Diavolo Bianco   作:artisan

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Episode.49 思いを希望に

「.....ッ!」

先手を切ったのはガブリエルだった。

息を出さずに、しかし驚異のスピードで横薙ぎ。

「ハッ!」

ま、それは躱されるのは皆も承知だが。

お得意の反射(リフレクティング)で軌道をずらし、ソードスキルを()()()()

「ッ!?.....フッ!」

一瞬、顔が驚きに染まる。が、すぐに戻り連撃を打ち返す。

そして、両者とも反動で後ろに下がった。

「...ソードスキルを使わないとは。流石、【白鬼】だな。」

「何で知ってるんだよ.....

...アンタに使ったらその時点で滅多斬りにされそうだからな。()()()()()で相手してやるよ。」

「それは楽しみ、だなッ!」

ますます狂気を深め、またもや先手を切るガブリエル。

目が黒くなり(心意を使い)、周りに黒弾を召喚。

そのままアートに解き放つ。...解き放たれた数━━約、23弾。

「!.....ラ、ァァァァァァ!!」

対するアートも目を銀色に染めて、能力を自分に付与する。

効果は“高速”。通常の3倍まで上がり、全て叩き斬った。

エネルギーの爆発によち、煙が上がる。

 

 

 

「馬鹿め。」

「!」

其処を見逃す筈が無い。

ガブリエルは一気に詰め寄り、剣を振るった。

アートはそれに追いつけず.....

「グァッ!?」

ズブリ、と腹に突き立てられた。

そこから血が滴り落ちていく。

「.....フッ。」

しかし、それで終わらず。

ガブリエルは力を込め、その心意を剣に宿す。

その、次の瞬間。

 

「ガァァァァァァ!!?」

勢いよく剣から放たれた光線が、彼の腹を貫通した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.....!」

一方で、キリトは。

奴を倒す為の準備をしていた。

それ即ち、夜空の剣の【記憶解放術】だ。

人々の祈りや思いを集め、それを以って倒すというモノ。

しかし.....

「ガァァァァァァ!?」

「アートさんッ!?」

遂に彼が倒れてしまった。

その最悪の光景にランは軽く悲鳴を上げ、猛スピードで駆けつけた。

「(畜生.....もう力は溜まってるのに.....!)」

ならば何故仕掛けないのか。

至極単純な事。奴に勝てる()()が無いからだ。

今の彼の装備は“夜空の剣”ただ1振り。

それだけでは勝てない事ぐらい、重々承知している。

せめて、二刀流が出来れば。そう、不覚にも思ってしまった。

 

 

 

「キリト!」

すると、先程まで戦っていたユージオが近付いて来る。

その姿は何処も彼処もボロボロで、血が滲んでいた。

「.....勝てる算段が、思い付かないんだね?」

「ッ.....」

やはり、2年も共に歩んでいた相棒には分かってしまうようだ。

その事にキリトは俯いてしまった。

 

「.....はい。」

すると、ユージオは突然“青薔薇の剣”を差し出した。

いきなりの事に、キリトはぽかーんと呆けている。

「...?何やって━━」

「僕の剣を貸してあげる。やっぱり二刀流が良いんだろ?」

「!.....ありがとう、ユージオ。」

無駄な言葉はいらない。

ただ目を交差するだけで、言いたい事はハッキリと伝わった。

ならば、彼が成さなければいけない事はただ1つ。

「...行ってくる.....ッ!」

さぁ、そろそろ名場面が来るぞ。

勇者が魔王を倒すという、テンプレにして王道的な場面が。




次で最終回アル。今週中にはあげようかな。


そして!遂に!




コラボストーリー考案中!
お楽しみに!!(ヒント:『無型』)

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