あの娘は実はエロゲー女子?
~桂花の場合~
「…あ~っもう、何だって私がこんな男しか喜ばない所を掃除しなきゃならないのよ?!
しかも何?この年齢的にあり得ないプロポーション、現実でこんなのいたら特異体質とか突然変異を疑うわよ。
全く、私に対する当て付けかっての…」
文句を言いつつもしっかりと商品陳列や整理、掃除をこなしていく桂花。
時折エロゲーあるあるネタや、女性キャラと自分を比べてひがんだりするが、仕事はきちんとしている。
それをすぐそばで見ていた軽度のオタクAは…
『この店員さん、格好(猫耳フード付パーカー)似合ってるな~。でも文句言いながらって勤務態度面で大丈夫なんかね?
キャラ作りならいいかもだけど。ツンデレっぽくて』
しばらくして、彼女はハ行のメーカーコーナーである作品を目にして立ち止まり、手にとって凝視する。
『な、何これ?これって、私?猫耳フードって所を抜いたとしても、どう見ても私よね。
どう言うこと、エロゲーなんかここでしか見ることしか関わりのなかった私がいつの間にかモデルにされてたとでも言うの?
それに…これ以外のキャラも、どこかで…』
真・恋姫†無双を食い入るように見ている桂花を見ていた重度のオタク(恋姫全シリーズ既制覇)な男性店員Bは…
「若文(わかふみ)さ~ん、手止まってるよ?」
『容姿といい性格といい名前といい恋姫の桂花そっくりだよな~。むしろ本人だって言われても納得できる!も~桂花たん萌へ~!!』
心の声は表に出さず、察せられることもなく声をかけた。
やっとのことで気付き仕事を再開するが、その日はずっと上の空だった。
そして仕事が終わってから、バイト先の店に自分で売り上げ貢献するのもなんだかと思い、帰り道にあるアダルト向けも取り扱っているゲームショップに立ち寄り、一直線に18三角の暖簾をくぐって目的の商品を手に取りレジに持っていった。
「すいません、これお願いします」
桂花が入店してから会計までをたまたま見ていた若干腐ってる女性店員Cは…
「ありがとうございます、通常版中古価格となりますので3000円です」
『は、早い!?早いだけじゃなく迷いもなかった…てことは、下調べを十分にしていたということ。
エロゲーにここまでするってことは…なるほど、生粋のエロゲーマーってことね。
買い物も速攻で終わらせれば変な視線を向けられることもなくなる…やるわねエロゲー女子』
そう思われていた。
無事に買い終えたことに安心した桂花だったが、落ち着いたところで行動を振り返り、自分が何人かの人から向けられた微妙な視線の意味、エロゲーを食い入るように見て迷いなく買っていたことでエロゲー女子と思われていたのではという結論に至り、思わず奇声をあげるのだった。
~華雄の場合~
真・恋姫†無双のことを教わり、買いに来た華雄を見てたまたまシフトに入っていた男性店員B は…
「これを」
『はぁ~、まさかアダルトゲームだったとは…』
「ありがとうございます。初回版の中古品で5000円です」
『桂花たんの次は華雄さん!?これは、言うしかないな…カユ、うま…ゲーム違った』
仕事柄、エロゲーへの理解は多少あったのであまり気にすることはなかったが、微妙な視線を向けられていることには気づいていた。
真・恋姫†無双をプレイしてみて
~桂花の場合~
魏:「か、かりんざまーーー!?」
かつての主人の心情を思い共感し号泣。
蜀:「…手、出しすぎでしょう。いくらなんでもこんな幼女にまでとか…やっぱり何処に行っても種馬だったってことね!!
まぁ、ある意味予想通りかしらね。季衣や琉流にも手出してたし…」
呉:「な、何よ…最後に出てきた化け物は…」
作中色々思ったことはあったが、最後にうっすらと出てきた化け物こと卑弥呼に全部吹っ飛ばされた…
漢:「ぶ、ブラウザバック…はゲームだからない!?なら戻るコマンド…台詞履歴が戻るだけで画像が変わらないから画面一杯にずっと化け物が居続けることに!?
もう…早く終わってぇ~…」
一応完全にクリアしようとするが、二人の化け物の存在があまりにも大きすぎて、既読のみでなく全文スキップを実行。
~華雄の場合~
「う~む…私のキャラの出番が少ないな。まぁ、性格を考えれば仕方がないか?
当時のことを考えても問題にしかならない猪突猛進ぶりだったからなぁ…」
自分が去った後の月達のことを知ることが出来て安堵した後、総合的に出番が少なかったことと一人だけ真名がなかったことに若干落胆。
以上、おまけでした。
感情が出やすい桂花に対して華雄が冷めてない?て思うかもだけど、武人気質な性格により色々耐性というか色々受け入れられるからです。