これが僕の英雄譚   作:猫と果実

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怪物祭りまだまだ続きます。


怪物祭 2

「思ったりよりもお店並んでて遅くなっちゃった!」

シャルの命令によりドリンクを買いに行ってたベル

予想よりも遅くなり急いでシャルの元に帰る。

「あれ?シャルってここのベンチで座ってたはず……?」

シャルが座った筈のベンチにはシャルがおず周りをキョロキョロと見回す

「???」

「もしかしてお手洗いに行ったのかな?」

とりあえず入れ違いの可能性があると思い少し待つことにする

「やっぱりシャル怒ってたかな……」

両手にドリンクを持ちしゅんとなる、探すのは平行して行い待つこと5分

「……やっぱり帰ってこないな、もしかして家にいるのかな?」

一回家に戻ってみていなかったらまたここに戻ろうと考え

歩きだそうとした

「いたーーーーーーーーー!!!!!!」

「あれ?この声!」

ばっと振り返るとツインテールを全力でふり走ってくるヘスティアが見えた。

「ベル君やっと見つけたよ!!」

ズザザーと止まりきれないまま笑顔でベル突っ込んでくる

「わわっ!?」

ヘスティアが怪我をしないように衝撃を受け止めるように支える

「へへっ」

「か、神様危ないですよ……」

「って!今までどこに居たんですか!?」

「ふふっそれは……秘密さ!!」

「ええっ!?」

すると肩から腰にかけて布を結んでいるヘスティア

「神様はそれは?」

「これはその秘密の正体かな?」

ふふふっと楽しそうにはしゃぐヘスティア

「それは後のお楽しみにして、ボクとデートしようぜベル君!!」

「で、デートですか!?あっすみません神様!」

ばっと頭を下げる

「えっ……ベル君に断られた……」

しゅんと元気よくしていたヘスティアがツインテールとともにしゅんとなる。

「か、神様違うんです!?今僕の故郷から来た友達とはぐれてしまって……」

「ベル君の友人?」

「はい!幼馴染みで遊びに来てくるんです!」

「ボクがいない間にきていたのか」

ふーんと少し拗ねたようにするヘスティア

「なので一度家の近くにいっていなかったらここに戻ってこようと」

「ボクが帰ったとき家には誰もいなかったよベル君?」

「えっ!?こ、困ったな……」

「あのときフレイヤに聞いておくんだったな」

「フレイヤ?」

「女神の一人さ……肉食動物みたいなやつさ!!」

「???」

「ベル君はボクが守るからね!」

「は、はい……えっと途中でフレイヤ様にお会いしたんですか?」

「家を出た後すぐ近くにフレイヤが居てベル君を見かけたと教えてくれたんだ!」

「そうだったんですか」

「だからそのときにベル君の友人君についても聞けば良かったと思ったのさ」

ごめんと頭を下げるヘスティア

「だ、大丈夫ですよ神様!とりあえず先に見つけてからでもいいですか?」

「そうだね!一人は心配になるしね!」

「とりあえず特徴をおしえてくれるかい?」

「はい!えっとですね……」

バーーーン!!!

「「!?」」

きゃーと叫び声か響く、大きな爆発音の様な音の後ズシンズシンと聞こえてくる足音。

「な、なにがどうなってるんだい!?」

「音はギルトの方からですね……」

 

 

爆発音がなる数分前バベル地下

「オッタルなら何を差し向ける?」

「そうですね……Lv1に戦わせるとしたらこいつかと」

オッタルは丈夫な鉱石で作られた檻に閉じ込められている一体のモンスターを指差す。

様々な魔物が檻に閉じ込めらている地下室

本日行われている『怪物祭』にテイムされるモンスター達だ。

「このお猿みたいな子?」

「はい、シルバーバックといいLv1相手に上位で位置するモンスターです。」

檻に入っている二匹シルバーバックに視線をむけるフレイヤ

「「…………」」

「ふふっいい子達ね……でも一匹で良いわ」

そう言い放つとシルバーバック達はお互いを殺し始めた。

「グガァァァ」

「ウガァァァ」

殺し合う二匹を目に止めず地上に続く入り口を見て楽しそうに笑う

「どうなると思うオッタル?」

「恐れ逃げ惑えば殺されるかと」

「ふふっどう戦うのかしら」

話している間に殺し合いが終わり一匹が無言で待っている

「お願いがあるの聞いてくれるかしら?」

なにがあってもいいようにオッタルはすぐ後ろに待機

「私を追いかけて?小さい私を拐う兎を……殺して?」

もっとも美しい女神にかけられた言葉は理解はしていないだろう

しかしモンスターである彼は歓喜しそして怒りを覚えた。

 

オウ、コロス、オウ、コロス、オウ、コロス

オウ、コロス、オウ、コロス、オウ、コロス

獰猛な目が紅く染まり、シルバーと言われた毛は赤く血塗られた赤毛に変わる。

「あらもうシルバーではないわね、これは?」

「……これは恐らく強化種になったのかと」

「グガァァァ!!!!」

スッとフレイヤの前に立ち衝撃から守る。

「……このデクが」

「落ち着きなさいオッタル」

ペチと後ろから背中を叩く

「……失礼致しました」

「ふふっ良いのよオッタル、私を守ってくれるのはとっても嬉しいわ」

そうしてオッタルの前に出て再度命を出す。

「行って、小さな私の元へ」

そして爆発音と止めに檻が壊れ地上に駆け出していった

「ありがとオッタル」

「いいえ」

檻が壊れる前に移動し守るオッタル

「オッタル他のモンスターも少し出してあげましょうか」

「畏まりました」

檻を壊し10種類程のモンスターが地上に向かい悲鳴が聞こえてくる。

「頑張ってねベル、あのレッドバックが貴方を迎えに行くわ」

扇情的笑みを浮かべ地下を去る。

 

 

現在ベルとヘスティアは手を繋ぎながら走っていた。

「べ、ベル君どうしたんだい急に!?」

「とりあえず人気のない所に移動します!」

「ひ、人気のない所!?ベル君!ボクに何をする気だい!?」

そんな淡い期待と緊張が混じった悲鳴をあげるヘスティアを気にせずヘスティアを先導する。

(爆発音がした後のどこからかの視線)

(前に一度強烈な何かに見られた時と同じ……)

(そして凄い速度でこっち(・・・)に向かってくる足音)

ベルは何か自分達に向かってきてると、経験の少ないベルが直感で導きだした答えに従い人気の少ない場所に移動していた。

ズシン!!!!

「「!?」」

「さ、さっきより近くなってないかベル君……」

「や、やっぱり……神様!なにかわからないですが僕達を狙ってる可能性があります!!」

「な、なんだって!?……確かに着々とこっちに音が近づいてきてる」

「とりあえず一般の方に被害が出ないよう移動します!」

「わ、わかったよベル君!」

「!?」

ベルの手を握り返すヘスティアを咄嗟に抱き抱え後ろに飛ぶ

バンッ!!!!

一瞬地面に写った影を見たベルは本能的に回避し、その現れた姿に驚愕する。

ふとエイナさんに教わったモンスター一覧で見たシルバーバックに似ているなと思ったのもつかの間

「グガァァァ!!!!!!」

「「ひっ」」

二人して可愛らしい悲鳴をあげ硬直してしまう。

しかしレッドバックの振り上げられた拳を見た途端本能的に

ヘスティアを抱え飛び退き走り出す。

バンッ!!!!

「はぁはぁはぁ!!」

「わわっ!?べ、ベル君!こ、これは伝説のお姫しゃまわわわ!?」

遠くに逃げるため路地裏を目まぐるしいスピードで走る。

「神様!話している下噛んでしまいます!」

「ひゃい!!」

路地裏を抜け少し広い場所に出た途端、視線を感じ急ブレーキをかけ横に飛び退く。

「!?」

そしてベルか居たであろう場所にはベル達を軽く捻り潰せる程の拳があった。

「っ!?先回りされた!?」

(スピードですら僕より上!?)

ベルは自分の脚に少し自信があった。

路地で入り組んだ道なら逃げられると思っていた。

しかしそれを上回るポテンシャルで先回りされた。

獰猛な赤い目がベルの紅い目と混じり合う

そして怒りをぶつける様に咆哮する。

「グガァァァ!!!」

「っ!?神様!!移動します!!僕に捕まってください!」

声を出さずベルの服を掴む。

(くそっ!?こんな日に限って装備は護身用のナイフしかない!?)

ベルは焦燥していた自分の実力差、そしてそれを覆すための武器も防具も道具もないことに。

何よりヘスティアを守りながら戦い彼女を無事に生還されることに自信が出てこない。

(くそっ!!くそっ!!)

しかし止まる訳にはいかない止まれば殺される。

「べ、ベル君!ここはダイダロス通りじゃないかい!!」

「えっ!?」

そう必死に走りどこに向かうことも考えず走った結果、今はダイダロス通りと言われる場所にいる。

「ベル君!教えてくれ!!あのモンスターから逃げ切れるのかい!?」

しがみつきながら視線を合わせる。

「……このままだと追い詰められて戦闘になると思います。」

少し悩んだ末に選んだ結果

「……ベル君ステイタス更新をしよう!!」

「えっ!?確かに少しは強くなると思いますけど……」

そんなベルを安心させるように微笑むヘスティア

「ふふふ!!ベル君あの隠れられそうな所に一旦止まってくれ!!」

「は、はい!」

遮蔽物のある影に隠れヘスティアを降ろす。

「ベル君!僕からプレゼントがあるんだ!」

「えっ!?こ、こんな時にですか?」

「こんな時だからこそ役立つプレゼントさ!」

ばっと立ち上がり背中に手を回すヘスティア

「…………」

「…………?」

なぜかヘスティアキョロキョロし始め、次第には背中を見つめるためぐるぐる回り始めそして止まり

「……な……」

「な?」

「ヘスティアナイフがないーーーーーー!!!???」

「神様!?声が大きいですよ!??」

ダイダロス通りに女神の悲鳴と魔物の咆哮が響き渡る。




ベル君ヘスティアピンチですね!

では次回も兎が織り成す英雄譚をお楽しみください!

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