ウヴァはコアメダルを失ったせいか、息が少し上がっていた。それを見たアンクは不敵な笑みを見せた。すると、ウヴァはこう言う。
ウヴァ「アンク!貴様まさか、自分以外のコアメダルも全て手に入れようと。」
楓「え?」
楓は意味がわからないという目線でアンクを見る。
アンク「俺達の名はグリード。欲望だ。欲しがらなくてどうする。」
ウヴァ「フハハッ!そうだ!俺もせいぜい欲しがるとするか。コアメダル、必ず取り戻す!」
そう言い、ウヴァは立ち去った。
一方、メズールにメダルを入れられた女性に変化があった。
prrrrr
女性「あ!パパだ。」
女性は父からの電話に出る。
女性「ハロー、パパ。どうしたの?」
と、意気揚々に聞く女性。だが、そのあと悪い知らせがしてしまった。
女性「え?倒産?」
その言葉は冗談か何かだろうと、少し笑いながらこう言う。
女性「ちょっと、何?ウソ言わんといてよ。」
瞬間、女性の顔が青ざめる。
女性「お父ちゃん?じゃあ家はどうなるん?仕送りは?」
女性は父からの仕送りによって買い物ができていたため、それがなくなると、お金がこない状況になるのだ。
女性「バイトって、謝られても困るわそんなん。うちはどうすればいいんよ!」
女性は涙ぐみながら自分の部屋に戻って行った。
再び楓とアンクに視点を戻す。
教師達は楓に様々な質問を出す。それに楓はなるべくの事は話さず、今怪物が出ている事だけを話し、質問を終わらせる。
その後、アンクはしばらく自分の右腕を見つめ、それをしまった。先程の事が気がかりだった楓はアンクにこう問い掛けた。
楓「全てのコアメダルを手に入れるって、どういうことだ?お前何しようとしてる訳?」
アンク「別に。欲望に理由なんかあるか。欲しいから集める。それだけの事だろ。」
楓「そうじゃなくて!俺が聞いてんのは何が起こるのかってこと!」
するとアンクは緑のコアメダルを三枚見せてきた。
アンク「ウヴァのメダルが三種類。三枚だ。」
楓「うん。カマキリとバッタにクワガタ。それが?」
アンク「グリードのコアメダルはそれぞれ三種類。そして、オーズが変身に使うのも三種類。」
アンクの言葉に楓は少し考えて、
楓「そっか!今までバラバラだったけど、同じ種類三枚で変身できるってわけか。」
楓の言葉に少し間を置き、アンクはこう言う。
アンク「メダルのコンボ、その意味、メダルの本当の力が、みられるかもなぁ。」
楓「本当の力?」
アンクはバイクに乗り、その場を去るかと思ったらアンクは楓にコアメダルを三枚投げてきた。
アンク「楓!」
楓はアンクが投げたコアメダルを受け取り、困惑の表情をみせた。
楓「え?これ・・・」
アンク「気は進まないが、お前一人でも変身できなきゃ面倒な事もあるってわかったからな。」
楓「確かに。てかお前どこ行くんだよ。」
楓はアンクの言葉に納得するが、アンクが何処かに行くつもりなのか聞いた。
アンク「わかったのはもう一つ、この装備もあった方がいい。」
バイクを叩きながらそう言うアンク。
楓「だろ?」
アンク「が・・・」
アンクは少し言葉を詰める。何故なら、この装備を使う代わりに回収したメダルの70%を渡せと言ったからだ。その条件にアンクは不満を抱いていた。
アンク「メダル70%も持っていかれてたまるか。タダで使えるようにしてきてやる。」
楓「おい!お前また物騒なことやらかすつもりじゃ・・・」
楓がまた物騒な事をするつもりではないかと思い、アンクを止めようとするが、
アンク「放課後ってやつになったらあのマンションに行け。そこにヤミーがいる。」
その言葉に遮られる。
楓「やっぱり知ってたんだな。」
その言葉を聞き、楓に放課後にもう一度あのマンションに行けとアンクが言う。楓は教室に戻る時、アンクにこう言う。
楓「とにかく無茶だけはするなよ!分かったな!」
そう言い、楓は教室に、アンクは鴻上の居場所を探しに行った。
一方、ウヴァはカザリの胸ぐらを掴んでいた。
ウヴァ「カザリ!お前よくも俺のコアメダルを!アンクから聞いたぞ!」
カザリ「何の事かわからないな。」
ウヴァ「とぼけるな!」
その状況に目もくれず、ガメルは椅子を使ってなにかを作っていた。ウヴァの激昂にカザリは冷静にこう言う。
カザリ「ウヴァ。アンクが昔からウソが上手いのを忘れた?騙されたんだよ君は。どっちを信じるのかは自由だけどね。」
カザリの言葉にウヴァの怒りは増す。カザリを投げ飛ばし、
ウヴァ「俺のコアは何処だ!?」
そう叫びながらガメルが作ってた物を蹴飛ばした。
ガメル「俺の城が・・・」
メズール「落ち着きなさい。完全に復活するまで、 私達に争ってる暇はないはずよ。今私のヤミーが沢山のメダルを作ってるから、それを仲良く分けましょ。」
ウヴァ「フン・・・」
メズールの言葉にウヴァの怒りは少し収まる。
メズール「大丈夫。私の選んだ人間に間違いはないわ。」
視点はメダルを入れられた女性に移す。
女性「もう買えない・・・これも全部なくなって・・・この部屋にも住めなくなって・・・それで・・・」
女性は自分が貧乏生活を送る事になると考えにたどり着き、
女性「そんな・・・そうなったら・・・」
そう思うと女性は自分が買った服を守るかのように抱き抱えた。
━━━
時を同じくして、楓はクラスでも質問攻めを受けていた。
生徒A「さっきの怪物なんだよ!?」
生徒B「桐生君、攻撃受けてたけど大丈夫なの!?」
と、クラスメイト達はそう言う質問を出していた。
楓「大丈夫大丈夫!それに、関わったら皆も危ない目に遭うと思うし、ね?」
楓が深入りはダメだと伝えていると、
カレン「アリスー!」
楓「?」
カレン「アリスーキター!」
と言いながら笑顔で手を振っているカレンを見て、楓は、
楓「(・・・誰?)」
と思った。
綾「楓は初めてよね。彼女はアリスの友達のカレンよ。」
カレン「九条カレンと申すデス!」
楓「俺は桐生楓、楓でいいよ。よろしくカレン。」
カレン「よろしくデス!カエデ!」
綾「え?ちょっと、それ馴れ馴れしくない?」
楓とカレンのやり取りに、綾がそう言った。
楓「そうか?でも、下の名前で呼ぶのが普通になってるからな。」
アリス「カレン日本語上達したね。」
カレン「毎日勉強頑張ったデスよー。」
綾「カレンはイギリスで育ったの?ハーフにしては片言だけど。」
カレン「うん。普段はパパも英語で喋ってたから、アリスみたいに日本語ペラペラになりたいデス。」
忍「片言が良いんですよ!可愛いじゃないですか!」
アリス「わたしもまだまだデス。日本語難しいデスネ。」
昴「(わざとらしいよアリス。)」
陽子「そう言えばさ、ハーフの子って、日本名でも外国名でも通じる名前の子が多いよね。リサとかナオミとか。」
楓「あぁ、確かに。」
カレン「パパが名付けてくれマシタ。漢字では、可憐な花の可憐と書くデス。」
ノートに可憐の漢字を書く綾。
綾「綺麗な名前。」
海翔「確かにピッタリだな。」
カレン「パパがつけてくれました。」
忍「きっと可憐な女の子に育つようにって願いを込めて付けたのですよ。」
アリス「シノ!私は?」
忍「アリスは、リスのように小さく可愛らしくと言う意味ですね。」
アリス「リスかぁ〜。そっか〜!」
綾「あ、リス!じゃないわよ。」
楓「それとアリスはハーフじゃないだろ。」
するとカレンは、忍達を指差した。
カレン「カエデ、スバル、カイト、ヨーコ、シノブに、えっと・・・」
綾「綾よ。」
カレン「アヤヤ?」
綾「一文字多いわよ。綾よ。」
カレン「・・・・アヤヤー!アヤヤー!」
パァーと明るくなったカレンはアヤヤと連呼した。
陽子「アヤヤー!!」
カレン・陽子「アヤヤ!アヤヤ!アヤヤ!アヤヤ!アヤヤー!」
綾「や、やめて・・・」
カレンと悪のりした陽子により、綾はやや顔を青ざめている。
忍「カレン、私の事はしのと呼んで下さい。仲良しのあだ名です。」
アリス「あ・・・」
急にアリスが落ち込んだ。
カレン「シノはニンジャ?壁歩ける?」
陽子「あー、忍(しのび)な。」
忍「それはちょっと・・・」
カレン「えー?出来ないデスか?」
アリス「そんな事無いよ!シノは凄いから何でも出来るよ!」
全員「え?」
突然のアリスの言葉に楓達は驚いた。
アリス「さぁシノ!壁を歩いて!」
忍「無茶振り!?」
綾「どうしたのよアリス?さっきから様子が変よ?」
アリス「え?変ってどんな風に?」
陽子「アリスはカレンに妬いてるんだよなー。」
アリス「あ!」
忍「そうなんですか?」
アリスの心情を聞いた忍はアリスにそっと微笑んだ。
忍「確かにカレンは身長が平均的ですし、アリスより喋り方が外国人らしくて魅力的です。でも、アリスにはアリスの良い所がいっぱいありますよ!自身持って下さい!」
だが忍はアリスの良い所を一言も言ってない為アリスは落ち込んだ。
綾「全くフォローになって無いわしの。」
楓「アリスの魅力もちゃんと言わないと。」
そして、放課後になり、楓はヤミーがいるマンションに向かった。
楓「さてと、これだけ大きいと、何処から仕掛ければいいのやら。」
楓はマンションの大きさを見て、そうボヤいていた。すると楓は、近くに時々助けてくれる氷室翔琉がいた。
楓「あれ?えっと、氷室君?」
楓の言葉に翔琉は手招きで、楓を呼んだ。
翔琉「ここの上層階のリアルタイム映像だ。」
そう言いながら翔琉はモニターの映像を変える。
翔琉「場所は2805号室。住人は山野春だ。こんな化け物がはびこっていいわけない。」
すると、空からタカカンドロイドがバッタカンドロイドを翔琉の手元に落とす。そしてバッタカンドロイドは缶の状態になり、翔琉はそれをポケットにしまった。
翔琉「止める為にも、素直に我々の協力を受け入れろ。」
楓「いや、俺はそのつもりだけど・・・」
自分は協力するが、アンクがその気にならないからか、少し言葉を詰まらせる。すると翔琉が、
翔琉「アンク・・・だったか。あんなグリードに口を押さえ込まれるなんて。この街を守れるか。」
その翔琉の言葉に楓は驚きの表情を見せた。その言葉だけを放ち、翔琉はその場をバイクで走り去った。
楓「この街・・・かぁ。大きく出るねぇ。ま、俺は、目の前の事から。」
楓はそう言い、マンションの中へと入っていった。その時、見る限りセレブの人とすれ違った。その人がヤミーの親だとは知らない楓はそのまま通り過ぎ、目的の部屋へと着く。
楓「2805号室・・・ここか。」
ピンポーン
楓「・・・留守?」
反応がなかったため、そう呟いた。そのあと楓は、
楓「マジかよ。」
とだけ言い、その場を後にした。
楓「どうしよう。このままじゃ。」
楓がそう言い、これからどうするか考えていると、
忍「楓君!」
楓「え?」
そこには、楓を追いかけていた忍達がいた。
楓「なんで・・・」
陽子「当然だろ!楓、この前、怪我してたのにあんな怪物と戦ったんだろ?」
楓「え?陽子がなんでそれ知ってんの?」
陽子「しのに教えてもらった。」
アリス「それで、なんでカエデはここに?」
楓「まぁいいか。実は・・・」
楓はあそこにヤミーがいることを話した。そして、降りる瞬間、すれ違った女性がヤミーの親だと降りた瞬間気づいた。そして、その手には大量の買い物袋が握られていた。
カレン「その人、買いすぎだと思いマス!」
状況を聞いたカレンは楓にそう言った。
楓「仕方ないよ。彼女はそれが欲しいんだろうし。」
綾「でも・・・」
楓「誰だってそうでしょ。」
時を同じくして、鴻上はケーキを箱に隠し、それをリボンでくくった。そんな時、
里中「会長、お客様が・・・」
その客とは遂に鴻上の居場所を突き止めたアンクだった。それに気づいた鴻上はこう言う。
鴻上「ようこそアンク君。ここは非公開とはいえ秘密ではない。遅かれ早かれ情報は掴むと思っていたよ。」
鴻上はハハッ、と笑い言葉を続けた。
鴻上「で、今日はいい返事を持って来てくれたんだね?」
アンク「そう見えるか。」
そう言いアンクは右腕を戻していた。
一方、楓は忍達に話をしていた。
楓「俺、父さんから色々聞いてきたけど、何も欲しくない人なんていないよ。お金じゃなくても、物とか色々。そう思うのが、生きるのに必要な国もあるって。だから、欲しいって思うのは、そこはいいんじゃないかな。」
楓のその言葉に、忍達は楓を不思議そうにみる。
そして、鴻上達の方は契約の事を話していた。
鴻上「いいかねアンク君。私も君も欲しいのはメダルだ。その為のgive and take!何処に問題がある。」
アンク「致命的だ。俺はtakeは好きだが、giveは嫌いだからな。」
アンクは右腕を動かしながらそう言う。
一方、その言葉の後に楓は続ける。
楓「大切なのは、その欲しいって気持ちをどうするかだと思う。」
と、楓は近くに流れている川を見つめながら言う。
その時、ヤミーの親の女性はパソコンでネットショッピングをしていた。
女性「これ・・・」
カチッカチッと、商品を購入していた。
女性「これも・・・これも。」
その女性の欲でセルメダルが貯まっていく。そして買える限界が来たことに気づいた女性は不満気にパソコンを閉じる。
すると、ヤミーの卵は女性のすぐそこまで迫っていた。
女性「キャーー!!」
その悲鳴と同時にヤミーの卵が孵化し、大量のヤミーが出て来てしまった。そのヤミーは女性の部屋の窓を割って下へと降りていた。
楓「!?」
窓が割れた音に気づいた楓はマンションの方を見て、
楓「しの達はここに。」
とだけ言い、楓はオーズドライバーを着け、アンクから貰ったタカメダル、トラメダル、バッタメダルをはめる。そして、オーカテドラルを傾け、オースキャナーを通す。
楓「変身!」
タカ トラ バッタ タ ト バ♪ タトバタ ト バ♪
楓は女性の部屋の元へと走り出した。
一方の女性はヤミーの大群から逃げようとしていたが、上手く走れていなかった。
楓「大丈夫?さぁ早く!」
そこに楓が駆けつけ、女性をなんとか立たせそこから離れる。
視点はアンク達に変わる。
鴻上「なるほど・・・つまり君は私を消して、メダルシステムを奪う。takeだけしたいというわけか。」
アンク「それが一番手っ取り早い。」
鴻上の言葉にアンクは肯定する。
鴻上「分かってないなぁ君は。そうだろ里中君。」
里中「はい。それは無理ですから。」
アンク「ハッタリなら無駄だぞ。」
アンク達の間に少しの静寂が走る。それを翔琉の連絡が破った。
翔琉『会長、ヤミーです。オーズが既に戦闘に入りました。』
翔琉の報告に鴻上は、
鴻上「ほう・・・これは・・・ちょうどいいアンク君。実戦で説明しよう。」
と言い、鴻上はモニターに映るヤミーの大群をアンクにみせた。
それを知らずに楓は女性を救出し、忍達の元へと戻り、こう言った。
楓「しの。悪いんだけど、この人よろしく。」
カレン「え!?カエデデスか!?」
楓「ん?あぁ、そうそう。じゃあその人頼むね。」
驚いた様子のカレンに楓は肯定しながら女性の身を忍達に任せた。
楓「うわぁ。多いなぁ。」
ヤミーの大群を見て、楓はそう呟く。すると、楓の近くに自販機があった。
楓「よし!バイクで蹴散らしますか!」
そう言い楓は自販機の元へと走る。そして、セルメダルを入れ、バイクに変形させようとするが、
楓「ん?あれ?なんで?え?何で変形しないんだよ!」
それに反応しなかった事に驚き、楓は何度もボタンを押すが、全く反応がない。
楓「あれ?ちょっと!おい!」
それをモニターで見ていたアンクはこう言った。
アンク「なにやってんだ。」
鴻上「私の意思だ。」
アンク「なに?」
鴻上「私の意思一つで全てのメダルシステムはさせれば作動しなくなる。私が死ねば、その途端に、全ては屑鉄だ。」
鴻上のその言葉にアンクは少し目を見開く。それを見た鴻上は笑いながらこう言う。
鴻上「さぁ、道は一つだ。今後手に入れたメダルの70%を渡す事、そうすればメダルシステムは使い放題だ。」
アンクは少し黙り、こう言った。
アンク「・・・40だ。」
鴻上「70。」
アンク「そんなに渡せるか。」
アンクはセルメダルを渡す事を決めたが、こちらが得になるようにそう言うが、鴻上は首を振り、
鴻上「70。」
と言った。
鴻上「オーズの戦いが有利になれば、得をするのは君だ。」
と続けてアンクに言う。それに対しアンクは、
アンク「50。」
と言うが、
鴻上「70♪」
と、体を後ろに向けながら言った。その行動にアンクは拳を握りしめる。
そして、楓は自販機の上に跨がり、それを叩きながら叫んでいた。
楓「おい!変われって!はい変わった〜。うぅ・・・おい!変われよ!もう!」
楓のその言葉に遂にアンクは、こう言った。
アンク「60だ!これ以上はない!」
鴻上「ハッピーバースデー!」
アンク「クッ・・・」
無理かと思いアンクは歯を食いしばる。
鴻上「私達の契約。」
そう言い鴻上は箱の紐を解き、箱を開ける。すると、そこにあるケーキには、60%と書かれていた。
アンク「貴様・・・最初から。」
それを見てアンクは鴻上を睨みながらそう言う。
鴻上「では手付け用に前払いとして、セルメダル100枚。」
アンク「持ってけ!」
そう叫びアンクは鴻上の要求通りセルメダル100枚を渡した。それを確認した鴻上は指を鳴らす。
一方の楓はバイクに変形しない自販機に乗っていた。すると突然、自販機はバイクに変形する。
楓「うおっ!?」
それを確認した楓は、
楓「良かった〜。」
と、安堵の声を漏らしながらバイクを走らせる。
その近くで翔琉は自販機をリモコンで操作していた。こちらも操作ができることに安堵の息をついた。
一方、女性は忍達にこう問い掛けた。
女性「あれ何?」
忍「よく分かりませんけど、人の欲望から生まれるらしいです。」
女性「人の・・・じゃあ、あれは私の?」
女性は自分の部屋から飛んでいく服を見ながらこう呟いた。
女性「私・・・あんなのにすがってたんだ。・・・うちはお金持ちだけど、セレブなんて言えない家で、だから自分に自信が持てなくて・・・高い物を買ってればって思って、それでもっともっとって・・・」
忍「・・・少し分かります。」
女性「・・・え?」
忍「私、小さい頃から、ずっと一緒にいた男の子がいるんです。その人は、いつも私の面倒を見てくれていて。その人が急に・・・こう言う事に関わることになって・・・」
忍は楓の名前を言わずに、そう言う。それに続けて、
忍「あなたがお洋服なら、私は彼にすがってました・・・」
綾「しの・・・」
忍はバイクで走り去って行くアンクを見つける。それをしばらく見つめた後、
忍「欲しいって思うのは悪くないです。大切なのは、その気持ちをどうするかです。」
忍「もうすがってるままじゃダメだと思います。」
そう言い、女性の手を握り、こう言った。
忍「少しずつでも、ちゃんとしていかないとダメだと思います。」
女性「・・・うん。」
忍の言葉に女性は手を握り返しながらそう言った。
女性「・・・私は大丈夫だから、あなた達は行って。」
忍「え?」
女性の言葉に忍は少し戸惑いを見せる。
女性「あの人、あなた達のお友達なんでしょ?」
忍「・・・分かりました。行きましょう。」
陽子「よし!」
カレン「イェス!」
忍達は楓の元へと向かった。
━━━━━━
アンクがヤミーの元へとバイクで向かっている間、楓はバイクでヤミーを地上へ落としていたが、途中でバイクから落ちてしまう。ヤミーが所々噛みついていたので、楓は脚と腕でそれを引き剥がす。楓はアンクを見つけたので、アンクに近づきこう言う。
楓「これ、キリがない。ねぇアンク。コアメダル三枚揃う。コンボってやつ?どうなんの?」
アンク「とんでもない力だ。お前、タダじゃ済まないかもな。」
楓「へぇ〜・・・」
そう言い、楓はヤミーの大群を見る。そして、こう言った。
楓「じゃあ・・・やってみますか。」
そう言った楓にアンクはメダルを取り出し、楓に渡した。
アンク「吹っ飛ばされてメダルなくすなよ。」
楓はアンクにそう言われ、二枚の緑のコアメダルを受け取る。
楓「わかった。」
その言葉を了承した楓は走り出し、オーカテドラルのタカメダルとトラメダルを抜き 、右にクワガタメダル、真ん中にカマキリメダルを入れる。すると、三枚のメダルが光出した。そして、もう一度オースキャナーを通した。すると、今までのメダルチェンジとは違った現象が起きた。
クワガタ カマキリ バッタ
♪ガ タ ガタガタキリバ ガタキリバ♪
その現象とは、タトバコンボと似たような歌が流れ、クワガタの頭、カマキリの腕、バッタの脚の、ガタキリバコンボが完成した。
綾「あれが、コンボ・・・」
忍達は楓の元へとたどり着き、綾は緑一色になったオーズをみてそう言った。
すると突然、
楓「うおぉーー!!」
楓が雄叫び?を上げる。すると、その衝撃波がアンク達にも届く。アンクはたじろぎ、忍達は少し後退りをする。
その間にも大量のヤミーが楓達へと向かっていた。
対する楓はヤミーの大群の元へ走り出す。すると、大量のオーズの分身が現れた。
一人はカマキリの腕の力を使い、一人は足で蹴飛ばしたりと、次々とヤミーの大群の数を減らしていく。
陽子「スゲェ・・・」
その光景に陽子は呆気にとられながらもそう言う。
ヤミーの大群は集結し、巨大な怪物へとなる。
楓(本体)はオースキャナーを取り出す。すると、分身も続けて取り出し、オーカテドラルに通した。
スキャニングチャージ
楓「はぁぁぁぁぁ!!」
分身「はぁぁぁぁぁ!!」
ヤミーは楓へ光線を繰り出す。楓と分身は高くジャンプしてそれを回避し、巨大なヤミーの中へ入って行く。一人は腕で切り裂き、一人は足で蹴りを入れたりしている。そして、それを受け続けたヤミーは所々膨張?し、爆発した。その時、大量のセルメダルが落ちる。そして楓はヤミーの爆発と共に落下し、なんとか着地し、オーカテドラルを変身解除の位置まで戻し、変身を解く。楓は息を切らし、アンクを見ていた。
楓「俺、戻った?ちゃんと一人になっ・・・」
そう言う前に楓はその場に倒れてしまった。
アリス「カエデ!?」
忍「大丈夫ですか!?」
忍達が驚いている中、楓を見てアンクはこう呟く。
アンク「さすがにとんでもなかったなぁ。」
ヤミーの親だった女性は今はアルバイトをして、少しずつ自立しようとしていた。
一方、楓は学校に行く準備をしていた。
楓「アンク!今から学校行くから、留守番よろしく!」
アンク「フン!」
楓の言葉にアンクは鼻息一つで返す。クワガタとカマキリのメダルを見る。
アンク「(少しヤバいか・・・コンボは・・・)」
そう思ってると知らない楓はいつも通り 学校へと向かった。
はい。遂にコンボを発動させました。それでは、オリキャラ紹介をします。
瀬戸海翔
年齢 15歳
身長 168㎝
体重 60㎏
趣味 読書(小説のみ)
楓達とは中学2年生の時に知り合う。いつも冷静で、あまり感情を顔に出さない。どうやら楓達に何か隠しているよう。
大体はこんな感じです。それではまたお会いしましょう。