Diavolo Bianco   作:artisan

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最終話です。


Episode.Specialー3 絆

「.....なぁ」

クエストを一緒に回ると決めた、その翌日。

アートはアルスと共に、40層にあるフィールドで佇んでいた。

「.....何だよ」

...そう、佇んでいたのだが.....

 

「...ホントに、此処で合ってるのか?」

アートが率直な疑問をぶつける。

まぁ、無理もないだろう。

何故なら、目の前に()()()()()が施された扉があるから。

フィールドでそんな扉があるとすれば、その先がどんなものなのかは容易に想像がつく。

つまるところ━━

 

「「ボス戦かよぉ.....」」

━━まさかのボス戦であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うし.....準備出来たか?」

「勿論」

装備を確認し、改めて準備する二人。

まぁ、言わずもがな、最強装備に変えたのだ。

アートは愛用の刀━━五月雨(さみだれ)へ。

アルスも自身が持つ至高の剣━━ホワイトライダーへと持ち替える。

「.....へぇ。良い剣だな」

「そっちもな」

お互いに何ともない話を一言交わし、次の瞬間には真剣な表情へと変える。

アルスが扉に手をかけ、そのまま開く。

中へ入ると、其処は古代遺跡のような場所が。もう少し詳しく言うなら、闘技場と言ったところか。

「.....来る」

アートが何かを感じ取り、呟く。

その瞬間━━

 

 

「■■■■━━!」

「来たぞッ!」

上から、奴が降臨する。

背中に生えた右翼は天使のようで、しかし左翼は悪魔のようで。

その名は【The destroyer】。簡単な英語であり、この場では最凶の存在へと至っている。

HPバーはたったの3本。つまり、それだけ強い。

その事象に臆することもなく、彼等は剣を再度握りなおした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でやぁぁぁ!」

.....何時間たっただろうか。

再度、アルスが仕掛けに行く。

黄色の閃光(ヴォーパル・ストライク)は牙をむくように、奴の足へと襲い掛かる。

「■■■!」

「チッ.....!」

しかし、それは当たり前のように阻まれる。

そのまま奴は吹き飛ばし、壁へ激突させた。

「フッ━━!」

「!!」

その後ろから、アートが飛ぶ。

六つの芒星は刺突となり、奴の足へ突き刺さる。

「■■■!!」

「ガァッ!?」

だが、それは怯ませるには至らなかった。

足を振り抜いて空中に浮かせ、手に持っている大剣で彼を斬り裂いた。

 

「クソ.....あと一本が削れねぇ.....!」

アルスが悔し気に吐き捨てる。

二本は既に削れている。しかし、残り一本となったところでパターンが大きく変化したのだ。

「.....」

そんな彼を横目に、アートは何かを考える。

無論、奴への対抗策だ。だが見つからない。

交互にぶつけてはダメ。攻撃した後の隙をつく作戦はも通用しない。

.....ん?()()()

「.....アルス。ちょっと良いか?」

「へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「■■■■━━!!」

天使(悪魔)が吠える。

見方によっては、敵を探しているように見える。あくまで個人の見解だが。

 

「おい」

「!!」

後ろから獲物の声がする。

振り向くと、其処には探していた二人が。

「さて....今までやられた分、きっちり返させてもらう、ぜ!」

その言葉と共に、二人が駆ける。

速さは神速の如く。誰にも見えやしないだろう。

「■■!」

奴が横へ大剣を薙ぐ。

しかしそれは届くことなく、更に彼等はソードスキルを当てた。

一の型 刹那(ホリゾンタル)は青と黄のクロスを描きながらダメージを与える。

.....そう、これこそが作戦。『二人で同時に仕掛ける』というものだ。

一人ずつやるから手こずる。なら、二人でやれば大丈夫、という何ともメチャクチャだが、思いの外有効だ。

「ハァッ!」

「シッ!!」

更に連続技を放つ。

それは奴の身体を赤く染め上げていき、そして遂に━━

 

「これで.....」

「止めだァァァァ!」

同時にラストアタックを決める。

彼等が地に降り立った瞬間、奴は青いポリゴン体へと変わった。

 

 

「終わった.....」

「疲れたぁ.....」

奴が消滅したことを確認すると、へたりと座り込む。

そんな中、戦利品を確認していたアルスが何かを見つけた。

「.....ん?【エンジェルライダー】?」

「んあ?何だそれ」

恐らく、アルスのLAボーナスだろう。

何はともあれ、大きな力になる事は目に見えている。

「おぉ.....結構強ぇ.....」

「良かったじゃん」

何と、ホワイトライダーよりも性能が少し上だったらしい。流石は天使悪魔。

 

「ん.....?え゛.....マジか....」

「?」

様子を見るに、メールが届いたのか。

それを確認していく内に、彼は顔と声を苦しいものに変えていった。

「.....すまん。終わって早々なんだが、急に用が出来た。だから.....」

「...大変だな、お前も。.....じゃあ、此処でお別れだな」

そう、此処でお別れ。俺は中層プレイヤーでコイツは攻略組。もう会う事も無いだろう。

 

「楽しかったぜ。色々とな」

「ああ。

 

じゃあ、またな!」

そう言って彼は、結晶を使って転移した。

今回、彼だけが良い経験をしたと思ったが.....どうやらそうでもないらしい。

お陰で、もう一度自分を見つめなおす良い機会になった。

ああ.....

 

 

 

 

 

本当に楽しかったな。




一応言っておきますが、mogami様の公認設定であります。
因みにエンジェルライダーの画像はこれで。


【挿絵表示】


手書きですいません.....



で、コラボストーリーはこれで終了となります。
コラボしてくださったmogami様。本当にありがとうございました!

そして読者の皆様、これで『Diavolo Bianco』は完結です。
長い間、ありがとうございました。また何処かでお会いしましょう!

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