1ヶ月に一回位が限界のようです、
それでは
私たちは堕ちていく。暗い底へ。
上を見ればさっきまでは針穴程度の光があったのだがそれさえも見えなくなった。
少々寒かったのだが、逆に今度は暑くなってきた。下の方からも明かりが見える。
全く一本道なのにどれほど四苦八苦しなければならないのだろうか?
「ちょーっと待ちな、お姉さんたち。」
唐突に呼び止められた。声の方向を向くとそこには紐にぶら下がりながら見上げている少女がいた。
「ここからは地底、人間がいていいような所じゃない、それを解って· · ··うん?(手前の人は人間だけどよく見たら奥の方のは妖怪じゃないか。)
と言うことは、」
「そうです。私がこの怨霊を鎮めることになりました、古明地さとりと申します。
そしてこちらが護衛をしていただいている博麗の巫女です。あとこっちが、」
「火車のお燐だよっ おねーさんよろしくね。」
「あぁあんたたちが隙間の言ってた、(あれが悟か、思ったより幼いんだなぁ。でもこれじゃ食べる訳にはいかないねぇ。)」
出会い頭、いきなり物騒なことを考えているものだ。それに隙間とは八雲紫のことだろう。
「そうです。それで合っていますよ土蜘蛛さん。」
「ははっ読心術はお手のものってことかい、(なるほどこれは悟だ。あの目玉は飾りじゃなかったか。)」
「別に、貴女のその体制はどう見ても蜘蛛でしょう。そういう風に考えれば考えるほど嵌まっていきますよ。
黒谷ヤマメさん。名前のある妖怪なんですね。」
「····はいはい、わかったよ別に取って食やしないさ。 とありえずあんたのお屋敷まで案内するよ。」
「·····思ったより素直なんですね。 もっと激励されるのかと、」
「まぁ別に嫌いなやつは嫌いさ、この地底でもね。けどここにいるやつは大体一筋縄じゃいかないしねぇ。
あんたのことはこれからさ。」
「本心のようですね。 では私たち姉妹共々よろしくお願いいたします。」
「 ちょっとまて、あんた姉妹がいるのかい?(いやいや聞き間違いだろう、どこにもいないし。)」
「聞いていないんですか? ほらお燐のもってる手押し車に、」
ヤマメさんはお燐のほうを向くとそのまま固まってしまった、
しかしその動作とは裏腹に心の中はかなり騒がしい。
「(いやいやいやいや、ただでさえ兄弟姉妹のいるやつは限られてるのに悟の姉妹だって!
こいつはかなり珍しい。でも、)····本当に姉妹なのかい?」
「本当ですよ。正真正銘私たちは血の分けた姉妹です。」
「そんなに珍しいですかね?妖怪の血縁って、」
「いやー、そりゃそうだよ。 一部除いてもあんまり二人目を作るやつはいないよ。」
「· · ·本当に私たちのこと伝わってます?」
「伝わってるのは伝わってるだろう、私は噂で少し聞いただけだから、
おっと もうすぐ着くぞ、あの橋が見えるだろう。おーいパルスィー。」
彼女の言ったとうり目の前にはそれなりに大きな橋がある、
古びてはいるもののどっしりと構えたその柱は鬼たちの手によるものだろうか?
というか川があるのか、 そしてその橋の上には少しばかり日本の雰囲気とは違った女性がいた。
「どうしたのよ、ヤマメ。いつもよりテンションが高いようだけど。
良いことでも有ったのかしら妬ましい。(全くなんだってのよ人が黄昏ている時にこえなんか掛けてきて、それもなんか後ろに変なのがいるし、あれが原因かしら、あぁただでさえ騒がしいってのにまたどうして······)」
どうやら歓迎されてないらしい
「いやー最近噂になってたじゃないか。地上のほうから新顔が来るって。
で、私の後ろにいるのがそう。」
「はじめまして。古明地さとりと言います。そして、」
「さとり様のペットの火炎猫燐だよー お燐ってよんでね。」
「私は博麗霊歌と言います。」
「ふーん、あなたたちが怨霊を鎮めるためにきた。(大所帯かと思ったらそうでも無いのね。)」
「だってさー、あともう一人姉妹がいるんだって。」
「知ってるわよ。さしずめそこで呑気に寝てる奴でしょう。」
「あぁパルスィは知ってたのか、教えてくれれば良かったじゃないか。」
「別にいいでしょう。それにそんな関わるつもりもないし。
あぁそういえば。」
一瞬彼女の思考から映像が見えた。····それが本当だとすると、
「どしたの?」
「いえ、あのことをいったのかと思って。」
そして思い出したのだろう、ヤマメの顔が曇っていく、
「あぁ、あれかぁ··· ごめんさとり、言うの忘れてた。 もう分かってるんだろうけど。」
どうやら本当らしい、
「えぇ分かりましたが、 それならそうとなぜあの人は言ってくれなかったのでしょうか。はぁ、」
「どうしたんですか?さとり様?」
「いや、良いのよお燐。とにかく案内して下さいそうでないと判断出来ません。」
「わかったよ、すまないね。」
~少女移動中~
さて、遂に我が家となる場所に着いたのだが、
成る程 ちゃんと私の希望をくんでくれたらしい
とても鬼が作ったとは思えないほど繊細でなおかつ重みのある石細工が彫られた見事な洋館がそこには建っていた
しかしそこには大きな影がさしている。
いくらここが地底だといってもあきらかに沈んでいる。
そしてその理由は上を見上げれば解った。
「うわぁ、(地上でもこんなものは、、)」
「これは、、、たしかそうかんって言うんだっけ?」
そこには大きな渦を描きながら旋回し、
この世の終わりかと思うくらいの不吉さを纏って、
何千何万羽という赤い目をした烏、地獄烏が天井を黒く染め上げていた。
今年も残すことあと僅かとなりました。
そして東方三月精の発売までついに1ヶ月をきりました。
リアルタイムで読めないのでとても楽しみです。
では、