俺ぼっちだけど勉強はそこそこできるぜ。まあ学年一位なんて数えられるくらいしかとったことないからほんとそこそこだけど。ちなこの間ステレオタイプの不良に絡まれたんだけど、いやもうあいつら人をキレさせる天才でさ。気づいたらブン殴ってたね。まあ手ェ出して来たのはあっちが先だけど。こう、ボディにやられたわけ。そう、この辺。まあ腹筋とか鍛えてたから良かったんだけどさ。んでそれのせいでもう完全にキレちゃって、一発顔面に入れたら泣き出しちゃって、仕方ないから見逃しちゃったけど口止めしとかなかったのはしくったな。目立ったりするのは嫌いなんだけど。まあ、俺ってば最近のキレやすいワカモノってーの? だから気をつけたほうがいいぞ。調子乗ってちょっかいかけて咬み殺されても、責任とかは取れねぇから、さ(超早口)

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書き方とか忘れてない?
さすがにこの子はねーなと思ったので修正。その他にも軽微な修正あります。


イキリ谷八幡

 

「…………そ、そう」

 

 んー。どうしたんだろうか、こいつは。さっきまでは自信満々だったのに、急にしおらしくなってしまった。俺のせいか? これだから苦手なんだよな、人との付き合いって。まあぼっちだから普段は関係ないんだけど、なんだっけ、奉仕部? そんなのに入らなくちゃいけないって言われて、これからは毎日コミュニケーションを取らなきゃいけないわけだ。ぼっちだけど、女の子とはよく会話はしてるから話せるかどうかとかは心配してない、慣れてるしね。けどさすがにこいつが可哀想じゃないか? だって、こんな危険物みたいな奴と毎日顔を付き合わせなきゃいけないんだぜ? 俺だったら逃げ出してるね。

 

「あとさ、俺結構思ったこと言っちゃうタイプだし、手加減とかそういうの苦手なんだよね。そこら辺頭の片隅に置いといて欲しいかなってとこで、自己紹介終わり…………あ、名前言ってねぇな。比企谷八幡。よろしく、雪ノ下サン」

「え、ええ。よろしくお願いするわ。さて、平塚先生から受けた依頼はあなたの性格の矯正ということだったのだけれど。どこから手をつけたものかしら」

 

 矯正って。まあ狂ってる事は否定しないけどさ、さすがに言い方ってもんがあるだろ。狂ってるにしたってそれは、どこを基準にするかによって色々変わってくるもんじゃない?

 んー…………まあ、よく考えればどこから見たって狂ってるようなもんか。

 

「気長にやってみなよ。ま、俺のは結構筋金入りっぽいし、そう簡単に治るもんじゃないだろ」

「…………なんで他人事なのかしらこの男は」

 

 痛むこめかみを抑えるように難しい顔をする雪ノ下雪乃。美人が台無しになってしまうかとも思ったが案外どうして様になっている。俺じゃこうはならない。

 確かに自分を客観的にしか見れないのは悪い癖だが、今更止めようにもさすがに時間が経ちすぎてもう自分ってのがわからなくなり始めてる。

 

「…………ともかく、あなたの処遇は奉仕部の預かりとします」

「ん、まあそういう事で構わないよ。俺もあんたに興味が湧いてきた。思い出したぜ。雪ノ下雪乃、普段考査で一位とってる奴だ」

 

 そうだ、いつも俺の上かたまに下にいる名前が雪ノ下雪乃。こいつの名前だ。こんな、天が何物も与えたような才女だとは思いもしなかったが。

 

「あら、意外ね。あなたのことだから他人には興味が無いと思ってたわ」

「そりゃ誤解って奴だぜ。確かに他人にゃ興味ねえが、俺より優れた奴は別だ。俺より強い奴がいちゃ、安心できねえからよ」

 

 それに、この短時間の接触で人となりを知った気になるのは危険だ。思わぬ所で足をすくわれる。可能性としてなくは無いなら常に警戒しなきゃいけないのが、世の辛さってヤツだ。俺は起こり得る最悪は常に横に並びたってるとさえ思っている。

 

「目立つのは嫌いじゃなかったのかしら?」

「ああ、そりゃな。だが逆に考えてみろ。絶対的な理不尽からは誰しも目を背けたくなるもんさ。誰もが自ら目を逸らし、触れないようになればそれは目立ってないのと同じだろ」

「あら、その考えはスイスチーズのように穴だらけだと思うのだけど? ファーストペンギンさえいれば最近のワカモノは事故現場でも平気で立ち入ってしまうらしいわよ?」

「一躍人気者にならない為には手段が必要だ。『空気を読まない』『会話を続けない』『楽しくさせない』。目立ちたくないと言ったが、実際周りに人がいなけりゃいいんだわ」

「呆れた。平塚先生が匙を投げるわけね。目を逸らしたくなるほどの孤独体質────いえ『孤高体質』。生きてて恥ずかしくなった事はない?」

「あるさ。イラついて、つい絡んできた奴らをボコボコにしちまった日には恥ずかしくて夜も眠れなかったぜ」

「人間性が幼稚なのね」

「人間自体が幼稚なのさ」

 

 思ったよりも食い下がってくる。いつの間にか俺たちは椅子から立ち上がり数十センチも離れずに言い合っていた。どちらともなくため息をつく。

 

「…………まあ、いいでしょう。もう下校時間が迫っているわ今日のところは解散ね」

「おう、また明日。引退までお互い無事だといいけどな」

 

 俺は肩で空を切って廊下の隅を歩いた。夕日は落ちかけ、空はだんだんと暗くなっていく。久しぶりに面白いヤツだったと、好戦的な笑みを浮かべた。誰にも見られなかったのは幸いと言えるだろう。今日ばかりは怪我人も出ずに済みそうだ。




イキリオタク構文が使いたかっただけです。


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