ファンタジー世界を現代兵器チートが行く。   作:トマホーク

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こちらでも試しに掲載させて頂くことに致しました。
よろしくお願いいたします
m(__)m

なお、この作品は作者の処女作となっており、また突発的な思い付きと軽いノリで書き始めたためストーリーや設定が荒く緩いかも知れません。

その為、所々おかしな場所が出てくる可能性があります、加えて携帯で執筆活動を行っているため各種間違いや誤字・脱字が多く更新は遅いと思います。

追伸。

現代兵器チート。と題名にありますが中盤から架空(未来的)兵器が登場し、また敵方の技術を利用した兵器等も出てきます。

(なお、あくまでも現代兵器が主体です)

ご注意下さい
m(__)m





どこにでもいるようなごく普通の男子高校生、長門和也はいつものように学校の授業を終え家に帰るため電車に乗っていた。

 

……家に帰ったら何をしようか――っ!?

 

カズヤが家に帰ったら何をしようかと考えていると突然、胸に激痛が走る

 

「うっ、が、ぎ…………っ!!」

 

あまりの痛さにカズヤは苦悶に顔を歪めた後に意識を失って倒れた。

 

「うっ……ここは?」

 

電車の中で意識を失ったカズヤが意識を取り戻すとそこは電車の中では無く、ましてや病院の中でもなかった。

 

意識を取り戻したカズヤがいたのは真っ白な壁に囲まれた小さな部屋だった。

 

どこなんだ?

 

見知らぬ部屋の中にいたことにまず驚き次にただ茫然としカズヤは辺りをキョロキョロと見渡す。

 

そして最後に足元へ視線を落とすとそこには折り畳まれた1枚の紙が置いてあった。

 

なんでこんな所に紙が落ちてるんだ?

 

疑問に思い紙を手に取ってみるとそれはカズヤに宛てた手紙だった。

 

「えーと……。『今これを読んでいる貴方は既に死にました。死んだ理由は病死ですが、こちらの間違いで50年ほど早く死なせてしまったのでお詫びとして貴方の望む能力を3つお付けして異世界に送って差し上げましょう。神より』」

 

衝撃の事実を知ったカズヤは驚きのあまりまた茫然と立ち尽くす。

 

「俺は間違って殺されたのかよっ!!」

 

そして硬直が解けると大声でそう叫び、手紙を床に叩き付けた。

 

ま、まぁ、もう死んでしまったことはどうしようもないから異世界に持って行く能力のことでも考えるか……。

 

ハァハァと荒い呼吸を繰り返しながら肩を上下に揺らしていたカズヤだったが、ずっとそうしている訳にもいかず、これから先のことを考えることにした。

 

カズヤが思考を前向きな物に変え異世界に持っていく能力のことを考えていると目の前にゲームで出てくるようなウインドウ画面とキーボードが現れる。

 

「なんだこれは?これに欲しい能力を打ち込めばいいのかな?」

 

目の前に現れたウインドウ画面には空欄が3つ存在していた。

 

カズヤはウインドウ画面と一緒に現れたキーボードを使い希望する能力をウインドウの空欄に打ち込む。

 

 

『兵器とそれらを扱う兵士を召喚する能力』

 

『召喚した兵器と兵士を使いこなす能力』

 

『召喚した兵器と兵士を運用・維持する為に必要な軍需品・資源・人・施設を召喚する能力』

 

 

これでよし。

 

書き込んだ3つの能力を読み直しながらカズヤは考えていた。

 

やっぱり兵器だけあっても整備や補給が出来ないと意味がないからな。

 

しかし二つ目の能力はほとんどガン○ールブの能力と被っているな……。

 

カズヤの考えを他所にウインドウ画面が切り替わり新たな文章が表示される。

 

 

エラー!!

[合計で3つ以上の能力になっています。その為全ての能力を持って行くには制限が掛かりますが宜しいですか? YES/NO]

 

げっ!!やっぱり1つ1つの能力にちょっと詰め込み過ぎたかな?まぁでも少しぐらい制限があっても大丈夫だろう。

 

そう楽観的に考えたことが原因で後で大変なことになるとはカズヤが知るよしもない。

 

そうして楽観的な考えと共にカズヤが[YES]を選択するとウインドウ画面にはまた新たな文章が表示された。

 

[それでは異世界に行ってもらいます。尚、これから貴方が行く世界は魔法や魔物が存在しているファンタジーな世界です。またサービスとして多数特典がございます。後程ご確認下さい。最後に貴方が行く異世界には他にも何人か貴方と同じようにトリップする方達がいます。その方々を捕縛及び殺害しますと特別な特典と殺した相手の能力を得ることが出来ます]

 

 

「お、ラッキー。サービスで特典とかあるのか。……でも異世界にいる他のトリッパーを殺すと特典と能力が貰えるってなんと言うか……。えげつないな」

 

カズヤがそんなことをボソリと呟いた時だった。

 

パカッという音と共に突然足元に大きな穴が空く。

 

「えっ!?ぎゃああああぁぁぁぁぁーーー!!!」

 

ギョッとして足元を見たあとカズヤは悲鳴混じりの叫び声をあげ吸い込まれるように穴の中へ消えて行った。

 

カズヤが穴に落ちて行った後に残されたウィンドウ画面には、また新たな文章が現れていた。

 

[尚、この異世界トリップは神の暇潰しも兼ねています。その為、神の介入がありますのでご注意ください。]

 

 

遅すぎる警告文は誰の目にも触れることは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

空間にポッカリ空いた穴から1人の青年が落ちてきて地面を転がる。

 

「……し、死ぬかと思った」

 

異世界に辿り着いたカズヤの第一声は安堵に満ちたものだった。

 

「はぁ……とりあえずもらった能力と今の状況を確認するか」

 

カズヤがもらった能力を確認しようとすると、なんの前触れもなく頭に激痛が走る。

 

「う、うぎゃああぁぁぁーーー頭がぁぁーーー!!!」

 

あまりの痛さにカズヤは頭を抱え地面をのたうち回る。

 

そうして5分ほど蹲っていると徐々に痛みが引いてきた。

 

クソ、なんだったんだ今の頭痛は……。

 

カズヤが頭を押さえながら、よろよろと立ち上がるとあることに気が付いた。

 

あれ、なんだこれ?

 

カズヤの脳裏には先程の頭痛が起こる前には無かったこの世界の基本的な知識や能力の使い方が頭の中に入っていた。

 

……さっきの頭痛はこの世界の知識や能力の使い方を俺の頭にインプットしていたのか?

 

そんなことしなくても事前に説明しといてくれよ。

 

モヤモヤとした物を心の内に抱えながらカズヤは憮然としていたが、さっきの出来事は忘れてこれからのことを考え行動に移る。

 

「じゃあまず能力からだな」

 

カズヤが自分の手足を扱うように意識せずに自然と能力を行使すると空中にメニュー画面が現れた。

 

 

[兵器の召喚]

[ステータス]

[召喚可能量及び部隊編成]

[特典]

[地図]

[ヘルプ]

 

 

現れたメニュー画面を見たカズヤは早速、画面を操作して試しにM4カービンを召喚しようとしたのだが……。

 

あれなんかおかしいぞ?

 

いつまで経ってもM4カービンが召喚されないのだ。

 

不審に思ったカズヤが画面の[兵器の召喚]を選択するとそこにはこう書かれていた。

 

 

[兵器の召喚]

現在1945年までに開発された兵器のみ召喚可能となっています。

 

 

「…………まさか」

 

嫌な予感がしたカズヤは画面を操作し目的の所を見つけるとダラダラと大量の冷や汗を流す。

 

カズヤが冷や汗を流した理由は画面に表示されている文章にあった。

 

 

[現在能力に制限がかかっており召喚できる兵器は1945年までに開発された兵器に限られています。また召喚ができる兵器の数量や兵士の数も制限されています。尚この能力はレベル制ですのでレベルを上げれば制限の解除が可能です]

 

 

な、なんてこった……。クソあの部屋にいた時に制限がどれぐらいなのかしっかりと確認しておくべきだったか。

 

カズヤは今更ながらに与えられた能力の制限のことを詳しくチェックしておかなかったことをひどく後悔していた。

 

やっぱり冷静になったつもりで考えていたが、冷静になりきれていなかったみだいだな。

 

とにかく次からはもっと慎重に行動しようと反省し心に決めるカズヤだった。

 

まぁでもレベルを上げたらもっと召喚出来る兵器も増えるみたいだし、1945年までの兵器が召喚できるだけでも、この世界だったら結構なチートになる筈だ。

 

カズヤはそうポジティブに考えることにした。

 

っていうか今の俺のレベルっていくつなんだ?メニュー画面で確認してみよう。

 

そう思い立ちメニュー画面を操作しステータスを選択すると目的の画面が表示された。

 

 

 

名前

長門 和也

 

レベル

 

装備品

制服、靴

 

 

 

なんか凄く簡単なステータス画面だな……ついでだし今のうちに他の項目も全部確認しておくか。

 

カズヤは確認が終わっている[兵器の召喚]と[ステータス]を除いた他の項目をすべて確認することにした。

 

 

[召喚可能量及び部隊編成]

現在能力に制限が発生しているため召喚可能な数量は以下のようになっています。

 

歩兵

・250(一個中隊)

 

火砲

・30

 

車両

・30

 

航空機

・30

 

艦艇

・10

 

 

 

※火砲・車両・航空機・艦艇などを運用するために必要な人員はこれらの兵器を召喚する際に一緒に召喚されます。

 

※後方支援の人員(工兵・整備兵・通信兵・補給兵・衛生兵)は歩兵に含まれておらず別途召喚可能となっており現在召喚できる後方支援の人員は旅団規模までとなっています。

 

※歩兵が2〜3人で運用できる範囲の重火器・小火器の召喚の制限はありません。

 

[特典]

精神強化(強)

身体強化(中)

共通言語

 

[地図]

・現在地、カナリア王国領内『帰らずの森』

 

[ヘルプ]

 

・[部隊(歩兵)の編成の仕組み]

召喚する兵士の設定(性別・年齢・性格・携帯している武器装備品)を事前にしておくと召喚する際にその設定に従い召喚されます。(何も選択がされていない場合、性別・年齢・性格はすべてランダムに選択され、武器・装備品は召喚主と同じ状態で召喚されます。また兵士が戦死した場合、1ヶ月は欠員の補充が出来ませんのでご注意下さい)

 

・[能力の注意事項]

メニュー画面を使わずとも声や思考で召喚は可能です。

 

召喚した兵器や兵士は消す事が可能です。

 

戦闘中に兵器や弾薬、兵士を召喚することは出来ません。

 

 

 

全ての項目に目を通したカズヤは兵器と兵士を召喚することにした。

 

えーと主兵装はとりあえずドイツ軍のヘーネルStG44アサルトライフル、副兵装はワルサーP38軍用拳銃、補助兵装はM24型柄付手榴弾と銃剣でいいか。

 

……完全にドイツ兵装備だな。

 

まぁいいか、後は状況に合わせて変えていこう。そうだ服――軍服はどうしようかな。武器はドイツ軍で統一してるし軍服もドイツ軍で統一するか。

 

じゃあ……M43野戦服でいいな。後は装備品だなえーと、ヘルメットに軍用ブーツとグローブに携帯用スコップ、医薬品、背嚢っとこんな感じでオッケー。

 

次々と目的の物を召喚し装備したカズヤはステータスを確認する。

 

 

[ステータス]

 

名前

長門 和也

 

レベル

 

装備

ヘルメット・グローブ・M43野戦服・携帯用スコップ・背嚢・軍用ブーツ

 

主兵装

StG44

(7.92x33mm弾×30発入り箱形湾曲マガジン6個)

 

 

副兵装

ワルサーP38

(9mmパラベラム弾×8発入りマガジン2個)

 

補助兵装

24型柄付手榴弾×2

銃剣

 

 

こんなところかな。それにしてもやっぱり実銃は重いなぁ……。

カズヤは初めて触る実銃――StG44のずっしりとした重みに人知れず口元に笑みを浮かべていた。

 

さてじゃあ部隊を呼び出して周辺を偵察させるか。

 

カズヤが部隊の召喚を選択した次の瞬間、目の前が光ったと思うとカズヤの眼前にM43野戦服を着た兵士達が一糸乱れぬ状態で整列していた。

 

「おぉー」

 

 

目の前に整列している兵士達が自分の部下だと思うとカズヤのテンションはうなぎ登りになった。

 

そのまま、カズヤがまじまじと兵士達を眺めていると1番前に並んでいた兵士が1歩前に進み出て敬礼をして口を開く。

 

「第1中隊、総員250名参上いたしました」

 

その言葉を聞き我に帰ったカズヤも答礼を返してから喋りだした。

 

「ご苦労、ところで君は?」

 

カズヤは1歩前に進み出た兵士に質問する。

 

質問された兵士は敬礼をやめ直立不動の姿勢を取ると質問に答えた。

 

「ハッ、私はこの中隊を率いる中隊長の片山千歳少佐であります。以後宜しくお願い致します。なお現時点では私がご主人様の副官を務めさせていただきます」

 

さっきは中隊を眺めること気を取られていて気が付かなかったが、自己紹介を聞いて目の前にいるのが女性兵士だとカズヤはようやく気が付く。

 

「そうか、これからよろしく頼む。千歳少佐」

 

能力のおかげかカズヤは自分でも気が付かぬ内に命令口調で喋っていた。

 

「はい。お任せ下さい。全身全霊を持ってご主人様にお仕え致します」

 

なんか……。熱いな千歳少佐……。

 

「そ、そうか。ところで千歳少佐、中隊の男女比はどうなっている?」

 

中隊を見ると女性兵士の顔が多かったので中隊の編成がどうなっているのか千歳少佐に聞いてみた。

 

「ハッ、私を含め中隊の総員250人中150名が女性兵士であります」

 

……確かに部隊の召喚する時に設定しなかったが、こんなに女性兵士が多いとは思わなかったぞ。

 

カズヤがそんなことを考えているとまだ直立不動の状態の千歳少佐が口を開いた。

 

「女性兵士が多いかと思われているかも知れませんが、我々女性兵士の練度は男と一緒ですので男の兵士には遅れを取りません。ですから安心を」

 

カズヤの心配が顔に出ていたのか千歳少佐がそう言ってジト目でカズヤを見つめていた。

 

「うっ……ゴホン!!」

 

千歳少佐の視線に耐えきれなくなったカズヤは中隊に命令を出してこの場を誤魔化すことにした。

 


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