愛しい瞳   作:シーマイル

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4 お燐と巫女と私と

「それは、妹さんは協力していただけないということですか?」

「はい妹は、こいしには任せられない、いやできないのです。」

「理由を納得できるものを説明していただけませんか。私は"あなたたち„に任せるつもりだったのですが。」

「それはこいしに任せるには心が幼いからです。それゆえに歯止めがかからず心の深部まで読み取ってしまうのです。」

相手はとまどったような解らないという顔をしている

「なぜそれが"できない„理由になるのでしょうか?力が強い方がこちらとしては良いのですが。」

「力が強いのではありません。歯止めがきかないのです。だからそれは私たちにも見たくないものを見せる。

トラウマの映像ならまだしも心理的な無意識のようなところまでいくとさすがに私たちにもダメージがあります。」

「つまり覚として未熟だからできないということですか。」

「言ってしまえばそうです。そのまま見続けてしまえば心は壊れる 深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのです。」

「そうですか。しかし困りました、監視するものが一人とは、」

「大丈夫ですよ。私一人でも巡回したり封印したりすれば勤まるでしょう。それにペットたちが身の回りの世話をしてくれますし。」

「えっ、ペットがですか!むしろそっちの世話で忙しいんじゃ?」

「いつ私が忙しいと言いましたか。それにあなた、妖怪化しかけてると思ったじゃないですか。」

「でも所詮ペットだし身の回りの世話までは、」

「正確に言うと"しかけてる„じゃなくて"してるん„です。」

「ということは人型をとっいるんですか?」

「はいそうですね、(ものすごく見たそうな顔してるなぁ、そんな珍しいものじゃないだろうに)お燐~」

にゃ~ん? 屋根裏から一匹の猫が降りてくる

(あっこの子玄関前にいた)

そこには普通の大きさとあまり変わらないものの、二つに別れた尾をゆらし赤みのかかった黒猫がいた

(どうしたんですかさとりさま?来客中はおとなしくしてろっていうのに)

「まさにそのお客さんがあなたを見たいって言っているのよ。ほら人型をとりなさい。」

にゃー! お燐を中心に少し煙がでる。

「どうもはじめまして、あたしは火焔猫 燐って言います、お燐ってよんでくださいね。」

そこには私より少し年上の見た目をした赤目赤髪の猫耳少女がいた。

(変身も驚いたけど耳が二対ある、)

「よろしく、お燐?猫又もここまでくると人型になれるのね~。」

「猫又ではありませんよ。」

「そうさ、あたしは死体を運ぶ火車さ。」

「火車って、あぁたしかに猫からなるものもいましたね。

 けど確か火車は地獄のものではありませんでしたか?」

「ええそうですが彼女は猫のころから死体好きで趣味みたいなもので、まぁもぐりの火車とでもいいますか。」

「それはひどいってさとりさま、火もあやつれるし死体のにおいもおえるし、」

「実はその子割りと危険なんじゃ。」

「大丈夫だって、あたしがきょうみがあるのはあくまで死体だし自分から死体作ろうとは思わないし。」

「どうやらが彼女自分の趣味にはこだわりが有るようでたとえ私が送ったものでも受け取らずいわゆる

 "天然モノ„を自分で探したいらしいのです。」

「天然モノって、」

「だって無傷なものって珍しいんだよ。だいたいががいしょうのあるやつでないんだから。

 まぁきずのつきかたのコレクションをするのもいいけど。」

「わかりました! この子がむやみに人を殺さないのはわかりましたから話をもどしましょう。」

(わかっちゃいたけど堂々と妖怪らしい話をされるのもなぁー)

「さとりさま、話ってなんですか?」

「ちょっとお引っ越しをすることになるかもしれないからね、地底に。」

「え~と 地底っていうと?」

「後から追々話すから、もう下がっていいわよ。」

「(ええ~ 呼んどいてそれー)·····わかりました、しつれいします。」

「······あのように人型をとれるものも居ますので人員は大丈夫です。それに彼女は一応火車ですので耐性もあり ます。」

「······分かりました、良いでしょう。とりあえずあなたの条件をのみます。しかしあなただけで不十分だった  ら、妹のこいしさんにも手伝えるよう鍛えてあげてください。それでもだめなら、

 後がまを探します。分かりましたか?」

「ええ 全力を尽くすつもりです。」

「期待していますよ?ではまた。」

(また来よう、そしてもふろう。)

そう言うと"隙間„と呼ばれるであろうものが現れた。かなり気持ち悪い、覚の私が見透かされそうな眼が大量についた空間が開き霊歌を包んでいった。

それにしても地底か、私とこいしにどんなものをみせてくれるのだろうか。

それにしても

 

 

 

 

動物好きだったな、あの巫女さん。


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