これが僕の英雄譚   作:猫と果実

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やっと怪物祭開催ですね!
さてさてこれからなにがあるのやら


怪物祭 

「シャルーまだー?」

「もう少し待って!」

私はシャル・ヘルガル

今日は幼馴染みのベルと『怪物祭(モンスターフィリア)』を一緒に行く予定です!

世間で言うとこれってデ、デートですよね!?

ベルと森の中とか二人で行ったことはいっぱいあるけど

大きな街でお祭りを一緒に回るなんて……///

「シャルー」

だって聞いて下さいよ!ベルとは生まれたから一緒になのに

そういう雰囲気にもなったことがなくて……

ひたすら私の片想いなんです……だからこそ今回本当に嬉しくて!!!

「ふへへ///」

「僕かられこれドアの外で30分待ってるんだけど……」

「女性は準備がかかるの!!」

「は、はい」

それから10分後

「お待たせベル!」

元気よくドアから出てきたシャル、いつも結んでいる髪は下ろしストレート、服装はいつものカジュアルな服装とは違い白ワンピースそしてくびれ辺りにベルト巻いている。

「どうかな?」

「…………」

「ベル?」

「に、似合ってるよ!!///」

(いつものシャルとは雰囲気が全然違う!いつもより可愛い……)

顔が赤くなるベルを見て心の中でガッツポーズをするシャル。

 

ホームである教会を出て横並びに歩き大通り向かう二人

「やっぱりいつもと違って活気が凄いよ!」

「普段でもうちの村に比べたらお祭りみたいなものよね」

「確かにそうだね!」

二人して楽しそうに笑う、端から見れば充分カップルにみえる二人。

「ベル!ベル!出店がいっぱい出てるよ!!」

キラキラと目を輝かせて出店を見始める。

「ほんとにいっぱいあるね!じゃが丸くん!串焼き!」

「「綿菓子??」」

「なんだろ?ベル料理したことある?」

「うーん聞いたことないかな?菓子って名前にあるから甘いのかな?」

「食べてみよベル!!行こ!!」

ベルの手をとり綿菓子屋に向かう

「うん!」

二人分の綿菓子を買いのんびりと街を歩く

「さっきの綿菓子のおじさん凄く楽しそうにしてたね?」

「なに聞いても『こりゃおじさんの魔法さ!!』しか教えてくれなかった……いいな魔法……」

「多分あれ魔法とかじゃないと思うよベル……」

「えっ!?だって詠唱もしてたじゃん『我が身は甘味を求め その願いは欲望の雲となれ』『ワタアメ』って!!」

「詳しくない私でもさすがに違うってわかるよ……」

「そ、そんな……」

しゅんとワタアメを見つめかぶりつく

それを横目に少し笑みを浮かべ食べ始めたシャル。

 

ワタアメを食べ終わりのんびり歩いていると聞き覚えのある声に呼び止められる。

「クラネルさんとヘルガルさん」

「あっ!リューさんこんにちわ!」

「こんにちわ」

ペコッとベルとシャルが頭を下げる

「お祭りを回っていたんですか?」

「はい!今日はシャルと二人で!」

「そ、そんな強調し、しなくても///」

ふふっと二人の様子をみて微笑むリューはベルの手に紙を渡す。

「これはあちらの奥でやっているドリンクの割り引き券です」

「えぇ!もらってしまっていいんですか?」

「日頃からお店の手伝いをしてもらってる些細なお礼だと思ってください」

紙とリューを交互に見た後にこやかに笑い

「ありがとリューおねぇちゃん!」

ぼっと真っ赤になるリュー

「ど、どういたしまして……ベル///」

「…………私もいるんだけど」

「ひゃい!?す、すみませんでしたヘルガルさん///」

あたふたしたリューさんは貴重だなーと見つめるベル

「ベル、リューさんのこと見すぎ」

「ご、ごめんなさい///」

「「…………///」」

「わ、私はこれで失礼しますね!///」

「は、はいありがとうございましたリューさん///」

パタパタと制服はなびかせ去っていたリューはお店に戻った後で買い忘れをしてミアに怒られるのは先のことである。

 

気をとり直して祭りを回ろうと動こうとしたベルだが

シャルうつ向きながら動かない。

「……ベル」

「ん?」

「リューさんから貰ったやつで飲み物買ってきなさい!!」

「は、はい!?」

「私はここで待ってるから!」

近くにあるベンチに向かい腰かけるシャル

「シャ、シャル?」

「はやく行ってきなさいよ!!!」

「行ってきます!!!」

ひゅーんっと砂ぼこりをあげ行ってしまうベル。

「……はぁ、またベルに冷たくしちゃった」

ベルがいなくなった方を見つめ髪を触る。

「だって……リューさんが来た途端リューさんばっかり見て……」

はぁーとまたもため息をついてしまうシャル

「……よし!ベルが戻ってきたらちゃんと謝ろ!」

少し気合いを入れベルを待つシャル。

不意に反対側の路地に続く小道に目線がいく

そしてローブを頭から羽織っている女性と目が合う

そして騒ぎで聞けない筈なのにシャルの耳に聞こえた。

 

来て?

 

そして気づいたら体は動き路地に向かう

奥に進むとローブの女性が居た。

目が合ったときから不思議な脱力感に襲われ

逆らえないなにかに魅了される

「ふふっいい子ね」

ローブからスッと手を出し頭を撫でてくる

そして耳ともで

「ごめんなさいね?彼の近くに居たら巻き込まれちゃうから」

そしてパタリと気を失ってしまう。

倒れそうになるシャルを抱えあげる猪人(ボアス)

「この子はどうなさいますか?」

「そうね……ベルの家に付近に置いてきて頂戴」

「畏まりました」

音もたてず風だけがなびいた後姿を消した。

「ふふっ楽しそうにしてる姿に嫉妬したわけじゃないのよ?」

一人で楽しそうに呟く

「ただ寂しいから私とも遊んでちょうだいベル」

妖艶な笑みを浮かべ路地裏に消えていくのであった。




いやーまだまだなにが起こるかわかりませんな!

それでは次回も兎が織り成す英雄譚をお楽しみください!

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