今回は大幅に遅れてしまいました。
どうもすみません。
では、
あれから季節は巡りもう冬も明けるだろうか、
結局、春になることはなく桜が見れなかったのが心残りだが地底には地底の花吹雪が見れるという。 つまりは引っ越す時がきたのだ。
「桜もそうだけど、雪はもう見れないのね。」
地底には所々溶岩だまりがあるらしいのでとても雪は降らないだろう、そもそも季節が在るのかも怪しい。
後ろから気配を感じる。あの嫌な視線を そして彼女を
「お迎えに上がりました、さとりさん。」
そうそう彼女、すなわち霊歌に会うのもこれが実質最後だ。
「大分早いですね。そんなにせっぱつまっているんですか。」
「いえいえ、単純にお茶したいだけですよ。まだ仕事じゃ有りません。
(それにこれで飲み納めだと思うととても····後で紫に教えてもらおう。)」
相変わらず能天気だ
「後で淹れかたお教えて上げますから、それに牛乳にも合うんですよ。」
「えっ お茶と牛乳を混ぜるんですか?(なにその生臭そうなものは、やっぱり人間と妖怪は相容れないのか、)」
「相変わらずひどい思い様ですね。そこに隔たりを感じないでください。」
「いや でもお茶に牛乳って(いやしかしこれがさとりとの最後のお茶になるはずだ
ここは笑顔で
「わかってますよね、私が心を読めるのを!いいですせっかくだから最後にお見舞いして上げましょう。そしてお茶じゃなくて"紅茶„です。」
「ハイヨロコンデイタダキマス。」
少女準備中~
「はい、淹れましたよ。そっちの小さいポットの中にミルクがあるのでお好きにして下さい。」
「あっはい。(自分で淹れるのかぁ)では、」
彼女はおそるおそるミルクを淹れていく。成る程言われるまで気づかなかったがお茶に牛乳を淹れるのはなかなかおかしなことだ。
そして意を決したのかカップを口にあてる。
「あっ おいしい。」
「でしょう。緑茶とはまた違った楽しみが出来るんです。他にもレモンなんか入れてもいけます。」
「へぇ、確かにこれは、なかなか。(家のお茶でもやってみようか)」
家のお茶とは緑茶のことだろう、味はともかく色が凄いことになると思うが。
「試してみてもいいんじゃないでしょうか。漬物とは合わないでしょうけど。
それで荷物の事何ですけど。全てまとめておいたのでそちらのてはずで頼みます。」
「ああ、解りました。今日は紫から隙間を借りてるので大丈夫です。すぐですよ。
それよりペットのことはどうなんですか? あとこいしちゃんも。」
「ペットのことは解りますがこいしのことですか? どういう意味でしょう。」
「言いにくいですが心が未熟と言ってたじゃないですか。さとりさんの管理する建物は地底の奥地、旧都を通らないといけません。
なので多くの妖怪たちの声を聞く事になります。」
「あぁそういう事ですか、それなら大丈夫です。こいしには寝てもらってます。」
「は、寝てる?(それにいったいどんな意味が、?)」
「あなたは寝ている時に景色が見れますか?音を鮮明に聞くことができますか?」
「ああ、そういうことか。(さすがに寝ている時にはなにも聴こえないのか。)」
「そういうことです。実際寝ている時は無意識ですから第三の目も閉じます。」
「そんなことが、(おもしろいな~)」
「そういうことです。では行きましょうか。」
「そうですね。もうそろそろ時間です。」
「お燐ー、準備は良いかしら?」
「さとり様ー、いつでも大丈夫ですよー。あっ巫女のお姉さん久しぶりです。」
がらがらと手押し車を押してお燐はこっちに来た。
「えっ、えーと久しぶりね。(何なんだ?なにを見せられてるんだ?)」
その手押し車のなかには私の妹がいた。
「けっこうあれ乗り心地がいいんですよ。」
「乗ったんですか?あれに、」
「死体を運搬するためのものですからね、結構体にしっくりくるものですよ。」
「あぁー、うーん。(なんというかちょいちょいずれてるんだよなー)」
「まぁいいです、これを実戦させるわけにはいきませんし。」
「あたしは全然かまわないんだけどなー。(おとなって運んだことないしけっこうたのしそう。)」
「遠慮しておきます。では、」
「ええよろしくお願いします。」
~少女移動中~
目の前には暗い、底知れない大穴があいている。何度か見たことがあったがやはり不気味だ。
しかも本当に地獄に続いているわけだし。
「いやー、くらいですねぇ。(今日からここでくらすのかぁ)」
「そうね、今日からここが· · · 霊歌さん。」
「どうかしましたか、」
「私たちと共に地獄の果てまでお供してくれますか。」
「··もちろんです。行きましょう、地獄に。」
私は穴へ一歩踏み出した、地獄への絶対的一方通行の道を、
私たちの安寧の地へと。