これが僕の英雄譚   作:猫と果実

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前回の「豊饒の女主人」からスタートです!

兎が織り成す英雄譚お楽しみください!


兎はじゃがいもが好きらしい

「今日は客足が少ないねおばちゃん」

「そうだね~昨日は完売するまで売れたのにねぇ~」

ヘスティアのバイト先は先日と異なり閑散としていた。

「うん?なんか聞こえるな……」

暇なヘスティアは耳を澄ましていると

『聞いたか!なんでもそれを食べると幸せになるらしいぜ!』

『えっ俺は、100個食べると願いが叶うとか聞いたぞ?』

『なんかとりあえずすごいんだな!』

『なくなる前に『豊饒の女主人』行こうぜ!!』

(あの子達はなにを話してるんだ??)

『兎印の…………』

(うん?兎印?後半は遠くて聞こえなかったな……)

(兎か……ベル君頑張ってるかな?)

何も知らない神は後々後悔する。

 

 

「ひいぃぃぃぃぃぃ!?」

「ベルさん!まだ兎印あがりませんか??」

「早くするニャ!!!」

現在、「豊饒の女主人」初の入場規制がかかり、行列が出来ている。 

『兎印のじゃが丸くん』の人気があまりにも在りすぎてパンク寸前だ。

しかも神々も食し、「「「この食べ物もはや神の力(アルカナム)」」」と声高らかに褒め称えたことにより、爆発的に人気がてでしまった。

1日限定に取りつかれたモンスター(お客)がところせましと迫ってくるのだ。

 

「ありがとうございました!」

最後の一個が売れる。

「本日の『兎印のじゃが丸くん』完売となります!!」

そこらかしこから怒号がとぶ

『散々待ったのに買えねぇのかよ!!』

『インチキ商売が!!』

ドンッ

「文句あるやつはアタシにいいな」

地面を踏みクレーターが出来る

「「「…………すみませんでした」」」

こうして無事に臨時コックは終了する。

 

「「「乾杯!!!」」」

乾杯が終わり、みんなで食事を始める。

「あ、あのミアお母さん……夜お店閉めても大丈夫なんですか?」

「なにいってんだいベル!今日の売り上げ見れば休みたくもなるさ!!」

そう今回『兎印のじゃが丸くん』のおかげで『豊饒の女主人』開店後最高売り上げを叩き出した。

「まぁ売り上げもあるけど、みんな一日で働き過ぎたってのもあるね」

「た、確かに……僕じゃが丸くん見たくないですもん……」

「ちょっとばかし無理させ過ぎたね」

楽しそうに酒を飲みながら笑うミアさん。

「ベルさん、今日はありがとうございました!」

「いえ、むしろ働かせてもらって楽しかったですよシルさん」

二人で雑談をしていると

「ベルがここを継いでくれたらアタシになんかあったとき、安心して引退出来るんだけどねぇ」

「どういう意味ですか?」

「なに、うちの娘の誰かと結婚してくれないかってことだよ!」

ミアお母さんが爆弾を放り込む。

「ミアお母さん!?」

なぜか僕が皆から視線を浴びる。

「おミャーはこの中なら誰選ぶニャ?」

その爆弾を爆破させる猫が居た。

「い、いや……僕なんかが皆さんみたいな美人で可愛くて素敵な方々と結婚なんて」

「「「美人?」」」

「「「可愛い?」」」

「「「素敵な人?」」」

「えっ?な、なんか皆さんに怖いですよ!?ぼ、僕変なこと言いました!?」

ミアさんは豪快に笑い

「このこら無駄に腕っぷしが強くて気が強いから男っけがなくて、反応に困っただけだよ」

「まぁベルはアタシの息子だから、アンタらからしたら弟ってことになるけどね」

「ベルさんが弟……あのベルさん?」

「ど、どうしましたシルさん?」

「私のこと一回でいいので、お姉ちゃんと呼んでくれませんか?」

「えっ」

「だめですか?」

(その上目使いやめて~!?)

皆が見守る中

「うぅ…………シルお姉ちゃん?'///」

「っ!?こ、これは破壊力あります……なにか買ってあげたくなるような……」

「いや!?それはだめですよ?!」

「ミャーのこと呼ぶニャ!!」

「ミャーのことも呼んでみてニャ!」

「…………アーニャお姉ちゃん、クロエお姉ちゃん///」

「「ミャ!?」」

「今後アーニャお姉ちゃんと呼ぶニャ」

「クロエお姉ちゃんも同じくニャ」

「えぇ!?」

「こら猫二匹ベルが困ってるでしょ」

「ルノアも呼ばれてみるニャ!」

「これは新しい快感ニャ、私達元裏組からすると天使みたいにみえるニャ」

「…………そ、そこまで言うなら一回だけ」

「えっ結局いうんですか!?」 

「私だけダメなの?」 

拳を握りながら言うルノアさん怖いです……

「…………ルノアお姉ちゃん'///」

「…………か、可愛い///」

「これは魔性ニャ!?」

わーわー騒ぎ出す皆さんに、なんだかんだいってほとんどの方をお姉ちゃん認定するベルであった。

 

しかしなぜかリューだけは頑なに断り続けた。

「別に減るもんじゃないニャ」

「しかし……こんな私が姉など……」

「リュー私とクロエも似たようなもんよ」

「そうニャ!」

「…………クラネルさんは私のことどう思いますか?」

「えっ!?リューさんのことをですか!?」

「はい」

「……えっと……すごく美人な方で、優しそうな瞳で、僕はこんなにもエルフの人は美しいんだなって思いました。」

 

シーン

 

「なっ///」

「今ニャ!!止めを刺すニャ!」

「えっ止め!?」

「あっ!…………僕はリューお姉ちゃんのこと好きです///」

「あっ///」

「ベルは究極の女たらしになりそうで心配だわ」

「えぇ!?」

こうして無事に皆の弟となり『豊饒の女主人』初の男従業員になりました。……って僕罪滅ぼし出来てるのかな……

 

『ベルよ攻略ルート確保さすがじゃ』

不意に頭に流れ込んだおじいちゃんの言葉に謎深まるばかりであった。




今回は短めの更新です!

次回からは日常は終わり冒険パート行きたいと思っております!

では兎が織り成す英雄譚次回もお楽しみに!

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