Diavolo Bianco   作:artisan

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Episode.39 心

「ふー.....極楽、極楽。」

カポーン、という言葉が似あう大きな風呂場。

そこで、俺ことけn.....間違えた、響也が居ましたとさ。

「.....なんだかんだ言って、結構慣れてきたなぁ.....」

ここでの生活を改めて振り返る。

.....藍子達と離れる、というのはまあまあな辛さがあったが、今は(大体)吹っ切れた。

ゆくゆくは【Project:Alicization】を完成させ、彼女達の元へ━━

「.....あれ。何考えてんだ、俺。」

そこで気が付く。無意識の内に『帰りたい』と思っている事を。

もう帰らないと決めていたのに。ぐちゃぐちゃになった思考を考えないように、俺はブクブクと泡を立てた。

 

 

 

 

 

「あぁ.....肩が痛い.....」

「それ、年寄りの言葉っスよ。」

一方、メインルームでは。

菊岡がコリコリと首を回していた。

「いやー.....結構彼に頼ってたんだね。久々に疲れたかも。」

「僕等としては、ショウ君と同じくらいやってたと思ってたんですけどね.....」

そこで重村教授がお茶を持って来てくれたので、それを貰う。

ズズズ、と温かいお茶を飲みほした。

「.....今思えば、私達は彼の事をよく知らないな。」

「確かに。ナーヴギアを作ったとしか.....」

「.....まぁ、彼が秘密にしてるからね。

そもそも彼の性格上、自分の事を話したがらないし。」

まだまだ信用度が足りてないね、と菊岡は苦笑いを浮かべた。

実際、そうだった。彼等から自分の話を聞こうとすると、『いや、そんな大層な話でもないから。』という風に何故か自分の体験談を話そうとしないのだ。

「.....まぁ、いいんじゃないスか?無理に聞く話じゃないですし。」

「それもそうだな。「うーっす。今上がりましたー。」.....ふむ。噂をすれば、だな。」

「?.....何の話してたんですか?」

「いや、ちょっとした世間話さ。さぁ、休んだ事だし再開しようか。」

「あ、その件なんですけど.....ちょっと良いですか?」

「ん?何か発見したのかね?」

「最近、UW内でALICEの素質を持つ者が現れたんですよ。

それで、念の為にその人のバックアップを取ろうかと.....」

「ふむ.....やっておこうか。では、その名前を教えてくれ。」

「えーと.....確か、【ユージオ】だったと.....」

 

.....ねぇ比嘉君。僕には仲の良い親子にしか見えないんだけど。

奇遇っスね。僕もそう思います。

だよねぇ.....

「何コソコソ話してるんだ?」

「「ウワァァァ!!?」」

「.....え、何でそんなに驚いたし。」

「な、何でもないよ!!ねぇ比嘉君!?」

「そ、そうっスよ!気にしないで良いっス!!」

「?.....そうか。」

.....変な所で鋭いショウ。

何とも言えない所で、また彼の新しい一面を見つけた菊岡御一行だった。

 


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