ある日、シルフィにこんなことを聞かれた。
「ルディ、ナナホシさんと同郷っていってたけど、ブエナ村にそんな人いなかったよね?それにボクが知らない言葉で喋ってたし。ルディのほんとの生まれたところってどこなの?」
俺は、転生者だということをシルフィ達に話すかどうか迷った。話してみんなが出ていってしまうかもしれないけれど、隠し事はあまりしたくない。うーむ。やっぱり話そう。
「シルフィ、ロキシーとエリスとリーリャと母様とアイシャを呼んできてくれない?」
「うん。わかった。」
少しすると、みんなが集まった。
「今からする話は、とても大事な話だ。ノルンと子供たちにはあとで教えていいけど、それ以外の人には教えちゃダメだ。」
「うん。」←シルフィ
「分かりました。」←ロキシー
「了解したわ。」←エリス
「かしこまりました。旦那様。」←リーリャ
「兄さんわかったよ。」←アイシャ
「………」←ゼニス
「実は俺はここと違う世界で30歳位まで生きていた記憶がある。いわゆる転生者ってヤツだ。俺はその世界で死んで、気がついたらここにいた。ナナホシは俺が死ぬ直前、助けた人で、そのあとここに来たらしい。だから小さい頃色々知ってたんだ。」
「兄さん、ということは私と兄さんは兄妹じゃないの?」
「そうじゃなくて、あくまで俺の前世が違う世界に住んでいただけで、俺はその人の生まれ変わりなんだ。簡単に言うと、俺は30歳位まで生きた記憶があるってこと。」
「そうゆうことか。何でだろって思ってたけどルディのお陰でわかったよ。ありがと。」
「別に、そうゆうことは気にしないから大丈夫ですよ。」
「もー。心配したじゃない!深刻そうな顔して。あんまり大したことなかったじゃない。」
「兄さんは兄さんで変わんないから。」
「旦那様そんなに気にすることではございませんよ。」
「………」
ゼニスはにっこり笑っていた。
ともあれこれでもう隠し事もなくなったし、よかった。
◆◇◆◇◆◇
数日後、ノルンが帰ってきたあと、この事を話した。ノルンは
「別に気にするようなことじゃないよ。」
と、いってくれた。そのあとの家族団らんの時は俺の前世の日本の事の話題で持ちきりだった。車や機械の事を話すと
「すごい!」
「どんななんだろう?」
「フィギュアを作る感じで作ってみようか?」
「そんなこともできるんだ!」
そのあと俺は、車やらパソコンやらスマホを土魔法で作ってみた。今度、事情を伝えずに、ザノバとジュリに売ってもらえるようにしようか。そしたらノルンに俺の前世のことを物語にしてもらってセットで売れば…。
そんな感じで特になにも起こらず、俺達の絆は深まった。
後日談的なやつ
ノルン「物語かぁ…兄さんできなかったらごめんなさいだけど頑張ってみるね。」
ザノバ「し、師匠この人形のようなものは何ですか?」
ジュリ「ぐらんどますた、私もつくる、です。」