ヒカルの碁に変人がやってきた。 作:焼売
下手な知識での自爆を恐れたため、かなり対局描写は適当です。
授業が終わり、金髪の混じった感じの何処か中性的な少年が声をかけてきた。
「天辻さん…だっけ?碁打つんだよね?俺も碁やってるから一緒に打たない?」
埋自身碁が好きなのは今も昔も変わらない。そして、碁を好きな子を好きな事もだ。
「もちろんいいわよ。あ、でも私の家まだ引っ越したばかりで散らかっているから、進藤くんの家でやらせてもらっていいかな?」
「あ、ウチの家碁盤が…そ、そう!修理中で今ないから、碁会所行こうぜ!丁度いいところ知ってんだ!席料は俺出すし。」
「そう。それならそこに案内してくれる?
後、これから碁盤関連の事は天辻碁盤店をご贔屓に。」
ちゃっかり宣伝も欠かさない。
「ああ、わかったわかった。(本当は碁盤すら持ってないなんて言えねー)あれ?そういえば俺って天辻さんに自己紹介したっけ?すぐに進藤って出てたけど。」
「えーと、それは担任の先生が顔写真付きの名簿を休み時間に見せてくれたから……金髪の子ってなかなかいないから印象が強かったのよ。」
「それは納得。」
in碁会所
「ここが進藤くんの通ってる所?」
「ああ、っていっても一回しか来た事ないけど…」
「ふーん。席料はいくら?やっぱり奢ってもらうのは悪いから自分の分は自分で払うよ。」
「500円だけど…こっちが誘った側だからせめて半分位は払わせてくれよ。」
「進藤くんって意外と紳士的なのね。甘えさせてもらうわ。」
「意外ってなんだよ意外って!」
二人は夫婦漫才的なことをしつつ、入室する。
「「こんにちはー(ういーす)」」
受け付けの綺麗なおねーさんに二人分合わせて千円を払ったが…
それ以上に周りがざわついていた。
「おい、あの子……」
「そうだ、あの時の」
「あ……あの子がアキラくんにかった?」
「進藤くん……この騒ぎって一体何したの?」
「さ、さあ……?」
「まあ、いいわ。奥の方空いてる席あるし早く指しましょう。」
「お、おう。(塔矢いなくてよかったー!!)」
(ヒカル!早く指しましょう!!)
「それじゃあ黒はあげるから。私これでも強いから覚悟しててね?」
埋は、さすがに同年齢で、かつ今は自分がプロではない状況で石を置け。というのは言えない。もちろん、進藤ヒカルのプライド傷つけないように指導碁っぽくさすつもりであった。
(私に黒を与える…?舐められたものですね!指導碁をしつつきっちり半目差で勝ってやりましょう! メラメラメラ)
(いや、お前の姿見えねーし。相手も舐めてるつもりはないって……)
パチ……パチ……パチ……パチ ………
(進藤くん石の置き方すらおぼつかないのに。なんでこんなに強いの!?それに、この手。これは最良の手ではない…でも、私もある状況なら絶対に打つであろう手。もしかして、進藤くんも…?)
(ヒカル。この少女とてつもなく強いです。それにおそらく……彼女の指し回しも指導碁そのものです。彼女自身も私の事を舐めてはいたでしょうが、それ以上に舐めていたのは私のようですね。)
(前にやった塔矢とどっちが強い?)
(彼もまた、将来が楽しみな子供ではあります。しかし、彼女は既に虎か、あるいは龍か。遥か高みに居ます。)
(そんなになのか…)
対局の途中、突然埋が声を掛ける。
「ねえ、進藤くん。この対局辞めにしない?初めから『本気』でやり直しましょう?」
「えっ!?」
(さささ佐為…どうする!?)
(もちろん指し直しましょう。次は私も本気を出します!!メラメラメラ)
「お、おういいぜ。」
「手番はどうする?黒をこのままあげてもいいし、交代してもいい。」
「なら一応は公平に交代するか。(いいよな佐為?)(ええ、構いません。彼女と打てるならそれで…)」
天才同士の対局が始まった。
パチ……パチ……パチ……パチ ………
((やはり、さっきとは別物……彼(彼女は)ただ者ではない!!))
(進藤くん。碁の型はかなり古い。過去のものは常に最先端のものよりも劣る。そのはずなのに、なんで有利に立てないの!?)
(っく、彼女の指し手、未だ私が経験したことのない手もちらほら見受けられます……感じる。感じますよ。彼女と突き詰めて碁を打てば最良の一手。神の一手に近付けると。既に死して霊体となった身。自らの手で彼女と打つことが出来ないのは心残りですが、それでも再び機会を与えてくれた神に感謝を。)
(……すげぇ。佐為も天辻さんも……かっこいい。盤が光ったように見える…)
(ヒカル。理解できなくても構いません。でも、見ていてください。彼女程の強者と戦えた事の感謝を最大限に込めて打ちますから。)
佐為は一度目を深く閉じ、そして、もう一度見開く。
(行きますよ!!)
パチ……パチ……パチ……パチ ………
佐為と埋の対局。
方や江戸時代の天才、本因坊秀策。
方や平行世界の天才、本因坊秀埋
本来、出会うはずのなかった二人の天才の対局はまさに佳境を迎えていた。
そして、ここに、もう一人の天才となりうる少年がやってきた。
「こんにちはー。ってあれはし…しんど!(対局している…?)」
塔矢 アキラ 紛う事なき天才少年である。
アキラは、二人の天才を挟んだ盤を覗き込む。
(これは…これは……!!)
パチ……パチ……パチ……パチ ………
(僕のいる世界とは別次元だ……)
パチ……パチ……パチ……パチ ………
(二人とも、互角の勝負…なのか?女の子の方が凄く苦しげな顔をしているけど、進藤は余裕な表情をしている。もしかして、この盤面は進藤の有利?)
そんな事はない。一応互角ではある。
(おかしい、進藤くんから何も感じられない。ポーカーフェイスにしても度が過ぎている。全く表情を変えずにこうも淡々とさされると…自信がなくなっちゃう…)
ヒカルは実際なにも考えていないため、読めなくても仕方がない面はある。
しかし、佐為はそうではないのだ。
(っく、ここでこう来ますか……だが、これで…何!?ここか!そうか、そこにそうされると返す手が…いや、ここに光が!)
埋とアキラは勘違いしている為仕方ないが、佐為もまた、苦しげな表情をしている。だが、霊体なためそれが見えないのだ。
バチ!
(なによこの手!?っく…ここでこうされると…)
パチ……パチ……パチ……パチ ………
(差を作られてしまった…ここに来てこれ以上の挽回の見込みもない。)
「ありません……」
声を振り絞ったのは埋の方だった。
秀埋 対 秀策
初対局の結果は秀策に傾いた。
(え!?何?)
(中押しです。彼女は自分の負けを宣言したのです。)
(えっ!?えっ!?ちょちょっと…オ…オレよくわかんないけど…だって前の対局のようにまだ盤に打てそうな場所いっぱいあるんだぜ!?
さ…佐為…お前そんなにコテンパンにやっつけたわけ!?)
(いいえ、まだ続けようと思えば続けられます。けれど彼女の敗勢は変わらないでしょう。勿論、彼女が挽回できる可能性もまだ十分にあります。けれど、彼女はその選択をしなかった。私としてもまだ打ちたい気持ちはありますが、それ以上に彼女の意思を尊重するべきです…)
(そ、そうなのか…)
「天辻さん……」
返事はない
(聞こえないんだ…天辻さんとそして、佐為のいる世界と俺のいる世界は違うんだな…)
「天辻さん…俺、帰るね?用事思い出したからさ。帰り道わからなくなったら6時くらいにもう一度ここ来るからその時まで待ってくれたら迎えに来るよ」
ヒカルは逃げたかった。真剣な二人から。けれども憧れもした。真剣な二人に。
(ここをこうすれば、こうこうこうでこう?かな)
(ここもまだ、こうした方が…)
(完敗ね。前の世界では最強の一角だったけど、この世界じゃ小学6年生とどっこいどっこいか。でも、私はここから、ここでもプロを、タイトルを目指す!!)
二人の天才の対局の結果。秀埋の方はさらなる決心を固め、より努力をする。この世界でもタイトルを掴むのはそう遠くはないだろう。
(あれ?進藤くんは?)
棋士の集中力は半端ない。声をかけられた事すら彼女は感じていなかっただけであった。
(おとうさん おとうさん…)
「おとうさん。ボク囲碁の才能あるかなぁ?」
「囲碁が強い才能か?
ハハハそれがおまえにあるかどうか私にはわからんが…」
「そんな才能なくってもおまえはもっと凄い才能を二つもっている。」
「ひとつは………そして、もうひとつは……」
(僕は今までお父さんの言葉を誇りに真っ直ぐ歩いてきた。でも今大きな壁を進藤と、そして彼女に感じたんだ。感じてしまったんだ。)
(みえない大きなカベが………)
パチ……パチ……パチ……パチ ………
だけで碁の対局を表現しようだなんて無理がある気がしてきました…
後、おち●ぽ系なしにすると途端に面白く無くなってしまう気がする…もっとお●んぽさせなければ。
ちなみに、おち●ぽモード導入の切っ掛けとして以下の事を考えています。
ラムレーズン味の何かしらを食べる。→僅かな量のはずなのになぜか酔っておち●ぽモード
カル●スを飲む →ヒカルの碁界のカ●ピス菌の力にシューマイ先生は対応できなくなっておちん●モード
単に未成年飲酒→普通のお●んぽモード
この辺りを考えています。
今のところラムレーズン味系を予定しています。
ちなみに、当たり前のことですが、この世界でもシューマイ先生の実力はトップ棋士クラスです。
佐為が異常なだけです。