愛しい瞳   作:シーマイル

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今回は今までのに比べて長くなりました。
止め時が分からない、


8 醜悪な叫び

外には目映いばかりの光がふりそそぎ、周りの影をよりいっそう濃くする季節の中、

私こと古明地さとりはその中でもよりいっそう陰が濃くなる場所  すなわち自宅の中にひきこもっていた。

あの交渉から割りと日にちが過ぎたのだが、、、未だ連絡は来ず。晴読雨読の日々である。

こちらからは連絡できないので待つばかりなのだが。はぁ こいしが元気になったのは良いのだが、 

明るくなったと思った未来だが私の心に陰を作っていく

まだ来ないのかしr

「どうも~さとりさん久しぶりデース!!」

「うひゃっ!!」

突然の事だった。恐る恐る後ろを向くとあの仰々しい目玉の空間から上半身を伸ばした巫女がいた。

(へぇーこないだはけっこう落ち着いた雰囲気だったけどこれはこれは、、

可愛い一面もあるものですねぇ。(^_^))

「······またあなたですか、相も変わらず失礼ですね

(あれはあの妖怪の能力?というか表情が読み取れるほど強い感情ね。)」

「ええ失礼ながらこのような訪問をさせていただきました。地底には負けても山は一筋縄ではいきませんから

(それにあの顔が見れただけ良しとしましょう。)」

「私は良くないのですが、、それでどのようなご用件でしょうか?」

「あぁそのことなのですが、あなたの提示した条件の一つ屋敷の建設が通りました。鬼が手を貸してくれることとなりました。」

あの異様な空間から巫女が這い出してくる。正直かなり気味が悪い、

なんだろう 軟体動物に通ずるものがある。

「えーと、鬼が手を貸してくれると?つまり鬼が建てるんですか?」

「はいそうですよ。鬼には乱暴でがさつなイメージがあると思いますが

 妖怪の中で建設において右にでるものは居ません。

(やっぱり隙間は大部気味が悪いんだろうな。あの表情を見るのは何度目だろう。

隙間の数ほどはある気がする。)」

まぁそれだけでなく会話と心の声の完全な不一致も今までにない感覚で気味悪いのだが。

「それはどうもありがとうございます。それでどのくらいに完成する予定なのでしょうか?」

「その前に確かめたいことが有ります。(そんなことしなくて良いと思うんだけどなぁ。)」

「それは何でしょうか?」

「あなたがどのくらい怨霊を鎮めることが出来るのかということです。」

「いや、そのことはあなたたちが持ちかけて来た事でしょう。ならこの能力については知っているはずです。」

「能力にも個人差が有ります。あなたの妹の能力が強い様に、だからどの程度なのかを計りたいのです。

 よろしいでしょうか?(はぁこんな挑発する様なことばかり言って、)」

どうやら私を舐めているようだ。これまでどんな心を読んできたのか想像もついてないのだろう。

「解りました、やってやりましょう。 どうしたら認められるのでしょうか?」

「簡単です、ここに数匹怨霊を呼びますので見事撃退してください。」

「解りました、でも場所は変えてくれません?」

「何か不都合でも?(そもそも人ん家に怨霊を送ること自体おかしいと思うのだが。)」

もっとも、そのとうりなのだが別に理由がある。

「この家にはこいしも居ます。なので怨霊を呼ぶのはやめてもらいたいのですが。

 怨霊は声がよく通るので壁際でも聞こえてしまいます。」 

「· · · · ·なるほど、どの程度離れたら良いのでしょうか。」

「··そうですね、少し移動しましょうか。歩きましょう。」

 

少女移動中·····

「さて、この位でいいです。初めましょうか。あなたは結界を張るなりなんなりして身を守ってください。

 万が一でもあったらいけません。」

「大丈夫です、さあいきましょう。」

掛け声と共にあの空間が広がる、それと同時に悲痛なまでの叫び声が響く。

「来ましたか。」

ソコには5匹の怨霊がいた、

(skkrlつちつすすrむrqqkらむれむよふふrqkksmkqpkpcjkkqkklrぁぁぁぁぁあああAAAAぁぁぁAあA)

意味の無い叫びを発しながらも微かな希望を、依代となるものを求めるものがあった。

生に対する執着もここまで来ると醜い、

その叫びは自らの絶望の念を吐き出す様で、

「·とり···ぶない·····」

あぁ声が五月蝿すぎて肉声が聞こえずらい。さながら虫の羽音だ、

「大丈夫ですよ、さっさと終わらせますから。」

覚には心を読む以外にももう一つ能力がある 私がもつイメージを流し込めるのだ。

そのイメージは相手の中では事実となり直接精神を抉る。

今回奴らに使うのは"死"のイメージ

 

もう一度奴らに死の事実を

 

あっという間だった。 奴らは最後に雄叫びを上げ消滅した、 

命は花の様であるというやつがいるがそんなのは一握りしか居ない。悟った僧でさえ死の間際に道を外す者もいる、放置された花瓶の様に変色し、腐り、やがて水と混ざりあいながら何がなんだかわからなくなるのだ。

「如何ですか?」

「予想以上に素晴らしいものでした、まさか消滅させるとは。これなら安心して任せることが出来ます。」

「それは良かったです。 それでは、」

「待ってください。」

「まだなにか?」

「あの、屋敷のことなんですが間取りとかきめてませんよね!!」

「ああ そういえば、」

「なので決めましょう、鬼の皆さんも最善を尽くすと言っているのでじっくり決めていきましょう。

(それにペットたちとも触れ合いたいし。)」

···この人は、この巫女は 本当にもう、たった二回しかあって無いのに。

「ふふっ、いいですよ。それでは家に戻りましょうか。冷えた紅茶もありますし、

 間取りとかを決めるのならこいしも参加しないと。」

「妹さんですか、いやーいつ会えるかなと楽しみにしてたんですよ。」

強い光は濃い影を作るが照らす場所も多い。

私の心の影にも光が差し込んだようだ。


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