これが僕の英雄譚   作:猫と果実

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ベルの可愛さにやられる人増加中
恋愛錬成(フラグメイカー)って名付けたくなるよ-w

兎が織り成す英雄譚をお楽しみください。


噂の白兎

「………zzzz」

「………………ベルきゅん!!??」

「きゃ!?」

「「…………」」

「僕の愛しのベル君が愛を囁いてくれた気がした!!」

「起きたきっかけがヘスティアらしいわね……」

ここはヘファイストスファミリア主神の部屋。

「あれ?ヘファイストス寝てなかったのかい?」

ヘスティアをチラッと見た後すぐに手元の作業に戻る。

「熱が冷めないうちに鞘も作っておきたかったのよ」

真剣な表情で鞘作りの作業をするヘファイストス。

「僕も手伝うかいヘファイストス?」

「大丈夫よヘスティア、あなたは充分頑張ってくれたから」

顔は見えないが、労りの言葉にまた眠気が襲ってくる。

「ヘファイストスがそうゆうなら寝かせてもらうかな」

頭からボフッと枕に倒れ込む

「明日ベルに渡しに行くんでしょ?疲れた表情で渡されてもベルが困るだけよ」

「わ、わかってるよ!朝まで寝て明日に備える!!」

「鞘まで丹精こめてくれてありがとう大好きだぜ!!」

「おやすみヘファイストス!!」

「ふふっおやすみヘスティア」

少し笑みを浮かべ、また集中し始める。

(まさかあのヘスティアがここまで粘って頼み込むなんて……)

(ベルのおかげで少し成長してきてるのかしらね)

ヘスティアはパーティが終わった後ヘファイストスのホームにずっと居たのである。

理由はベルのための専用武器をオータメイドするためであった。

この二日間ずっと土下座し、ヘファイストスに根勝ちしたのである。

鍛冶を司る神ヘファイストス直々に打ってもらい

駆け出しの冒険者に持たせる最高の一振りを作った。

神の力(アルカナム)を使えない体ではあるが

それでも世界最高峰の鍛冶師に変わりのないヘファイストスの作品は

世界を見渡して比べられることのない至高の作品のひとつである。

ヘスティアの血を含んだ漆黒のナイフ。

名は『ヘスティアナイフ』ヘスティア自らが命名した武器。

常に傍で戦い、守るために使われる武器

ともに戦えないヘスティアにとってナイフに名前をつけることは

ベルを守る願掛けと愛の誓いと思っている。

『ヘスティアナイフ』は神の血(イコル)を取り入れ

普通のナイフとは違いステータスが存在し、ベルが強くなればなるほど強くなる。

ベルとともに英雄に辿り着くための武器なのだ。

(ほんと愛されてるのねベル・クラネルは……)

「ふにゃ……ベルきゅんzzz」

鞘の作業も終わり刀身を鞘に納める。

「ヘスティアナイフ……」

手に持ちナイフを胸に寄せる

「どうか二人を守る助けになってあげてね」

自分の子の様に優しく撫で、願いを込め布にしまう。

「おやすみなさいヘスティア」

こうして友と共にベットに寝るのであった。

 

 

 

その頃もう一人の神がふて腐れていた。

「なんでや!なんであないチビがええんや!!」

グビグビとお酒を飲み干す貧乳神

「パクパクパクパク」

その横でしゅんとなりつつお持ち帰りしたじゃが丸くんをほうばる剣姫(けんき)

「帰ってきたと思ったら何があったんだい二人とも……」

少しため息をつくフィン。

「アイズまで落ちこむとはめずらしい」

その様子に気付きリヴェリアもやってくる。

「うーん…………」

ティオナが少し悩んだ後頭をかしげ

「フラれたから?」

「「!??」」

様々な戦場でイレギュラーに対面してきた二人だが

さすがの解答に驚きを隠せない

「ど、どうゆうことだいティオナ?」

「ア、アイズは男に告白してきたのか!?!?」

Lv6の強さでティオナを締め上げるリヴェリア

「く、くるしいよリヴェリア!?」

エルフは他の種族より貞操概念が強い。

さながらリヴェリアが受けた衝撃は、親戚の年の離れた従姉妹に実は未婚の自分より先に結婚された様なものだ。

リヴェリアはかなりの年齢ではあるが生まれが王族であり

しかも途中で冒険者になってしまったので

恋愛と言う恋愛はしたことがないのだ。

「リヴェリア落ち着いてくれ、君までおかしくなられたら僕が困る……」

「す、すまない」

落ち着きを取り戻しティオナを離す。

「こ、怖かったリヴェリア……」

ちらっとロキとアイズを見るフィン

「アイズはいつか通る道だとは思っていたけど、ロキもなのかい?」

「だれがぁフラれたやて!?」

「そんな鬼の形相で近寄らないでくれロキ」

酒瓶を持ちながら言い寄ってくる様はまさに飲んだくれだ。

「そ、そんな……ロキにまで先を越されるとは」

思わず膝をつきポカンとするリヴェリア

「だからリヴェリアしっかりしてくれ!?」

「べ、べつにうちはベルにフラれた訳ちゃうわ!!!」

「ベル?」

フィンは少し考えるそぶりした後

「もしかしてこの前酒場から出ていった子かい?」

「えぇ!なんでわかったのフィン!すごいね!」

「アイズが落ち込んでなかったらわからなかったよ」

アイズの方を見て少し内心納得するフィン

(酒場の時、あの子が出た後すぐに追いかけていたのはアイズだけだったからね)

「でもまさか告白するほどの関係だったとは僕も驚いたよ」

「うん?ロキはファミリアに勧誘しただけだよ?」

けろっと答えるティオナ

「「…………」」

「自室に戻る」

スッと立ち上がり早足で部屋に向かうリヴェリア

「リヴェ」

「間もなく、()は放たれる。」

「わ、わかった何も言わないから魔法はやめてくれリヴェリア」

耳を真っ赤にして立ち去るリヴェリア

「???私なにかまずいことしたのかなフィン???」

「気にしなくていいんだティオナ、むしろ忘れてくれ僕の身ために」

真顔で答えるフィン

「わかった?」

きょとんと分からずも答えるティオナであった。

 

「でもロキにしてはめずらしいぐらい悔しがってるね」

「ふんっ!!悔しくないわ!!負けたとも思ってへんわ!」

「ベル君がいるファミリアの神に因縁でもあるのかい?」

「こないな時まで観察力発揮せんでもええやろ!!」

「それが僕の得意分野だからね、こんなロキは滅多にないからさ」

少しからかいを含んだトーンで話す。

「そんなにいい人材だったのかい?」

スッと目線を細めるフィン

「……うちの勘がそう言ったんや」

「なるほどね、それは惜しい人材を手放したことになる」

うーんと考え出すフィン

「フィンもがっかりだよね!!ベルが居たら美味しいご飯も毎日食べれたのに!!」

「ごっくん…………じゃが丸くんも」

食べ終わったアイズも反応しはじめた。

「それは神が認めたじゃが丸くんのことかい?」

「そうだよー!あれベルが作ってたんだよ!」

「なるほどねアイズが落ち込むのもしょうがないね」

「後頭撫でたかった」

「確かにベルの髪もふもふしてて気持ちよかった!」

「私……撫でられなかった」

またも落ち込むアイズ

(うーん?これはじゃが丸君だけって訳でもないのかな?)

「確かにベルの髪はもふもふで最高やったわ!!」

「ん?ロキにしてはめずらしいね男の子を気に入るなんて」

「ベルはうちの中でも上位に食い込む可愛さや」

「しかも……」

(うちのこと可愛い言ってくれたし///)

「しかも?」

「な、なんでもないわ!」

(……まさかロキまでも?)

「ティオネから受けた報告だとその少年とベートが決闘するって聞いたのは間違いだったのかな?」

「いいやあってるで」

「いいのかいそれで?」

「決闘を申し込んだのはベルの方や」

「なるほどね……今回の件はあまり首を突っ込まないことにするよ」

「うちに任せとき!」

「でもあまり大怪我を負わせないように」

「大丈夫やって!ハンデもつけるし!」

ニシシと企むように笑う

「可愛いベルを痛めつけるのはうちも嬉しくわないからな」

そして急に冷徹な表情になるロキ

「話してて思い出したわ、フィンベートはどこや」

「……知らないと言ったらどうなる?」

「ベートの代わりにお仕置きを受けてもらう」

「ティオネの話だとそのままダンジョンに向かったと聞いた」

「アイズたん!ティオナ!ベートを今すぐここに連れてき!!!」

「うん」

「わかった!私もベートにムカついてたし!!」

そのままホームを後にする二人。

「フィン」

「なにかな?」

「なにぼさっとしてんねん」

「…………」

「はよいきや」

「…………何言っても無駄なようだね」

その後を追うようにフィンを出ていく。

「ふふふベート覚悟しや」

この後捕まったベートは三時間程主神部屋から「きゃん!?」と可愛らしい犬の鳴き声をホーム中に響かせた。

 

 




いやーベルは愛されてますね-w

次からやっとお祭り日ですね!

では次回も兎が織り成す英雄譚をお楽しみください

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