艦これで〇〇が〇〇を隠し持っていたシリーズ。   作:哀餓え男

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 短編書いた時に思いついたネタです。

 


照月「秋月姉が宝くじの当たりを隠し持っていた」

秋月「照月がぁ!照月が怖いぃ!」ガタガタ

 

照月「落ち着いて!何もしないから!」

 

秋月「照月に奪われるぅ!」ブルブル

 

照月「やめて!」

 

照月「そ、そんな事しないから!ね?だから落ち着いて?」

 

秋月「ほ、本当……?」

 

照月「うん」

 

秋月「じゃあなんで、目が『円』みたいになってるの?」

 

照月「いや、それはまぁ、興味あるし……」

 

秋月「奢らされるぅ! 照月に奢らされるぅ!」ガタガタ

 

照月「ち、違うのぉ!」

 

秋月「あの、棚ぼた的なお金だから、もしかしたら何か奢って貰えるかなぁって思っちゃう事自体はお姉ちゃん全然否定しません」ビクビク

 

照月「……うん」

 

秋月「額が額だから、ひょっとしたら分けて貰えるかも?とか考えちゃう事も、仕方のない事だと思うし……」ブルブル

 

照月「……あの、秋月姉」

 

秋月「な、何!?」ビクゥッ

 

照月「な、なんで距離とってるの?」

 

秋月「怖いもん!照月の目の色が変わってるもん!」

 

照月「やめて!」

 

秋月「力尽くで奪われるもん!」

 

照月「しないよそんなの!」

 

秋月「換金した事がない私に『秋月姉の代わりに照月が換金してきてあげる』とか言ってそのままトンズラする気でしょ!」

 

照月「信じてよ!照月はそんな事絶対しないから!」

 

秋月「なんか高額当選者からお金を巻き上げるマニアックな言葉責めとかするつもりでしょ!」

 

照月「しないよ!やめて!」

 

秋月「『このお金は全部、恵まれない子供(照月)に寄付しようね!』とか言って懐にしまう気でしょ!」

 

照月「想像しないで!変なこと想像するのやめて!」

 

秋月「照月が詐欺師みたいな言葉責めを身につけてるぅぅ……!」

 

秋月「とにかく、私を騙してお金を盗ろうとしてるんでしょ……?」

 

照月「心外です!照月が秋月姉を騙すわけないでしょ!?」

 

秋月「じゃ、じゃやっぱり無理矢理奪うの……?」

 

照月「違うよ!ていうかさっき秋月姉が言ったみたいのは『宝くじの高額当選者からお金を巻き上げる方法』では下策中の下策だから!」

 

秋月「……え?」

 

照月「……あ」

 

秋月「……あ、あれで下策なの?」

 

照月「なんでもない!さっきのなんでもない!」

 

秋月「正直さっきのでも、実際言われたら信じちゃいそうな事言ったつもりだったんだけど……」

 

照月「アレで!?チョロいにも程があるよ!?」

 

秋月「じゃあ、もっとわかりにくく騙す気なのね……?」

 

照月「やめて!」

 

秋月「照月がどんどん遠くに行く……」

 

照月「遠くに行ってるのは秋月姉だよ……物理的に距離とってるじゃない……」

 

秋月「だ、だって騙すじゃない……」

 

照月「しないよ!」

 

秋月「食事が悪かったのかしら…… 知らず知らずの内に、照月にひもじい思いをさせていたのね……」

 

照月「やめて!重い感じにしないで!」

 

秋月「月1で牛缶も食べさせたのに……」

 

照月「少ないよ!育ち盛りの私にとっては少なすぎるよそれ!」

 

秋月「で、でも牛缶って意外と高いんだよ……?安いお肉買えちゃうくらい」

 

照月「やめて!物によっては生肉の方が安いなんて知りたくない!」

 

秋月「だ、だって私から騙し取ったお金でお肉食べる気なんでしょ?」

 

照月「間違いでした!さっきの無しで!」

 

秋月「とすると当たったお金で焼き肉屋さんとかに行かざるを得ないじゃない……?」

 

照月「っていうか何でちょっと協力的なの!?さっきまで奪われる!とか言ってたよね!?」

 

秋月「さ、逆らったらもっとお金を出さされる……」

 

照月「そ、そういうことか!いや、しないから!」

 

秋月「じゃ、じゃあ面と向かって言って……」

 

照月「何を?」

 

秋月「『私は秋月姉を騙そうと思っていないし、思ったこともありません』って」

 

照月「何その宣言!?」

 

秋月「言わなきゃ信用できない!金の亡者と同じ部屋にはいられいもの!」

 

照月「金の亡者とか言わないで!」

 

秋月「と、とにかく言ってもらえれば、安心できるかもしれないから……」

 

照月「……うーん……」

 

秋月「や、やっぱり虚偽の申告はできない?」ビクビク

 

照月「虚偽じゃないから!」

 

秋月「いいの!お姉ちゃんはあなたを嘘つきにしたいわけじゃないんだから!」

 

照月「その感じやめて!」

 

秋月「あなたにその場限りの嘘をつかせるくらいなら、お姉ちゃん、こんな物破り捨てるから!」

 

照月「言うから!言うから破らないで!4等とは言え当たりなんだよ!?換金したら数万円になるんだよ!?」

 

照月「え、な、なんだっけ……『私は』……」

 

秋月「『私は秋月姉を騙そうと思っていないし』」

 

照月「そ、そうね。『私は秋月姉を』……」

 

秋月「……ど、どうかした?」ビクビク

 

照月「あ、あのー、一応、一応確認ね?」

 

秋月「な、何?」

 

照月「こ、この『騙す』の範囲って……?」

 

秋月「!!」

 

照月「い、一応だよ!!」

 

秋月「そ、それはつまり範囲によっては……」

 

照月「一応だって!意外と二人の間で食い違ってるかもしれないじゃん!」

 

秋月「範囲によってはありえるってこと?」

 

照月「いやだからその確認!」

 

秋月「そ、そうね。あなたのお金への執着はちょっとアレだものね」

 

照月「私、普段そんなにお金お金言ってないよね?」

 

照月「えーと、じゃぁちょっとずつ確認してこう?」

 

秋月「う、うん。ここでの『騙す』の範囲が広ければ広いほど、その……」

 

照月「……うん」

 

秋月「あなたがさっきの宣誓をできなくなる可能性が上がるわけね」

 

照月「いやまぁ多分ていうか絶対大丈夫だけどね!!」

 

秋月「そうよね!」

 

照月「えー、じゃあ『騙す』の基準決めスタート!」

 

秋月「まずは『文房具買いに行くからお金ちょうだい』!」

 

照月「えッ!?」

 

秋月「えッ!?」

 

照月「ストップで! 一旦ストップで!」

 

秋月「怖い怖い怖い怖い!!」

 

照月「違うって!普通にするじゃん!むしろ子供がお小遣いをゲットする常套手段じゃん!」

 

秋月「しないしないしない怖い怖い怖い」

 

秋月「私がするかどうかじゃないよ!?一般的にだよ!?一般的な基準として、文房具買いに行くからお金ちょうだいはセーフだよ!」

 

秋月「しないよぉ……」

 

照月「アレだよ?文房具って鉛筆とかだよ?『一本2万円オーバーの世界一高い鉛筆』とかそういうんじゃないよ? そのつもりで私はOKにしたんだよ?」

 

秋月「当たり前だよ……。ていうかそんな高い鉛筆、勿体なくて使えないでしょ、秋月家の家宝にするレベルだよ……」

 

秋月「あの、ていうかじゃあさ、文房具を買うお金が基準だとアウトなの? よね?あの、私なら残り5ミリまで鉛筆使うけど……」

 

照月(なんて貧乏臭い……)

 

秋月「うーん……ていうかもう、聞くね…… ど、どこラインにしたらさっきの宣言できるの?」

 

照月「……えー?」

 

秋月「て、照月が決めてくれていいよ。それを聞いて対処するから」

 

娘「……う、ん……」

 

(五分後)

 

照月「……」

 

秋月「……」ドキドキ

 

照月「……あの」

 

秋月「ひっ!?」ビクゥッ

 

照月「そ、そこまで怯えなくても!」

 

秋月「ご、ごめんね? 驚いちゃっただけだから。ごめんね?現金は今持ってないの……」

 

照月「やめて!」

 

秋月「……ていうか、これ長考した時点でやっぱり……」

 

照月「言うから!今すぐ言うから!」

 

照月「え、えーと……」

 

秋月「言ってくれていいから!ドンと!」

 

照月「えーと……」

 

秋月「もう驚かないから!」

 

照月「えー……多分、何をラインにしても、その、無理……」

 

秋月「え」

 

照月「あの、だって、何言っても騙せそうだし……」

 

秋月「うわああああああやっぱり騙すんじゃないぃぃぃぃ!!!」

 

照月「ご、ごめんねぇぇぇぇ!でもお肉食べたいんだものぉぉぉぉ!!」

 

秋月「最初ので合ってたじゃないぃぃぃ!! 最初のリアクションでむしろ正解じゃない!!!!」

 

照月「ごめんなさい!本当にごめんなさい!でも『代わりに換金してこようか?』は言おうと思ってました!」

 

秋月「そのままトンズラする気だったのねぇぇぇ!酷い酷い酷いいぃぃぃ!!」

 

照月「し、静かにしてよぉ!!力尽くでいくよ!?」

 

秋月「め、めっちゃ本性出してるぅぅぅぅ!!!」

 

秋月「人生は?」

 

照月「金が全て」

 

秋月「秋月と書いて?」

 

照月「カモ」

 

秋月「お肉は?」

 

照月「せめて週2で」

 

秋月「お金で幸せは買えないよ?」

 

照月「それは貧乏人の負け惜しみ」ハイライトオフ

 

秋月「怖いよぉぉぉ!照月が怖いよぉぉぉ!」

 

秋月「う、うるさい!知らない番号で秋月姉に電話かけるよ!」

 

秋月「なにそれ!?」

 

照月「だから出てね!」

 

秋月「絶対出ないよ!?」

 

照月「いつも他の子達に奢られてばかりだから、たまには私がアイスとか奢ってあげたい!」

 

秋月「何急に!?」

 

照月「ご、ごめん、もう我慢しなくていいと思ったら願望出ちゃった」

 

秋月「怖い!そんな裕福な人がするような事したかったとか怖い!」

 

照月「いつも食堂の残り物で夜食を作ってくれる間宮さんに焼き肉とか奢りたい!」

 

秋月「焼き肉は高い!」

 

照月「こういう時、間宮さんは遠慮して逆に奢ってくれる!」

 

秋月「逆に奢らせるの!?むしろそっちが目的だよね!?」

 

照月「うわあああ願望出るぅぅぅ!!」

 

秋月「落ち着いて!お小遣いあげるからもうやめて!」

 

照月「たまにはお腹一杯ご飯食べたい!」

 

照月「最近ブラがキツくなってきたから買い替えたい!」

 

照月「わかったら金を出せ!今すぐ!」

 

秋月「最後のはただの恐喝じゃない!」

 

照月「そういうことだから!電話の前にいてね!」

 

秋月「え、なんで?もしかして知らない番号でかけるき!?」

 

照月「……じゃ、じゃぁ私出かけて来るから!電話の前に絶対いてね!」

 

秋月「ちょっと待って!?騙されないよ!? 手の内聞かされた後で騙される訳ないでしょ!?」

 

照月「いってきます!」ダッ

 

黒電話(じりりりりりん……!じりりりりん……!)

 

秋月「ええー……本当にかかってきた……。って言うか、よく考えたらかかってきた番号わからないじゃない……」

秋月「本当にヤダ本当に怖い……。照月よね?かけてきてるの照月だよね?」

秋月「はい……秋月です……(あれ?照月じゃない……)え!?照月が人身事故を起こした!?え?『被害者は重傷なのです』!?」

秋月「はい……はい…え?『宝くじの当選金で示談にしてやってもいいのです』?わかりました、すぐに振り込みます!」

秋月「急がなきゃ、あの子が自転車で深雪ちゃんを轢いちゃうなんて……。誰かに相談した方がいいかな……。してる暇ないか。早く『キリシマ興行』ってとこに振り込まなきゃ」

 

~~~~~

 

黒潮「龍驤さ~ん、お好み焼きパーティの時間やでぇ♪」

 

黒潮「え……そんな……」

 

 

 

 




 
 最初は扶桑型姉妹でやるつもりだったんですが……。
 やっぱり扶桑型姉妹でやった方がよかったかな……。う~ん悩ましい。

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