ソードアート・オンライン~スコープの先にある未来へ~   作:人民の敵

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 ちょっと間が開きました。今回は頑張ったので、第5話、お楽しみ下さい


《第5話》第1層ボス攻略戦

side レイ

 

12月3日、日曜日、午前10時第1層迷宮区

 

「今日は疲れそうだな……」

 

 ボス部屋前で準備を整えている攻略部隊を見ながら、俺は呟いた。

 

「どっちの意味で?肉体的に?それとも精神的に?」

 

 ユウキがそう尋ねてきた。そう言われるとどちらなのかよく分からない。ここにいる46人の攻略部隊はいわば虎の子だ。半分、いや4分の1でも死者が出ればこの後の層の攻略に支障を来す。

 

「どっちも、かな。まぁボス戦の後で疲れを感じる余裕があれば、の話だけどな」

 

「大丈夫だと信じようよ。戦う前に悲観的になるのはどうかと思うよ、レイ」

 

 それもそうかと納得した。

 

「皆、準備は出来たかな?それじゃあ行くぞ。……絶対勝とうぜ!!」

 

 攻略部隊リーダー、ディアベルのその声に、メンバーは鬨の声で応えた。

 

 ギギギ……

 

 という音を立ててボス部屋の扉が開けられ、A隊から中に突入し、最後に俺達H隊が入った。A隊リーダーと玉座との距離が20mを切ったその瞬間、それまで微動だにしなかった巨大なシルエットが猛然と跳んだ。地響きと共に着地し、狼を思わせるアギトをいっぱいに開き、吠えた。

 

「グルルラアアアアア!!」

 

 コボルド族の王《イルファング・ザ・コボルドロード》は、侵入者を排除せんと右手に持った骨斧を先頭のA隊リーダーに振り下ろした。分厚いヒーターシールドがそれを受け止め、眩いライトエフェクトと強烈な衝撃音が広間を揺らした。

 

 まるでその音が合図だったといわんばかりに左右の壁にあるいくつもの穴から取り巻きの護衛兵《ルイコボルド・センチネル》が3匹飛び降りてくる。キバオウ率いるE隊とそれを支援するG隊が3匹に飛びかかり、タゲを取る。俺達H隊も、序盤は《センチネル》の排除が担当なので、E隊の援護に向かい、俺達4人は一番近くのセンチネルに斬り掛かった。

 

「せぁっ…!」

 

 という掛け声と共に俺はセンチネルの弱点である喉元に向け、片手直剣ソードスキル《スラント》を叩き込む。センチネルもこちらを敵と認識し、迎撃しようとしたが、コンマ数秒の差で俺の方が早かった。《スラント》はきれいに喉元にヒットし、HPを奪う。センチネルがお返しといわんばかりに斧を振り下ろし、俺を攻撃しようとする。剣を攻撃軌道上に置いて攻撃を弾くと、後ろにいるユウキに叫んだ。

 

「ユウキ、スイッチ!」

 

「オッケー」

 

 と言ってユウキと入れ替わる。ユウキは一昨日新たに覚えたソードスキル《ソニックリープ》を放ち、センチネルのHPを吹き飛ばした。

 

 

――――――――――

 

 

 

「レイ、このまま行けば勝てるね!」

 

 とユウキに言われ戦況を確認すると、F隊とG隊を中心にボスの3本目のゲージを削っている最中だった。ここまで壁役のA隊B隊のメンバーがHPを半減させた程度で、全体的にHPは8割近くで安定している。

 

「ああ、もしかしたらボスの攻撃に回れるかもな」

 

 と言いながら俺はセンチネルに《ソニックリープ》を放ち、ポリゴンを四散させた。

 

 ボス戦は攻略隊のペースで進んでいる。このまま何事も無く進んでくれ!俺はそう祈った。

 

「ウグルゥオオオオオオオオー!!」

 

 《イルファング・ザ・コボルドロード》が一際大きな声で吠える。俺がイルファングを見る。コボルド王はHPゲージが残り1本になってた。ベータ版と同じならば、ここで曲刀による攻撃に切り替わる。攻撃スピードは上がるが、攻撃範囲は狭まるため、攻撃はしやすくなる。そう考えたであろうディアベルたちC隊の6人がボスを包囲する。あとはこのまま6人で攻撃を避けながら斬り続けてそのままとどめに……

 

「うん?」

 

 センチネルを斬り倒しながら俺は違和感を感じていた。ボスに、ではない。その武器に、だ。

 

「キリト、アスナ!湾刀(タルワール)ってどんな武器だった!?」

 

 センチネルの攻撃を迎撃しながら俺は横で戦っているキリトとアスナに叫ぶ。

 

「タルワール!?確かイスラム圏の……」

 

「…!!」

 

 そうだ、タルワールは幅広の湾曲した曲刀だ。今イルファングが装備している刀はそれより細く、比較的真っ直ぐだ。だとするとあの刀は《タルワール》ではない。ベータ時代に見た、モンスター専用カテゴリーの……

 

「……カタナか!!」

 

 その俺の呟きを聞いたキリトが顔を引きつらせ、C隊に向けて絶叫した。

 

「だ……だめだ、下がれ!!全力で後ろに跳べーーーーッ!」

 

 しかしその声は、イルファングが始動させたソードスキルのサウンドエフェクトによっ

て掻き消された。

 

 軌道―水平、攻撃角度―360度。

 

 カタナ専用ソードスキル、重範囲攻撃《旋車(ツムジグルマ)

 

 迸った6つのライトエフェクトとは鮮やかな赤色で、まるで血柱の様に見えた。

 

「ぐはっ……」

 

 視界左側のC隊の平均HPが一気にイエローに染まる。おそらく、ディアベル以下6人全員がほぼ同じ量のダメージを負ったのだろう。

 

 しかもその6人の頭上には回転する朧な光がある。

 

「…最悪だ」

 

 一番危険な状況だ。6人には《旋車》の追加の阻害効果(デバフ)である一時行動不能状態ースタンにかかっている。このまま彼らをほうって置くと追撃ですぐに死ぬ。だが動く者はいない。いや、ショックで動けないのか。ならばー

 

「うおぉぉぉっー!!」

 

 俺は無我夢中でイルファングに捨て身の突撃をかける。

 

「なめるんじゃあ、ねぇぇぇぇっーー!!」

 

 C隊にさらなる攻撃を仕掛けようとするイルファングに斬りかかり、ソードスキルを放ち続ける。

 

「…っつ!」

 

 見ると、イルファングがソードスキルを発動しようとしていた。確か、スキル名は《緋扇》。

 

 俺は上・下の連撃をぎりぎりでかわすが、最後の突きは避けられない。俺は剣を構え迎撃のために《スラント》を撃つが威力で勝てなかった。

 

「ぐっ………!」

 

 吹き飛ばされ、地面に叩き付けられる。頭上には回転する光、スタンだ。

 

「レイッ!!」

 

 というユウキの声が遠く聞こえる。

 

「(早くっ、早く解けろ!!)」

 

 確かスタンの効果時間は10秒だったはず。パリィしたとは言えボスの攻撃をモロに食らったのだ。HPはイエローに染まり、次の一撃をまともに食らったら即死。10秒が恐ろしく長く感じた。そしてー

 

「グルァァァァァッ!!」

 

 スタンが解けない内に硬直(ディレイ)から立ち直ったイルファングが俺に向かって刀を振りかぶる。

 

「(ここで死ぬのか……。6人守れたから、あながち無駄死にではなかったな)」

 

 と俺が死を覚悟した瞬間、俺の視界に3筋の光が入りー

 

 

ガキィィィン!!

 

 

「……え?」

 

 俺に当たるはずだった刃が、3本の剣によって弾かれた。

 

「単身で突撃かけてんじゃ、ねぇっ!!」

 

「キリト……それにアスナ、ユウキ…」

 

「俺達もいるぜ」

 

 といって俺に笑いかけて来たのは斧使いのB隊隊長、エギルだった。

 

「まったくあそこで部隊長が突撃掛けるとはな。突撃手(コマンダー)と呼んだらいいか?」

 

「ホントだよ、ボク達が来てなかったらレイは今頃お陀仏だよ!」

 

 ユウキが駆け寄って言った。

 

「ごめんって。それよりC隊は…」

 

「ああ。あんたの突撃のおかげで全員が無事だ。しかし……」

 

 エギルは戦場をちらりと見てから続けた。

 

「戦況は厳しい、あんたがあそこで突撃掛けなかったらもっと厳しいものになっただろうが」

 

「分かりました。ありがとうございます。…キリト」

 

「なんだ、レイ」

 

「俺達2人であいつを足止めする。できるか?」

 

 俺は戦場に目を向けながら呟いた。タンク隊やPOTスイッチでなんとか凌いでいるが、多分あと10分もしたら耐えられなくなるだろう。

 

「……分かった。行くぞっ!!」

 

 と言って俺とキリトは駆けた。

 

「ディアベルッ!!俺達2人でボスを止める。その間に態勢を整えろっ!」

 

 有無を言わせない口調に気圧されたディアベルは、

 

「分かった、頼む!!」

 

 と後方に下がっていった。

 

「うぉぉぉぉっ!」

 

「はぁぁぁぁっ!」

 

 俺とキリトは叫びながらイルファングに飛びかかった。俺は《ソニックリープ》を、キリトは2連撃技《バーチカル・アーク》を発動し、イルファングに斬りかかる。

 

グサァッッ!!

 

 3つの攻撃はイルファングに命中し、イルファングはスタンした。

 

「キリトッ!今だっ!」

 

「分かってるっ!!」

 

 その隙を突いて俺は更に攻撃を加える。

 

 それを何回も繰り返し、イルファングのHPを削って行く。

 

「攻撃くるぞっ!!」

 

「分かってるさっ!!」

 

 イルファングの攻撃をギリギリで回避し、すぐにイルファングに斬撃を加える。

 

「なんだ、あいつら、2人だけでボスを相手にしているぞ……」

 

「化け物かよ……」

 

 後方のメンバーが俺とキリトを見てそう呟く。

 

「よし、2人ともありがとう!ここからはオレが出る!」

 

 そのディアベルの言葉にかすかな不安と違和感を感じたが、俺はイルファングの攻撃を弾くと、キリトと共に後方に下がる。

 

「いくぞぉぉぉ!」

 

 と叫びながらディアベルはイルファングに突っ込み、ソードスキルを——

 

 いや、その前にイルファングはソードスキルを発動させていた。確かあの技は……連続技の起点になる《浮舟(ウキフネ)》。

 

「…まずい!!ディアベル、モーションを起こすなぁぁぁ!」

 

 しかしその絶叫は間に合わず、すでにモーションを起こしていたディアベルに《浮舟》が襲い掛かる。モーションを起こしていた彼はそれを避けることができず、斬撃を受け宙に浮いた。ダメージはさほどではなく、状態異常もない。しかし、コボルド王の動きも止まらない。

 

 コボルド王の武器である野太刀が鈍く光った。

 

 野太刀の刀身が赤く光るライトエフェクトが包む。《浮舟》はコンボの開始技なのだ。あれを食らったら無駄に足掻かず、空中で防御態勢をとるのが最善の選択だ。

 

 しかしディアベルは空中で長剣を振りかぶり、反撃のソードスキルを撃とうとした。しかし、不安定なその動作をシステムはモーションとして感知しなかった。空しく剣を振るう騎士を、巨大な野太刀が襲った。

 

 目にも追われぬ上・下の連撃。その後一拍溜めての突き。さっき俺を襲った《緋扇》だ。一撃食らっただけでHPを半分削る技を全部まともに食らえば、とても持ち堪えられない。

 

 騎士の体を包んだ赤いライトエフェクトは、それが全てクリティカルヒットだったことを示している。彼のアバターは20m以上吹き飛び、後方に下がっていた俺の近くに落下した。

 

「ディアベル……ッ!」

 

 俺とキリトはディアベルに駆け寄った。彼のHPゲージは真っ赤に染まり、急速に減り始めている。

 

「ディアベルッ!何であんな無茶を…!?」

 

 そう俺が問いかけると、ディアベルはかすかに笑った。

 

「君もベータテスターなら分かるだろ…?」

 

「……!LAB(ラストアタックボーナス)か……!?」

 

 

「レイさん、キリトさん、頼む、ボスを倒し」

 

 最後まで言うことなく――

 

 

 アインクラッド初のボス攻略レイド指揮官、騎士ディアベルは、その体を青いポリゴンに変えて四散させた。

 

「っつ……!」

 

「嘘、だろ……」

 

「うわぁぁぁぁ!」

 

 はっと後ろを振り返ると、後方の部隊が混乱に陥っていた。リーダーの死、ボスの情報が事前と違う。この2つのアクシデントが引き金となり、攻略隊は瓦解を始めた。もちろん攻略隊を瓦解させるわけにはいかない。ディアベルの最期の決断が《撤退》ではなく《血戦》である以上、ここで退却させてはいけないのだ。

 

「ここからは俺が指揮する!!A隊B隊、前に出てボスの攻撃を食い止めろ!C隊とD隊はボスの隙を縫って硬直の少ないソードスキルで攻撃。F隊はC隊とD隊を援護。E隊はG隊と共にセンチネルを攻撃。H隊もC・D両隊を援護しろ!」

 

 突然しゃしゃり出て来た俺に何でお前が、という顔を浮かべている奴も少なくない。

 

「ちょお待てぇ!なんでジブンが指揮してんねん!」

 

 という言葉は昨日散々論破したキバオウだ。

 

「うるせぇ!この際指揮するのは誰でもいいんだよ!E隊リーダーのあんたが指揮に従わないとセンチネルが処理しきれなってレイドが自壊するぞ。リーダーとしての自覚を持てっ!」

 

「じゃあジブンはどないすんねん!?」

 

「決まってるだろ、ボスのLA取りに行くのさ。なぁ、キリト!」

 

「あぁ、行くぞ、レイ」

 

 

――――――――――

 

 

 ボスの体力ゲージが四本目の半分を切った。イルファングにソードスキルを当て、転倒(タンブル)させた俺はすぐに指示を出した。

 

「いまだっ!A隊B隊、囲んでいいっ!総攻撃しろっ!」

 

 その言葉を聞いたA隊B隊のメンバーが、今まで攻撃に耐えていた鬱憤を晴らすかのように斬りかかる。俺とキリトも、《バーチカル・アーク》を発動する。最後のチャンス、

 

 この攻撃が失敗すれば、部隊は恐らく瓦解する。

 

「うぉぉぉぉぉぉっ!」

 

 俺とキリトの《バーチカル・アーク》がイルファングにヒットし、そしてー

 

「ブォォォォォォォォォ--ッ……」

 

 イルファングは断末魔と共にHPゲージを消滅させーポリゴンとなって爆散した。

 

 技の反動で地面に座り込む俺の視界に《You got the Last Attack!!》という紫色のシステムメッセージが光った。

 

 そして同時に、《You are congratulation!!》という文字が光った。

 

「あ、ああ……」

 

「レイッ!」

 

 という声に我に返ると、そこにはユウキの姿があった。

 

「ユウキ……」

 

「皆を指揮しているレイの姿、すっごくカッコよかったよ!!」

 

 目をパチパチさせてる俺の元へ、エギルがやってきた。

 

「見事な剣技だったぞ、そしてそれ以上に見事な指揮だった。congratulation!この勝

利はあんたら2人のもんだ」

 

 途中の見事な英単語な感心しつつ返した。

 

「ありがとうございます。でも、どれだけ優秀な指揮官がいても兵士がいなければ作戦が成り立たないように、僕の指揮が上手くいったのは従ってくれた皆がいたからです」

 

 俺は後ろで歓声を上げているメンバーを見ながら言った。

 

 メンバーは喧騒から抜け出し、次第に静まっていた――

 

「なんでだよっ!」

 

 とその刹那、裏返った叫び声が響いた。

 

「なんで、なんで、デイアベルさんを見殺しにしたんだっ……!」

 

 俺達2人に向けられたその絶叫の主は、C隊、つまりディアベルの当初からの仲間の1人だ。

 

 俺は、そのシミター使いの方を見て呟いた。

 

「見殺し……?」

 

「そうだろっ!だって、だってあんたら2人はボスの使う技を知っていたじゃないか!!あんたらが最初からその情報を伝えていたら、ディアベルさんは死なずにすんだんだっ!!」

 

 その血を吐くような叫びに、残りのレイドメンバーがざわめく。そんな中、E隊のメンバーの1人が俺達に指を突きつけ、叫んだ。

 

「オレ…オレ知ってる!こいつら、元ベータテスターだ!!だから、ボスの攻撃パターンとか、旨いクエとか場とか、全部知ってて、隠してんだ!!」

 

 その言葉を聞き、俺とユウキ、アスナ、エギルは反論しようとした、しかしー

 

「元ベータテスター、だって?…俺をそんな素人連中と同じにしないでもらいたいな」

 

 先にキリトが口を開いた。

 

「は……?」

 

「こいつが知っていたのは、俺が教えたことがあるからさ。こいつはまだマシな方だが、他のベータテスターはほとんどがレベリングのやり方すら分からない素人だったよ」

 

 俺を指差ししながらキリトは続けた。

 

「俺はベータ時代に、他の誰もが到達出来なかった層までのぼった。俺がボスのカタナスキルを知っていたのは、上の層でカタナを使うMobと散々戦ったからだ。他にも色々知っているぜ、こいつなんか問題ない位な」

 

「…なんだよ、それ。そんなの…もうチートだろ、チーターだろっ!!」

 

 最初に俺達を糾弾したE隊の男が叫ぶ。周囲から、そうだ、チートだのベータのチートだのといった声が湧く。その2つの言葉は混ざり合い、《ビーター》という奇妙な響きを持つ単語に変わった。

 

「……《ビーター》、いいなそれ」

 

 キリトはにやりと笑い続けた。

 

「今日から俺は《ビーター》だ。元テスターなんかと一緒にしないでくれ」

 

 そこで俺は気付いた。キリトの行動は俺を含めた元テスターを守るためだと。

 

 キリトは俺達3人の方に向き直り、言った。

 

「お前達も今日はご苦労だったな。だが今日で俺はお前らと一緒に行動するのはやめる。せいぜい頑張ることだな。じゃあ俺は二層の転移門を有効化(アクティベート)してくる、付いてくるやつは初見のMobに殺される覚悟をしておくんだな」

 

「キリト……」

 

 キリトは俺のそばを通る時にボソッと呟いた。

 

「ボソッごめんな。ユウキの事、頼んだぜ」

 

 俺はそれにボスのLAB《コート・オブ・ミッドナイト》を渡すことで答えた。

 

「…!!これは!」

 

「お前にやるよ、ただし、俺のことを問題にならないと言ったからには死ぬなよ?」

 

「……もちろん。じゃあ、また会おうな」

 

 と言ってキリトは二層に繋がる階段に歩いていった。

 

「アスナとユウキはどうする?」

 

「ボクはレイと一緒に行くよ」

 

「私はキリト君について行くわ」

 

「分かった。じゃあ、キリトによろしく言っといてくれ」

 

「ええ……分かった」

 

「ユウキ、行こう」

 

「うんっ!」

 

 こうして俺とユウキはキリトとアスナと別れ、俺達の新たな物語が始まった




 今回で、レイ・ユウキペアとキリト・アスナペアに分かれます(もちろん主軸はレイ・ユウキペアです)。次回はタイトルのフラグである2つのユニークスキルを2人がとるところなので、時間が恐ろしく飛びます。ご了承下さい。ではまた次回、お会いしましょう!

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