未読の方は前話からご覧ください。
また、第二節の執筆にはお時間を頂きます。
およそ一~二ヶ月を予定しておりますので、ご了承くださいませ。
※2017/09/20 英雄王のカリスマをAに修正しました。
Bでもアルトリア並ですが、Aはイスカンダル並です。
SERVANT
紅輪の道士ナタク
つまるところ仙人とは、人の輪から外れて人を越えた者である。
ならば、人に惹かれ人に触れたその時に、彼女の終わりは定められていたのかもしれない。
真名:ナタク
クラス:ランサー
その他の適正クラス:ライダー、キャスター
属性:秩序・中庸
筋力B 耐久B 敏捷A
魔力A 幸運C 宝具A
保有スキル
仙術[A++]
五行全てに精通した仙術を習得している。
天仙に至った仙人であるナタクは極めて高い仙術スキルを持つ。
中国武術[A]
中華の合理。宇宙と一体となることを目的とした武術をどれだけ極めたかを表す。
仙術に通ずる理念であるためナタクはこれを修めている。
中国武術は非常に修得の困難なスキルで、ランクA以上で初めて「修めた」と言えるが、さらなる高みにはまだまだ長い道のりが続いている。
対魔力[A]
A以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、現代の魔術師ではナタクに傷をつけられない。
仙術を高いレベルで修めたナタクはランサーとしても高い対魔力を発揮する。
心眼(真)[C]
修行・鍛錬によって培った洞察力。
常に冷静に自身と周囲の状況を観察し、五行に則り最適な行動を導き出す仙術論理。
数%でも可能性があるならば、チャンスを手繰り寄せられる。
アモンの
炎の魔神アモンの骨片を触媒に組み込まれたために霊基を汚染されている。
高ランクの魔力放出(炎)や狂化などのスキルが組み合わされた複合スキル。
通常は仙術・心眼(真)などのスキルや精神力によってEランク相当まで抑え込まれているが、精神が昂って制御のタガが外れるほどランクが上がる。
しかし、Bランク相当以上まで解放した場合、魔神の炎はナタク自身の霊基をも焼却する。
また、一度上げてしまったランクを再び抑え込むことはできない。
宝具:火尖槍・焔玉(かせんそうざんまいしんか)
ランク:A-
種別:対人宝具
レンジ:1~20
最大捕捉人数:1人
自らの肉体を炉にして、真なる焔・三昧真火を生成する。
生成された三昧真火は仙造兵器である火尖槍にからめとられ、太陽のように円くなる。
三昧真火は「焼却」の概念そのものであり、万物を焼却するこの焔に対する物理的・魔術的防御は意味をなさず、存在そのものの強度によってのみ耐えうる。
三昧真火を身にまとうことにより、高い防御能力をも得ることのできる攻防一体の宝具である。
本来、五行の完全なる制御により自らの肉体を焼くことのないようにコントロールするものだが、アモンの祝福で火力が上昇しているかわりにそのコントロールが不可能になっている。
宝具:風火輪
ランク:D
種別:移動宝具
レンジ:0
最大補足人数:1人
風と炎を吹き出して空を駆ける移動用の仙造兵器。着用者に自在に天空を駆けさせる。
魔力をつぎ込むほどに噴射の勢いと速度は上昇するが、限界を超えると破損する。
解説
浮世を離れ、仙術修行に明け暮れる仙人。
見た目は幼い少女だが、千年以上の長い時間を生きており、地方によっては信仰の対象ともなっている。
天地の理に反しない限り弱きを助けず強きをくじくこともしないが、千年戦争においては英雄王に力を貸した逸話が残されている。
彼女の歪みは「王子がいなくなったことに耐えきれなかった」ことである。
その願いは「いつまでも王子と共にいたい」。
魔神の瘴気に願いの根底を捻じ曲げられた結果、「王子と共に死ぬ」ことを望んだ。
しかし、強い理性を持ったナタクは狂った激情に突き動かされながらも己の異常を把握しており、宝具でもって自らを焼いた。
自身が王子と共に燃え尽きることも、魔神の瘴気を焼き尽くして正気を取り戻し王子に情報を伝えることも、どちらもナタクの望みであったからである。
特異点が修正された後、「なかったこと」となり王子が今の自分のことを忘れてしまうことも理解している。
リンネの正体についても理解しているために、特異点が解決されても記憶を忘れない彼女に後のことを託した。
もしも通常の聖杯戦争で彼女を召喚しようとしても、召喚に応じる可能性は低い。
彼女は俗世間に干渉することを嫌い、故に聖杯にかける望みがないからである。
ただし、意外と世話焼きのため、数合わせで巻き込まれた類のマスターに思わず手を貸してしまうことはありうる。
SERVANT
刻詠の風水士リンネ
人生の哀しみも、喜びも、全て既知なり。
彼女は永遠の傍観者である。予め全てが掌のうちならば、何もかも欲する必要はなく、ただ木石の如く佇むだけのものになっていただろう。
故に、彼女は
既知を覆す
真名:リンネ
クラス:キャスター
その他の適正クラス:全て
属性:中立・中庸
筋力E 耐久EX 敏捷E
魔力A 幸運E 宝具A
保有スキル
刻詠[EX]
あらゆる時系列に同時に存在しているため、過去・現在・未来の全てにおいて自らが体験する、あるいは体験しうることすべてを既に知っている。
また、その性質上時間の流れの影響を受けず、不老不滅である。
専科百般[EX]
自身が取得する可能性のあるあらゆるスキルにおいて、Dランク以上の習熟度を発揮できる。
彼女の特性上、実質ごく一部の取得しえないスキル以外の全てを使用可能で、ランクはともあれ適用範囲がとてつもなく広い。
普段行使している風水士の能力もこれによるものである。
陣地作成[D]
彼女の存在の在り方そのものが一種の陣地である。
陣地を作成すること自体は専科百般で可能。
道具作成[D]
彼女の能力は自己の特異性に拠っており、道具を必要としない。
道具を作成すること自体は専科百般で可能。
フェネクスの
再生の魔神フェネクスの羽根を触媒に組み込まれたために霊基を汚染され――る筈、だった。
高ランクの自己再生や狂化などのスキルが組み合わされた複合スキル。
ただし刻詠スキルの影響で機能していない。
宝具:第二極点・三千世界(ただ、あはざしてときをよむのみ)
ランク:A
種別:対概念宝具
レンジ:1~100
最大捕捉人数:1~∞人
あらゆる時系列に同時に存在する彼女は、分岐する未来のあらゆる並行世界を同時に観測している。
その並行世界から都合の良い結果を抜き取り実現させる、願望機にも通じる宝具。
世界そのものを自分の都合の良いように書き換える、世界そのものの上位に位置する能力であるが、書き換える規模が大きくなるにつれ消費魔力は等比級数的に増大する。
また世界そのものを書き換えるため、書き換える事象の発生から時間がたてばたつほど多量の因果の書き換えを必要とし、さらに加速度的に魔力の消費は増大する。
ほとんどの場合、事象の発生直後でなければ使用魔力量が現実的な枠に収まらず、リンネ自身の自滅は不可避となると思われる。
なお、対象一名の生死を覆す「避禍予見の鏡影」はこの宝具の限定解放である。
宝具の使用待機状態として、並行世界におけるリンネ自身の幻影が呼び出される。
解説
刻詠と字名される予見の力を持つ少女。
その能力を疎まれ、後に英雄王となる王子によって助け出されるまで、とある国の地下深くに数百年に渡って幽閉されていた。
その本質は未来予知ではなく、時間の流れから逸脱しすべての時系列に同時に存在すること。
そのため、彼女にとってあらゆる出来事は既に体験したことのある色あせた既知でしかない。
ただし色あせない思い出があるように、特に心を揺さぶる事柄においては既知であっても感情を露わにすることもある。
あるいは、自身を守るため大きな情動をカットする無意識におけるリミッターがあるのかもしれない。
すべての過去と未来の可能性を同時に観測し、体験しているため、本来は風水士およびキャスターのみならずあらゆるクラス(FGO、アイギスのどちらにおいても)に適正があるが、現在は周囲の認識にあわせて風水士として己を確定させている。
その性質上、刻詠は千里眼の上位としても働く。
そのため、リンネはグランドキャスターとしての資格を有している。
ただし、資格があるだけで、その時が来たとしても彼女がグランドキャスターとして動くことはない。ただ時の果てに坐すのみ、である。
もしも通常の聖杯戦争で彼女を呼ぼうとしても、彼女が応えることはない。
その経過と結果のすべてが、彼女にとっては見向きする価値もない既知だからである。
ただし、マスターあるいは参加サーヴァントに王子がいる場合のみは話が別。
SPECIAL SERVANT
英雄王■■■■
彼は英雄だが、同時にごく普通の心優しい青年であった。
どんな時も。どんな苦境でも。どんな相手でも。
変わることなく、絶やすことなく、当たり前の優しさと思いやり、そして勇気を抱き、歩み続けた。
──故に、人々は彼を英雄と呼び、神と崇めたのだ。
真名:不明
クラス:セイバー
その他の適正クラス:セイヴァー
特性:中立・善
筋力A 耐久A 敏捷C
魔力D 幸運EX 宝具B
保有スキル
カリスマ[A]
軍団の指揮能力、カリスマ性の高さを示す能力。団体戦闘に置いて自軍の能力を向上させる稀有な才能。
一国の王子という以上に、人類の旗印としてのカリスマを持つ。
軍略[B]
多人数を動員した戦場における戦術的直感能力。
彼自身も優れた剣士ではあるが、それ以上に軍略家・戦術家としての能力に優れている。
彼の真の力とは、彼に付き従う仲間たちと、その力を十全以上に引き出す戦術である。
アイギスの加護[EX]
人類を救済する英雄として、女神アイギスの加護を受けていることを示すスキル。
様々な効果があるが、神霊の加護を受けることにより幸運がEXとなっている。もっとも、それぐらいなければ人類を救済することなど困難きわまりないということでもある。
対魔力[C++]
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
セイバーとしてはそれほど高くないが、宝具によって増強されている。
騎乗[C]
騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、野獣ランクの獣は乗りこなせない。
宝具:絶対防御の神器(シールドオブアイギス)
ランク:A-
種別:対粛清宝具
レンジ:1
最大捕捉人数:1人
女神アイギスによって人類を救済する英雄のために造られた神造兵器。本来は剣と鎧を含むが、サーヴァントの枠に落としこんだ結果、盾のみとなった。
単純に盾としても絶対的な防御力を誇る他、広範囲に渡って呪詛や瘴気の類いを打ち払い寄せ付けない効果がある。
真名を解放することで全ステータスを1ランク上昇させ、ありとあらゆる攻撃を完全に防ぐが、消費魔力が凄まじく、一定時間後に無防備になってしまう。
解説
千年前の英雄王の血を受け継ぎ、また自身も英雄として邪悪との戦いに身を投じる青年。
非常に寡黙で、口を開くことは稀。
魔物の侵攻で多くの国が崩壊してそう呼ばれる身分の最後の人間になったこと、また戦争終結後も崩御の瞬間まで王位についていたために、「王子」あるいは「英雄王」とのみ呼ばれ、その名前は後世において神格化されると共に散逸した。
一説によると「ログレス王国のアーサー王子」であると言われるが、諸説あり。
なお、大変に好色であったとも伝えられ、彼のハーレムには名だたる美姫が、身分の貴賎どころか種族すら問わずに多数存在していたという。
中には、地域によっては神と崇められる者や、敵であったはずの魔神さえいたというが、本人に聞いても真相は黙して語られない。
ちなみに、ベッドの中では結構饒舌に愛をささやいてくれる、と後世発見されたとある寵姫の手記に記されている。
後世、千年戦争のエピソードが神話化されると共に神格化され、廃れたアイギス信仰のかわりに広く信仰されるようになった。
彼自身は敬虔なアイギス信徒であるため、サーヴァントとなった後にそれを知った時の心境は大変複雑だった模様。
なお、戦争当初はそれほど熱心な信者ではなかったが、戦争に伴って女神に多くの助力を授かり、アイギスを信仰するようになっていったという。
もしも通常の聖杯戦争で彼を呼んだ場合、大抵はセイバーとして召喚される。
ごく稀な偶然で条件がそろった場合のみ、セイヴァーとして召喚されることがある。
この場合、英雄王として大成した壮年期の姿で召喚され、神器も完全な姿で所持している。ただし魔力消費も跳ね上がっている。
なお、人として人生を全うしたため、彼自身に聖杯にかける望みは無い。召喚に応じるとすれば召喚者の人格と目的を認めた場合のみだろう。