そうだ。恋愛成分を入れよう。
多国籍料理店クスクシエ。ここで一人の少年が次のフェアの準備をしていた。
楓「さて、こんなところか。」
そう。その少年とは楓の事である。楓はアンクの件もあり、バイトをすることを決心したのである。
知世子「ありがとうね楓君。助かったわ。」
楓「いえいえ、バイトさせてもらってるわけですし、これくらい当然ですよ。」
知世子「じゃあ、気をつけて帰ってね。」
楓「はい。」
帰り道、楓は財布を見る。
楓「帰りにまたアイス買わないと。」
そんな一人言をしていると、
キャー
楓「!?」
悲鳴が聞こえたので楓はすぐさまその場所へと向かった。
???「やめて下さい!」
チンピラ1「いいじゃねぇか。」
楓「やめろ!嫌がってるだろ!」
絡まれている女子の前に立つ。当然チンピラ達は黙っていない。
チンピラ1「なんだお前。」
チンピラ2「兄貴に口出ししようってか!?」
チンピラ3「兄貴はケンカ強えんだぞ!」
楓「ふーん。じゃあ、やってみれば。」
楓は左手で来いと相手を挑発する。
チンピラ1「ガキが。調子に・・・!?」
チンピラの言葉は最後まで言われることはなかった。楓の見事な背負い投げが炸裂したからである。
楓「こっちは柔道黒帯の母に教えてもらったんだけど・・・やる?」
チンピラ達「ひ、ヒィーー!」
一睨みした瞬間、チンピラ達は手のひらを返して逃げ出した。
楓「ふぅ。大丈夫だった?」
???「は、はい。ありがとうございま・・・す。」
少女は楓の顔を見た瞬間、顔を赤くしはじめた。
楓「?」
それに対し楓は首を傾げる。
???「き、桐生君!?」
楓「え?俺の事知ってるの?」
???「知ってるよ!私、同じクラスだし、中学の時も同じクラスになったでしょ?」
首を傾げるが、すぐに思い出す楓。
楓「・・・あ!もしかして、篠原さん?」
舞「そう!篠原舞!」
篠原舞。彼女は中学二年の時に楓と知り合って以降度々話しているが、高校に入ってから話す機会が減っていたのである。
楓「久しぶり!こうして話すの中2以来だっけ?」
舞「うん。」
舞「桐生君、今帰りなの?」
楓「うん。バイト帰り。」
舞「バイトしてたんだ。どこ?」
楓「クスクシエってとこ。篠原さんは?」
舞「私はお店の材料の買い出し帰りで。」
楓「和菓子屋だっけ?」
舞「うん。」
prrrrr
舞「あ、ごめんね。」
舞「もしもし、お母さん。うん。うん。え!?それどこで!ちょっとお母さん!」
楓「どうかした?」
舞「ううん。何でもないよ。じゃあ、帰るね。」
楓「あ、送ろうか?さっきみたいになるのもアレでしょ?」
舞「うん。ありがとう。」
舞「(うぅ。なんでお母さんが知ってるの?)」
楓「じゃあね。」
舞「うん。じゃあね。」
舞「お母さん!」
「およ?どうした舞。」
舞「な、なんでお母さんが!」
「あぁ。あんたがあの子の事好きだってことでしょ?大丈夫よ。誰にも言いふらしたりしないから。」
舞「うぅ・・・」
舞「(私は今、ある男の子に恋をしている。)」
写真立てを見つめる舞。そこには柔道の授業時の楓が写っていた。
舞「(桐生楓君。誰にでも優しくて、色んなことを知ってて、柔道が強い男の子。)」
prrrrr
舞「?誰だろ?もしもし。」
???「あー舞?私だけど。」
舞「は、華ちゃん!?」
藤咲華。舞と同じ高校に通っていて、同じクラスの女の子である
華「あんたね、いい加減桐生君と進展しなさいよ。せっかくあんたの親御さんに伝えてその気にさせようとしてるのに。」
舞「あれやっぱり華ちゃんだったの!?」
身近に犯人がいたことに驚く舞。
華「にしても舞。あんた意外とヤバイ状況なのわかってる?」
舞「?どういうこと?」
華「大宮忍って女の子いるでしょ?」
舞「うん。中学の時少しだけ話したけど。」
華「その子、桐生君のお隣さん、つまり幼馴染よ。」
舞「え・・・えーーー!?」
驚きの声を上げる舞。
華「ね?ヤバイ状況でしょ?あんたは結構不利なわけ。」
舞「けど、忍ちゃんが桐生の事・・・」
華「多分好きよ。」
舞「え?」
華「あんたと同じくらいバレバレだったもの。それでも気づかないなんて彼なんなんだろうね?」
舞「・・・華ちゃん。」
少しの沈黙の末、舞は一つの決心をする。
華「?」
舞「私・・・やるよ。桐生君に伝えて見せるから。」
華「舞・・・」
感激した華だが・・・
舞「ボンッ///」
華「!?」
舞「どうしよう・・・想像したら段々恥ずかしくなってきた。///」
華「いやいやあんたね・・・覚悟決めたんでしょ?なら頑張んな。」
舞「うん。」
一方の楓は
楓「ただいまー。ん?」
紫音「あー楓?今忍ちゃん達でご飯食べてるから、楓も混ざる?」
楓「えーと。話に入るくらいは。ご飯食べて来たし。」
アリス「カエデー!お帰り!」
忍「お帰りなさい。」
紫音「ニヤニヤ」
楓「?どうしたの?」
紫音「いや、将来こんな事が起こるのかと思うと・・・笑いが・・・ククッ」
この光景が紫音のツボに入ったらしい。
忍母「そうよねー。いつになったらコッチにも報告がくるか楽しみでー。」
忍「もー!///何を言ってるんですかー!///」
顔を赤らめながら叫ぶ忍。その中、
勇「ねぇ楓君。」
楓「はい?」
勇「ちょっといい?」
楓と勇は外に出ていた。
勇「あのアンクって腕の事。考えたのよ。」
楓「・・・絶対取り返します。」
勇「うん。それは楓君しかできなさそうだし。だから、出来ることがあったら言ってね。協力するから。」
楓「・・・ありがとうございます。」
再び家に戻った二人。
アリス「カエデ!イサミ!どこ行ってたの?」
楓「うん。ちょっとね。」
忍「・・・アンクさんの事ですか?」
楓「うん・・・出来ることがあったら協力するって。」
海翔「なんだかんだでもらってしまった。ご丁寧にマニュアルまで。」
パラパラマニュアルを捲りながら戸惑っている。
海翔「俺に使って欲しい・・・か。」
フォーゼドライバーを手に取る海翔。
海翔「もし・・・もし俺でも誰かを助けられるなら、誰かの手を掴めるのなら・・・!」
次回 男子高校生のきんいろな日常は。
昴「これが俺達の強化アイテム?」
香奈「ホントに変身できるの!?」
楓「つまりそういう事じゃないかな?」
忍「でも、人を好きになるのはいいことですよ?」
綾「そっか・・・多分。」
海翔「宇宙キターー!!」
次回「鋼鉄と猛獣と宇宙戦士」
なんかやってみたくなりました。