愛しい瞳   作:シーマイル

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2ヶ月ほど間があいてしまいすみませんでした。
言い訳としては試験があったり課題が終わらなかったり。
····新しいデッキを組んだり。
もうそろそろ不定期更新のタグを付けようかと思います。
それでも読んで下さる方、ありがとうございます。

では、どうぞ。


12 会合、思惑

「ほう、あの烏どもを従えおったか。」

「そのくらいの統率力な無くては任せることなど出来んだろう、

 実際、あれを管理させるにはあいつらが必要なはずだ。」

遠目から灼熱地獄跡地、すなわちあの覚妖怪がいるであろう怨霊の管理施設· 

地霊殿と名付けられたそれを見下ろす影があった。

「確かにな。旧都での烏騒ぎもなくなるし怨霊も任せるものが出来た。

 後は、· · ·」

「あやつらの態度次第だ。

 わしらももう年だからなぁ、うまくゆくと良いのだが。」

「大丈夫じゃろう。勇義は面倒見のいい、真っ直ぐなやつだ。

 此でようやく隠居が出来るわい。」

「そうだな、後はあいつに託すか。」

満足そうに会話を終えたその妖怪たちは、どこへともなく行くのだった。

「さぁ、無事に完成したことだし一杯いくかぁ。」

「そうじゃな。死ぬまでこれは止められんなぁ。」

「なにを、もう死ぬほど呑んでおるだろうに。」

わっはっはっは

 

旧都の住人に下戸はいないらしい。

 

 

さとりside

あれから、お空にお燐と会わせてみたのだが

「へぇー、あんた猫のようかいじゃないのかぁー。」

「そうだよ。これでも火車っていってね、したい選びにはじしんがるから。

 こんどいいのがあったらもっていくよ。」

「それたすかるなぁ。みんなくいしんぼうだらね。」

どうやらかなり意気投合したらしい。ずっと話こんでいる。

そしてうちの妹といえば

「思ってたよりずっといるねぇ。千羽くらいいるんじゃないかなぁ、

ねぇ好きな子選んでいいでしょ?」

「いいけどまず一羽だけよ。さすがにこれだけ多いと手に余るわ。」

「えぇー、こんなにいっぱいいるじゃん。一羽も百羽も変わらないって。」

「そう言われるこころあたりはないのかしら? 

 いつだっけ?わざわざ貴女に鳩を飼わせたことがあったのだけれど。」

「あっ あれはむこうが勝手に逃げちゃって、それで、」

「そう成らない為の伝書鳩だったのだけれど。どうして帰って来なくなったんだか。」

「うぐっ、うぅーん」

余程効いたのか、怒りや困惑に申し訳なさそうな感情が入り交じり表情ににじみ出ている。

· · · ·そんなこいしも可愛いのだが苛めるのもこれくらいにしておこう。

「ちょっとお姉ちゃん、ひどくない!!」

「ごめんなさいね、こいし。貴女はどう足掻いても私の妹なの。」

「そういう事じゃなくて。」

「まぁ、まずは一羽からよ。完全に手懐けれたらまた考えるわ。」

「····わかったよ。私と一羽でギャフンと言わせてやるんだから。」

どうやら納得してくれたらしい。

しかし、あぁは言ったもののどうしようか。まだまだすべきことがある。

引っ越しは忙しかったが····はぁ、どうするべきか。

悩んでいると、こちらに近づいてくる意識がある。

「おぉー、黒いのがいなくなってるなぁー。そういや今日だっけ?」

「何すっとぼけてんだ、散々噂になってんだろう。」

「それもそうさね。とりあえず、」

その鬼はこちらに視線を向けた。

心を読まなくともその体からは軽く、推し測るような威圧感がにじみ出ている。

「私の名は星熊 勇義、あんたたちを歓迎しにきた。

 それで、偉い大所帯だがどいつがさとりなんだ?」

なんだろう、思ったことをそのまま口にしているのか。

前みたいな心と会話の不自然さはない。

「覚妖怪なら二名ほどいますが、"さとり"でしたら私のことです。」

「あぁそうかい、あんたが隙間の言ってた。すまないね本当は入口で迎えるはずだったんだが、」

「つい先ほどまで館の完成を祝っていたと、」

「話が早くてたすかるよ。まぁそう言うことだ。

 地獄に来てくれたことを感謝する、もうそろそろ手の施しようが無くなってきたところだ。」

「····思ったより素直なんですね。」

「もっと傲慢なイメージでもあったかい?」

「まぁ、そんなところです。」

「地獄にいるのは鬼だけじゃないよ、それにあんたたちのことを快く思ってない奴も多いからね。

 ···横のこいつとかね。」

「悪かったな! そう簡単によそ者を受け入れられるかよ。」

「···あなたの場合はそれだけじゃないでしょう。オオビさん。」

「まぁ自己紹介くらいさせてやってくれ。」

「嗚呼、調子狂うなぁ。 そうだよ、俺の名前はオオビってんだ。

 正直あんたたちのことは毛嫌いしてる。覚は録な奴がいないからな!」

「その様ですね。本当に嫌な思い出しかないようで。

秘密が多すぎるんじゃありませんか?」

「そうだよ、そうやって分かったふりしてよ。

ムカつくんだよ。」

「それは違いますよ。だって実際知っているんですから。」

「っつ、それを止めろってんだ。」

「まぁまぁ、とりあえず落ち着きな。話したいことは色々とあるんだ。

 さとり ついてきてくれるな。」

確かにここで言い争っても仕方がない。あちらのほうはまだ言いたい事があるようだが。

···というか私相手に激昂したって攻撃材料にされるだけなんですけどね。

「分かりましたよ。ついて行きましょう。こいしちょっと待っててね。」

「あいや、そっちの方にもついてきて貰いたいんだが。」

「····私だけではだめですか、実際管理するのは私ですし。」

「勘違いしてるようだが、あんたたちの管理能力を見せて貰いたいわけじゃない。

 これは地底の旧都の住人として受け入れて貰うためのあいさつだ。

 だからとりあえず全員に来てもらう算段だったが、」

「生憎先ほど家族がかなり増えましてね。」

「そうなんだよな、 うーん。お

 おいそこの烏。」

「そこのってどこのこのこと~?」

うつほが答える

「お前だお前、ちょっと私についてきて貰っていいか?」

「···こんどはなにするき?」

「そこの飼い主と一緒に来てもらってな、

 まぁさとりに飼われて貰うんならもう追い出したり色々しないから。」

「わかったよ。さとりさまが一緒ならいい。」

「というわけだ。どうかねさとり?」

「····こいし、」

「大丈夫だって。一人にされるわけじゃ無いんでしょ?

 なら大丈夫だよ。」

「··分かりました。では行きましょう。」

「あのー、これ私も行くんでしょうか?」

「あんた八雲の使いだろ?当たりまえだろ。」

「はぁ、まぁ私の役目は護衛ですからね。行きましょう。」

こうして引っ越し早々新しいペットはでき、御近所に挨拶しに行くことになった。

   早く休みたい。  絶対挨拶じゃ終わらないし。




はい、ついに勇義とさとりが出会いました。ここまで長かったです。
あとオオビについてですが名ありのオリキャラはこれで最後だと思います。
····なんかこう、心のどろどろした感じを出すのが難しいです。

では、また

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