これが僕の英雄譚   作:猫と果実

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もうそろ第1章終わりそうですね!!!

それでは兎が織り成す英雄譚をお楽しみ下さいm(_ _)m


戦いの後……

死を覚悟して守りたい人がいる

一度諦めかけた でも諦めず戦った 

会いたい 優しくて 暖かくて そして大切な人に

そう行かなくちゃ僕を待ってる人がいる

 

 

「うっ……」

目が覚めると見知らぬ天井が見えた。

焦点が定まらなく、体が重たい感覚がある。

「ここは……!?」

神様は無事なのか!!??

「うぐっ!?」

咄嗟に上体を起こしたせいか体に痛みがはしるが、痛みを堪え周りを見渡す。

「…かみ…さま」

「うにゅZzz」

僕の横でベットもたれ掛かる様に寝ている神様が居た。

「がみざま……」

自然とベルの目が涙が溢れる、ポタポタのシーツの上に染みが出来る。

しばらく経っても涙は止まらず、ヘスティアを起こさないよう声を出さす涙を流した。

するとコンコンっとノックする音が聞こえた。

「ヘスティア様起きてらっしゃいますか?」

なぜか扉からはシルさんが出てきた

「シルさん?」

「ベルさん!!」

シルは少し驚いた様子を見せベルに駆け寄る。

「お体はどうですか?痛みなどは大丈夫ですか?」

「そうだリューを呼んで来ないと!!」

何個ばかりかの質問の後部屋を出ていく

「…なんでシルさんが???」

 

少しした後リューにシル、そしてミアが部屋を訪れに来た。

「リューさん?ミアお母さんなぜここに??」

「なにってここが『豊饒の女主人』だからだよベル」

「クラネルさん少し失礼します」

ミアとベルの会話に割り込み、ベルの体を触るリュー

「えっ!?///リュ、リューさん///」

胸の辺りを優しくさするリュー。

「少しだけ我慢してください」

リューの真剣さに驚くベルは、動かずリュー終わるまで黙っていた。

「……とりあえずもう危険はないはずです」

「危険??」

リューが発した危険と言う意味がわからなかったベル。

「良かった……」

「五体満足で帰ってきたんだ、そこまで心配することでもなかったのさ」

シルは少し涙ぐみ、ミアは安堵の笑みを浮かべる。

「皆さん僕は一体どうなったんですか?」

寝てる神様、ボロボロであったであろう僕。

状況が一切掴めない、ただ分かるのは死ななかった事実だけ。

「私が説明しても宜しいですがミア母さん」

「現場にいたリューが一番詳しく話せるから任せるよ」

はいと頷いたリューはこと細かく話してくれた。

僕とはぐれたシャルがミアお母さん達に助けを求めた事

そして戦いボロボロになった僕と泣き崩れそうになった神様を助けてくれた事。

皆で僕の看病をしていてくれていたこと。

「ヘルガルさんとヘスティア様は疲れて眠ってしまいました」

横にいる神様も僕の看病をしてくれていた、あんな激闘の後なのに……

「シャルは無事ですか?」

「はい、特に外傷もなく健康体です」

「走り回った挙げ句、ベルさんがボロボロになった姿を見て泣いて疲れちゃったみたい」

シルが付け足しを入れる。

「だからシャルちゃんが看病してないって訳じゃないからね?」

「はい、わかってますシルさん」

お姉さんの笑みで優しくベルを見る。

「ベル、とりあえずこれ飲んでおきな」

ミアは準備していたポーションの類いをベルに渡す。

「あ、ありがとうございますミアお母さん!」

二種類のポーションを二本ずつ渡され疑問が出てくる。

「これって……マジックポーションですか??」

「そうだよ」

「でも僕魔法まだ使えませんよミアお母さん???」

きょとんとするベルにミアとリューは顔を見合わせる。

「どうゆう事だいリュー?症状はマインドダウンも含まれていたんじゃないのかい?」

「はい…私が診た時、そう判断しました」

「そうかい、魔法に関してはそこの神に任せておこうかね」

むにゃむにゃと寝息をたてるヘスティア

「とりあえずベルも無事意識を戻したことだし、明日に備えて寝るよ」

ベルの頭を撫でた後部屋を出ていくミア

「なにかあったら呼んでくださいねベルさん!」

「それではおやすみなさいクラネルさん」

続いてリューもシルも部屋を後にする。

「おやすみなさい皆さん」

ぺこりと頭を下げ、パタンと閉まるドアを見つめる。

「……皆に迷惑かけちゃったな」

ため息まじりで窓越しを見ると綺麗な月が夜空に浮かんでいる。

月明かりに照られるベルは想いを口にする。

「僕は強くなりたい」

敵と戦い死にかけた自分

「誰も失いたくない」

家族を失いかけた絶望

「僕は死にたくない」

大切な人を置いてく辛さ

「だから僕は強くなりたい」

夜空に浮かぶ月に想いを誓う。

 

 

 

バタバタガヤガヤ

なにやら騒がしい……階段を駆け上がる様な音がする。

そして横に人の気配がする。

いつの間にか僕はまた眠りに落ちていたらしい

ドアのが開く音がしたと同時に怒鳴り声がした。

「この巨乳オバケ!!寝てるベルに何しようとしてるの!!」

な、なんだ…

「な、なにって汗をかいてるベル君の体を拭こうとしただけさ!!そう決してやましい事じゃない!!」

神様とシャル???隣にいたのは神様だったのか

「むしろやましい事を考えたのは泥棒猫君じゃないかい?」

「そ、そんなことない!!てか泥棒猫ってなによ!!」

「ボクのベル君とボク達のホームで寝泊まりしてたじゃないか!!」

「あ、あれはベルの許可もあったから良いの!てか貴方のベルじゃないでしょ!!」

なんでこの二人は喧嘩しているろだろう……起きにくい…

「シャルちゃん、ヘスティア様、ベルさんが起きちゃいますよ!」

「「す、すみません」」

おぉ!あの喧嘩を一声で止めた!シルさんすごい!

「もう……あれ?べルさんもしかして起きてます?」

シルは一目見ただけでべルの嘘寝を看破した。

シルさんって嘘見抜くの上手いよなと思いながら観念して体を起こす

「……お、おはようございます」

「べルくん!!!!」

「べル!!!!」

二人は弾かれた様にべルに抱き両手を塞ぐ。

「神様、シャル……」

「ベル君が無事で良かった」

ヘスティアは涙を堪える様にプルプル震えながら

「もうベルに会えなくなると思ったんだから!!!」

シャルに至っては号泣しながら想いをぶつける

「…………」

黙って繋がれてる二人の手を握った。

小さく守るべき人達、僕のために泣いてくれる

「ありがとう」

また泣いちゃいそうだ……我慢しないと僕は男なんだから!

それにしても……二人とも近い///

「お熱い再開はそこまでにしてご飯にしましょ」

パンパンと手を叩き、ジト目を向けるシル。

「そ、そうですね///お腹空きましたしシャルも神様も行きましょ?///」

「ここはベル君に免じて休戦といこうじゃないか」

「別に戦ってるつもりはないけどね」

ギランと二人の目が光った様な気がしたのは気のせい??

仲良し……ではないのかな?

「ベル君!」

「ベル!」

「は、はい!?」

「後でこの泥棒猫君の」

「後でこの巨乳オバケの」

「「説明よろしく」」

「ひっ」

二人の目が怒ってる!?なんで!?

二人にはちゃんと説明した筈だよね!?

シャルには神様と住んでるって……

神様には幼なじみみが来てるって……

困ってる僕にそっと耳打ちするシル

「お二人は可愛い女性って知らなかったんじゃないんですかベルさん?」

「そ、そうですね……でもそれって怒る理由に??」

「「「はぁ……」」」

「えぇ!?なんでため息つくんですか!?」

ぽんっと肩に手を置き飽きれ気味に

「ベル君はまだまだ浪漫(ロマン)を分かるには程遠いよ」

「そ、そんな……」

僕は強くなると同時に浪漫(ロマン)の勉強しなきゃ……

「ほら行くよベル!」

「あっ!ベル君の手を繋ぐのはボクだ!」

「わわっ危ないですよ!?」

僕は皆を守れる英雄になる。

そう心に誓い、また1日が始まる。




いやー無事に助かって良かったです!!!

次はとうとうベートさんかな???

それでは次回も兎が織り成す英雄譚をお楽しみに!

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