スーパーロボット大戦Re・disk3   作:jupi

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11話-対話の時

 

「万丈さん、貴方は島の防衛に専念してください」

 

「……あぁ、了解した」

 

 新国連側を攻撃する戦力から外されるダイターン3。

 代わりにダイミダラー二機と超南極が前に出た。

 

「各機は量産型ダイミダラーを撃破してドミニオンへの道を開けてください」

 

 スレインの指揮で攻撃が始まる。

 

 

 その頃の伊奈帆。

 島の反対側に進攻するフェストゥムに対してクロムクロとメドゥーサを前面に出す。

 

「僕自身に読心は通用しない。アナリティカルエンジンがあるから。そしてクロムクロとメドゥーサ。この二機は皆城総士の解析により、フェストゥムとは云わばカウンターのような存在だとわかった。恐らくエフィドルグとフェストゥムは数百年前から敵対していたのかもしれない」

 

「しかしな、界塚……」

 

 フェストゥムはクロムクロとメドゥーサを避けて通る。

 まともな戦闘をしようとすると、全速力で逃げようとするではないか。

 

「これじゃあジリ貧だよ」

 

 由希奈がぼやくと、三日月から通信が入る。

 

「じゃあ囮がいるね。こっちでやろうか?」

 

 つまり敵を引き寄せる囮役のバルバトスと、攻撃側のクロムクロとメドゥーサ。

 

「無理するなよミカ。俺達のMSはフェストゥムの同化対策は出来ていないんだ。どこまで攻撃が効くかも」

 

「大丈夫だよオルガ。何となくだけど、コアの場所もわかるし」

 

 バルバトスが太刀を突き刺し、一瞬で後退する。簡単にスフィンクス型を撃破した。

 

「……なんでだよ」

 

「さぁ?別に普通じゃん」

 

 三日月の謎スペックに呆れるオルガ。

 

「バルバトスに攻撃が集中します。クロムクロとメドゥーサは各個撃破を」

 

 伊奈帆の指示で二機がフェストゥム・スフィンクスB型を斬り捨て前に進む。

 この二機はフェストゥムのコアに触れずとも、ブレードから発せられるウィルスによって相手を黒く変色させて行動不能にさせる。

 

「スイッチ!」

 

 伊奈帆の指示で再びバルバトスが前に出る。

 バルバトス目掛けて集まるフェストゥムに、またクロムクロとメドゥーサが攻撃。

 

「剣之介!足もと!」

 

「しまった!」

 

 小型のフェストゥムが大量に涌き出て下半身を包み込む。

 

「なんかキモい!……あれ?」

 

 クロムクロを同化しようとしたフェストゥムが、次々と結晶化して霧散する。

 

「……落ち着け由希奈。この島において、クロムクロ程安全な場所はないのだ」 

 

「今あんたも焦ったでしょうに」

 

「気のせいだ」

 

「何を遊んでいる」

 

 ムエッタがクロムクロとスレイプニールに通信を入れる。

 

「界塚。全体的な戦況は?」

 

「優勢です。それにヴァルヴレイヴ隊を温存している最中で、ガンバスターとグレートゼオライマーが島に近付くフェストゥムを迎撃しているので、一気になだれ込む事も無いはずです」

 

 遠方より飛来するフェストゥムをグレートゼオライマーが凪ぎ払い、大型が現れればガンバスターが蹴り砕く。

 

「スレインの奴……指揮官としては微妙だな……」

 

 より確実なのはこの二機を分散させて早期にドミニオンを撃沈、フェストゥム側に戦力を集結し戦闘を終結させる事だ。

 

 エフィドルグと言えど人間の姿形をされれば情が移るのか。それも敵の狙いだろうに。

 だからこそ、人間を殺すことに躊躇しそうな剣之介やファフナー隊をフェストゥム側に配置したのだ。

 空中戦が出来ない鉄華団のMSを島の防衛にまわしたのは仕方なかったが、彼等は人間を殺すことに躊躇が無さすぎる。だからこそ新国連側には行かせられなかった。

 

「界塚!そっちにも行ったぞ!」

 

「問題ない。僕のフォローは彼らに任せている」

 

 韻子と明弘の狙撃。さらに足もとを駆け抜ける騎士ユニコーン。

 

「騎士ユニコーンも無理をする必要はない。君も同化への対抗策が無かった」

 

「気にしなくていい。以前は対話に失敗したが、彼らは私を同化して捕らえる気は無くなったようだ。要は戦うだけでいい」

 

 騎士ユニコーンの言葉に、三日月が反応する。

 

「対話って、あいつら話出来るの?エフィドルグとか新国連よりも?」

 

「おい、よせ!」

 

ーーあなたは、そこにいますか?ーー

 

 

「見てわかるだろ?ここにいる」

 

 フェストゥムがバルバトスに手を伸ばす。

 

「僕たちに興味を持ってくれたのかい?嬉しいなぁ!」

 

 間に割って入る来栖操のマークドライツェン。ルガーランスをフェストゥムに突き刺して消し去る。

 

「ねぇ、君は空が綺麗だって思ったことある?」

 

「え、まぁあるけど……」

 

「やっぱり!うれしい君とも友達になれそうだ!……あ」

 

 三日月に向けていた無邪気な笑顔が突如として曇り、来栖操はバルバトスを見てからグシオンリベイクを一瞥して、さらにメドゥーサの中にいるオルガをも感じとる。

 

「……君達は……」

 

 来栖操は鉄華団に未来を感じなかった。

 

 

 

 


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