ソードアート・オンライン~スコープの先にある未来へ~   作:人民の敵

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 更新が早くなると言ったな?あれは嘘だ。





 ………すみません(/。\)もっと忙しくなりました・゜・(つД`)・゜・







…………それはともかく。ようやく『失踪編』終結です!!


《第30話》告解

「どういうこと…………?」

 

 ユウキの顔は困惑に染まっていた。

 

 俺はディスペアが連行された後、今まで俺がしてきたことを話した。ユウキは何も言わずに俺の話を聞いていた。()()()までは。

 

『俺とセブンは死なない。正確に言うと、この中(アインクラッド)で死んでも、1度だけ蘇生することが出来る』

 

「どうして2人は蘇生することが出来るの………?」

 

「…………ワクチンコード」

 

 俺は一言で答えた。陸上自衛隊サイバーテロ対策特務部隊SAO特別対策班が俺とセブンのナーヴギアを解析した結果、SAO内での死亡に対しての脳破壊シークエンスを1度だけ阻止するワクチンコードが組み込まれていた。ただし、ナーヴギアの強制除装に対しての脳破壊シークエンスを阻止するワクチンコードは無かったため、強制除装は出来なかったそうだが。恐らくこのワクチンコードを仕込んだのは事件の首謀者、茅場晶彦だと見られている。

 

 そして俺自身がSAO開発時代に意図的に設置した内部から操作できる装置を2日懸けてパスコードを解読し、自衛隊の上層部と連絡を取った。そして、俺はある指令を受け取った。

 

『浮遊城アインクラッドで暗躍する犯罪組織を撃滅せよ』

 

 それが俺の受け取った指令だった。そしてその指令に基づき俺は犯罪者を殺戮した。

 

「つまり、俺は国の指示で……『任務』を行った。勿論それを楯に逃げる積もりはない。俺が何人もの殺人者(レッド)を殺害したのは紛れもない事実だ」

 

  俺は静かに言った。

 

「じゃあレイは現実(あっち)に戻ったらどうなるの……?」

 

「分からない。俺にも分からないんだ」

 

 静かに俺は言った。

 

「ねぇ……セブンは、この事を知っていたの?」

 

  ユウキは、普段の彼女では考えられない沈んだ声でセブンに訊いた。

 

「……うん」

 

「レイ君が私たちの前から消えたあの日、私はレイ君からメッセージを受け取ったの」

 

 

――――――――――

 

 

 あの夜-

 

「……連絡するか」

 

 俺はとあるコードをウィンドウに打ち込む。数秒経った後で、耳に着けた受信機から声が聞こえる。

 

『ひ…ぎ……くん……かい………』

 

「菊岡さんですか?僕です、楓野です」

 

『聞き……り……くいんだ。周波…を合わせ……』

 

「分かりました」

 

 俺は少し周波数を調節し聞き取りやすく、かつ軍事傍受が困難な350MHz帯の周波数に合わせる。

 

「聞こえますか?」

 

『OKだよ。それより、どうかしたかい?』

 

「環境が変わりました。少し早くなってしまいますが、()()を開始します」

 

『全然僕は構わないよ。()には報告しておくよ』

 

「そうですか」

 

『頼んだよ』

 

「では、失礼します」

 

 俺は無線を切った。そして、フレンドの欄から《Seven》を選択し、メールを送る。

 

 

 

 sideセブン

 

 レイ君がどこかに消えてしまった。そうスメラギ君からギルドに伝えられた時、私はそれが信じられなかった。

 

 お姉ちゃん(レイン)は私を心配させまいと宥めてくれたが、私の余計な理性が、それは事実なのだということを私に突きつけた。

 

「…………どこに行ったの……レイ君」

 

 自室に閉じ籠り、何も出来ない自分を責めた。現実では天才と誉めそやされる自分の能力も、この世界(アインクラッド)では何の役にも立たない。

 

 ピロリン!!

 

「ん………?」

 

 メッセージの着信音を聞き、ウィンドウを開く。メッセージの送り主は―――

 

「レイ………君?」

 

 私は急いでメッセージを開いた。そこには--

 

 

『セブンへ

 

  突然姿を消して、心配をかけてすまない。俺は隊の指示で犯罪者(レッド)を消さなきゃならなくなった。俺はまた呪われた人間になるようだ。ユウキ達にはこの事を伏せておいてくれ。全部終わったら、全てを皆に話そうと思う。それまで、待っていてくれ。

 

 愛してるよ。 レイ』

 

「うっ………ううっ……」

 

 その手紙を読み終えると、涙が込み上げて来た。

 

 私はもうレイ君が人を殺すのを見たくない…

 

「ユウキちゃんに……レイ君のことを……伝えなきゃ」

 

 私は立ち上がり、部屋のドアを開けた。

 

 

――――――――――

 

 

「……どうしてレイは、断らなかったの?」

 

 俺はその問いにすぐに答える事は出来なかった。ようやく絞り出した答えは……

 

この城(アインクラッド)に閉じ込められている罪もない奴らを護るため、だ」

 

 パァン!!

 

 言い終えた途端、甲高い音が響いた。ユウキが俺の頬を叩いたのだ。

 

「レイは………人を殺して悲しくならないの?」

 

「……そんな感情はもう捨てた………そう思っていた。この城(アインクラッド)に入る前は」

 

 俺はそこで一旦言葉を切った。

 

「………でも、ここでキリトやアスナ、そしてお前(ユウキ)に出会って、セブンやレイン、スメラギ、沢山の()()に囲まれて過ごす内に、人の悲しさがまた分かるようになった気がした」

 

「俺には現実では部下と上官しかいなかった。仲間なんてものは存在しなかった。唯一、セブン達だけが友人だった」

 

「だが俺は、ラフコフの討伐戦で敵を殺した時、俺は思い出した。仲間などただの甘えだと」

 

 俺は言った。

 

「どうして……レイはボクたちには優しいのに」

 

「俺だって鬼じゃない。普通の接し方も出来るし、喜怒哀楽もある。ただそれは、俺の中のほんの一部の姿にすぎないだけだ」

 

 俺はユウキを見据えた。

 

「俺はさっき、ユウキを撃とうとした。それが俺だ」

 

 俺はあえて冷徹にそう言い放った。

 

「俺を嫌いになったか?」

 

「………………ううん」

 

 ユウキは首を振った。

 

「だって、ボクはレイを信じているもん」

 

「私もよ、レイ君」

 

 セブンも言った。

 

「レイ君、私たちは信じている。もしレイ君が過ちを犯しても、少なくとも私たち2人はそれを一緒に背負うわ」

 

「俺はもう何人も人を殺した。それでも、罪を背負ってくれるのか?」

 

 俺がそう言うと、セブンとユウキは俺を抱き締めてきた。

 

「レイ君は1人じゃないわ。私たちがいるから」

 

「そうだよレイ。ボクたちと一緒に、帰ろう?」

 

「うっ………」

 

 俺は、いつの間にか泣いていた。




 はい……驚愕の事実判明です。まさかの『生き返り』可能!!
 これがどういう展開を産み出すのか?乞う御期待(自分で言うな)!!
 次は恐らく番外編です。お楽しみに!!

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