騎士王転生 え、違うの？ 作：プロトセイバー
我が名は、アーサー=ペンドラゴン。
嘘をつくな？ いやいや、本当のことだ。自分の事ながら、何故こうなったのかは分からない。現在、一歳であるが残念なことに、俺は中世ヨーロッパのような時代の世界にアーサー=ペンドラゴンとして転生してしまったようだ。
というよりも、母が俺をアーサー=ペンドラゴンと呼んだからそう思っているだけだ。まぁ、仕方がない。だって、何喋ってるか分からないんだから。英語は昔から苦手なんだ。
名前しか分からないのであれば、名前だけ同じである可能性もあるのだが、自分の髪が金髪で男であることに気が付いてからは、俺はプロトセイバーであると仮定して計画を立てている。確か、fateで見たプロトセイバーさんがそんな髪の色をしていたはずだから。名前と髪が一致とか怖すぎる。
いや、俺が一人っ子だったり農民の子ではなかったり、確かアーサー王の幼名がアーサーではなかったような気がする、などの相違点が多々あるが所詮可能性の話だ。もし、そうだったらどうしようというだけの話である。ただ、物事は出来るだけ最悪を考えて行動するべきだと思っているので、そう仮定して話を進めようと思う。
そう、仮に、仮にではあるが俺が本物であった場合、夢に現れる冠位魔術師によって教育を受けて、王になる運命にある。その際、魔竜や蛮族と戦わなければならなくなる。
いや、無理無理。魔竜とか人間にどうやって倒せと。それに、蛮族が恐ろしい。チート級の円卓騎士が十三人だったか？ ともかく、チート級の英雄が多数存在するブリテンを崩壊寸前まで追い込むとか、蛮族怖すぎるだろ。
つまり、何が言いたいのかというと、このままではヤバイということだ。俺がどれだけ拒絶しようとも、運命は俺を逃がさないだろう。それでも必死に抵抗？ 徒労に終わる可能性の高い消極的な努力をしたいのであれば、お好きにどうぞ。確かに、成功すればメリットはデカいが、失敗したときのデメリットもデカすぎる。だって、仮に運命から逃げきれなかった場合、ブリテン崩壊だしな。
と、まあグダグダと仮定の話を考えているわけではあるが、備えあれば患いなしという言葉がある。たとえ俺が騎士王アーサーではなかったとしても、騎士王の悲劇を乗り越えようとする努力は無駄にはならないはずだ。で、あるならば最悪を想定してその悲劇を乗り切れるようになろうというわけだ。
具体的には、ブリテン崩壊を防ごうというわけである。崩壊の原因は円卓の騎士の反逆や食糧難などと聞いた覚えがあるが、蛮族の侵攻や魔竜なども原因の一つだったように記憶している。fateをかじった程度の知識しか持っていないが、確かそんな感じであったはずだ。
つまり、崩壊の原因は食料と蛮族と魔竜ということである。騎士の反逆は、アーサー王に原因があったはずなので、俺が気を付ければいいだけだ。
で、この中で個人で対応出来そうなものが蛮族と魔竜だ。食料は農民に頑張ってもらわないとどうしようもない。
さて、蛮族と魔竜。これらに共通する点は二つ。一つ、ブリテンを脅かす敵であるということ。どちらもブリテンで好き勝手暴れていたはずなので、まず間違いない。そして、二つ。生物である。竜とは、幻想種の頂点だと言われていたような気もするが、それでも生物である。つまり、首を落とせば死ぬはずだ。蛮族も同様。ただ、あの世界には不死が結構な数存在したきもするので不安ではあるが、アーサー王は魔竜を倒していたはずなので、多分大丈夫だ。
ともかく、首を落とせば死ぬということは切れば死ぬのである。ならば、俺がそれらを易々と切れるようになれば、ブリテン崩壊も防げるのではないだろうか、と思ったわけだ。竜の首を落とすなど、尋常ではないがアーサー王の肉体スペックならできそうな気がする。
当然、今のまま成長してもそんなことは出来ないだろう。だから、首を落とせるくらいに強くなろうと思う。だって、死にたくないし。折角生まれ変わったのに、運命に翻弄されて死ぬとかマジ勘弁。
というわけで、自由に行動できるようになったら、徹底的に素振りをして剣の腕を鍛えようと思う。二度目の人生を生き残るために！ ついでに、剣からビーム出せるようになるたいなぁ。だって、カッコいいし。ああいうのは憧れる。
ところで、赤ちゃんの真似をしなければならないのはどうにかならないのだろうか。
剣からビームはロマン。
アーサー王伝説詳しくないので、違ったらすいません。