試験が!!試験が!!
あばばああああ
まあ、元気にやっとります
注意
本話では一部残虐なワードが含まれております
また、マリオワールド系ではマリオを待ち受ける形式なのにマリオストーリー系ではキノコ王国にクッパが攻め込んでいるため統合が困難になりました
結果 ごちゃ混ぜになりました
それでも良ければ
どぞ
マリオ侵攻の報から一月ほどが経過した。
【砂の国】
キノコ王国から一つステージを挟んだ国。その国の海岸線では、多くのクッパ軍団に所属する兵士達が忙しそうに働いていた。
チョロプーが塹壕を掘り、
その土をクリボー達が運び出し、
後ろではノコノコ達が木製のトゲや櫓を組み立てる。
海岸線は完全な要塞線へと変貌しており、マリオをここで食い止めるという意気込みがひしひしと感じられた。
マリオは孤軍である。
攻め込んでくるのは軍ではなく個――。そのために防衛線を構築しても一点で突破されれば防衛線は無意味になる。
たとえ後方を遮断しても補給という概念は奴に存在しない。
(ちなみにマリオにアイテムを供給するキノピオハウスは開戦直後に襲撃しており、ここではマリオ個人の食料等を指す)
かといって、マリオの後を追って軍勢を動かすとなれば奴の侵攻速度と突破力に対応できず、軍の再編成もままならない。
結果的に散兵のみがマリオと接敵するという悪循環に陥っていた。
だが、数回の戦闘とステージの陥落を通して奴の弱点が判明した。
マリオは復活していない。
仮にマリオを撃ち取ったとしても、しばらくすれば奴は再度侵攻してくる(ゾンビアタックに近いものだな)。だがその場では復活せず、死亡地点から数キロ離れた所に現れる。
そう、空間から奴がいきなり出てきたのだ。
肉片からの再構成ではなく、あたかもその場にいたかのようにいきなり出現した。
初めにそれを目撃したパタパタは、瞬きした瞬間そこにいたと証言している。
「な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何を見たのかわからなかった…。頭がどうにかなりそうだった…。催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。」
これによって、奴の無限復活のからくりの一端がカメックの学者達によって予測された。結論は魔法による空間跳躍。つまりはワープである。
マリオは致命的なダメージを負う瞬間に飛び上がり、別の空間へと侵入し安全な場所に出現して再度侵攻を繰り返すのではないかという仮説が提唱された。
そして、一つ実験が行われた。
マリオが侵攻している間に、奴の出現するエリアに大小の障害物を設置した。
もし仮にワープを行っているとすれば、ワープ地点に予測できない障害がある場合何らかのトラブルが起こるのではないか?という趣旨である。
(要するに石の中にいる状態の誘発)
結果から述べると、奴の出現地点がさらに遠くへとずれた。
これはマリオの空間跳躍説を裏付けると共に、新たな疑問を生み出した。
「「「奴はどうやって障害物に気づいたんだ?」」」
奴の出現の方法とその法則は未だに謎に包まれており、今回の事象はマリオ攻略の起点になり得る出来事であった。
マリオは不死身ではない。
その可能性が得られただけでも、今までの戦闘に意義が得られたのだ。
また、マリオは遠くまで飛べないし泳げない。
帽子に羽を生やして空を飛んだり、水中でコインを取ると体内の酸素分圧が回復するという意味のわからん生態を持つ奴だが、その反面長距離の移動は苦手ということがわかった 。
その反面長距離の移動は苦手ということがわかった
これにより、ゲーム上の疑問の一つが解決した。
「なぜ、クッパは城を建てたのか?」
各ワールドにある城。
城とは防衛拠点としての能力はもちろんだが、兵士を収容して軍を維持し、そして砦周辺の領土の内政を行う拠点という側面を持つ。
だが、中身はほぼ罠やマグマだらけであり、とてもではないが拠点として機能しているとは思えない。
それが不可解であったが、城がすべてワールドの端。なおかつ次のワールドへの最短距離の地点に築城されていた事に気づいた時、これらの城が対マリオとしては実に合理的であると震撼した。
クッパは奴の侵入経路を見極めて必ず通らなくてはならない場所に軍ではなく、トラップだらけの要害を建てて奴に備えていたのだ。
これらの情報から奴に有効な戦略が考えられた。
前ワールドから一番近い海岸線に要塞線を設置し迎撃。
これが今のところ奴に一番刺さる戦略であった。
「マリオだ!マリオが来たぞ!」
空中で警戒にあたっていたパタパタが大声で叫ぶ。
号令があたりに響き、バタバタと兵士達が砲台や塹壕の配置につき固唾を飲んで待機する。
砂浜の向こう、飛沫をあげる波間にそれは見えた。
「パターン・ホワイト!ファイヤーマリオです!!」
同時に敵の情報が全軍に伝えられる。
「来るぞぉぉぉ!!!」
その言葉の直後だった。
彼らが潜んでいた塹壕に高熱の火の玉が飛来し、圧倒的な熱量でその場に居たものを消し炭へと変える。
【Here we go!!】
「うあああああああああっ!!」
マリオはジャンプやスライドを繰り返しながら変則的に動き、ノコノコやクリボー達が隠れていたトーチカにファイアボールを投げ込んでいく。
直撃を免れた幾人かが全身火だるまになって飛びだし、火を消そうともんどりがえるが、やがて真っ黒になり動かなくなる。
【Yahoo!!!】
そのままの勢いでマリオは脅威的なジャンプ力で次の塹壕へと飛び込んでいく。
「貴様あああっ!!」
「よくも仲間をやったグベ……ッ」
塹壕の中に飛び込んできたマリオを倒すべくノコノコが飛びかかるが、それをマリオは躊躇なく頭から踏みつける。
そして
そして、あろうことかノコノコを敵の集団へと尋常ならざる脚力で蹴りこんだ。
強烈な速度で蹴り出されたノコノコは、皮肉にも彼の仲間を引き潰し、塹壕には無事な者はおらず誰もがうめき声をあげる。
その中をマリオは悠々と歩く。
「なんなんだよ!お前!いったいなんなんだ!!」
まだ無事な者が震えながらそう叫ぶ。
【It's me Mario!】
そういってマリオは走り出す。
「第一防衛ライン突破されました!」
「こちら被害甚大!」
「第二防衛ラインにマリオが侵入!」
「撃てーー!撃って撃ちまくれーー!!」
塹壕地帯から飛び出して来たマリオを待ち受けていたのはキラーの雨であった。
塹壕の出口に向かって十二門もの砲台からキラーが発射される。
マリオは断続的に撃たれるキラーに少し思案した後に飛び出す。
【Yahoo!!!】
さすがのマリオと言えど、キラーの雨を走り抜けることはできずにキラーの内の一本が命中するが、それを無視して疾走する。
キラーをかわし、キラーを踏みつけて、やがて砲台へと到達する。
「「「「この化け物がぁぁぁ!!!」」」」
キラーの周囲にいた兵士達が果敢に立ち向かう。
数分後――、
兵士達はもの言わぬ状態になり、
もう一段階縮んだマリオが砲兵陣地から出てくる。
そしてさらに奥へと走り出す。
「「「「「いくぞぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」
それを見て砲台周囲の塹壕にいたクリボー達が、ここぞとばかりに一斉に飛び出しマリオに突撃していく。
それからは酷い乱闘であった。
クリボーが踏みつけられ、体をひしゃげている間に別のクリボーが背後を狙って突進する。
マリオはそれを察知してクリボーを踏んだ衝撃で斜めに飛び、接近してきたクリボーを踏みつけ、先のクリボーと同じ結末を辿らせる。
今度は両サイドからクリボーがタックルを仕掛ける。
マリオは地面を蹴り空中へと退避する。
その時だった。
仲間のクリボーによって打ち上げられたクリボーの蹴りが、空中におり回避ができないマリオを捉えようとした
その瞬間マリオは、まるで空に吸い込まれるように短く上昇し姿を消した――。
【Mamma mia!!】
そう言い残して。
「やっ…た?」
「やっ、やりやがった…!」
「「「「「やったぞおおおおおおおおおおお」」」」」
あたり一面から歓声が沸き上がる。
周囲の兵士はお互いに抱き合い。マリオを撃退した本人は心未だここにあらずと呆然としている。
マリオを撃退した本人は心未だここにあらずと呆然としている
――マリオの撃退――それは間違いなく偉業であった。
だが、マリオの恐ろしさはここから始まる。
「緊急警報!緊急警報!………第二波接近!奴が来るぞおおおおおおお!」
要塞線は未だ突破されていない。
だが、それがいつまでも続かない事は、誰の目にも明らかであった。
…………………………………………………………………
【クッパ城・同大本営】
同大本営
「うむ、やるしかないか…」
「陛下!ご決断を。今はなんとか戦線は停滞していますが………いつどうなるかわかりません」
「守ってばかりでは勝てません!」
そうなのだ、戦争は始めるよりも終わらせるほうが難しいとはよくいったものだ。
今まではマリオを撃退=勝利という感じだったが
今まではマリオを撃退=勝利という感じだったが、今回の戦争はこちらが仕掛けられたのだ。
勝利条件が不明に近い………いや、わかっている。
ピーチ姫を早く見つけてこの愚かな戦いを終わらせる。
これが唯一の方法であった。
だが、肝心のピーチ姫が見つからない。
というよりもピーチ姫がさらわれた形跡が全くないのだ。
あらゆる角度から情報を集め、分析し、思考してもペンペン草一株も出てこない。
それどころかピーチ姫がいなくなってからのほうが議会や経済の動きが活発化している傾向さえある。
いくつもの法案が恐ろしいスピードで議会を通過し、人知れず公布され。
戦争特需で武器や鉄鋼等の会社株が暴騰。
これが仮にも国家元首が行方不明の国か?
それに、叩けば叩くほどに影に企業の姿が見え隠れしてくる。
そして、先日パックンの一人が気になる情報を入手した。
「マヨイ森に大量の物資が輸送されているだ。ーーーいったいあの国で何が起こってやがる…?」
やるしかないか………幸いにも戦線が集中しているおかげで軍に余裕はある。
このままだとじり貧なのはわかっている。
だけどなー、絶対泥沼になりそうなんだよなー。
目の前の卓上には一つの書類。
重要機密。
『キノコ王国侵攻作戦』
やられた後のピチュン【上向き上昇】からのまるで画面とは別の空間に入ったかのような退場………まさかね?