これが僕の英雄譚   作:猫と果実

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ども猫と果実です!
さてさてベル君はどんなことをしてくれるのか楽しみですね!

それでは、兎が織り成す英雄譚をお楽しみください。


早熟?

急ぎ足でギルドを後にする。

(よし!!ヴァレンシュタインさんにお礼の贈り物渡すぞ!!)

姉二人に励まされ、いつにも増してやる気になっているベル

(さっそく材料買いに行かなくちゃ!!)

向かうの食品が多く取り扱いのある大通り、恩恵の力により

物凄いスピードで街を走る。

 

「こんにちわおばさん!!」

野菜屋で急ブレーキをかけあいさつをする

「あらベルちゃんこんにちわ!今日はやけに急いでるのね?」

既に習慣化されつつある、あいさつ+頭撫でられるを済ませ買い物を始める

「今日は作りたい料理があって、これから家にこもって作るために早く買いに来ました!」

「あら!ほんとベルちゃんはいい子ね!!」

話してる間に目当ての材料を揃え会計へ

「ベルちゃんは頑張ってるからおまけ!」

おばさんはしっかりとしたかぼちゃをおまけに袋に入れて渡してきてくれた。

「えっ!?いいんですか?こんないいかぼちゃを……」

「なに野暮なこと言ってるの!おばちゃんが好きで渡してるんだからもらっておきなさい!」

「ありがとうございます!大事に食べさせてもらいます!」

「また買い物くるの待ってるよ!!」

「はい!!」

ベルは野菜屋から離れ、必要となる材料を買い集める。

「ベル坊!今日はいい肉入ってるよ!」

「クラネル君、香辛料は足りてるかい?」

「兎ちゃん!!今日はあんまり甘くないデザート作ってあるよ!」

様々なお店から声をかけられつつも、しっかり皆に反応して大通りを過ぎていく

見てわかるように商店街の皆さんはベルとヘスティアをマスコットして可愛がっている、本人達は自覚はないが。

 

急いで帰ったかいもあり、いつもより倍はやく帰宅できた

「よーし!!頑張るぞ!」

ベルは戦闘服(エプロン)に着替え、戦地(キッチン)へと向かうのであった。

 

 

「いやぁ~今日も疲れたな~」

のそのそとホームを目指すヘスティア

「さすがにベル君は帰ってきてるかな?」

「昨日はステイタスを見て張り切ってたから遅いかもしれないな……」

少し不安募らせながら帰宅する。

「うん?物音がするってことはベル君は帰ってきてるね!」

ヘスティアは入る前に身だしなみを整え、ドアを開ける

「ただいまベっっ!?なんだいこの暑さ!?」

部屋を入った途端凄まじい熱気に驚くヘスティア

「こっこれは一体なにがあったんだ!?」

異常事態と感じヘスティアはベルを呼ぶ

「ベル君!!ベル君!!!」

するとキッチンから声が

「かっ神様……」

「ベル君!?」

なぜかキッチンの傍で地面に伏しているベル

そしてその横には、なぜかじゃが丸君が大量に置いてある。

ヘスティアは急いで換気を行い、ベルに飲み物を飲ませ休ませる

「どうしたんだいベル!?こんな謎に荒れてるホーム初めてだよ!!」

「しかもなんでじゃが丸君があんなにあるのさ!」

「質問したいことありすぎて困るよベル君」

疲れきった感じのままベルは答える

「すみません神様……張り切って料理してたらこうなりました……」

「いやいやいや!?ダンジョンと違ってイレギュラーは起きないはずだよベル君!?」

 

少し落ち着いたところで、今日起きた出来事を簡単に説明する

「……なるほどね、様は無茶をして死にかけたって事でいいのかなベル君?」

「……はい」

「ベル君、そんな無茶はしないでおくれ……もしベル君が帰ってこなかったらボクは辛いよ」

「ベル君、もしボクがいなくなってしまったら辛くなるかい?」

「そっそんなこと考えたくもありません!?」

「なら大丈夫だね、ベル君ボク達は家族なんだ」

「冒険者をやってるからには無茶をしなくちゃいけない場面に出くわすと思う」

「だからベル君に無茶をするなとは言わない」

「ただ約束してほしい……必ずここに帰ってきておくれ?」

僕を大事にしてくれてるのが伝わる言葉、思わず涙が出そうになるのを堪える

「はい!神様!必ず神様のところに帰ってきます!」

ベルとヘスティアは家族としてのまた成長したように見えた。

 

「さて湿っぽい話はこれぐらいにして!」

「それにしても、この手作りのじゃが丸君がどうやって先の話に繋がるんだい?」

「えっとそれはですね!今日僕を助けて下さった方へのお礼に渡すじゃが丸君です!!」

「……えっとお礼にじゃが丸君をあげるのかい?」

「その人じゃが丸君が好きと他の方からお話を聞きまして!!」

キラキラと語るベル、ヘスティアは今回やりたいようにやらせようと決めた。

「わかったよベル君!ならボクも手伝おうじゃないか!」

「いいんですか神様!」

「ふっふっふっじゃが丸君の申し子のボクが来たからには安心だぜベル君!」

「ありがとうございます神様!」

「すみません神様、さっそくなんですけど味見お願いしてもいいですか?」

「いいぜベル君!ちょうどお腹も空いてたしね!」

「それじゃいっぱい作った中でも自信作の小豆クリーム味をどうぞ!」

お皿の上乗せられたじゃが丸君小豆クリーム味が目の前に置かれる

「美味しそうじゃないかベル君!見た目はオッケーだ!」

「ありがとうございます!」

「ではさっそく食べさせてもらうよベル君」

「どっどうぞ!」

ドキドキしながら見守るベル

(ベル君の事だ、元々料理も上手だしまずいってことはないだろ)

ヘスティアはそんなことを考えながら口に運ぶ

さくっ もぐもぐ ごっくん

「……………………」

「かっ神様?」

「…………………………」

「えっ…かっ神様大丈夫ですか?もしかしてまずっ」

「旨すぎる!!!??」

我に返ったように叫ぶように言うヘスティア

「うわっ!?」

ヘスティアの叫びに思わずのけ反るベル

「これはじゃが丸君なのかい!?いやじゃが丸君なのは確かなんだけど、ボクが知ってる美味しいじゃが丸君を遥かに凌駕してるんだよ……」

「外側はサクッと揚がっていて、なおかつ油が強すぎず滑らかな触り心地」

「しかも中身はなんて表現すればいいんだ……一口食べるとそのふんわりとしつつもしっかりとホクホク感が残り満足感を味合わせてくれる、全然説明が足りないけどうまく言葉に出来ない!?」

「なにもつけなくても何個も食べれてしまうぐらいの一品、なのにそこに小豆クリームが絶品!!」

「もはや至高の一品だ…………」

興奮気味のヘスティアをぽかんと見つめるベル

「えっと合格ですかね神様?」

ツインテールが波を打つ様に動いた

「なにを言っているんだベル君!?」

「完璧だ!!神が認める至高の一品(じゃが丸君)だ!!」

「ありがとうございます!!」

頑張ったのが認められ素直に喜ぶベル

(しかし、料理が上手なベル君だとしても美味しすぎる……)

「ベル君、じゃが丸君は昔から作っていたのかい?」

「違います!今日初めて作ってみたんです神様!」

ヘスティアは驚愕の色を隠せなかった

(そっそんな!??)

(今日1日で大量に作って練習したにしてもこんなに美味しくなるもんなのかい!?)

(上達ってレベルじゃない、もはや飛躍だ……)

(元々才能があったとか……いやにしても説明がつかない)

(それなら毎日作ってる時点でボクが気づくし…)

(しかもじゃが丸君一点のみって限定で成長してる)

(まず料理で成長ってあるのか……料理に疎いボクじゃわからない)

(明らかにおかしいんだ……)

自分が思ったことに疑問を感じる

(……おかしい?ってことは考えられる事がひとつある)

(皆になくてベル君にあること……)

「……ベル君質問してもいいかな?」

「はい!」

「助けてもらった人は女性かい?」

びくっ

(ベル君は嘘が下手だな……まぁ神の前じゃ嘘つけないんだけどね)

「はっはい…第一級冒険者さんのアイズ・ヴァレンシュタインさんに助けていただきました……」

「……ベル君、そのヴァレン某に惚れたのかい?」

びくっっ

「……僕自身恋愛とかしたことないのでこれが恋愛なのかわからないですけど」

「ヴァレンシュタインさんに憧れを持ったのは確かです」

(やっぱりか!?ベル君の中で上手くスキルと噛み合ったんだな…)

(確かに早熟するとは書かれていたけど、まさかステイタス以外にも影響を及ぼすとは…)

(まさかこんな形で早熟の効果が出ることになるとは……浪漫って謎過ぎる……)

(しかし気に食わないのはスキルの効果が他の女性で発動したことだ!とても気に食わない!!)

(こんな身近に素敵な女性が居るってのにベル君は!!)

(確かにボク達は家族だけど……もう少しそうゆう対象として見てくれもいいのにベル君!!)

最近ベルの事が大好きでしょうがないヘスティアである。

「神様?大丈夫ですか?」

「ふんっ!なんだいベル君、ボクが心配したのがバカみたいじゃないか!」

「すっすみませんでした!?」

しかし今回の件に関しては好きにさせると決めたヘスティア、今になって後悔をする

「ぐぬぬぬ……しょうがないからしっかりお礼の品は渡すんだよベル君」

「ありがとうございます!!」

「明日朝ダンジョン行く前に渡してきますね!」

「渡すと決まったら今度は片付けだねベル君」

あっ、と声を漏らすベル

「ベル君まさか片付けの事考えないで作ったのかい?」

「…………すっすみませんでした」

このあと大量のじゃが丸君と格闘することになった。

 

これは(ベル)が作った至高の一品(じゃが丸君)に驚愕する処女神(ヘスティア)の夜ご飯話である。




今回はじゃが丸君のお話でした-w
ベルのスキルがアイズに対しての想いを原動力に発動し、じゃが丸君を作る一点のみで早熟すると言う奇怪な現象でした!
わかりずらかったらすみませんでした

ではでは次回も兎が織り成す英雄譚をお楽しみください。、

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