いた忍である。

アリス「あ、そういえば、カエデもおつかいしてたけど。」

 

忍母「あぁ、また紫音さんがいないのね。大丈夫よ。楓君色々できるから。ホントに早くくっついてくれないかしら〜♪」

 

忍「お母さん!!」

忍母「あらあら。」

そんなこんなで大宮家が騒がしい中、

楓「フーンフーンフフーンフーン♪」

 

鼻歌を歌いながら料理を作っている楓であった。

 

 

 

ある日、カレンは忍達にある相談をしていた。

 

カレン「実は、クラスの子と仲良くしたいけど、上手く出来ないのデス・・・」

 

カレンはA組で、忍達がB組のため、カレンはクラスに友達がいない状況だった。

 

海翔「それはまぁ、しょうがないだろ。」

 

陽子「まだ転校して来たばかりだしな。」

 

忍「外国の方ってだけで、話し掛け辛いのかもしれません。カレンはハーフですけど、見た目は外国人オーラがバンバン出てますし。」

 

アリス「あれ?シノ、私は?」

 

忍「動物に例えると、鹿の群れの中にライオンが居るみたいで」

 

忍「に、逃げなきゃ・・・」

 

綾「しの、その例えは間違ってる。」

 

楓「もっといい例えがあるだろうに。」

 

忍「あ!そう言えば、綾ちゃんは転校経験者なんですよ。」

 

陽子「中一の時にこっちに引っ越して来たんだよな。」

 

綾「う、うん・・・」

 

カレン「Oh!先輩デース!クラスの子と仲良くなれるアドバイスお願いシマース!」

 

綾「そ、そうね・・・一番大切なのは、空気を読む事!」

 

カレン「カザミドリデスね!明日持ってマス!」

 

綾「風じゃないわ。空気よ。」

 

━━━━

 

中学の頃、綾は席に座って終始無言だった。

 

忍『大宮忍って言います。』

 

そんな綾に最初話し掛けて来たのは忍だった。

 

忍『綾ちゃんって呼んでも良いですか?』

 

綾『え、ええ、お好きにどうぞ。』

 

ギクシャクしながら答える綾。

 

忍『学校、案内させて下さい!一緒に行きましょう!』

 

綾『お、お気遣いなく!先生に校内の地図貰ってますので!』

 

この場が静まり返ってしまった。

 

綾『あ、あの、別に嫌だとかでは無くて・・・』

 

━━━

 

綾「う゛っ、古傷が・・・」

 

その事を思い出した綾は少し顔が青ざめていた。

 

忍「綾ちゃん、どうしたのですか?」

 

綾「ごめんなさい、全然参考にならなくて。」

 

 

陽子「そうそう。学校に慣れるまで、ずっと私の側に居てさ。」

 

 

陽子「何かもう、捨てられた子犬状態で。」

 

 

 

綾「嘘よ!デタラメ言わないで!」

 

陽子「本当だろ?」

 

 

 

忍「2人は仲良しさんなんですよ。」

 

カレン「分かりマース。」

 

昴「今考えたら、海翔だって似たようなものだったよな?」

 

海翔「・・・なんで今俺の話題になる。」

 

カレン「カイトも転校生デス?」

 

海翔「いや違う。」

 

昴「海翔って普段表情を顔に出さないタイプだから、中学の時、色んな人から毛嫌いされてたんだよ。」

 

━━━━

 

生徒A『あの人、いつも無表情だから嫌よね。』

 

生徒B『なんでいつもあんななんだよ。』

 

海翔『・・・フン!』

 

くだらないと言わんばかりの鼻息を出す。

 

楓『ああいうの気にしなくていいから。』

 

そこに寄ってきたのは楓だった。

 

海翔『は?どうした?』

 

楓『ん?だって、ああいうのは・・・』

 

海翔『そこじゃない。』

 

楓『?』

 

海翔『お前、なんで俺みたいな奴に話しかけるんだよ。ほっとけばいいだろ。』

 

海翔は自分みたいなのに話しかけるのかという雰囲気で問い掛ける。

 

楓『う〜ん。そうだなぁ。なんか君とは仲良くなれそうだったからかな。』

 

海翔『・・・!』

 

その言葉に海翔は少し驚いた表情を見せる。

 

楓『まぁ、俺の勘だけど。』

 

昴『楓。』

 

楓『あぁ、昴。』

二人の元に来たのは昴だった。

 

昴『ん?その人誰?』

 

楓『あっ!えっと・・・』

 

海翔『・・・瀬戸海翔。海翔でいい。』

 

軽い自己紹介をする海翔だった。

 

━━━━━

 

陽子「なんか楓らしいな。」

 

海翔「お節介ってもんじゃなかったがな。」

 

アリス「でも、カエデは昔から色んな人に優しかったんだね。」

 

楓「そうでもないよ。」

 

その後、カレンは烏丸先生を観察していた。周りには女子生徒達が先生に質問していた。次は忍を観察忍は綾と陽子と三人で会話をしていた。

 

忍「うっかり12時間寝ちゃいまして。」

 

綾「寝過ぎよ。」

 

その後カレンは中庭のベンチに座って鏡で自分の顔を映してた。

 

忍「何してるんですかカレン?」

 

そこに忍が声を掛けた。

 

カレン「ああ、シノ。」

 

そこでカレンは忍に悩みを言った。

 

忍「そうですか、クラスの子とまだ打ち解けてないのですね。」

 

カレン「釣り目だから話し掛け辛いのかな?って、シノは穏やかで話し掛けやすくて良いデスね。」

 

忍「人と人が分かり合うには時間が掛かりますよ。カレンは笑顔がとっても素敵です。友達100人も夢じゃないですよ!」

 

カレン「皆優しくて大好きだけど、シノは特別な感じするです。」

 

忍「えへへ、照れますね〜。」

 

そんな2人をアリスはショックを受けていた。

 

陽子「そういや、カレンは部活入らないの?」

 

カレン「部活デスか・・・アリスは何処か入ってマスか?」

 

忍「私達は帰宅・・・」

 

アリス「シノ部だよ!!」

 

綾「え?何それ!?」

 

アリス「シノとお話したり、お弁当食べたりする部活だよ!!」

 

カレン「うわー!それ私も入りたーい!!」

 

アリス「部長は私だからね!!」

 

忍「そうなんですかー。」

 

綾「えっと・・・つまり単なるファンクラブ?」

 

昴「いつから出来たの?それ。」

 

放課後のホームルームの時間になり、カレンはどうすれば仲良くなれるかを考えていた。

 

先生「以上です。他に委員会からの連絡など、伝えたい事はありませんか?」

 

その時、カレンはある事を閃き、

 

カレン「ハイハイハーイ!」

 

そこにカレンが挙手した。

 

先生「え?九条さん?どうぞ。何かしら?」

 

指名されたカレンは立ち上がって皆の前に立った。

 

カレン「え?」

 

周りは皆カレンを見てちょっと驚いてた。

 

カレン「大丈夫デス!丸腰でゴザル!」

 

その言動にクラスの人達は戸惑いを見せるが気を取り直してカレンはこう言った。

 

カレン「私はイギリスから来マシタけど、皆と同じ高校生デス!皆と仲良くなりたいデス!お気軽に話して下サイ!私も頑張るデス!」

 

満足したかのように一息。周りは拍手をしていた。

 

忍「カレンってすごいですね〜。」

 

アリス「カレン・・・」

 

そして放課後、カレンが皆と帰ろうとしていると。

 

生徒「カレンちゃん。バイバイ。」

 

カレン「バイバーイ!また明日!皆話し掛けてくれました!良かったデス!」

 

陽子「良かったな!」

 

昴「有言実行とはこの事だな。」

 

アリス「カレンは昔からハッキリした性格なんだよ。でもそこがカレンの良い所で好きな所だよ。」

 

カレン「ありがとう!私もアリス大好き!」

 

嬉しくなりアリスに抱き付いた。

 

カレン「勿論シノも大好きー!」

 

今度は忍に抱き付いた。

 

アリス「ハッキリしすぎー!」

 

陽子「あ!アリスがまたやきもち妬いちゃったぞー!」

 

海翔「おい、煽るな。」

 

アリス「やきもちなんて妬いてないよー!」

 

陽子「分かった分かったー!」

 

その後の帰り道。

 

アリス「バイバーイ!」

 

昴「じゃあまた明日!」

 

海翔は昴とアリスの言葉に手を上げ返した。そして、海翔と綾は二人で帰っている。

 

綾「ねえ海翔。私も中学生の時もう少しハッキリしていたら、カレンみたいに皆とすぐ仲良くなれたかしら?」

 

海翔「さぁ、俺も人の事は言えないけど、後からでもそうやって反省出来るのは綾の良い所だと思うぞ。」

 

綾「え?私の・・・」

 

綾は海翔の言葉で顔を赤らめている。

 

海翔「こう言うはハッキリしてるな。」

 

綾「う、うるさい!」

 

それは中学の頃、海翔と綾が知り合って数週間のこと、家までの道がほぼ同じだったので、こういった感じで帰っていた。

 

綾『なんでいつもここまで?』

 

海翔『いや、俺家コッチだし。それに・・・』

 

綾『?』

海翔『猪熊と大宮には連れがいるけど、お前だけいないだろ。一人でってのも危ないし。』

 

綾『!』

 

海翔『じゃ。』

 

綾は周りをちゃんと見てることに驚き海翔の背中を見つめ続けていた。

 




はい、まずはこんなに遅くなったのをお詫びします。時にこれくらい遅くなるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
ではオリキャラ紹介をします。

八神フェイ

年齢 15歳

身長 152㎝

体重 50㎏

趣味 読書・物を調べる事

とある事情で八神家に居候している。好奇心旺盛で、興味が沸いたらそれをとことん調べる。だが、その分飽きやすいのが難点。

こんな感じです。それではまたお会いしましょう。


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