「.....ッ!」
先手を切ったのはガブリエルだった。
息を出さずに、しかし驚異のスピードで横薙ぎ。
「ハッ!」
ま、それは躱されるのは皆も承知だが。
お得意の
「ッ!?.....フッ!」
一瞬、顔が驚きに染まる。が、すぐに戻り連撃を打ち返す。
そして、両者とも反動で後ろに下がった。
「...ソードスキルを使わないとは。流石、【白鬼】だな。」
「何で知ってるんだよ.....
...アンタに使ったらその時点で滅多斬りにされそうだからな。
「それは楽しみ、だなッ!」
ますます狂気を深め、またもや先手を切るガブリエル。
そのままアートに解き放つ。...解き放たれた数━━約、23弾。
「!.....ラ、ァァァァァァ!!」
対するアートも目を銀色に染めて、能力を自分に付与する。
効果は“高速”。通常の3倍まで上がり、全て叩き斬った。
エネルギーの爆発によち、煙が上がる。
「馬鹿め。」
「!」
其処を見逃す筈が無い。
ガブリエルは一気に詰め寄り、剣を振るった。
アートはそれに追いつけず.....
「グァッ!?」
ズブリ、と腹に突き立てられた。
そこから血が滴り落ちていく。
「.....フッ。」
しかし、それで終わらず。
ガブリエルは力を込め、その心意を剣に宿す。
その、次の瞬間。
「ガァァァァァァ!!?」
勢いよく剣から放たれた光線が、彼の腹を貫通した。
「.....!」
一方で、キリトは。
奴を倒す為の準備をしていた。
それ即ち、夜空の剣の【記憶解放術】だ。
人々の祈りや思いを集め、それを以って倒すというモノ。
しかし.....
「ガァァァァァァ!?」
「アートさんッ!?」
遂に彼が倒れてしまった。
その最悪の光景にランは軽く悲鳴を上げ、猛スピードで駆けつけた。
「(畜生.....もう力は溜まってるのに.....!)」
ならば何故仕掛けないのか。
至極単純な事。奴に勝てる
今の彼の装備は“夜空の剣”ただ1振り。
それだけでは勝てない事ぐらい、重々承知している。
せめて、二刀流が出来れば。そう、不覚にも思ってしまった。
「キリト!」
すると、先程まで戦っていたユージオが近付いて来る。
その姿は何処も彼処もボロボロで、血が滲んでいた。
「.....勝てる算段が、思い付かないんだね?」
「ッ.....」
やはり、2年も共に歩んでいた相棒には分かってしまうようだ。
その事にキリトは俯いてしまった。
「.....はい。」
すると、ユージオは突然“青薔薇の剣”を差し出した。
いきなりの事に、キリトはぽかーんと呆けている。
「...?何やって━━」
「僕の剣を貸してあげる。やっぱり二刀流が良いんだろ?」
「!.....ありがとう、ユージオ。」
無駄な言葉はいらない。
ただ目を交差するだけで、言いたい事はハッキリと伝わった。
ならば、彼が成さなければいけない事はただ1つ。
「...行ってくる.....ッ!」
さぁ、そろそろ名場面が来るぞ。
勇者が魔王を倒すという、テンプレにして王道的な場面が。
次で最終回アル。今週中にはあげようかな。
そして!遂に!
コラボストーリー考案中!
お楽しみに!!(ヒント:『無型』)