マークジーベンを駆る真矢は交戦規定アルファに従った新国連兵士を次々と撃墜していく。
「くたばりやがれ、死神ぃ!!」
新国連のファフナーパイロット、キースとビリーが機体をぶつけてくる。
特に動揺するわけでもなく、ハンドガンで無力化してみせるも、それでも無理矢理組着かれた。
「……」
「消し飛べぇ!!」
フェンリル、つまり自爆しようとするキースとビリー。
しかし冷静な真矢はハッキングでビリーのファフナーを停止させ、コクピットを切り離した。
もう一方のキースの機体を振り払い、機体から放り出されたキースは生身のまま海面に叩きつけられる。
落下していくキースを眺めて、その場所を確認しようとすると、ビリーの機体のコクピット部分が無事に着水しているのに気付く。
「キラさん。ジーベンを頼みます」
「……気をつけて。長い時間は守りきれない」
真矢は機体から降りて、面識のあるビリーの前に立つ。
「僕は、どうしたら良かったんだ……兄さん……」
ビリーは銃を抜き、真矢に向ける。
鳴り響く銃声。
真矢に銃弾は届かない。
いつの間にか真矢を守るように現れていた太陽騎士ゴッドが銃弾を掴んでいて、タンクトップの男、溝口がビリーを狙撃していたのだ。
「……撃たれる気でいたな」
「……ごめんなさい……ありがとう」
太陽騎士は何も言わず真矢を見つめてから、再び戦場へ走り出した。
真矢も溝口に頼んで、補給を済ませてからマークジーベンで飛び立とうとする。しかし。
「ガリバァァー・チン○ォォォーーッ!!」
突如として、全周波通信で響き渡るダイミダラー6型・霧子のサブパイロットである翔馬の声が聞こえた。
「……誰か、ふざけてる……」
若干、イラっとする真矢だった。
その頃、ソフィーと茂住が乗るGAUSカスタムはフォビドゥンガンダムを相手にいしていた。
実弾兵器を主としているGAUSは、フォビドゥンのビームに苦戦していた。
フォビドゥンは実弾が効きにくい装甲を常時展開していて、さらにはビーム兵器を屈折させる特殊な装備もあるではないか。
「曲がるビームとは厄介ですな……」
「当たらなければどうという事は無いわ
」
華麗なステップで攻撃を回避していく。
「今です」
「えぇ!」
フォビドゥンが誘導プラズマ砲を発射するため、一瞬動きを止める。
その隙をついて、GAUSは粘着留弾で砲口を潰す。
さらにヒートスピアを押し付けるようにしながら突撃。
槍の先端が爆発し、フォビドゥンを撃墜する。
「お上手です。お嬢様」
「この調子で参ります……優雅にね」
その瞬間に、ダイミダラーのパイロットからの声である。
「……不粋な……」
「聞かなかった事にして、次に行きましょうか」
「えぇ……ッ、セバスチャン!?」
背後からの攻撃。
レイダーガンダムの鉄球がGAUSの背中、コクピット部分に直撃する。
激しい揺れがソフィーを襲う。
機体の中から次々と警報が鳴るも、ソフィーにはそれを気にする余裕は無い。
自らも頭部から出血している事に気づかず、サブパイロットの茂住の返答がない事に焦る。
「セバスチャン!!セバスチャン!」
後ろを見ると見るも無惨な姿になったサブシートの残骸しか見えない。茂住の姿がそれに遮られて確認出来ない。
再び激しい揺れ。
完全にメインモニターが潰され、最早GAUSの中から外が見えなくなる。
機体の頭部を失い、左腕も吹き飛ばされた。
何より緊急脱出装置が作動しない。
「大丈夫か!?」
エステバリス隊、リョーコ機とヒカル機がGAUSを担ぎ上げ、それを護衛するイズミ機。
レイダーガンダムはハサウェイのクスィーガンダムが接近すると、撤退していった。
「退いていく?なんだ……」
敵MSが全速力で離脱していく。
残っているのはデストロイガンダムが10機。
そして、量産型ダイミダラー。
「大火力の一斉砲撃がくる!」
前線まで出てきたヴァルヴレイヴ二号機。
エルエルフが通信で。
「全機左右に展開!射線軸から離れろ!それからスレイン!」
「わかっています。中隊指揮よりグレートゼオライマーへ。島の防衛を」
スレインの呼び掛けに‘次元跳躍’でアークエンジェルの前に現れる。
「美久!」
「やるわよマサトくん!」
「次元連結砲……いけるか!」
グレートゼオライマーによる大規模衝撃波。
バラバラに砕け散るデストロイガンダムと量産型ダイミダラー。
だが。
「……再生だと?」
エルエルフが呟く。
量産型ダイミダラーはデストロイを取り込んで合体していく。
「あれは、ダイケンゼン!」
ダイミダラー超型・孝一の中で、恭子が驚く。
するとヴァルヴレイヴ二号機の横を通りすぎていくのは、ダイミダラー6型・霧子。
「見せてあげるわ!ダイミダラーの、真の実力を!」